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田子倉の乙女・ヒメサユリに会いに

浅草岳(南岳~鬼ケ面岳~北岳~前岳~浅草岳)( 上信越)

パーティ: 1人 (あし0316 さん )

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行程・コース

天候

天気とくらす A評価(曇りのち晴れ)

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 京葉道路武石IC9:00・・・外環道・・・東北自動車道・・・北関東自動車道・・・関越自動車道小出IC12:00・・・国道252線・・・五十里越駐車スペース01:30
★片道310キロかけ、到着した平日の夜は深夜に駐車する車は僅少。シーズンの週末は30台停車も満車になるのだろう。このスペースには公衆トイレがない。あるのは公衆電話BOXだけ。携帯トイレは必携。
★下山後に寿和温泉に立ち寄るが、『緊急事態宣言・蔓延防止予防措置を受けた県在住利用は受付ない』と張り紙。温泉難民。やるせない現実です。

この登山記録の行程

五十里越登山口入口4:45・・・送電線5:12・・・5:55 南岳6:57・・・鬼ケ面山7:38・・・北岳8:10・・・ムジナサワカッチ★休憩5分・・・前岳9:36・・・浅草岳10:00~山の石碑※湖見峠で大休憩★10:35・・・ムジナサワカッチ★休憩5分・・・鬼ケ面山12:25・・・南岳12:58・・・電波13:36・・・送電線13:52・・・五十里越登山口14:16

コース

総距離
約12.5km
累積標高差
上り約1,335m
下り約1,335m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 まだ果たせない花見山行リスト。憧れのヒメサユリ。新潟・東北の一部にしか咲かない花。私の登山は花を愛でる事。まだまだ世界を席巻中のパンデミックは『来年行こう』と思っている者の命を奪う可能性がある。運が悪ければ、来年は、いや明日はない身かも知れない。いい子で我慢して何の得があろうか?毎日流れるニュースの『東京都内の人の流れ情報』は一部の人々の日常だ。岩仲間達は在宅勤務。自宅のある生活圏の中で暮らしている。むろん、私も職場と自宅の往復は車通勤。買い物は宅配。幸か不幸か忙しい身。今年も半年経過するのに有給消化は半分も消化できない・・。それが私の事情。それでも地方の人々の目は首都圏の人の生活はテレビの映像そのままに受け止めてしまうんだろうね。恐ろしくもマスコミは人心操作に長ける。海や山のスポーツでクラスターが発生した、という事例は聞いた事がない。
 漸くお花に会いに行きました!場所は新潟県福島県境。田子倉湖のほとりに到着したのは深夜13時半。何もないスペースに停車し仮眠を取る。1時間ほどして何故かすぐ隣に横付け駐車の車。夜明けを待たずお隣さんは出発して行った。やがて闇が開け、周囲も薄明るくなり鳥たちの囀りに促され私も出発する。ネットのHPで事前学習した通りの映像が目に映る。五十里越登山口の入口は登山箱が置かれていたが、利用しているのかな?個人情報垂れ流しは嫌なので事前にWEB申請済ませて入山しているし。 朝露に濡れながらまずは送電線へ。丁度草刈りされた後の高台からはガスって何も見えん。朝食の牛乳を飲み歩き。煩い虫がまとわりつくので防虫スプレーにメンソール系の塗薬で吸血阻止。首に襟足の日焼け止めを兼ねてストールを巻く。うかつに半袖では入山できない。目的地は浅草岳。長い縦走が始まる。
 ゆっくり、ゆっくりと息を吐き熊除け鈴を鳴らしながらブナの傾斜路を確実に進む。登山行為自体は辛い単調な動作の連続。足元、目元にはたくさんの植物、花々が咲き誇り心躍る時間。誰もいない静寂な時間。ハルゼミのコーラスも高度を上げるとぴたっと止み、カッコウ達の美声に聞きほれながら初夏を感じ・・。それにしても送電線の巡視路も交差しているせいか道はしっかりして歩き易い。最近フィールドにしている房総低山が悪路だからか(笑)
 やがて森を抜け、振り返ると『田子倉湖の見える絶景』がある筈がガスで見えませ~ん。ヤセ尾根に取りつくと「む!」崖っぷちには直径5センチ程度のぷっくりと愛らしいお嬢さん。憧れのヒメサユリ様~。殆どがまだ蕾。ひっそりと山奧に美しい花達は深窓の令嬢。あるところにはあるんですね。そしてこれから始まる稜線歩きに絶句。見えなかった浅草岳のシルエットがどど~んと見える。でかい!そして辿り着くまでには豪雪地帯らしい削られた山肌の荒々しい峰々を幾度も通過しなければならない。心細いほどの細い道には亀裂の入りかけた箇所がいくつもあり、やがてこの道も雪の重みに抗えぬ時に消失していく運命を感じた。森羅万象、あらゆるものは常に変化し続けている。
 心拍数が上昇して喉が渇く。1時間毎に地図上の頂上で水分補給休止。時に無残に踏み倒されたヒメサユリの残骸を残念に思う。絶メシならぬ絶花である、貴重なヒメサユリ。千葉の山でも見かける大型のヤマユリとは趣の異なる『可憐な乙女』といったところ。植物図鑑に掲載された花々を思い出すのに記憶力もフル回転。情感のある山行が減少したので・・。
 ピークを登ったり下ったり。登校差の激しいコースで脱水から足が攣るのでは、と懸念したがトラブルもなく周囲の山々の雪渓に目を凝らす。ここで出会った植物達は春のものから夏に咲く花まで一気に咲いていた所以だ。最後の難関、中岳への長い登りに尻込みしながら
ゼイゼイはぁはぁ登っていくと、隣に駐車した『長岡さん』が下山してきた。(偶然にも同じ車種の同じ色のオーナーだったから『長岡さん』)随分軽装なお姿でしかも早い~。道を譲り、登り切ったピークを下降していくと今度は最大の難所。雪渓だ。後から追いついた男性は見事にツボ足で浅草岳に向かっていった。何年も雪山をやらないので面倒でも持参したチェーンスパイクを装着。ずっと下部迄続く雪渓を仮に滑落したら嫌だから。装着に時間がかかっている間に続々と登山者はサクサクとツボ足で雪渓を通過。雪に親しむ地元登山者は、余裕しゃくしゃくでいとも簡単にトラバースしていった。
 木道で脱着し、小さな池塘に感激。ワタスゲが素晴らしい。日も高くなり、10時の浅草岳頂上はそれなりに人々が集っていた。元々人込みが嫌いなので、少し離れた「山」と書かれた石標に一人布陣。湖見峠というだけあって、こっちのほうが絶景を楽しめる。とにかく靴を脱ぎたかった。昨年買った靴には染み出し水が靴下まで侵入していた。足を伸ばし、頑張ったご褒美メシとして準備したカップ麺がない!車中残置、やってしまった~。山メシが無い!世界のカップヌードル【魚介仕立てのペペロンチーノ】(´・_・`)ガッカリ。仕方なく食べ残しの台湾カステラにコーヒーを淹れた。30分程眺望を一人占めして下山に取り掛かる。池塘に設けられた壊れかけの木のテラスで食事をする人、色々なルートから来た人達は山上でそれぞれが幸せな気持ちで浅草岳に浸っていた。難儀した雪渓を辿り、元来た道に向かう。途中、ゼイゼイはぁはぁ若者3人組が暑さにやられ登ってきた。道を譲って頂き下降しながら『なかなかキツイよね』と話しかけると『キツイっす』と正直な返事。梅雨の晴れ間の大チャンスでやってきた浅草岳。気温25度の好条件でも喉は乾くし、稜線では熱量半端なく汗が潮吹く。(結果、身体には悪いが尿意を催すことがない)
 辿ったルートの帰り道が違うのは、雲が取れて眼下に奥只見湖が見える、『映え』する絶景だった。途中、何組かの人に追い越されては途中で追い越し、そういう点ではローカルな地域の平日山行は程よい距離感を保てて良かった。下山後に入浴し、翌日守門岳への計画を立てていたのだが、入浴難民となってしまった。(カーナビで見つけたニュー浅草山荘は閉鎖?寿和温泉は利用拒否の張り紙)天気もくだり坂のようだし、栃尾までドライブをして帰宅を決めた。『居住者以外は山菜とり禁止』の札は地元民からの決意表明だと伺えよう。厳しい環境で助け合って暮らす人は『よそ者は嫌い』と謳っている。それは私の住む千葉でも地方の集落に行けば息づく。それは置いて、この町出身の同僚が行っていた通り、青々とした田圃が美しかった。弟が誤って家の脇の田圃に落ちたこと、冬は雪下ろしが大変。代用教員で雪の時期は体育の授業でスキーをしたこと、など。美しい彼女の言葉を思いだしながら充実した休暇を気分良く過ごした。守門岳はまた今度。ヒメサユリにも会えてよかった。昨年訪れた寺泊の角上魚類は関東圏でも店舗を展開しているので、新潟のものが身近に入手できる。天気も悪くなるなら無理して長居する必要はない。この一日を良しとして『黙食』と張り紙されたSAで遅い昼食を食べる。コロナで世知辛い鬱々とした食事。山は好き、でも私には晴耕雨読の生活など無縁の世界。山菜は採るものではなく対価で贖う主義。山で取れたというキノコには虫がついている事もあって、タダより高くつくものはない。フキノトウの食べ過ぎは胃痙攣を起すと聞く。採取禁止の国定公園で山菜や食べもしないキノコを採取したうえに捨て置いた地方出身者と距離を置き、やがて自から離れた。マナー違反は世間でも山でも。山の恵みを得るのが当たり前、で育った人は自分の行為に悪意などある訳がない。
 新潟出身の知人達は『こっちに来て良かった、物もそうだし、自由がない』とこぞっていうのはこういうことか?掟が厳しいというのだ。路上立ち飲みする若者達がローカルに放り込まれたらポリシーを捨てざるを得ないんじゃないかな?などと思いながら、訪れる場所によって変わる県民性の違いを感じた。それは彼らに対しての怒りでも諦めでもなく、良否でもなくて彼らの素の生活感の一部をたまたま垣間見ただけ。まだまだ首都圏在住の登山者にとって地方へ赴くには受難の日々は続きそうです・・。井の中の蛙大海を知らず、世の中知らないことがたくさんありますが、雪解けを待つように地方の皆さんが来訪者を快く受け入れる日が再開することをのんびり待つことにします。
 
 

 


 
 

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック スタッフバック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ
タオル 帽子 グローブ 地図 コンパス ノート・筆記用具
腕時計 カメラ 登山計画書(控え) ナイフ ツエルト 健康保険証
ホイッスル 医療品 虫除け 熊鈴・ベアスプレー ロールペーパー 非常食
行動食 テーピングテープ 軽アイゼン トレッキングポール カップ
【その他】 ※細引き10メートル、スリング60センチ・120センチ×1。環ビナ・カラビナ各1枚。
・防虫ネット、小さいブヨが出るところにはいる。特に休憩中は寄って来る。
・水はホット500ML+ペットボトルと牛乳とりまぜ約1500ML。
★高低差のある登高で運動量が多かった。出だしの沢で水を補給できそうだが、飲料に適しているかどうか・・。用心のためもう1本持参しても困らなかった。

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登った山

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