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巻機山(ガスの急登を抜けると一瞬の展望❣️)2024

巻機山( 上信越)

パーティ: 1人 (ブナ太郎 さん )

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行程・コース

天候

曇りのち小雨

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 第一駐車場には30台おど駐車できます。その奥にも4、50台駐車できます。駐車料金500円。

この登山記録の行程

Start(06:40)・・・桜坂(06:44)・・・三合目(06:54)・・・五合目(焼松)(07:56)・・・六合目(08:32)・・・七合目物見平(09:12)・・・九合目前巻機(10:14)・・・巻機山避難小屋(10:40)・・・巻機山御機屋(11:08)・・・最高点(11:20)・・・牛ヶ岳(11:41)・・・最高点(11:59)・・・巻機山御機屋(12:07)・・・巻機山避難小屋(12:31)・・・九合目前巻機(12:44)・・・七合目物見平(13:36)・・・六合目(14:00)・・・五合目(焼松)(14:21)・・・三合目(15:03)・・・桜坂(15:11)・・・Goal(15:16)

コース

総距離
約12.7km
累積標高差
上り約1,555m
下り約1,553m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

⚫︎ガスの濃い越後山脈
 「夏山遠征2024」の二日目は巻機山。台風5号が東北地方に接近しているため、その影響がどこまで及ぶのかが分からず、やきもきしていた。4時半に起床し、空を見ると晴れている。今日一日、何とか持って欲しいと思いながら宿を出た。関越自動車道の「みなかみインター」付近から谷川岳を見ると、山頂部は厚い雲で覆われていた。
 関越自動車道を、「塩沢石打インター」に向けて走る道中、やはり周囲の山々には濃いガスがかかっている。「塩沢石打インター」で降りると、西側には青空が覗いていて、もしかしたらという淡い期待を抱かせたが、巻機山方面はどんよりとした雲が厚くかかっていた。日帰りの近場であれば、この天気で山に登ることはないと思うが、ここまで来たので、ピークハントでも良いと割り切って駐車場に向かった。

⚫︎駐車場
 清水の集落から表示に従って細い舗装道路をしばらく走ると駐車場に着く。30台ほど駐車可能で、奥には同じくらいの駐車スペースがあった。水洗の綺麗なトイレもある。駐車料金は500円。登山道などの整備に充てられるのだろう。決して高くはない。
 予定通り、6時40分に出発。天気は相変わらずガスで、山の裾野しか見えない。舗装道路から右に折れて尾根コースの登山道に入り、しばらくは比較的なだらかな道を進む。周囲はブナやミズナラの森で、次第に傾斜がきつくなってくる。つづら折りの急登が続き、今日の高湿度の天候と相まって、汗を絞られる。
 5合目手前で、見事なブナの森に出会い、ここで小休止とした。

⚫︎湿気との戦い
 5合目からもブナの中を進む。傾斜はやや緩やかになったものの、かなり消耗する道程である。気温はそれほど高くはないが、湿度が異様に高く、今日は湿度との戦いである。
 途中、単独の男女各1名に追い抜かれた。ペースは全く上がらず、モチベーションは一気に低下。巻機山のピークハントに予定を変更するつもりで、辛抱しながら歩き、ようやく6合目に着く。
 
⚫︎裸地から笹原へ
 6合目の先には小さな裸地があった。ここで2度目の小休止。裸地の先は笹原の斜面になっていて、ここを登っていく。もうずっと登りが続いているが、稜線はまだ先のようだ。ただ、樹林帯を突破したため、少し風が抜けるようになる。
 笹原をジグザグに登っていくと、木の階段が現れた。朽ちた木道を、最近整備したようで、歩きやすい。それでも登りは続く。湿度で体力は削られ、極端に速度は落ち、やっとのことで稜線に乗り上げたものの、周囲はガスに巻かれて展望はない。

⚫︎ベニヒカゲ
 稜線をとぼとぼ歩いていると、風の具合が急に変わり、右手の切れ落ちた斜面が一気に広がった。斜面は緑の湿原になっていて、そこから谷に急激に落ち込んでいる様子が分かる。対岸の山裾には、ところどころに針葉樹の塊が点在している。この景色の広がりを見て、一気にモチベーションが回復した。
 稜線をニセ巻機山に向かう途中、木道周辺をひらひらと舞う蝶が目に入った。高山蝶のベニヒカゲである。数年前に朳差岳で群舞するのを見て以来、久々の対面。写真を撮ろうとすると逃げてしまうのだが、なぜか靴やタイツに止まる個体がいて、何度かシャッターを切った。
 ベニヒカゲにも元気をもらって、いよいよニセ巻機山。ここでエネルギーを補給し、高層湿原の広がる広い稜線を避難小屋に下っていく。木道にはたくさんのベニヒカゲがひらひらと舞っていた。

⚫︎ガスが飛ぶ
 木道を避難小屋に下り、巻機山山頂へはそこからまた登り返す。避難小屋でもガスが晴れた状態は続いていて、それならばと休まずに登り返しに向かった。途中で振り返ると、今まで見えなかったニセ巻機山までの稜線がはっきりと見えている。ほんの数分間の幸運に感謝し、ガスに包まれた巻機山山頂部を目指した。
 登り返しは二箇所ある。最初に登り返しを登り切ると、高層湿原が広がっている。大小の池塘が点在する湿原には木道が敷かれ、そこから見る山頂部はすっかりガスに覆われていた。
 ところが、僥倖は二度、三度続いた。またしてもほんの数分、山頂部のガスが取れて優美な稜線が姿を現したのである。

⚫︎高層湿原を歩く
 巻機山の山頂は実にそっけないものだ。小さなケルンがあるだけで、ここが山頂とは誰も思わないだろう。実際、標示板は山頂の数百メートル手前に設置してあり、そこは広場になっていた。
 今日は広場から山頂に向かい、そこで引き返す予定だったが、ベニヒカゲとガスの飛ぶ幸運でモチベーションが回復し、牛ヶ岳まで足を伸ばすことにした。この道は高層湿原の木道で、本当になだらかでおおらかな道である。晴れていれば、まさに絶景が広がる至福の登山道を、今日は濃いガスの中、牛ヶ岳山頂まで往復した。

⚫︎長い下り
 巻機山山頂からは来た道をそのまま戻る。ガスが立ち込め、展望は効かないものの、一瞬でも見た景色が脳裏に焼き付いて、下りの単調さも苦にならない。6合目まで下ると、雨がぱらついてきた。ただ、ここからは樹林帯の中を進むので、雨の影響はほとんどない。
 辛い登りは辛い下でもあるが、ガスが飛んだ5分の幸運と、べニヒカゲの乱舞を思い起こすと、そんな単調さも全く苦にならず、ほぼ予定通りに駐車場に戻った。

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装備・携行品

登った山

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