浅草岳(山頂の紅葉に思わず歓声❗️）2021

日帰り

浅草岳（東北）

2021.10.03（日）

パーティ： 1人 (ブナ太郎さん )

ブナ太郎さん

行程・コース

天候

晴れ（朝のうち山頂部にガス）

登山口へのアクセス

マイカー
その他： JR只見線を越えたところに１００台ほど止められる駐車場があります。

この登山記録の行程

田子倉只見沢登山口（06:07）・・・【休憩１０分】・・・剣ヶ峰（08:20）【休憩１０分】・・・浅草岳山頂（10:04）【休憩１５分】・・・・前岳（10:５６）・・・浅草岳山頂（1１:１９）【休憩１０分】・・・剣ヶ峰（12:24）【休憩２０分】・・・田子倉只見沢登山口（14:01）

コース

総距離: 約9.9km

累積標高差: 上り約1,471m; 下り約1,471m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

■紅葉のシーズンが到来した。１５００m付近の山稜にも鮮やかな彩が降りてきた。
　　この土日は台風一過の好天予報で、どの山にもたくさんの登山者が訪れるだろう。
　　昨年歩いた三ツ石山、栗駒山はどちらも人気が高く、ここ数年はますます人気が上昇していて、紅葉の時期の晴れた休日は激混み間違いない。登山者が多くはなく、それでいて紅葉が素晴らしく、登り甲斐があって変化に富む山はないかと思案を巡らせ、選んだのは奥会津の名峰、浅草岳である。
■浅草岳は福島県と新潟県の県境に位置し、どちらの県から登るかで表情がまったく異なる。福島県側は只見の奥深くがスタート地点で、田子倉ダムを見下ろしながら急峻な尾根を直登する。新潟県側からは草紅葉の優しい道が穏やかに山頂まで通じている。今日、新潟県からは多くの登山者が山頂を目指すだろうが、福島県側から登る人は少ないはずだ。静かに紅葉を楽しむのであれば、選択肢は一択、福島県側しかない。
■駐車場はJR東日本只見線の線路を超えた先にある。１００台ほど止められそうな広い駐車場に車はない。只見線は豪雨の被害で一時止まっていたが、今は運行しているようだ。駐車場から登山道に入ると、しばらく木道の穏やかな道を進む。小さな沢を２、３渡渉し、仮設の橋を渡ると、そこから道は登山道らしくなり、傾斜も増してくる。森はミズナラからブナが優勢となり、大木も目立つ。しばらく歩いて大久保沢に着いた。ここが最後の水場である。ブナの大木が一本、すっくと立っていた。
■ここからブナの森の急な登りが始まる。じっくり登っていくと樹間に浅草岳が見えてきた。山頂部にはガスがかかっている。森を抜けると稜線が近くなった。振り返ると田子倉湖が見える。ジグザグに登って稜線に出ると、目の前に浅草岳が姿を現した。ここが「田子倉眺め」と呼ばれる場所である。山頂部のガスはまだ取れない。
■また登って小さな突起に立ち、そこからアップダウンを繰り返す。稜線からは正面に浅草岳、左手に鬼ヶ面山が見える。鬼ヶ面山の山腹は、豪雪によって削り取られたV字の谷を刻み、ものすごい迫力である。稜線部にはガスがかかって迫力は半減しているが、それでも目を見張る景色が続く。
■剣ヶ峰は、別名「鬼ヶ面眺め」とも呼ばれ、鬼ヶ面山の深い谷を望む格好の展望地である。正面には浅草岳の全容を見ることができる。山頂まではまだ距離がある。
　ここから鞍部に降りて、ブナの大木の中を進み、それを抜けると只見尾根の急登が始まる。今日、一番の難所は、急斜面の中、草付きのトラバース、岩場、鎖場などが連続する。道はつづら折りで、時々立ち止まって対岸を眺める。目の前には鬼ヶ面山の稜線がうっすらと見えるようになってきた。山頂部を見上げると、斜面では紅葉が始まっている。
■１時間半のきつい登りに耐え、山頂に着いた。山頂には十数人の登山者が休んでいた。もうガスは飛んで、青空が広がっている。眼下には青い田子倉ダム、その先には燧ヶ岳が顔を出している。右手には草紅葉の斜面が広がり、ミネカエデのオレンジと赤、そして黄色が鮮やかに点在している。山頂部は紅葉の見頃である。良い時期、良い日、良いコースと三拍子揃った今日の山行である。
■山頂部には木道が敷かれているので、それを歩いて前山まで行ってみた。天空を歩いているような浮遊感があって、越後の山々の変化を楽しむ。前岳の右手には、2年前に登った守門岳、左には鬼ヶ面山の急峻な襞と険しい稜線、その向こうに越後三山、平ヶ岳、日光白根山が続く稜線が見える。最高の天気に最高の紅葉、そして最高の見晴らし。さらに進んで鬼ヶ面山の周回ルートの入り口まで行き、そこから浅草岳山頂に引き返した。山頂でもう一度、素敵な景色を味わい、来た激下りのコースを降りる。朝には見えなかった周囲の景色が、鮮やかに見えていた。