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蛭ヶ岳日帰りピストン11 袖平山北尾根と暗雲と

蛭ヶ岳、姫次、袖平山、萩ノ丸( 関東)

パーティ: 1人 (鋸太郎 さん )

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行程・コース

天候

無風快晴、後に自衛隊演習場野焼きのスモッグ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 釜立林道起点駐車スペース

この登山記録の行程

釜立林道起点0522……0535北尾根唯一の標識0535……0715旧道分岐(水源標柱)0715……0721 944地点 0721……0736水源看板0736……0756 1139地点 0810……0828脚立0828……0910袖平山0911……0914袖平山ベンチ0914……0926萩ノ丸0926……0936姫次0940……0955原小屋平0955……1006地蔵平1006……1014「地蔵おね」標識1014……1127蛭ヶ岳1147……1248地蔵平1248……1259原小屋平1259……1322姫次1333……1337東海自然程最高標高地点1337……1352八丁坂ノ頭分岐1352……1420 1388地点(モノレールくぐり)1420……1434標識・ベンチ1437……1511釜立分岐1511……1526釜立林道起点

コース

総距離
約15.5km
累積標高差
上り約1,757m
下り約1,754m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

袖平山北尾根から蛭ヶ岳に登ってきました。
青根の林道ゲートには5時前に着きましたが、既に駐車スペースはほぼ満車。
6台は停まっていたと思います。
気温は推定マイナス3度。ですが夜空は快晴で風もなく、天頂には春の大曲線が輝いていました。
  
5時20分頃に出発。
今回もまた北斜面からの登山ですので、そうじゃないかなーとは予想してはいましたが、林道からして凍っていました。
ほどなくして林道終点、通称「芝生広場」に着きました。ここからは堰堤のある沢の右岸を進み、更にその支流の右岸の辺りを登って行くはずなのですが、夜明け前だわ雪ガッチリで道なんか見えないわ、そもそも地理院地図には道すらないわで10秒ほど立ち止まりました。
まあでもこの辺りではまだ雪もそれほどではなく、せいぜいが足首まで埋まる程度です。
ならば行ったるわ!と凡その方角だけで適当に登り始めました。
  
少し登ると林道が登場しました。
まあどうせいざとなったら尾根筋でよじ登るしかありません。
ならばとしばらくその林道に付き合って歩いて行きました。
踏跡もありましたしね。
ですが結論からしますと、この林道は本来の登山コースから大きく東に逸れる上、容赦ない林道終点が待っています。
  
因みに正解は、堰堤のある沢と、その東の支流の沢の間の尾根筋を進むべきだった様です。
でも雪山で沢なんて、しかも夜明け前に気軽に渡りたくないでしょ!
雪の下に下手に水流があったら絶望ですよ。
足を取られてすっ転んだり、靴を濡らして泣きながらそこでギブしたりとか、無謀なよじ登りは好む自分ですが、北国育ちなので雪と水の組み合わせの恐ろしさは身に染みて分かっています。
なのでその選択はほぼ最初からありませんでした。
この上なく信頼できそうなトレースを見つけていたら別だったでしょうけどね。
  
さて林道終点の自分。
それじゃどうしましょう。
無論斜面に取り付きます。
まあこの辺りは植林帯ですし、滑って転んでも適当な木にひっかかるでしょう。
結局は沢筋を横断することになりましたが、まだ元気も残っていたので進んで行きました。
  
その後もなかなかな斜面を直登して行きます。
するとどこからか九十九折りで登って行く踏跡が現れました。
君はどこから?
まあいいです。お世話になりましょう。
以降は多分正しい登山コースを歩けたと思います。
  
その後持ち歩いているスリングで自在ノットを作ってベルト代わりにして、ズボンのずり下がりを何とか抑えたりしながら無事袖平山に到着。
天気はとにかく快晴で、富士山はもとより白峰三山、甲斐駒もきれいに見渡せました。
  
ところが時刻にして1030を過ぎると、西の低い域に謎の黒い雲が現れ始めました。
天頂方面の大部分は相変わらず快晴なのですが、その黒い雲は1000~2000m程度の標高で水平方向広がっています。
雲でないのは明らかでした。
しかも風に乗って東であるこちらにどんどん近づいてきます。
蛭ヶ岳山頂に着いた頃には、富士山はおろか、もう大室山ですらスモッグの向こうでした。
  
その後蛭ヶ岳山荘にて丹沢山方面から来られた方に
「なんか噴火の様なものが見えたのですが」
と写真を見せてもらいましたが、本当に噴火の様な写真でした。
  
後日これは富士山麓の自衛隊演習場の野焼きと判明したのですが、噴火にしては報道もないし、化学工場の爆発にしては規模が大きすぎるし、先に富士山が見えなくなった事からそれより手前、自衛隊がウクライナ情勢を鑑みてとんでもない爆弾の爆破実験でも行ったのかと、半分本気で考えましたよ。
だとしたら報道管制も入るかも知れませんしね。
と言いますか御殿場市!
1月の野焼きは市のHPに掲載していたのに、何で今回はスルーなんですかあ!
余計「野焼きの可能性もないか」と思っちゃったじゃないですかあ!
この煙はその後当然蛭ヶ岳にもやってきたのですが、冗談抜きで焦げた臭いが微かにしました。
  
そんなアクシデントもありましたので、復路は袖平山北尾根は見送り、八丁坂コースでさくさく降りて行きました。
この時点では暗雲の正体は不明でしたので、仮に箱根辺りの大噴火だった場合、第二弾第三弾が来るかも知れませんし、急いで帰るのが一番だと思いました。
  
====================
色々あって実に4か月振りの登山となりましたが、テレワークの影響も大きくすっかり基礎体力が落ちました。
そんな中、なまり切った身体にカツを入れるには、やっぱりお師匠様足る蛭ヶ岳に登るしかないと思ったのですが、まさか全編雪山とは思ってもいませんでした。
チェーンスパイクを装着し、何度も埋まりずり落ちながらの蛭ちゃんは厳しかったです。
マジで左右のおシリの、外側の筋肉が焼き切れるかと思いましたよ。
  
でもまあ、無事に今年も山荘にお酒を御供えできましたのでヨシとします。
楽しかったあああ!
  
(追記)
GPSの一部に迷った様に「行って帰って来ている」ログがありますが、多分測定不良だと思います。
ただ、自分では戻った記憶がないままにそんな歩きをしていたら怖いです。
ポンデワンダリングです。

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フォトギャラリー:83枚

月齢24.9のお月さまが夜明け前に昇ってきました。
一緒に登山口まで向かいます。
因みに月齢は0が新月、満月で15です。

釜立林道起点。ここは地味にY字分岐になっていまして、左の本道をもう少し進むと青根コースのゲートがあります。
今回は右の支道を進みます。

水溜まりが凍ってます。

林道からして結構つるつるでした。

袖平山北尾根コース唯一の標識です。
でも東野って来た青根の更に向こうですので、「戻るの?」と一瞬方角を見失いかけました。

この看板にも一瞬ひるみかけたのですが、林道とはやや違う方面を塞いでいましたので、ご挨拶をして横を過ぎて行きました。

林道終点、芝生広場に着きました。
堰堤が写っています。

ぱっと見る限りでは、登山コースなんて見つかりませんでした。

おそらくはこの沢筋を渡って中間の尾根に乗るのでしょうが、細か過ぎて地理院地図や詳細地図からは読み取れませんでした。

なので、適当によじ登った末に見つけた林道を適当に進んで行きます。
まあ、半分「絶対明後日の方向に持ってかれるよな」と分かっていたのですけどね。

でもなんか、スノーシューらしき足跡もあったんですよね。
どこからどこへ行った人なんでしょう?

この辺りでは足甲まで埋まる積雪でした。

予想通り、この林道は終点になりました。

その先の画像ですが、まあこの程度なら登って行けるでしょう。

振り返ります。
右上がその「林道終点」です。
沢筋をひとつ渡っています。

何か登山者向けのテープに見えますが

その下方には何やら林道も見えます。ですが周囲に踏跡は特に見当たりません。
いずれにせよ林道と言うよりは作業道でしょうから、地図を眺めても記載されていません。

まあ登りゃいいんです。

なかなかの角度ではございますが。

そこへどこからかの踏跡が合流してくれました。

のでありがたく同行させてもらいました。
お陰で直登をジグザクに変えられ、少し楽になりました。

木々の向こうに何やら橋が!

上野田大橋ですね。

地理院地図に残る、944地点手前の旧尾根筋との分岐地点です。
まっすぐ降りたくなりますが、ネットにも特に登山記録は見当たりませんので、廃道となっている可能性が大です。

7時過ぎにお日さまー!

積雪は足首まで来ました。

水源標柱です。

944地点です。ここまで結構斜度が高かったのでひと息つけます。

明るい雪の尾根道を進みます。

北方面が開けました。

富士さまだー!

1139地点です。
ここで小休止方々、ここまでの山行での煩悶を少し解決することにしました。

実はここ最近で急激に太ってしまいましたので登山ズボンを新調したのですが、緩めのを買ったらザックで押されてずり落ちるずり落ちる。

半ばパンツ半出しで歩いてましたので、持ち合わせていたスリングでプルージック応用の自在ロープを作り

ベルト代わりにしました。
冗談抜きでかなり使えました。
しっかり締まる上、結び目を持てば調節可能、ほどくのもラクです。
ズボンがベルト穴のあるタイプで良かったです。

あと、今更かい!と言われそうですが、ここで初めてチェーンスパイクを装着しました。
チェーンスパイクは夏場でもお守り代わりにザックに入れています。

それでは山行続行! 
ですが雪は思ったより締まってなく、結構沈みました。

目的地遠し。
違うな、これだと「目的地まであと3km」と読めますね。
冗談でなく、正しいコースを辿れば芝生広場まで3km程度です。

積雪はスネまで来ました。

雪が白い!

空が青い!

富士山全景!

白峰三山だ!

甲斐駒だー!

袖平山、着いたー! 
実は塔ノ岳より高いお山です。
脇にあるはずの三角点は雪の下ですね。

越えて東海自然歩道に合流です。
ここは日当たりが良いので雪も融けていました。

さあ蛭ちゃんだ! 
今回、もしここまでで死にそうになっていましたら姫次経由で下山する予定でしたが、ヒザも足首もまだ持ちそうです。
行くぞ蛭ヶ岳!

山頂に蛭ヶ岳山荘が見えました。
最近山頂にちょこんと乗っかっている彼の山荘を見ると

コレを思い出します。
ミニハットと呼ぶのが正しいのか、ヘアピンタイプもあればカチューシャタイプもあり、実は呼び名がよく分かっておりません。

姫次までの途中峰、萩ノ丸です。

姫次に着きました。
姫次は往路、即ち登山口方面から来ると「お山?」と言った感じの高さなのですが、帰り道の登り返しでお山足るを実感できます。

それにしても良いお天気になりました。
やっぱり丹沢は冬が最高ですね。

青と緑と白の配色が素晴らしいです。
ここから地味に降りが続きますが、頑張りましょう。

地蔵平通過です。

地蔵尾根分岐です。
さすがに踏跡はありませんでしたが、登りであろうと降りであろうと、今は立ち入らない方が無難でしょうね。

檜洞丸、富士さま、熊笹ノ峰、御正体山、大室山ですね。

ところがそんな風景も束の間、
怪しい黒い雲が漂ってきました。
富士山は既に見えなくなってしまっていますが、更に遠くの南アルプスは見えていますから、富士山手前当たりに原因がありそうです。

檜皮橋(ひわたばし)が見えました。
神ノ川林道ですので今はまだ行けません。早く復旧するといいですね。

胸突き八丁! 
おシリの外側の筋肉が悲鳴をあげております。

蛭ヶ岳、着いたー! 
13回目の蛭ちゃんです。
お師匠様、ご無沙汰しておりました。

山荘に寄ります。
盛況でした。
ここで黒い雲の原因となった写真をほかの登山客の方に見せて頂きましたが、正直爆弾か噴火かという写真でした。

年末には用意していたジョニ黒をお供え。
何か自分の中で毎年の恒例行事と化していますが、何本目かはもう数えていません。

煙が容赦なく付近を覆います。
でも自分は袖平山付近で富士山を拝めましたし、南から来た方も塔ノ岳や丹沢山で見れたと思います。

ついに大室山もスモッグの中です。
丹沢一帯が煙で覆われた形でしょうね。
野焼きでこんな状態なら、富士山や箱根が噴火したらとんでもないことになりそうです。

それでは下山しましょう。
まっさらな原小屋平です。
山頂付近での積雪は、登山道を逸れますとフトモモまでありました。

お、富士山が復活してきましたよ。
何かかえってカッコ良くなったかも。

強烈な登り返しを凌いで姫次です。
ここで袖平山北尾根をピストンする選択肢もあったのですが、エスケープルートとしていた八丁坂コースを選択。

(写真の時点では)あの黒い雲がどこかの噴火だとも考えられましたので、できるだけ王道を経由して帰ることにしました。
それにしてもさすがの整備です。

八丁坂ノ頭分岐に着きました。
前回もここから下山しましたから、道の雰囲気は分かります。
距離は短いのですが、その分結構な斜度のコースです。

モノレールを潜ります。
ここ即ち1088地点です。

レールはサイドラック方式ですね。

八丁坂コース唯一の標識&ベンチに着きました。
小休止しました。
雪の丹沢ではオアシスでした。
座れる!

標高800mを切ったら雪が消えましたので

根っこへの負担を減らそうとチェーンスパイクを外しましたが

途端に雪道復活。
適度に溶けた雪が斜度も相まって滑る滑る。

仕方ないので再装着。
やっぱり強力です。

釜立分岐まで降りてきました。

釜立林道はなんとアスファルト工事中でした。
写真には写っていませんが、タイヤローラーも働いていました。
アスファルトフィニッシャーはいたかな?

ゲート通過して山行終了です。
物凄く大変でしたが、雪道は足首に優しくて好きです。
関節や骨系の痛みも出ず、楽しい山行でした。

「で、このおみやげは?」 
登山口に一番近い、しかも夜中はやっていないコンビニで買ってきたおやつです! 
事実上お山のおみやげなんです!

「ほんとのところは?」 
丹沢に行くけどおみやげ何がいい? と聞いたら「タルトが食べたい」と……。

Yahoo&テレビ静岡の野焼きに関するニュースです。
何ヘクタール焼いたんでしょうね。
(追記)2745haだそうです。ざっと5km四方ですね。

(追記)本当は1月に実施予定だった様ですが、雪などの影響で5週間遅れになったみたいですね。

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック スタッフバック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ
タオル 帽子 グローブ 着替え 地図 コンパス
ノート・筆記用具 腕時計 カメラ 登山計画書(控え) ナイフ 修理用具
ツエルト 健康保険証 ホイッスル 医療品 熊鈴・ベアスプレー ロールペーパー
非常食 行動食 テーピングテープ 軽アイゼン トレッキングポール スリーピングマット
燃料 ライター カップ カトラリー ローソク・ランタン エイト環・ATC
カラビナ クイックドロー ビレイデバイス スリング ハーネス
【その他】 アマチュア無線機、予備ヘッドライト、風力計、2バンドラジオ、モバイルバッテリー、スカイフック、ウエビング、細引き

みんなのコメント

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  • 鋸太郎さん、こんにちは。
    あの怪しい雲は野焼きが原因だったんですね。私も檜岳から下っている最中でしたが、突然薄い雲のようなものが広がってきて、何かやばいものかも、とひそかに思っていましたが、はっきりしてよかったです。
    それにしても鋸太郎さんタフですね。

  • トッポさん

    コメントありがとうございました。
    自分は北斜面から登っていたので、ある程度煙が広がってから気付いたのですが、
    大倉尾根など南から登っていた方は「バクハツ!」の瞬間が見えたことと思います。

    でも私も調べがつくまでホントやきもきしてました。
    「これがハッキリするまで山行記録は書けん!」
    でした。

登った山

蛭ヶ岳

蛭ヶ岳

1,673m

丹沢山

丹沢山

1,567m

袖平山

袖平山

1,432m

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