行程・コース
天候
初日:曇り後晴れ、2日目:晴れ時々曇り、3日目:晴れ
利用した登山口
登山口へのアクセス
タクシー
その他:
往路:小淵沢駅→観音平(タクシー:\4000)
復路:美濃戸口→茅野駅(午前・午後共、1便のみ)
片道¥1900(一昨年は¥1500、今年2月は¥1700)
この登山記録の行程
【1日目】
観音平(09:30)・・・雲海(10:31)[休憩 14分]・・・押手川(11:32)[休憩 10分]・・・編笠山(13:41)[休憩 19分]・・・青年小屋(14:41)
【2日目】
青年小屋(04:15)・・・西ギボシ(05:30)・・・東ギボシ(05:57)・・・権現岳(06:20)[休憩 10分]・・・旭岳(07:15)・・・ツルネ南峰(07:54)・・・・・・ツルネ北峰(08:03)キレット小屋(08:25)[休憩 10分]・・・赤岳(11:57)[休憩 23分]・・・赤岳天望荘(12:50)[休憩 30分]・・・行者小屋(14:40)
【3日目】
行者小屋(03:50)・・・美濃戸(06:29)[休憩 6分]・・・美濃戸口(07:35)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
夏の休暇の山行を何所にしようかと考えていた時、山と渓谷の「冒険の南」というフレーズで頭に浮かんだのが権現岳。ここ2年で情報のないまま積雪期にアタックして敗退した山だ。せめてどんな奴だか見てみたいと考え、今回の山行を計画した。
権現岳は、天女山と観音平からの2つのコースが一般的だが、途中でテン泊を入れても一泊二日と物足りない。
では、権現登頂後、八ヶ岳キレットを通過し、主峰の赤岳を目指すと、余裕を持って二泊三日の満腹感のある山旅になるのではと計画したが、考えていた8月に山行可能な日の天候がイマイチのまま、毎日朝昼晩と天気予報と現地のライブカメラ映像を比較し、ベストな日にちを決定、ついにゴングは鳴らされた。
■観音平~編笠山
冬場は観音平までの林道が閉鎖され、観音平口までしかタクシーで行けなかったが、夏場は観音平まで直行できるため、1時間以上の節約ができた。
既に車で一杯になっている観音平は、こんなに狭かったかなと言う感じで、全く違う場所に見えた。雲海、押手川へと続く山道も、緑で覆われ全く違う印象で、典型的な目印となり得る大岩の様子などで、冬場のイメージを思い出しながら歩いた。
押手川の分岐も、冬場は全くトレースがなく、編笠や目へはどちらへ行くのだろうという感じであったが、道標も露出しており、難易度は低い。しかし、冬場は雪に覆われていて凹凸が少なかった段差の大きなゴーロの傾斜が牙をむく編笠山への道だった。
■編笠山~遠い飲み屋
編笠山の途中までは、雲の中であったため、開けた場所でも展望はなかったが、雲上に出た山頂からは、ギボシ~権現岳~赤岳~中岳~阿弥陀岳と、これから歩く主要な稜線と南八ヶ岳の山々が一望できた。岩にかかれたマークを頼りに編笠山の裾野のゴーロを抜け、遠い飲み屋に到着、手続を済ませて設営した。忘れない内に乙女の水まで水汲みへ。とても冷えた美味い水を汲み天場へ戻る。
翌朝早いため深酒はアレだが、せっかく訪れた、開いてる遠い飲み屋。350の缶ビール(¥500)で乾杯し、早めの夕食。日没直後の18時半には就寝し、翌日の冒険に備えて鋭気を養う。
■青年小屋~ノロシ場
2時頃から編笠山からトレランの人達が引っ切りなしに下りてくる。それを横目に朝食と撤収。
冬場に敗退した、権現への道を進む。その時に敗退を決意した約2500mの場所は急傾斜の岩盤で、そこに積もったサラサラの雪が延々と崩れて登れなかった事が分かった。両脇の斜面は植生が密で抜けるのに苦労しそうだった。冬場にラッセルしながら2時間掛かったのが今回は20分と、山はその時々で表情を変えるという事を実感しながらノロシ場に到着した。
■ノロシ場~権現岳
ハイマツの茂みに付けられた道を行くが、張り出した茂みのため、足下が見えずに時折躓く。
ギボシへの登りは、時折ペンキでかかれた目印に気がつく程度で、途中、GPSでコースの右寄りに登っていることに気付いて左に修正したりしたことからも、ある程度のルーファイが必要。
西ギボシの基部から、岩場をトラバースする鎖場が始まるが、着実に歩けば問題はなかったが冬期に鎖は埋まるだろう。
最後に東ギボシ直下の岩稜を抜け茂みに入り少し進むと、ハッキリと右に傾いた権現小屋に到着、権現小屋の後方斜面を通り、進んだ先にキレットへの分岐があり、ここでザックをデポして権現に登頂、ここ数年果たせなかった目標を果たした。
■源治梯子~キレット小屋
源治梯子の手前が崩れ気味だったが、梯子自体は安定して全く不安は感じなかった。
梯子の上から見た、これから進む稜線のアップダウンにゲンナリしたが、余計なことを考えずに旭岳、ツルネと越えた。
ツルネでは、コマクサの開花を期待していたが、花の時期は完全に終わっていた。
キレット小屋へは尾根の左側から右側へ巻くようなコースだが、崩れた場所をへつる様な場所もあり、キレット小屋の営業休止もあるのか、荒れている感じがした。
■キレット小屋~赤岳
キレット小屋出発後、森を抜け、ハイマツ帯を過ぎると、南八ヶ岳の尖った山稜が連なるガレ場に出た。ガレ場を少し登ると、森の中に入ったり出たりを繰り返し、気がつくと石が落ちてくるルンゼの中に。
ルンゼでは、上のバンドに降りてくる人がいれば先に降りてもらうなど、交互にやり取りしながら登って行く。
シャリバテに気を付けながら、定期的にカロリーを摂りながら行動してきたが、思ったよりも水分補給が足りてなかった様で、天狗尾根ノ頭手前で脱水気味で具合が悪くなってきた。
そのためこの区間は計画よりも大幅に時間が掛かかり、かなり遅れて赤岳山頂に登頂した。
■赤岳山頂~地蔵ノ頭
まずは赤岳頂上山荘でコーラを一気飲み。元祖、エナジードリンクだけあって沁みる。
数年ぶりに雪のない時期に下った赤岳北陵は、かなり浸食した感じとなっていた。
すぐに赤岳展望荘へ向かい昼食を注文、赤岳展望荘でもそうだったが、12時過ぎだとご飯が尽きており、カレーなどが終わっていたので、天ぷらうどんを注文し、昼食を済ませた。赤岳展望荘の窓からは、行者小屋と赤岳鉱泉、諏訪の街がよく見えた。
食後、地蔵ノ頭へ向かい、行者小屋へ下る。
■地蔵ノ頭~行者小屋
行者尾根は、雪崩で崩れたのか、数年前の雪がない時期に通った時より、崩落が進んでおり、下の地蔵の位置も、過去にGPSで記録していた位置より下側に移設されている様だった。
■行者小屋
14時半過ぎに到着した時には、テン場にはかなり入っている感じだったが、小屋前の机とベンチの側にスペースを見付けて設営し、お疲れ山の生ビールを注文、一息ついた。
なんだか疲れたので、夕食は小屋で食べることにして昼寝、17時半に夕食を注文しに行くと、15時で終わりだと告げられ、手抜き計画は破綻したが、カップラーメンは食べられたので、注文し、夕食を済ませた。
夕食後に就寝したが、酔っ払ったグループが20時過ぎまで騒いでいたり、22時頃には星を見に小屋から出てきたグループが五月蠅かったり、ゆっくりと寝られなかった。
赤岳鉱泉程ではないが、夏の行者小屋もリゾート化していて、青年小屋のストイックさとは別世界の様だった。
■行者小屋~美濃戸口
翌朝は2時に起床、朝食等を済ませ撤収、4時前に出発したが、南沢のコースも崩れたり荒れたりした箇所が多く、記憶にあるものと違っていたため、頻繁に現在位置の確認を行い、日が出て明るくなるまでペースが上がらなかった。
下山時は、行者小屋の水、美濃戸山荘の水、赤岳鉱泉の水と、美味い水を堪能しながら下山し水分補給を多めにした。
美濃戸口に到着後、八ヶ岳山荘で入浴し、三日ぶりの湯船の気持ちよさに思わず声が出た。
入浴後の下山メシは、定番の山賊焼き定食を注文、マヨだくで行きたかったのでお願いしたら、マヨネーズを出してくれて、大満足の下山メシとなった。
今回の山行も、7月の尾瀬に続いて二泊三日で山域を味わい尽くすという点で共通しており、色々な意味で、その山域でお腹いっぱいになるという目的は達成できた。今後も、この様な濃密な山行を計画して行きたい。
フォトギャラリー:49枚
装備・携行品
| シャツ | アンダーウェア | ソフトシェル・ウインドシェル | ロングパンツ | サポートタイツ | 靴下 |
| レインウェア | 登山靴 | バックパック | スタッフバック | 水筒・テルモス | ヘッドランプ |
| 予備電池 | 傘 | タオル | 帽子 | グローブ | サングラス |
| 地図 | コンパス | ノート・筆記用具 | 腕時計 | カメラ | 登山計画書(控え) |
| ナイフ | 修理用具 | 健康保険証 | ホイッスル | 医療品 | 虫除け |
| ロールペーパー | 非常食 | 行動食 | テーピングテープ | トレッキングポール | GPS機器 |
| テント | シュラフ | テントマット | スリーピングマット | ストーブ | 燃料 |
| ライター | カップ | クッカー | カトラリー | ヘルメット | |
| 【その他】
装備重量:約8.8kg(+ポカリ500ml×2) 食料:1日昼食@総菜パン、夕食@モンベルリゾッタ+レトルト焼鳥+味噌汁 2日朝食@アルファ化米+お茶漬け、昼食@赤岳展望荘(天ぷらうどん¥1200)、夕食@カップラーメン 3日朝食@ランチパック 非常食:アルファ化米、チキンラーメン、カロリーメイト 水:使用量/保有量@初日:0.5L/1.0L、2日目:1.2L/1.5L+ジュース1L、3日目:0.8L/1.0L) ガス使用量:10g(調理回数2回+コーヒー沸かし3回) 気温:日中:22~19℃程度、夜:18~12℃、明け方:11℃ 日没/日出:18:23/05:05(8/22) エスケープ:行動可能な場合、最も近い経路で最短の登山口へ下山する。 3日目の天候悪化が予想される場合は、2日目に天女山側へ下山することも考慮する。 その他:エアピロー、ココヘリ |
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