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日本千山 498/1357

十枚山〔天津山〕( 東海・北陸・近畿)

パーティ: 2人 (1357 さん 、ほか1名)

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行程・コース

天候

晴れ/晴れ

登山口へのアクセス

バス

この登山記録の行程

梅ヶ島(8:45)安倍峠(11:10)バラの段(13:10)奥大光山(14:40)大笹ノ頭(15:25)幕営(1,630m/15:50/6:40)大光山(8:30)刈安峠(9:25)十枚山(10:20~55)天津山(13:40)林道(820m/14:55)

コース

総距離
約16.2km
累積標高差
上り約1,723m
下り約1,856m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 終点でバスを降りたのは我々だけである。文人が逗留して作品を書いたと言う梅ヶ島は名の知れた温泉らしいが、旅館が10軒ほどの山中の小さく侘しい感じの所だ。
 凍結した道路を行くと直ぐに家並みが無くなり、法面の登山道を登って林道を100m歩き、道標に従って左の林の中の登山道に入る。歩く人は結構居るようで、手入れが行届いた檜林の中の道は確りしている。高度を上げると道は次第に雪に覆われるものの、真新しい靴の跡が峠へと導いてくれる。林道に飛出した所が八紘嶺への分岐点で、ここで1本目を立てる。順調に歩いた感じだが、コースタイムよりは時間が掛かっている。先行者の足跡は八紘嶺へ向かっている。
 安倍峠を経て山梨県へ抜ける林道は深い所では20cm以上の雪に覆われているが、日当りの良い所では舗装が出ていて歩き易い。道路から離れて峠への山道に入ると新雪の下に古い靴の跡が残っている。道が判り難い部分もあるが、沢沿いを忠実に進むと谷が開けて安倍峠へ出る。
 バラの段への道が笹の間に白く柔らかく尾根の上へ伸びている。「ラッセルに梃子摺るのかなあ」と気にしながら本格的な雪道の登りに掛かる。峠までの積雪は30cmくらいだったが、北面は陽射しが少なくて融けないので雪が多く、登りではさらに強調されてワカン無しで歩けるぎりぎりの積雪量となる。尾根は緩かったり急だったりと一途の登りでないのが有難く、一歩一歩踏み固めて確りしたステップを付けて前進する。
 途中で、Nは8本爪のアイゼンを着ける。自分はアイゼン無しなので、万一の為にと持参したアイスバイルを手にする。Nとの距離が次第に開くので時々立止まって待つことになるが、「ちょうど良い休憩だ」と先を急がないように努める。 バラの段の1つ手前のピークで一本立て、捨て縄が設置してある細い尾根を這うようにして登ると山頂に到着する。今日は6時間半歩いて十枚山にテントを張る計画で、バラの段着は11時半の予定だったのだが、40cm前後とはいえ積雪の影響は大きく、大幅に時間を喰い既に13時を回っている。
 視界は良く、十枚山の三角峰が遠くに高く見えている。その手前には冬枯れのくすんだなだらかなピークが3つ在り、「十枚山まではとても無理だが、せめて一番先のピークくらいまでは行きたい」と、目標を変える。幸か不幸か、雪が豊富なので何処にでもテントを張れるのが有難い。山頂で大休止して下りに移ると南面の陽当りの好い道には雪が少なく、凍結した地肌が出ている部分も在る。「アイゼンを履くのは10年振りよと言うNに、「アイゼンを脱がないでそのまま歩いて」と、時間をロスしないように念押しする。
 P1,611mには奥大光山の名板が掛かっており、笹原の中に明瞭な道が続く。本日の最高峰となる大笹ノ頭は緩く大きなピークで、「もう少し頑張ろう」と次のピークへ向かうとブナの大木が倒れて道を塞ぎ、疲れた体に嫌がらせされた気分になる。
 早起きして明るくなるのを待って出発して、真富士山まで縦走する望みを繋ぐ。大光山の三角点に着くと最高点の西峰からトレースが下って来ており、「十枚山まで縦走しているのかも知れない」と期待して喜ぶ。楽になった足取りで刈安峠へ南下すると、先人のトレースは数百m先までしか続いておらず、がっかりする。予想外の雪の多さに、1人では手強いと判断して引返したのだろう。
 落葉樹林の間をラッセルして行くと人の姿が目に飛び込む。地形図にはもっと南の地蔵峠からのルートしか乗っていないので山頂の賑わいが腑に落ちず、「何処から登ったの」と聞くと、「中ノ段から登った」と言う。目の前に聳えている天津山(下十枚山)の鞍部へ登るのと、山頂へ直接登る2本のルートが中ノ段から通じていると判る。
 空身になって鞍部から天津山の登りに掛かると、思い掛けずトレースが付いている。樹林帯を抜けて山頂手前の笹原に出ると1人下って来て、「ラッセルご苦労さん」と言うと、「私じゃありません。地蔵峠から登って来た人が付けたんですよ」と返ってくる。ここからは北方の眺めが良く、梅ヶ島を囲繞する二千m級の尾根の向こうには笊ヶ岳や七面山等々が見えている。
 山頂の三角点を確認して引返し、鞍部に戻って下山に移る。峠ルートは数本の沢を横断して十枚山の南西斜面をぐるっと巻いて下っており、水平部分も多く露岩部も在る長い道で、標高1,000m地点で直登ルートと合流する。
 P904m手前で休憩中のNに追付き、「車が居てヒッチハイクできる可能性があるから急ごう」と急かせ、ピーク南面の広くなった道を急ぐと程なく林道に出る。山頂で挨拶を交わした3人組が今しも出発するところで、「下のバス停まで乗せてくれませんか」とずうずうしくお願いする。
 リーダーは県内在住の60過ぎの人で、山には能く出掛けていると言う。山の話で盛り上がり、結局、車を停めてある真富士の里まで運んでもらう。早い時間に車に戻ったことを喜び、遠慮する運転者に「ガソリン代の足しにして下さい」と謝礼を押し付けて感謝の気持ちを表す。

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装備・携行品

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登った山

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