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2023秋 餓鬼岳~燕岳(雨の3日間)

餓鬼岳・燕岳( 北アルプス・御嶽山)

パーティ: 1人 (白木さんたろう さん )

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行程・コース

天候

初日:曇りのち小雨(10時頃から)
2日目:雨・強風・ガス
3日目:雨

利用した登山口

白沢三股   中房・燕岳登山口  

登山口へのアクセス

タクシー
その他: 松本市内に前泊、当日は松本駅から信濃常盤駅までJRで約1時間、信濃常盤駅からタクシーで10分程

この登山記録の行程

【1日目】
白沢三股(07:20)・・・魚止ノ滝(08:30)[休憩 5分]・・・最終水場(09:03)・・・大凪山(10:40)[休憩 5分]・・・百曲り入口(12:04)[休憩 5分]・・・餓鬼岳(13:04)

【2日目】
餓鬼岳(06:05)・・・中沢岳直下(06:45)・・・東沢岳(08:30)・・・東沢乗越(08:59)[休憩 5分]・・・稜線下り口(10:26)・・・燕岳(11:11)[休憩 4分]・・・燕山荘(11:32)

【3日目】
燕山荘(06:25)・・・合戦小屋(06:59)・・・第2ベンチ(07:55)・・・中房・燕岳登山口(08:37)

コース

総距離
約17.9km
累積標高差
上り約2,775m
下り約2,319m
コースタイム
標準16時間20
自己12時間59
倍率0.79

高低図

標準タイム比較グラフ

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

北アルプスでまだ歩いていない山域がいくつかあり、その1つが燕岳~餓鬼岳・唐沢岳方面。今回は、白沢登山口から餓鬼岳に登り、燕岳、大天井岳、常念岳、蝶ケ岳、徳本峠へと縦走し、上高地へ下る3泊4日の長い山歩きを計画した。24日(日)に山行を決断し、25日(月)自宅を出発、この日は松本市内に宿泊。26日(火)松本駅から大糸線で信濃常盤駅へ、途中の穂高駅ではたくさんの登山者が下車したが、信濃常盤駅で下車したのは私1人。予約していたタクシーで「白沢登山口」へ行き、7時20分、餓鬼岳を目指して登山口を出発。10分ほど林道を歩いてから左手の登山道に入り、白沢にかかる橋を渡る。岩壁に設置された桟道やハシゴなどを登る箇所もあるが、それほど危険な場所は無く、沢沿いに続く登山道を登っていく。8時30分、「魚止の滝」に到着、高さ10mほどか? 小休憩をとって再び登り始める。滝から30分ほど登ったあと、沢を離れて急登が始まる。沢の水音が下方に小さくなっていく。標高1800mくらいまで登った10時過ぎ、小雨が降り始めた。ザックの底から雨具を取り出す。10時40分、大凪山山頂に到着(樹林帯のなか、山頂という雰囲気はない)。11時20分、樹林帯の中の雨の落ちてこない場所を見つけて昼食休憩をとる。12時過ぎ、「百曲り入口」に到着。ここから餓鬼岳小屋への最後の急登が始まる。針葉樹から広葉樹、特にダケカンバの木が目立つようになる。ガスがかかり始める。13時前、「餓鬼岳小屋」に到着。受付をする前に山頂まで登る。5分ほどで山頂に到着したが、白いガスのため全く展望がない。山頂から小屋まで下り、宿泊の手続きをした。この日の宿泊者はシニアの男性3名と山岳雑誌の関係者1名の4名だった。
夜間、強風が吹き荒れ、雨が強く屋根を叩く音で目が覚める。明日の縦走路には「剣ズリ」という難所があり、7~8時間雨の中を歩き大天井岳まで行くのはつらい、縦走を諦め白沢登山口に引き返すことにするか、と考えながら再び眠りにつく。5時前寝具を片付けて朝食をとる。出発の準備をしながら、進むか引き返すか難しい判断に悩む。同宿した男性の1人は縦走をあきらめ下山するとのこと。外に出て雨や風の状況を確認したあと、予定通り縦走することに決めた。6時過ぎ餓鬼岳小屋を出発する。ハイマツと花崗岩の稜線を進んでいくと、巨大な岩峰群がガスの中から現れてくる。剣ズリと呼ばれる難所である。ハシゴや桟道が続く登山道を滑らないように注意しながら通過する。難所を過ぎて登山道は左に折れてガレ場を少し下り、そこから先緩やかなアップダウンを繰り返しながら花崗岩が点在する稜線の道を進む。東沢岳を通過し東沢乗越へ急斜面を下る。正面には登り返さなければならない斜面が霧の中に見えている。9時、東沢乗越まで下った。ここから標高差500mを登らなければならない。登山道はクマザサに覆われて見えなくなっている。笹の中に続く登山道を登っていくと樹林帯に入る。針葉樹林帯から次第に低木の樹林に代わり、ザレ場を登り切って燕岳へ続く稜線に出た。霧が濃く強風が吹きつけてくる。白い砂地にハイマツが点在する中を登山道が続いているが、雨のため踏み跡が不鮮明になっていて何度かルートが分からなくなる。北燕岳を通過し、11時11分燕岳の山頂に到着した。人気の山だが山頂には誰もいなかった。強風で体が冷えてきた。燕山荘は全く見えないが、ここからは踏み跡もしっかり確認でき、山小屋へと急ぐ。11時32分、燕山荘に到着。今日の宿泊予定は大天荘で、時間的には可能であったが、大天荘までの稜線は強風に曝されることが予想され、これ以上縦走を続けると低体温症になる危険性もあるため、燕山荘の受付で、宿泊予約の変更をお願いしてみた。「大丈夫ですよ」と受付の若い男性が答えてくれて一安心。雨具と登山靴を乾燥室に入れたあと、二階の部屋に案内していただいた。畳2枚(定員2名)の簡易個室、「今日は1人で使用してください」とのこと。従業員の対応は皆さんてきぱきとしていて丁寧だった。雨は終日降り続き、山小屋の外の霧がはれることはなかった。
3日目(28日)、悪天候のためこれ以上の山歩きは取りやめ、今日は予定より1日早く下山することにした。6時25分白いガスに包まれた燕山荘を出発し、合戦尾根を下る。7時前、合戦小屋を通過、登山者の姿はなく、ひっそりとしていた。富士見ベンチ、第三ベンチと下るにつれて、登ってくる登山者が多くなった。時折、陽射しが差し込んで明るくなることもあったが、すぐに強い雨が降り出すなど不安定な空模様。沢の水音が次第に大きくなり、8時37分登山口の中房温泉に下山した。

<登山後の感想>
●餓鬼岳から燕岳へ縦走するか、燕岳から餓鬼岳へ縦走するか
体力的には、燕岳から餓鬼岳への縦走のほうが負担が軽いと思います。合戦尾根の登りよりも、白沢登山口から餓鬼岳への登りのほうがはるかにきついです。合戦尾根はよく整備され、急登が長く続くところはありませんが、餓鬼岳への登りは、ロープ・クサリ・ハシゴが多く、場所によっては草や木の枝をつかんで登るようなところもあります。また傾斜の強い斜面の登りが長く続きます。単純標高差は1650mほどですが、アップダウンがあるので累計標高差はさらに大きくなります。餓鬼岳と燕岳の中間に大きく落ち込んだ東沢乗越があり、燕岳の稜線との標高差が約500m。燕岳から縦走する場合は、ここが下りになりますが、餓鬼岳からの場合は急登になります。
●餓鬼岳から縦走する場合は、1泊2日の行程も可能
ただし、体力や歩くスピードに個人差があるので、自分の体力にあった計画にしてください。また、山では朝とか夕方の景色が素晴らしいので、ゆとりがあれば2泊3日で山歩きを楽しんでほしいと思います。
●今回行くことができませんでしたが、唐沢岳からの展望は素晴らしいとのこと。時間があれば、餓鬼岳小屋に荷物を置いて往復されるといいと思います。



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フォトギャラリー:42枚

曇り空、天気を気にしながら白沢登山口を出発

10分ほど、林道のような道を進む

林道から登山道に入るとすぐに白沢に架かる橋を渡る

岩壁に架かる桟道を行く。高度は無いので恐怖感はない。

桟道を歩き、その先にハシゴが待ち受ける(右上)

紅葉の滝付近に設置された木の階段

魚止の滝で小休憩

滝の上流、対岸へ渡り、その先の長いハシゴへ向かう

大凪山山頂到着(10:40)。10時頃から雨が降り出す。

少し色づき始めた木々

最後の急斜面、百曲り入口に到着

餓鬼岳小屋まであと30分。疲労もピークで苦しい登りが続く。

山腹に続く細い道。小屋までもう少し。

餓鬼岳小屋に到着

餓鬼岳山頂へ続く斜面

餓鬼岳山頂、残念ながらガスで周囲の山々は見えず

樹林の中の小さな山小屋

餓鬼岳山頂部と餓鬼岳小屋

剣ズリ方面に伸びる稜線、明日はここを縦走

餓鬼岳浄土曼荼羅絵図

2日目、餓鬼岳小屋を出発し、燕岳を目指す

巨岩の脇を通っていく

剣ズリと呼ばれる難所にかかるハシゴ

花崗岩を縫って続く稜線の道。強い西風が吹きつける。

一瞬、雲が切れた剣ズリ方面を振り返る

険しい岩峰が聳える

急峻な岩場の登り、雨に濡れているので慎重に

霧にかすむ岩峰

餓鬼岳と燕岳の中間点付近、まだまだ先は長い、焦らぬように

東沢岳からの下り、正面に見える山の斜面を登り返す

東沢乗越(標高2253m)まで下る。ここから標高差500mの急登

チングルマ

コケモモ

急登を登り切り、燕岳へ続く稜線に出た。

燕岳山頂の三角点

有名なイルカ岩

燕山荘 夕食

3日目、雨とガスのなか、燕山荘を出発、合戦尾根を下る。

人の気配なく静かな合戦小屋

第二ベンチ。燕岳を目指す登山者が十人ほど休憩していた。

第一ベンチ。沢の水音も大きくなってきた。

中房温泉へ下山。

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装備・携行品

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登った山

餓鬼岳

餓鬼岳

2,647m

燕岳

燕岳

2,763m

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