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【part.3】幻の『中段新道』探索(四間小屋尾根~滝谷)ワンデイハイク

小川谷右岸下段道(下段歩道)と上段道(上段歩道)、四間小屋尾根、『中段新道』( 関東)

パーティ: 1人 (加藤キーチ(モンターニャ) さん )

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行程・コース

天候

ほとんど曇天、なのにひどく蒸した。風を感じた時間も短い。

登山口へのアクセス

バス

この登山記録の行程

08:13~東日原バス停をスタート
08:52~下段道取り付き地点
09:25~下段道から上段道への連絡作業道分岐(=小屋跡)
09:45~上段道に上がる
10:35~四間小屋尾根(co1250m)
10:47~中段新道の四間小屋尾根乗越し地点(co1130m)~11:10
11:10~中段新道の探索を開始する
13:50~探索を断念する
14:06~四間小屋尾根に戻る
15:30~取り付きに戻る
15:46~鍾乳洞売店~15:50
16:10~東日原バス停フィニッシュ

コース

総距離
約18.1km
累積標高差
上り約2,038m
下り約2,038m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

小川谷右岸『中段新道』探索の3回目。
.
初回は1961年10月の山行報告から位置をほぼ特定できる、中段新道が鳥居谷を横断する地点を下見した。
/初回、20230806、「中段新道とは何か」についてもココから/
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=278185
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2回目は鳥居谷から四間小屋尾根までを歩いた。崩落地の大高巻きと植林帯の通過をのぞけば、おおよそ中段新道をたどれたはず。
/2回目、20230816/
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=279657
.
3回目となる今回、四間小屋尾根から滝谷に下りる区間の解明と、あわよくば喜右衛門尾根(上滝尾根の、P1480から真東に降りる)を乗越して酉谷に至るルートを歩きたかったが、はるか手前で失敗した。滝谷周辺はひどく魅力的なうえにやたらと難しい。
概略は本文を、詳細は写真のキャプションを参照ください。
.
/11:45分前後に通過した窪を振り返る。co1070m付近。/
https://youtube.com/shorts/_tmHTR57JHw?si=Etc_GBnpTsKykhOv
.
〇 四間小屋尾根~滝谷区間の中段新道探索の難しさ
みっつ上げることができる。
まず、地形が険しいこと。
6月25日に上段道=上段歩道の「四間小屋尾根から先」を探索した。そのとき同行者から、
― 四間小屋尾根の北面は「大きなカツラから降る」ほか滝谷に近寄れる地形がない。
と教えてもらったのだが、そのとおり結局滝谷に下りることができなかった。
ふたつめ。
歩いて実感したが、四間小屋尾根を発ち滝谷に至る直線距離にしてわずか300m前後の斜面には、無数に踏み跡が走っている。あるいは道の跡が残っている。いっぽうで前述した1961年10月の角田レポートが残しているヒントは、中段新道が滝谷を渡る地点を標高1100mとしているのみ。当時の陸測図の誤差を考慮すると、標高数十メートルは容易に変わってしまう。そして標高数十メートルの違いは、現在の地理院地図の平面に落としこむと100m以上上流に寄ったり下流に寄ったりする。これでは、たとえ滝谷を渡る道を見つけ歩いたとしても真正の中段新道を歩いたかどうかがわからない。
みっつめ。
角田レポートに、
― 新道は四年ほど前に作られた材木運搬のための仕事道だが
とあるのがどうも気になる。国会図書館のデジタルコレクションで古い記録を当たっているが、1958年の『登山とハイキング案内 : 登山地図帖(山と渓谷社)』のカロー谷の項目にこんな記述がある。
― この谷の中段には様々な木馬径が交叉してるので、その点逃道には恵まれてると云えよう。
『木馬径』はキンマミチと読むらしい。どんな道かと調べればびっくりだ。
/「木馬道」google画像検索結果/
https://onl.tw/ECzCUsa
動画も見つけることができた。
/『木馬(きんま)-山の木材運搬』2008年制作/
https://youtu.be/vdOCWGBS-Ok
「新道」と名がつくからには木馬道そのものとは考えにくいが、木馬道の特徴を残していた場合、急斜面や谷にかけられた桟道部分の痕跡を探し歩くことはまずできないだろう。
.
小川谷にはずいぶん長居をしてしまっている。地図上のログに偏りがあるのも気になる。しかし中段新道の存在に気づいてしまった以上は、ある程度の決着をつけないと次に進む気にもなれない。酔狂だが、酔狂こそ遊びの真骨頂かとも思う。奥多摩ヤブ山ハイカーの先人たちが、新道の存在に気づかず・記録を残していないのが不思議だ。
.
(20230826 了)

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フォトギャラリー:51枚

1.
お「おはようオルソくん。トンボが飛んでいるがまだまだ暑い。そしてきょうはおそらく困難が待ち受けてるぞ。マリア様のご機嫌が麗しくありますように」
オ「………」

2.
下段道の取り付き。

3.
下段道の小屋跡から上段道への連絡道にうつる。

4.
下段道から上段道へ上がる九十九みちの途中で、備忘録的1枚。道はここで折り返しているが、直進する踏み跡もある。中段新道への入り口かもしれない。

5.
すでに上段道に上がり鳥居谷左又。

6.
四間小屋尾根に上がる。そのまま降り標高にして120m下げ、

7.
前回到達した中段新道が四間小屋尾根を乗越す地点、co1130m。きょうの進行方向の踏み跡と、

8.
先週歩いた鳥居谷方向から上がってくる道を振り返って。

9.
尾根を発って100mほど。

10.
下に道が見え、

11.
下段道から上がってくる四間小屋尾根の道を横切る。

12.
振り返って。すでに道をたどれているかどうか怪しい。

13.
標高を下げすぎているのはわかりながら、踏み跡を追う。

14.
よろしくない。

15.
この広い窪を渡ったのか記憶があいまい。「これは違うところを歩いているな」と気づいて集中力を欠いている。危ないな。

16.
ボイスレコーダーに「大岩の小尾根で標高を下げて」と残している。

17.
木の根にたよって一段下げ、窪を横断するルートは見えるが。

18.
前の写真の上方の続き。

19.
「向こう側は上がれるのかなあ」とぼやき声。以上3枚撮ってさんざん悩んだあと、

20.
まず木の根をたよりに一段降りる。

21.
窪を横断中に下方。

22.
写真19で遠望した反対側。苦労した。

23.
横断した窪を振り返る。本文中に動画を添えた。

24.
相対的に平和。

25.
薄い踏み跡をたどる。

26.
まわりこむ小尾根を見上げて。

27.
下方に踏み跡をみつけ降りてみる。下げても仕方ないのだが。

28.

29.
下方に滝谷を眺める。上流と、

30.
下流。

31.
滝谷には橋がかかっていた、との話がいつも頭にあり、

32.
対岸のあやしい模様をズームで撮ってみたり(笑

33.

34.
撤収がてら小尾根で標高を上げ、

35.
道に出会う。振り返って。
トラバースを再開する。

36.

37.
右下に降る。

38.
続く踏み跡。横断し、

39.
振り返って。このとおり数条の踏み跡が写る。

40.

41.

42.

43.
小尾根を乗越す。

44.

45.
小尾根に上がる。

46.
最終到達地点。先に進む気になれず。

47.
小尾根を上がる。

48.
四間小屋尾根に戻る途中の風景。

49.
四間小屋尾根に戻る。

50.
取りつきに戻る。

51.
16時近いというのに。鍾乳洞の駐車場が満車で渋滞が起きていた。

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装備・携行品

【その他】 ラ・スポルティーバのウルトララプターⅡ(以下ほとんどモンベル)。タイツ・半ズボン・チェーンスパイク。長袖ドライシャツ・ペツルのヘルメット・ブラックダイヤモンドのフルフィンガーグローブ・虫よけネット。ザックはロウアルパインの25リッターにヘッドランプ・スマホ(カメラ+GPS)・バッテリー充電器と予備電池・ココヘリ発信機・雨具上のみ・ジャージ・ロールペーパー。ハイドレーションに水1.8L・コッペパンふたつ・カルパス・ナッツとドライフルーツ+塩。着替え一式とサンダルは奥多摩駅のコインロッカー。

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