行程・コース
天候
雨
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
猿倉登山口を目指す。林道は約20km。そのうち水引地区を過ぎると約13㎞の未舗装道(砂利道)となる。冬季は閉鎖。普通車でも通行可能。携帯電話(ソフトバンクとauはダメだった)は圏外。路肩を含めると40台程度駐車可(無料)。猿倉登山口と山頂にトイレあり(チップ制100円)。
この登山記録の行程
猿倉登山口(06:50)・・・小田代(07:27)・・・田代山(07:39)・・・田代山避難小屋(弘法太子堂)(07:57)・・・帝釈山山頂(08:36)・・・馬坂峠(09:00)・・・帝釈山山頂(09:30)・・・田代山避難小屋(弘法太子堂)(10:15)・・・田代山(10:38)・・・小田代(10:49)・・・猿倉登山口(11:20)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
先週に引き続き、今回のテーマも「花」。。。と、山開き(記念記念品)。
行き先として、ギリギリまで会津朝日岳へ行こうかと悩んだが、高柴山で出会った方に教えてもらった田代山の山開き記念品が気になって、結局、田代山へとやってきた。
実に一年ぶりの訪問となる。
前回はオサバグサが描かれた山開き記念バッチが欲しくて、帝釈山から登り田代山までをストンをした。その時はてっきり田代山側の登山口でも同じバッチを配っていると思い込み、山頂で折り返してしまったが、高柴山で出会った方によれば、田代山ではちょっと珍しい木札が配られるという。別に収集する趣味はないが、そう聞くと是が非でも欲しくなるのが不思議なところだ。
日曜日の山開きに備えて、前日の土曜日から福島入りをする。
時間があったので、以前からどうしても行きたかった温泉に足を延ばして立ち寄ることにした。その名も「木賊温泉」。なかなか読めないが、これで「とくさおんせん」と読む。南会津町にある秘湯中の秘湯と呼ばれる河原沿にある岩風呂。足元から透明の熱いお湯がコンコンと湧き出ているとても素敵な温泉。そして混浴。いや混浴に夢を持っている訳ではない(笑)が、今どきそれも珍しい。つい最近、入浴料が値上がりしたようではあるが、それでも300円と破格値で有難い。
バイクツーリングの途中に立ち寄ったと思われる男性数人と、旅行中のご夫婦との異色の組み合わせで、まったりと温泉タイムを堪能した。ご夫婦で来られていたおばちゃんはやたらよく喋る人で、混浴と言う恥じらいの感覚ももはやなかった。笑。
サッパリしたのち、田代山の登山口へと向かう。
昨年、帝釈山へ行く時も延々と続く悪路に苦労したが、田代山の登山口「猿倉」もそれなりに長かった。所々、舗装されているので帝釈山よりはましな気もしたが、毎回来たいとは思わない林道だ。
駐車場に到着すると、3台の車が停まっていた。時間帯からして山頂の避難小屋で泊まっているのかも知れない。
明日の混雑を想定して、邪魔にならないよう駐車場の奥に車を停めて、早々と眠ることにした。
早朝、目が覚めると同時に雨が降りだしてきた。天気予報通りの雨模様。
7時開始の山開きに向けて、徐々に車が増えてきた。
「今日は、記念品だけもらって帰るか?」なんて弱気な会話も聞こえてくる。
「予定より受付を早めます」とスタッフの方が声をかけてくれたので、急いで身支度を済ませ、受付のテントへ向かう。
傘をさして歩こうかとも考えたが、雨が強まる傾向にあったので、最初からレインウエアを着こんで歩くことにした。
テントで名簿に名前を記入して、記念品を貰う。
今年からデザインを変えて田代山の形を模したという。従前の将棋の駒のような形もカッコよかったが、柔らかいカーブを描いた今回のデザインも田代山っぽくて良い。さて、次は帝釈山側の記念品をGETだ。
「行ってらっしゃい!」とスタッフの方に送り出され、山へ踏み込んでいく。
レインウエアの中が蒸れて不快だったが、登りに集中しているうちに雨に濡れてそれさえも気にならなくなった。
この天候なので記念品がすぐに無くなるとは思えなかったが、念のため最初からスピードを上げて登っていく。
山頂までは2km程度しかないので、あっという間に到着。
登り切った瞬間、見慣れた広い湿原とその中に延びる木道があった。まさに田代の名が相応しい湿原だ。
本当であれば、この時期でもいまだ白く輝く会津駒ケ岳が目前に座しているのが見えるのに、今日は完全に霧の中で方角さえ分からない。
雨に濡れてションボリしぼんだワタスゲ。ぼちぼちと咲いているチングルマ。ピンクで真っ白な世界に彩を放つヒメシャクナゲやイワカガミが目に入ってきた。タテヤマリンドウはまだ蕾の状態で、シーズンには少し早いようだった。
田代山避難小屋(弘法太子堂)で、お参りをしてから帝釈山を目指す。
縦走路に入ったとたん、本日お目当ての花「オサバグサ」があった。
20cm程の茎の高さに小さな白い花が鈴なりに咲いている。足元がパッと明るくなるようなそんな可憐さを持つ花。葉っぱがシダ類に似ていて、機織り機の筬(おさ)に似ていることからこの名がついたとされている。主に中部地方と東北地方の山で見ることができると言われているが、中部地方ではあまり見た記憶がない。
田代山から帝釈山までの縦走路は、とても歩きやすくて気に入っている。アップダウンも少なく、オサバグサも群生していて特にこの季節は楽しく歩くことができる。
帝釈山に到着。
当然ながらここも完全なる白の世界。唯一見えている標識の写真だけ撮っていよいよ馬坂峠へ下山する。帝釈山の登山口となっている馬坂峠から山頂間は、短い距離ながら結構な斜度を直登するイメージ。雨で滑らないように注意しながら降っていく。
途中、下から登ってくる沢山の登山者とすれ違った。帝釈山の山開きは開始時間が遅かったのかもしれない。
降り切ったところに白いテントと駐車場が見た。懐かしい。
テントの中で受付をされていたスタッフの方に「まだバッチはありますか?」と聞くと、笑顔で「ありますよ」とバッチを一つ手渡してくれた。たかだかバッチ一つのために、雨の中、山を越えてやって来るなんて普通の人には理解し難いと思うが、受け取った時のじんわり伝わってくる幸福感がたまらなくいい。
貰ったバッチをザックに仕舞い、来た道を折り返す。
バッチが無事手に入ったので、帰りはオサバグサの写真を撮りながらゆっくり戻ることにした。
相変わらずの大粒の雨。
田代山避難小屋に戻り、お腹が空いたので休憩所のベンチに座り昼食をとったが、持ってきた手巻き寿司に醤油をかけるも、雨が当たってすぐに薄れてしまった。雨の日に手巻き寿司は向いていないことがよく分かった。笑。
山頂でコーヒーを淹れてゆっくりしたかったが、止まっていると体が冷えるので、ご飯だけ食べて田代山をあとにした。
下山後、田代山側のスタッフの方々に、「無事、帝釈山のバッチももらえましたよ」と伝えたら「えっ、もう往復してきたんですか?」とびっくりされた。
村を上げての山開きイベントとはいえ、こんな悪天候の中、スタッフの方々も我々のために本当にご苦労さまだ。有難うございます。
長時間雨に晒されすっかり身体の心底から冷え切ってしまったので、帰りにもう一度、木賊温泉に立ち寄ることにした。温泉では、三重県から日本中の温泉巡りをされているというとても羨ましい方と出会い、岡山の温泉や三重の山等共通の話で盛り上がって、楽しい時間が過ごせた。
眺望は楽しめなかったが、なにかと楽しい登山だった。
























