行程・コース
天候
曇りのち晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
武州日野駅駐車場(310円/日)
この登山記録の行程
武州日野駅0427……0433浅間神社0436……0449(日本一の)さざれ石(虚空蔵岩)0453……0456弟富士山(おとふじやま)0456……0512送電用鉄塔(新秩父線74号)0512……0519矢通反(やとおそり)隧道0520……0527如意輪観音堂0528……0535水車小屋0536……0615熊倉山城山コース登山口0615……0707熟睡1(小幡尾根1171m付近)0727……0808熟睡2(1238P付近)0839……0911熊倉山0930……1010笹平水場1013……1037巨石洞窟1041……1107林道三又線終点1108……1211武州日野駅
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
秩父鉄道の武州日野駅から弟富士山経由で熊倉山に登って来ました。
夜明けを待ってまずは弟富士山へ。
日本中にご当地富士は数多くありますが、身内を名乗る富士山は珍しいのではないでしょうか。
麓の浅間神社の由来によれば、弟の冠称は富士山直々に頂いたとか。
平将門の参拝伝説もあり、実は今回の企画ではメインディッシュのひとつでもありました。
道中「n合目」の標柱も信仰のお山であることを思わせ、麓からの標高差は100mに満ちないお山ではありますが、十分楽しめました。
続いて熊倉山に向かいます。
水車小屋などを眺めながら暫く林道を歩いた後、往路は城山コースを歩いてみました。
ところがこの城山コース、思った以上にストイックでした。
特に眺望もなく、ひたすら九十九折で直登していきます。
それはそれで決して嫌いではありませんが、地味に斜度がきつかったです。
登山道入り口から距離2kmちょっとで800m強登ります。
一概に比較はできませんが、この斜度は甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根、駒ヶ岳神社から登り始めから2kmまでや、谷川岳の西黒尾根の登り始めから2kmまでの標高差を超えます。
(もっとも自分の中で指折りの厳しさだった日光白根山、湯元から外山分岐までの「距離900mで標高差500m」には及びませんが)
ともあれ国内で名高い急登に肩を並べる山であることには間違いありません。
聞いてないよ!
調べておけよ……。
今回の山行はまだまだド素人だった3年ほど前の企画の焼き直しだったのですが、当時これを「行けるっしょ!」と簡単に考えた自分を殴ってやりたくなりましたね。
因みにみんなのアイドル、丹沢の大倉尾根は距離2kmですと、どこを切り取っても標高差400mくらいです。
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(追記)
画像の最後に、もう少し丁寧に計算した表を追加しました。
とりあえず、数字上は本仁田山の大休場尾根が強かったです。
ただ荷重や山行全体の行程にもよりますから、
ほんとただの参考値です。
自分が一番死にそうになったのは甲斐駒黒戸尾根、
次いで大門沢大下りですね……。
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(訂正)
塔ノ岳は、山頂-堀山の家で標高差500mはありましたね。
ごめんね塔ノ岳。
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さてそんなこんなでトコトコ登っていった訳ですが、残念なことに今度は睡魔が襲い始めました。
歩いて息が切れているというのに、脳は「休みたい」を通り越して「眠い」。
確かに前夜は仮眠程度で、ひたすら車を走らせてました。
ともあれお山でこれは経験上からも、あまり良くない状況です。
強烈な下痢を食らっても小骨を一本折ろうとも無事に自力下山を果たしてきた自分ではありますが、この睡魔だけは最大限の警戒をしなくてはなりません。
やや緩やかになった辺りで休憩を入れたのですが、案の定気付いたら10分ほど熟睡していました。
ありゃ。
こりゃもう長丁場は無理です。
と言う訳で、本当は今回、熊倉山を越えて酉谷山まで行く予定だったのですが、泣く子と睡魔には勝てません。
熊倉山までで下山することにしました。
無理して行っても仕方ありませんし、また行く機会もあるでしょう。
そうなると大幅に時間の余裕も生まれましたので、30分ほど登ったらまた休憩。
そこで今度は堂々と、再び気持ちよく熟睡。
いや無茶苦茶気持ち良かったです。
誰も来ませんし、湿度がちょっと高かったですが、曇りの分日差しもなく、
鳥の声と虫の羽音を子守唄に20分ほど眠りました。
ところがこれで中途半端に元気が復活してしまいます。
あれ? 身体が軽くなったし、
これはもう、酉谷山行けるんじゃね?
熊倉山から酉谷山までは往復で6km強。
3時間もあれば行って帰って来れるでしょう。
この時点で時刻は9時。
単純なピストンにすれば遅くとも17時には下山できそうです。
ですが今度は別の問題が発生。
水切れの恐れです。
すっかり下山する気でいたので、持ってきた水をぐびぐび消費してしまったのです。
さすがに下山用に半分は残していましたが、午後には晴れになる予報。
尾根でどれ位暑くなるかです。
悩むこと2秒。
結局当初の計画変更通り(変な日本語だ)、下山することにしました。
復路は日野コースを歩きました。
こちらも初めてですので特に期待はしていませんでしたが、正直城山コースより奇岩が多く、沢筋に近づいてからの巨大なチョックストーンは洞窟の様な奥から沢の水が流れていて、迫力満点でした。
どちらか歩くというなら、日野コースをお勧めします。
その手前には水場もありましたので、水分補給もできます。
自分もおみやげに1リットルほど汲んできました。
ちなみにこの水場で
「ここで水が補充できたということは、やっぱり酉谷山行けんじゃね?」
などと余計な考えが浮かんだのも事実です。
ですがマイルールでは、予定変更カードは1枚限りにしています。
全部含めてお山歩きですしね。
昼過ぎに下山。すっかり晴れました。
同時に気温もかなり上がってきました。
計画の半分で降りてきましたが、そこまでですら楽しかったです!
フォトギャラリー:111枚
夜明け直前の秩父鉄道 武州日野駅です。
午前4時、仮眠を取ろうか迷いましたが、明るくなるならとそのまま出発しました。
武州日野駅です。
駐車料金は下山後ですね。
登って分かるこの標高差。
登山届はコンパスで出してます。
登山届も下山届も、途中で変更するのもネットだと楽です。
ほんの20分ですっかり朝になりました。
では駅の脇の小道を通って、まずは浅間神社を目指します。
止まれ見よの4種踏切かとおもったのですが、
「あぶない!注意してください!」
と機械お姉さんの声。
センサー付きとは技術がハイブリッドすぎます。
尚も線路脇の道を進みます。
線路と生活は一心同体。
バリアフリーです。
浅間神社に着きました。
立派な本殿です。
歩かせてもらいますので、ご挨拶をしていきます。
では行きましょうか。
ところが思ったより登山でした。
四合目の標柱です。
きちんと揃ってました。
日本一のさざれ石?
何それ気になる!
すみません、さざれ石がこちらだと聞いてきたのですが……。
おお!
確かにさざれ石です!
高さ5mはあるんじゃないでしょうか。
脇にはお部屋が。
虚空菩薩が鎮座しているみたいです。
で。
ちょっと失礼してよじ登らせて頂きました。
旧荒川村の夜明けです。
ほどなくして弟富士山にも登頂。
山頂のお社は浅間神社の奥宮ですね。
5:00におひさまー!
ですが再び姿を隠してしまい、午前中はほぼ曇りでした。
400mに満たないお山とは思えない堂々とした尾根筋です。
他方、山頂付近に竹が生い茂るお山というのも珍しいかも知れません。
鉄塔だー!
鉄塔に名札は見つかりませんでしたが、新秩父線74号鉄塔です。
新多摩変電所から新秩父開閉所までの、500kV線です。
お約束のアングル。
反対側に降りました。
イノシシ・シカ・サルですよね?
「不当な扱いだー」
付近の鳥たちが不満そうです。
通行止?
トンネル?
これが矢通反(やとおそり)隧道ですね。
落盤の恐れあり、で通行止とのことです。
いい素掘りですね。
(玄倉林道じゃ日常茶飯事だぜ!)
ただここまでナナメのトンネルはさすがにありませんね。
舗装道路に降りて、熊倉山登山口を目指します。
先の74号鉄塔です。
写真うつりがどこか太陽の塔だ。
如意輪観音堂です。
安産・子育て祈願の観音様ですね。
埼玉県のクマ注意は、どこかイノシシが混ざっている気がします。
水車小屋です。
水は流れていましたが、水車はお休み中でした。
お社は多かったです。
いや、あの、その……
そんな矢継早に圧迫せんでもええやん!
でも3番目と4番目は怪しかったです。すみません。
崩れるかも!
撃たれるかも!
さあ城山コースの登山口に着きました。
因みにここは標高600m、駅から4.5kmになります。
色々寄り道もしましたので2時間近くかかりました。
最初は「こんなもんかな」と登って行きましたが、
九十九折が始まりましたよ……。
標識は多かったです。
距離や標高こそ書かれていませんが、よく見るとNoが降られています。頂上が1番だと思いますので、このマイルストーンをあと12本追って行くことになりますね。
ですが40分も登って強烈に眠くなりました。
逆らわず寝ます。
普段ならアドレナリンが頑張りまくって眠くなることなどないのですが、よっぽど身体が休みたがっているのかも知れません。
10分ほど熟睡して、今日何度目かの朝ごはんです。
やせ尾根ステキ!
でも地味にキツくないですかこのお山?
ポール置いて来て良かったです。
登りはまだしも、降りには使えない斜度です。
なんか巨大な淡水魚を後から見た様な岩です。
樹々の向こうに見えるピークは1238P。
まだ熊倉山は見えません。
ブレちゃってますが、ほんと登りっぱなしです。
本文でも触れましたが、単純な「登り始めから2kmまでの標高差」ですと、黒戸尾根や西黒尾根に匹敵あるいは凌駕する計算になります。
ダメだ。眠いです。
と言う訳で1238Pで再び休憩。
ここで20分ほど熟睡しました。
実はここから下山することも検討したのですが、体調が大分復活したこともあり、熊倉山までは登ることにしました。
頑丈な秩父山地の核を彷彿させる岩が現れ始めました。
る
おそらく城山コースと日野コースの旧分岐だと思われます。
「こっち来ちゃダメ」
いえそれ以前に道が全く見えないんですが。
オンラインの地理院地図は最新の線になっていますが、紙媒体の地理院地図(平成27年(2015年)11月の三峰)では旧道のままです。
青線が現在のオンライン地理院地図の登山道、赤は持って行った紙版・平成27年(6年前)の地理院地図の登山道です。
紙版の最終現地調査が何時かは分かりませんが、全然違いますよね。
因みに黄色は共有部分です。
と言いますか、私紙版で歩いていたので勇気いりましたよ……。
山頂近くの現在の分岐標識です。
「秩父市」が上から貼られていますから、荒川村が合併した2005年以前に立てられたものでしょうね。
あれ?でも地理院地図の道は?
あれ???
胸突き八丁。
眠たがっているのはノーミソだけ!
フトモモやふくらはぎはまだまだ余裕だぜ!
(その分裂時点でおかしい……)
熊倉山、着いたー!
低山の部類ですので余り眺望はありませんが、広くて良い山頂でした。
広くて平らな分、下山時に間違って酉谷山方面に向かってしまう遭難事故が多かったと聞きます。
それ故の「下山はこっち!」標識なんでしょうね。
因みに1方向が切り取られていましたが、
こちらですね。
熊倉山近辺は先の地理院地図のルート変更といい、思った以上に崩落の多い地帯なのかも知れません。
下は有名なデス山頂標識です。
三等三角点「蝉」です。
蝉!? 多分地名です。
ともあれ熊太郎、熊倉山を踏む!
前回も「熊倉山」だったね。
そちらは飛龍山の手前峰でした。
山頂から少し奥にお社がありました。
周りにケルンも多かったです。
道迷いが発生するほど、地形図上は難しい尾根には思えないのですが、「下山しているはず」「駅に向かっているはず」だと確かに混乱して遭難しかねませんね。
山頂付近からの眺望ですが、城山コースではここ以外、ホント眺望がありませんでした。
それも遭難を増やしてしまう理由でしょうね。
山頂標識の裏に何やら案内図が描かれた絵馬を発見。
色々調べましたよ。ほのかちゃんと言うのですね。
さておきこの絵馬、グッズとしては限定版らしいのですが、置いていってくれた方は豪気ですね。
多少後ろ髪も引かれますが、水切れも怖いので下山開始します。
分岐まで戻り、日野コースに進みます。
なんか良い岩が!
逆層とまではいきませんが、ややハング気味です。
マットが欲しいですね。
反対側から見るとみごとなくびれ。
ただくびれは谷側ですので、挑んで落ちたら谷底までまっしぐらです。
日野コースは途中緩やかな箇所がありました。
ですが間違うと危険な箇所も。
警告が飛ばされていましたので、無理矢理結び付けてきました。
こちらですね。
行きたくないのに沢筋に降りてしまい、色々詰むパターンです。
標柱の下段にこっそり「水場」とあります。
少し降りると、水だー!!!
ごくごく飲んで、補充!補充!
ちらっと山頂方面を見上げましたが、一度決めたことです。
下山継続です。
なんか一本だけ黄色テープ。
上下逆ですが、何?何??
落石が多い箇所の様です。
寝た子を起こさない様に、速やかに通り抜けます。
ロープ登場。
登り降りのためのロープは、コース中これ一本だったと思います。
さあ一番のごほうびだったチョックストーンです。
前の写真では小さく見えたかも知れませんが、大の大人が立ったまま入れます。
奥から岩肌を沢の水が流れています。
中は広く、高さは優に3m以上はありました。
コウモリなどはいませんでした。
再び全景です。
左隣の岩は15mから20mあるのではないでしょうか。
とにかく大迫力でした。
登りたい!
場所はこの辺りです。
何か廃材が散乱している場所に出ました。
どうやらここが「官舎跡」らしいです。営林署でしょうかね?
再び警告とロープが登場。
これも谷筋に降ろされて身動き取れなくなるパターンですね。
沢筋まで降りました。
あとは林道まで沢沿いを歩いていきます。
テープが多いので、初見の降りでも大丈夫でした。
そんなこんなで林道三又線まで戻ってきました。
ここも日野コース入口だと思うのですが、日野コースの登山口は3か所くらいないですか?
何と言う情報が最後に!
ですけどね、城山コースを歩いている時も、2,3回明らかに偵察(か狩りの途中?)の羽音を聞きましたよ。
林道脇にも良い岩が!
ですがフェースは枯れたコケに覆われておりフリクションが利かないため、登るには適しませんね。
おおっと年代モノのハシゴが登場!
斜面に掛けられていましたが、どこに連れていかれるんだろう……。
そんなこんなで下山です。
件の鉄塔さんがお出迎え。
すっかり晴れました。
同時にかなり暑くなっていました。
例の素掘りのトンネルが通れれば早いのですが、隣接している正規ルートを進みます。
20mくらいの高低差を越えて行きます。
武州日野駅まで戻って山行終了です。
駐車料金も払いましょう。
お疲れ様でしたー!
楽しかったー!
帰り、「道の駅あらかわ」に寄ったのですが、何か皆さん、すぐ脇の踏切に集合していました。
これかー!
汽車ポッポだー!
客車を何両か引き連れ、物凄くゆっくり走ってきました。
お約束のひと巻きはこれ。
モンブランソフトなのですが、予想のやや斜めで来ました。
ですがマロンペーストは程よい甘さでおいしかったです。
帰りの踏切標識。
汽車デザインは1986年には製造終了していますのでそれ以前のものとなりますが、2021年の現在でもあながち間違ってはおりませんね。
「くま!」
「おつかれさま!」
お土産はお山のお水と秩父市イメージキャラクター「ポテくまくん」せんべいです。
お茶でもいれよう。
(追記)
もう少し丁寧に計算した標高差表です。
あくまで自分が歩いたことのあるコースから、ほぼ直登で厳しかった部分だけを切り取ってみました。
それにしても、調べれば調べるほど、騒いだ割に今回の熊倉山のランクが下がっていきます。
自分が衰えただけかー!
装備・携行品
| シャツ | アンダーウェア | ダウン・化繊綿ウェア | ロングパンツ | 靴下 | レインウェア |
| 登山靴 | バックパック | スタッフバック | スパッツ・ゲイター | 水筒・テルモス | ヘッドランプ |
| タオル | 帽子 | グローブ | 着替え | 地図 | コンパス |
| ノート・筆記用具 | 腕時計 | カメラ | 登山計画書(控え) | ナイフ | 修理用具 |
| ツエルト | 健康保険証 | ホイッスル | 医療品 | 虫除け | 熊鈴・ベアスプレー |
| ロールペーパー | 非常食 | 行動食 | テーピングテープ | 軽アイゼン | 燃料 |
| ライター | カップ | クッカー | |||
| 【その他】 ロープ(8mm×30m)、ハーネス、、カラビナ、スリング、細引き、クイックドロー、ATCガイド、タイブロック、スカイフック、プルージックコード、モバイルバッテリー、予備ヘッドライト、風力計、アマチュア無線機、2バンドラジオ | |||||




