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地蔵尾根から仙丈ヶ岳 歩き続けりゃ着くと思うの

仙丈ヶ岳、地蔵岳( 南アルプス)

パーティ: 1人 (鋸太郎 さん )

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行程・コース

天候

20日:晴れ、山頂付近ガス 21日:快晴⇒晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 柏木登山口

この登山記録の行程

■2021/9/20(月・敬老の日)
柏木登山口0200……0225孝行猿の遺跡0227……0313「これより300m併用区間(下)」0313……0324「これより300m併用区間(上)」0324……0340「これより800m併用区間(下)」0340……0401「これより800m併用区間(上)」0401……0638松峰小屋分岐0638……0644松峰小屋0723……0732松峰小屋分岐0732……0940地蔵岳0940……1026[2407P]1027……1402仙丈ヶ岳登山道分岐1402……1410仙丈小屋

■2021/9/21(火)
仙丈小屋0600……0626仙丈ヶ岳0645……0656仙丈ヶ岳登山道分岐0656……0850[2407P]0851……0955松峰小屋分岐1003……1032林道降下地点1032……1104登山道合流地点1104……1125林道降下地点1125……1139隣の林道へ尾根越え1142……1145登山道合流地点1145……1147「これより800m併用区間(上)」1147……1201「これより800m併用区間(下)」1201……1212「これより300m併用区間(上)」1212……1218「これより300m併用区間(下)」1218……1242孝行猿の遺跡1242……1256柏木登山口

コース

総距離
約26.6km
累積標高差
上り約2,669m
下り約2,669m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

柏木登山口から地蔵尾根経由で仙丈ヶ岳に登って来ました。
遅めの夏休みがようやく取れたので仙丈小屋に予約を入れたのが2週間前。
天気に関してはもうお祈りでした。
  
以前北岳から眺めた仙丈ヶ岳はさすがに女王の風格で、何時か登るぞ!と誓ったものの、何だかんだで4年も経ってしまいました。
登るなら地蔵尾根からと決めていたからです。
とは言えコロナ禍による引きこもりやら運動不足やらで体力はガタ落ち、日帰りに挑める体力なんてカケラも残っていません。
テン泊も考えましたが、山頂近辺にテン場はありません。
そうなると山小屋泊です。
予約はすんなり取れたのでひと安心でしたが、こうなるともう、その日の気分で行くだの止めるだのとはいかなくなりました。
無論事情が事情ならキャンセルも可能でしょうが、小屋に迷惑を掛けたくもありません。
  
そんなところへ、直前の週末に台風が襲来。
ご丁寧に途中で温帯低気圧に変わってくれました。
台風のままなら駆け抜けてくれればいいのですが、温帯低気圧となると居座ったり温寒二人の子分を召喚したりします。
ダメ押しに遠くではありますが、槍ヶ岳山荘で19日に震度5弱の地震を観測だとか。
  
と言う訳で更なるプレッシャーを感じながら、最悪の事態を想定して荷造りをしました。
コンセプトは当然「自助」ですが、本音は「救助を待つまでのセルフビレイ」ですかね。
とは言えいつものバリ歩き装備に追加一日半分の水と食料、お泊りセットと言ったところです。
詳細は「装備」欄に記載しますが、これがまあ担いでみると、そこそこ重い重い。
結局往路はこの重さに、いい様にいじめられ続けました。
  
前夜に自宅を出発。
見あげるとほぼ真ん丸なお月さま。
柏木登山口へは23時頃に着きました。
先行車は3台。仮眠を取ります。
さて何時に出発するかですが、現地の標識ではCT8時間、地図では9時間半とあります。
無理無理!そんなペースは間違いなく無理!
他方、山小屋からは「15時には到着してください」と言われています。
と言う訳で自分が出した結論は「2時出発」。
さすがに1.5倍の時間を取れば、多少手こずっても何とかなるでしょう。
登山口のトイレを借りて、ヘッデンの灯りを頼りに、ぼちぼち歩き始めました。
  
地蔵尾根はとことん一本道です。
ところが目安となる「中間地点はどこか?」となると、これが難しいです。
距離は12.5km、単純な標高差は大体1900m。
個人的には標高で語る、松峰小屋分岐を推します。
距離的には2/3位来ていますが、体感的にもここを目安にした方が無難です。
  
2422地点を過ぎると鬼登りが始まります。
この頃はもう、200歩毎に小休憩を入れるほどでした。
200歩頑張ると、大体30m位標高が稼げました。
歩荷の人ってほんと神だよなあ、
トレランスタイルの人って、仮に自分が同じ格好してもあんなに颯爽と歩けないよなあ、
そんな考えが浮かんでは消えます。
ただ、
折角ここまで来たんだから、自分を山頂まで連れてってやろうぜ!
などとも思いつつ歩いて行きました。
今思うに自我が分裂してますね。
意外とヤバかったのかも知れません。
  
2700mを超えると森林限界です。
ただガスがかってきました。
涼しくて助かったのですが、「開けた眺望で体力回復!」効果も得られませんでしたね。
もっとも、地蔵尾根は本当に裏からの登山道ですので、角度的に最後の最後まで仙丈ヶ岳に拝謁できません。
無論、甲斐駒や、北岳・間ノ岳もです。
加えて今回はそのガスもあり、背後の中央アルプスなども結構お預けでした。
それでも14時頃に2950m付近、山頂分岐に着きました。
少し降ると、ガスの中に仙丈小屋が見えます。
ははは。着いたよ。
  
小屋はとてもきれいでした。
コロナ禍の影響で宿泊客数を絞っていることもあり、個人スペースも十分ありました。
布団も一人一組あてがって貰えましたが、感染防止のためにシュラフインナーの持参を依頼されていました。
17時に夕食。おいしかったこともあり、飲み込むように食べました。
その後はもうすぐに就寝。
夜中に一度トイレで起きましたが、夜空は快晴、天頂にほぼ満月が煌々と輝いていました。
大丈夫、とりあえず無事着いたよ。
  
翌朝は朝食後、6時に出発。
お世話になりましたとご挨拶の後、山頂を目指します。
30分ほどで登頂。
多少風が吹いていましたが、推定で8mの、瞬間最大で12m位だったと思います。
何より快晴でした。
南ア北部は天気に恵まれると、本当に日本アルプス全てと八ヶ岳が見渡せます。
いや確かに初めての光景ではありませんが、何かこう、とにかく今回は屈指の無様な登山でしたので、それも相まってか、さすがに女王様も慈悲をかけて下さったのかも。
そう思わずにはいられない、どこまでも青い風景でした。
  
その後山頂にて海外から来たお兄さんお二人に、賢しくも見えるお山をご紹介。
とても日本語が流暢でした。最初はお山初心者の方かなと思っていたのですが、
「目の前のトンガリが北岳、日本で二番目に高い山です」
「一番はどこですか?」
このやりとりで、ああ、海外から登りに来てくれた方たちなんだなと思いました。
お国言葉も聞こえましたしね。
次、どこかお勧めはありますか?と尋ねられたので、色々浮かびはしましたが、
もしまだなら、今度は甲斐駒からこの山、仙丈ヶ岳を眺めてみてくださいと伝えておきました。
もっとも自分が甲斐駒登った時は、ガスの中だったんですけどね。
まあ興を削ぐのでナイショです。
  
さあ後は下山です。
死にそうになって登った鬼登りを勢いで降って行きます。
水分や食料を少し消費したこともあり、まずまず歩けました。
往路にいっぱい「?」を浮かばせた林道(正しくは国や自治体が管理している道路ではなく、企業や民間の作業道)を歩いてみたりしながら6時間ほどで下山。
健脚な方は日帰りですら歩いてしまう道をご丁寧に二日かけて歩きましたが、それでも想像以上に絞り取られました。
でも何とか、無事に山行を終えることができました。
内心、俺はまだ3000m峰を登れたぞー! とガッツポーズしましたよ。
  
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甲斐駒へ黒戸尾根を歩いた時も感じましたが、こちらの地蔵尾根もトレラン系の方に好まれるコースみたいです。
人が少なく、迷う箇所も少ないからでしょうか。
ただもうみんな、とにかく早い早い。
出発直後に追い抜かれた方に、自分の往路中にまたお会いしたりもしました。
  
二日間で地蔵尾根上でお会いした方々は9人ほど。
それなりのザックを背負った、いわゆる普通の登山の方は内お二人ほどだったと思います。
3000m峰の百名山に至るルートということを考えれば、破格の静けさと言えますね。
  
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因みにトレラン系のお一人の方と少しお話しをさせて頂いたのですが、20日の山頂はすっかりガスの中、それでも祝日と言うこともあって山頂は相当な賑わいだった様です。
「明日は晴れるそうですよ」
と言葉をかけて貰えましたが、励みになりました。
  
また、山荘にてご一緒した宿泊客の方の話が聞こえてきたのですが、前週末の土曜日は物凄い人出だった様で、北沢峠へ向かう始発のバスが17台運行、待ちの方は500人はいたのではとのことでした。
北沢峠、やっぱり大人気なんですね。
  
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地蔵尾根は確かに厳しいコースでしたが、登山道の整備状況は充分一般登山道クラスでした。
倒木がきちんと切断されて道になっていたり、足元の苔が刈り取られて道になっていたり、標識も新しいものがしっかりありましたし、テープも多かったです。
鎖場などはなく、特に手を使う箇所もありません。
それでも登山道として書かれてなかったり破線だったりするのは、地味に2000m近くの標高差を、エスケープルートなしで登ることになるハードさによるものでしょうか。
  
と言う訳で、静かな仙丈ヶ岳登山を望まれる方は、是非地蔵尾根のご検討を!
3000m峰登山を実感・堪能できること間違いなしです!
  
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因みにスマホの電波状況ですが、不思議と結構拾いました。
自分はauですが、登山口は元より、道中も、松峰小屋の中ですら普通にネットが見れました。
仙丈小屋でも問題なく通信ができます。
  
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ともあれ、これで今年も何とか年にひとつは登りたい3000m峰を達成できました。
来年のことを思うといよいよ高難易度のお山しか残っていなく頭が痛いところですが、それは追々考えます。
  
楽しかったああああああ!!!!!
  
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(追記)
2021/10/16にNHK-BSでTJAR2020が放送(『激走!日本アルプス大縦断』)されていましたが、今回の選考会のコースの一部は地蔵尾根だったみたいですね。
一瞬「ここ歩いたよね?」と思った映像が流れて驚きました。
そりゃトレランの人も多い訳だ……。
おそれ多いコースに挑んだもんだ……。

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フォトギャラリー:120枚

こちらが2017年に白峰三山を歩いた時の仙丈ヶ岳です。
まあこちらを表といたしますと、裏から登るんですけどね。

深夜の柏木登山口駐車場です。
月齢13.1のお月さまがずっと付いてきましたが、毎度のことながら心配されてるなあ……。

登山口にはトイレと

豊富な水量の水場があります。
それでは出発しましょう。

標識は立派なものが整備されていました。
でも山頂まで8時間は厳しいと思うの……。

バリ好きな自分には耳が痛いのですが、本日のところは「登山道を逸れて山中に入り、山菜やキノコ採りに勤しむのを禁ズ」と読み下させて頂きます。

必要とあらば仮入部しますので歩かせてください。

仏様がいました。
無事帰って……いえそれ以前に、とりあえず今日、無事登りきれます様に。

ヘッデン歩きですので、足元だけを見て歩いて行きます。

おサルさんのお墓が途中にある模様です。

オオシロカラカサタケさんだー!
成菌の大きさは群を抜きます。
食べるとお腹壊します。
本当はそれ所じゃない様ですが。

孝行猿の遺跡に着きました。
石碑や謂れにはシンプルにしか書かれていませんが、親を何とか助けたいと頑張る三匹の子ザルや、悔やみきれない勘助の姿は涙を誘います。

こちらはシロハツですね。
食べられるはずです。
あ、でも鋸太郎はキノコの味方だよ!

古い標識もいくつかありましたが、ほとんど読めませんでした。

なので一新したのだと思いますが、地蔵尾根は標識整備・登山道整備ともに十分優良な登山道だと思います。
ただちょっと距離が長くて標高差があってエスケープルートがなくて有事に逃げ込める有人小屋がないだけで。

何度か林道をまたいだり、林道を歩く箇所が出てきました。
従うのは吝かではないのですが、地図上にはない道でしたので?がいっぱいになりました。

お山の中の青い花。
リンドウ? 
いえトリカブトさんです。

林道歩き1か所目です。
林道とは書かれていますが、実際には国や自治体が管理しない民間道だと思います。

山中に作業道と言うと林業が真っ先に浮かびますが、他にも電力会社さんの道などもあるそうです。
まあ自分の山でしたら、規格や安全性を担保できるなら道を作ることも可能な訳です。

はい、再び登山道に入ります。
入る場所はヘッデン歩きでもすぐに見つかりました。
スチール製の標識なので反射してくれます。

暗い写真になってしまいましたが、林道歩き2か所目です。

後述しますが、この山域は民間の作業道が結構走っています。
面白いのは、必要な部分だけ道にしてますので、県道などの公共道につなぐ必要がないということです。

それでは再び登山道に入りましょう。

1983.5P、穴沢ノ頭を南に巻きますが、ガッチリガードされています。
ですので立ち寄るのは遠慮しました。

5時近く。大分白んできました。

続いて松峰の南を巻きますが、すぐ下に平行して林道(作業道)が走ってます。
帰宅してから色々調べたので 
「あれは作業道だったのだ」 
と理解はできましたが、歩いている時点では廃林道の可能性もあり、???でした。
同時に復路では歩いてみることを誓いました。

地蔵尾根コース、この松峰を南に巻く箇所だけは△でした。
道幅が狭い上に谷側に崩れかかっていて、足首と神経を大分使わされました。

さあ松峰小屋分岐に着きました。
と言うか登山道から100mも逸れるの? 
標高で50mも降るの?

だからこそ行く価値があるッ!

山と溪谷2021年8月号の付録「日本アルプス山小屋名鑑」にすら、
「ほかに仙丈ヶ岳・地蔵尾根に松峰小屋(定員10人)がある」
と一文でしか紹介されていない不憫な小屋です。

他の避難小屋は写真入りで紹介されているのにねえ。
なのでここはひとつ、鋸太郎さんが大きく紹介します!

フラッシュを焚いてますが、中は日が差さず結構暗いです。
冬山装備を想定しても、15~6人は収容できそうです。

作りは頑丈で信頼できそうです。

「長谷村」の名前がありませんから、このポスターは少なくとも2006年以降のものですね。

どなたかの銀マットのほか、年季入りまくりのシュラフがひとつ、シャベルと確実に「山の味」がしそうな小さめのヤカンがありました。
考えてみれば自分も何か、役に立ちそうなものを置いてくるべきでしたね。

独占状態でしたので、30分ほど中で過ごさせてもらいました。
馴染むと思った以上に快適でした。
なおドアはノブが壊れてしまってましたので、石で閉めます。

スマホの電波は入りましたので、緊急避難小屋としては充分働いてくれそうです。
水場もあるらしいのですが、今回は見つけられませんでした。
(追記)この小屋から更に5分10分降った所にあるそうです。また季節によっては枯れてるとか。

それでは本道に復帰してお山を続けます。

お天気になりました。

2000mを超えるとコケやシダが目立ってきました。湿気を感じながら歩いていましたが、彼らを見るに普段からこうなのでしょう。
つまり「週末の台風で保水したので湿度が高い訳ではない」と言うことです。

アスレチックな箇所も少しはあります。
ただまあ、特に終盤ですが、基本的にフトモモ殺しな登山道です。

二つ目のオプショナルツアーは地蔵岳。
穴沢ノ頭も松峰も遠慮しましたので、地蔵の名を冠するキミだけには訪れさせてくださいな。

道はある様なない様な感じでしたが、倒木をまたいでまたいで山頂です。

三等三角点「塩沢」です。

本道へ降りてくるとデュラハーン状態の自分のザックがお出迎え。
地蔵岳へはアタマ部分だけをサブザックにして行ったのですが、ここで再びパイルダーオンして山頂を目指します。

鋸岳が見えました。
山梨百名山に数えられながら、一般の登山地図には道がない上、ハーネスなどの装備が推奨の、初心者泣かせのお山です。

気持ちの良い尾根です。
そうそう地蔵岳と言えば、地蔵岳分岐を越えた先のどこかのピークにお地蔵さんがいると聞いていたのですが、今回は出会えませんでした。
どこにいらっしゃったのかな。

2407P手前から。
大分登って来ました。
まだ標高差で600m、高尾山一個分くらいあるんですけどね。

2407Pです。
何か名前をつけてあげても良いピークです。
山頂標識があれば休む理由にもなりますしね。

地蔵岳です。
背後には中央アルプス。

久し振りの標識です。
標高は2700m程度。這う這うの体です。
ここでギブアップするならそれもよし、ただしここから下山しても6時間はかかるがな! と言っております。
鬼や……。

ついにガスガスです。
ここまでTシャツ一枚で歩いて来ていますが、それは変わりません。
むしろ涼しくて助かりました。

森林限界を超えました。
ガスの向こうの谷方面からひと際大きな葉擦れが響き渡り、一瞬雨かと緊張しました。
帰宅後降雨実況も確認しましたが、雨ではなかった模様です。

ここまで登っても、まだ女王さまには拝謁できません。

ホシガラスさん登場。
岳ガラスとも呼ばれるそうですね。

立ち塞がる最後の門番。

越えてついに女王様だー!

鬼の登りもとりあえず終わりです。

登山道分岐まで来ました。
山頂は明日にして、まずは仙丈小屋にチェックインします。

ガスの向こうに今夜のお宿!

着いたー!

北沢峠こっち。
それにしても槍穂高歩いた時も涸沢をパスし、甲斐駒や仙丈へも北沢をパスするなんて、自分でも天邪鬼だと思っています。

テラスですが今日は真っ白。
いえ正しくは、豪快に晴れたりガスに覆われたりを目まぐるしく繰り返していました。

中はとてもきれいでした。

平日の宿泊ということもあり、コロナ禍を考えてもなおゆったりしたスペースをあてがってもらえました。

晩ごはんです。
ごはんやお味噌汁は食べ放題だったのですが、おとなしく一膳で我慢。
食べ過ぎると翌日のおトイレが大変になりますからね。
でもとてもおいしかったです。

ホシガラスさん再び。ホシガラスさんもごはんなんですね。
一所懸命ハイマツの実をついばんでました。

二日目です。
シルエットは甲斐駒ヶ岳。
海から富士山に登ったら何か燃え尽きてしまった自分に再び点火してくれた、でもスパルタなお山です。

奥は乗鞍岳、雲海から顔を出しているのは経ヶ岳でしょうかね。
ぽこん。

天気上々です。
今日も朝からTシャツ一枚で過ごす予定です。
防寒具はレインウェア上下の他にダウンジャケット、ライトシェルパンツ、フリース上下まで持ってきましたが、おんぶしてきただけでした。

5:30に朝ごはん。
残さず食べて、全てをカロリーに変えます。おいしかったです。
好き嫌いはまるでないので、そこは親や家族に感謝です。

山小屋のフロントとロビー付近です。

本棚もあります。
定番の「岳」のほか、北斗の拳やザ・ファブルがあったのはちょっと面白かったです。

薪ストーブ。
本家のボイラーで散々薪をくべて育ちましたこともあり、ちょっとうらやましくなりました。
ノコギリと斧で薪を作るところからやっていましたが、遠い話になりました。

お世話になった寝床です。

仙丈小屋さんにご挨拶をして6時に出発です。
既に昨日の荷重運動で腹筋付近がバキバキですが、高山病の気配もなく、良い一日になりそうです。

6時過ぎに山の端からお日さまー!

30分ほど頑張って、仙丈ヶ岳、着いたー!

空が真っ青だー! 
推定気圧は700hPa、ザックの中で、袋入りのお総菜パンがパンパンだ!

仙丈ヶ岳の三角点、二等三角点「前岳」です。
甲斐駒の前、の意らしいです。

(仙丈)嶽大神の石碑です。
他にも神様、仏様が鎮座していました。

日本のトップ123だー!

南ア最深部です。
塩見岳、悪沢岳、赤石岳が見えてます。

左最奥に恵那山、そこから中央アルプスです。
右端ひとつ奥に木曽御嶽山が見えています。

北ア方面です。
右方面、頑張って鹿島槍ヶ岳までは分かるかな。

中央最奥に浅間山、その手間に八ヶ岳、その前に鋸岳と甲斐駒ヶ岳です。

甲斐駒の左、最奥に左から日光白根山、皇海山、男体山が見えています。
右には瑞牆山や金峰山、甲武信ヶ岳や三宝山がギリギリ見えます。

森林限界の上らしく〇印です。
それでは下山しましょう。

山頂を振り返ります。
願わくば今日のこの好天が、全ての登山者に振舞われます様に。

地蔵尾根への分岐です。
さあ気合入れていくぞー!

こちらが延々と登ってきた、そして今から降りていく地蔵尾根でございます。

昨日とは訳が違うぞ! 
登頂も果たしたし、山小屋ごはんとお布団で元気満タンだ! 
ここから6時間切ってやるぞ!

左端に南駒ヶ岳、赤椰岳を経て右に空木岳です。

左に宝剣岳、中岳を経て木曽駒ヶ岳です。
今日は綺麗に見えました。

少し雲が出てきましたね。
でも好天の雲に見えます。

倒木は多かったですが、至る所で歩行用に切断されており、苦労した箇所はほとんどありませんでした。

松峰小屋分岐に着きました。
ここまで山頂分岐から3時間、標高は半分まで降ってきました。

えーとこれは、ボーイスカウトで言うところの「目的地遠し」ですか?

コケエリアを抜けるとシダエリアです。
白亜紀かよ!

さて、お久し振りの標識ですが、

はい、往路でも疑問に思った謎の林道がすぐ下に現れます。
なので復路ではこちらを歩いてみたいと思います。

ケルンが登場。多分登りでこの道を使って来た人向けに、
「ここで斜面を上がって登山道に合流せよ」
というサインでしょうね。
思うに先の標識も、
「こっちが登山道だよ」
と言っているのでしょう。

どこかに接続している公共の林道ではない分、状況が自由過ぎます。
草原の様になったり、

登山道の様になったりです。

途中小さな分岐を挟み、なんだかんだで登山道に合流していました。

その後も調子に乗って別の作業道も歩いてみましたが、

どうにも方角がおかしいと気づき、

小さな尾根を越えて登山道に接続する別の作業道に乗り換えたりもしました。

その後は割と大人しく登山道を歩きました。
タイムアタックもかけてますしね。
おサルさんのお墓通過です。
手前の小さなお社は「山神宮」とのことです。

行きにも見かけましたが
「1969.8.7 青山学院大W.V」とあります。
年代モノですね。

無事柏木登山口に降りて山行終了です。
「ここから6時間」の標識から5時間22分。
わはは! どうだー! 
足腰バキバキだよー!

登山口のお水をお土産にしました。
正直お山のおみやげで、これに勝るものは無いと思います。

出発時には見つけられなかった登山口看板です。
「登りたい山より登れる山」は耳がとても痛いですが、
滅茶苦茶楽しかったです!

帰りにはお隣、高遠の「さくらの湯」で汗を流しました。
日帰りでは見送るかも知れませんが、二日ともなるとうっかりお店にも寄れません。
500円です。

さて不具合編です。
出発時点で気付いてはいたのですが、フレームのスチールパイプが折れてしまってました。
40kg詰め込んで毎日ふみふみしていたので、どこかで限界が来たのかも知れません。

「てす!」 
「おかえり!おつかれさま!」 
お土産は高遠の甘酒に仙丈ヶ岳の山バッジ、登山口のお水と、あと仙丈小屋のTシャツを買いました。

山頂は風が強かったので、少し降りてから仙丈ヶ岳をバックに記念撮影しています。

いつの間にかレギュラー化した感もあるニッポニテスちゃんですが、実は一緒に槍ヶ岳も登っています。
それ即ち、大キレットも奥穂高も同行しているのです。
我が家で一番3000m峰を踏んでいる子です。

さて公共道でない「作業道」ですが、これは松峰の巻き道付近の航空写真です。
写っている道はほぼ全て、地図には掲載されていない道です。

GPSログを重ねるとこんな感じです。
地理院地図ではむしろ自治体が管理している登山道を破線で掲載しているのが分かります。

すべての写真を見る

装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック スタッフバック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ
タオル 帽子 グローブ 着替え 地図 コンパス
ノート・筆記用具 腕時計 カメラ 登山計画書(控え) ナイフ 修理用具
ツエルト 健康保険証 ホイッスル 医療品 虫除け 熊鈴・ベアスプレー
ロールペーパー 非常食 行動食 テーピングテープ 軽アイゼン 燃料
ライター カップ クッカー カトラリー
【その他】 シュラフインナー、アマチュア無線機、2バンドラジオ、風力計、モバイルバッテリー、予備バッテリー、予備ヘッドライト、予備手袋、シットハーネス、スリング、カラビナ、デイジーチェーン、ウエビング、クイックドロー、細引き、スカイフック、ATC、プルージックコード、タイブロック
水分7リットル、食料2日分

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登った山

仙丈ヶ岳

仙丈ヶ岳

3,033m

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