行程・コース
天候
1日目:曇りのち雨
2日目:雨のち曇り
登山口へのアクセス
タクシー
その他:
往路:長野駅からアルピコバスで信濃大町へ。そこから予約しておいたアルピコタクシーで白沢三股へ(5,400円)。
復路:中房温泉から路線バスで穂高駅へ。
この登山記録の行程
【1日目】
白沢三股(10:10)・・・魚止ノ滝(11:30)・・・最終水場(12:10)・・・大凪山(14:10)・・・百曲り入口(15:50)・・・餓鬼岳(17:15)
【2日目】
餓鬼岳(05:20)・・・中沢岳直下(06:45)・・・東沢岳(09:12)・・・東沢乗越(10:00)・・・西大ホラ沢出合(11:25)・・・ブナ平(13:30)・・・中房・燕岳登山口(15:10)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
一昨年、折立から扇沢に縦走した際に、餓鬼岳から大天井岳、常念岳へと連なる美しい尾根に惹かれて、いつかは歩きたいと思っていた。
昨年、9月に餓鬼岳を起点にテント泊で常念山脈を蝶が岳まで歩くプランを立てた。けれども、高速バスの予約が取れず、仕事の都合もつかず、計画倒れに終わった。
今年は、今度こそはと、バスの予約を早めに済ませた。北アルプスの山小屋はテント場の予約が不要なところが多い。そのため、餓鬼岳小屋のテント場も予約していなかった。さて、9月が近づいてきて、予約やスケジュールの点検を始めたところ、餓鬼岳小屋はテント場も予約が必要と気づいた。テント場の面積は、5張り分しかないらしい。慌てて餓鬼岳小屋に電話したところ、9月の土日は、小屋もテント場も全て満員とのこと。万事休すか。
当初は、金曜深夜の高速バスで、早朝に信濃大町に着き、そこからタクシーで5:30に白沢の登山道から入山する計画だった。
しかし、どうしても諦められなかったので、金曜に有休を取り、予定を一日早めることにした。
1日目:
・白沢登山口まで
JRの始発で長野まで、そこからアルピコバスで信濃大町へ。さらにタクシー(アルピコタクシーを予約しておいた)で白沢の登山口へ。10:10スタート。
天気は曇り。今にも雨が降り出しそう。
7時間行程。テント泊装備、3泊4日用の食糧と水3.5L。これで1600mの登りは中々にきつい。
山小屋の夕食が17:00なので何とか間に合わせたいところだが、正直自信はなかった。高速バスと違って、睡眠不足の恐れが無いのが救いか。(なお、17:00回るかもしれないことは、山小屋には伝えてあった。頑張って登ってきて、とのことだった。)
・餓鬼岳小屋まで
東京はまだ最高気温33度Cと、気が狂ったような暑さが続いていた。8月下旬の悪沢岳では酷暑で熱中症に苦しんだ。そのため、今回から日焼け止めを導入するなど、暑さ対策を充実させていた。
しかし、9月中旬の北アルプスの気候は、曇り空のせいもあってか、いつも通りの秋の風情であった。(暑さ対策は空振り。)
魚止ノ滝の手前で、やはり雨が降り出した。(雨は翌朝まで降り続いた。)
最終水場までは、沢筋の登り、渡渉箇所が多い。登山道は変化に富んでいる。時折、河原に腰を下ろして、山の静けさを味わう。
登山道の特徴として、基本的に道幅が狭い。急登が連続することもあり、荷物を下ろして休める場所が少ない。休める場所を見つけたら、休んでおいた方が良い。
大凪山の手前までが非常にきついが、そこからは百曲がり入口までは、かなり歩きやすい。百曲がりは、よく整備されているが、やはり道幅が狭く、神経を使う。
途中、レインウェアの中のシャツが濡れているのに、違和感を感じた。湿度が高いのか全く乾く様子がない。
何とか、17:10頃に餓鬼岳小屋に着いた。
・餓鬼岳小屋
乾燥室はなく、まずは屋外のハンガーで水滴が落ちなくなるまで乾かして、それから室内のブルーシートの上に干す。
足を止めると体温が下がり、寒さが身に染みてくる。
宿泊客は、私の他に1人だけだった。燕山荘から東沢岳経由で餓鬼岳に来られたそう。ご年齢が70過ぎとのことなので、中々の健脚だ。
室内では薪ストーブが炊かれており、その周辺は温かかった。
餓鬼岳小屋の夕食は、噂通り、大変豪華だった。ちらし寿司、おでん、デザート。すっかり満腹になってしまった。
翌朝、当初予定では3:30出発だったが、
そこそこ雨が降っていたので、雨が止むのを待って5:00に出発した。
2日目:
・餓鬼岳小屋から
夜間は度々強い雨が降っていたよう。4:00出発の予定だったが、弱い雨が降っていたので、出発を遅らせる。結局、5:20頃に出発した。
・中沢岳、東沢岳
地形図からは読み取れなかったのだが、この区間はかなり歯応えがある。稜線のピークを伝ってアップダウンを繰り返すが、身体全体を使った岩場の上り下りが必要な箇所も少なくない。天気は時々雨。
初日で体がくたびれたのか、朝からここまで、標準タイムを大きく割り込んでしまった。
・東沢乗越にて
時刻は10:00、大天井岳まで標準タイムで残り6時間。山小屋で一緒だった登山者によると、ここから北燕岳への道はひどく藪化しているという。標準タイムでは歩けそうにない。
稜線上で電波が拾えたので、天気予報を見てみたが、この悪天候はあと2日続くという。今日はまだ登山者に出会っていない。
ここから中房温泉まで標準タイムで3時間余り。
雨天では避けたい、沢伝いのルート。登山者は、ここからの下山ルートもおそらく藪化しているだろうと言っていた。
散々迷った末、ここから下山することにした。
まずは、雨の中、重量のある食料を減らす。温存してあった果物や缶詰、液ものを食べた。
最後に、靴紐を締めなおして下山を開始した。しかし、この後も雨が止まなかったこともあり、ここからの道も一筋縄では行かなかった。
・東沢乗越からの下山
この先の登山道は噂通り藪化していて、度々道に迷う。
初めは急傾斜の下り、ぬかるむ斜面では踏ん張りも効かない。草を束ねて掴むことで手掛かりにしつつ、四つん這いになりながら慎重に降りていく。それでも途中一度、足を滑らせて、酷い尻餅をついた。尾てい骨の辺りが焼けるように痛んだ。(治癒するのにこの後3週間を要した。)
急斜面を下ると、沢と出会う。その後は、沢沿いを下りながら、数度の渡渉が待っている。靴をできるだけ濡らしたくないところだが、沢が増水していて、渡るのも容易ではない。
やがて登山道は沢を離れるが、堰堤等を避けるためか、登り返しが多数あり、体力と気力が削られる。
途中、沢から離れて高度を上げたところから、誤ったトレースを追ってしまい、気付かぬ内に沢の方に降りてしまった。その時、後ろから別の登山者(本日唯一の登山者)が現れた。二人で相談しつつ、GPSで確認すると、明らかに登山道を外れてしまっている。仕方なく、20mほど斜面を這い上がったところ、幸いにも登山道に復帰することができた。
その後も二人で迷いながら下山を続けた。とにかく道を見失いやすく、試行錯誤しながら降りていく。こういう時は同行者の存在がありがたい。
ブナ平の先まで下れば、勾配はだいぶ緩くなるが、それでも日当たりが悪く、苔むした登山道は、滑って歩きにくい。
結局、標準タイム3時間余りのコースに、5時間を費やしてしまった。
・中房温泉
帰りのバスまで時間が無かったが、日帰り温泉「湯原の湯」に立ち寄った。汗と雨で湿った身体を温めの湯船が癒してくれる。月見そばを一杯頂いたら、バス停へ急いだ。
・帰路
中房温泉から穂高駅へ向かう。穂高駅から鉄道で松本に戻った。松本駅で夕食をとり、土産物を物色しつつ、帰路に就いた。
まとめ:
・餓鬼岳周辺は、北アルプスの中でもかなり歯応えがあるルートかも。
・天気に恵まれず、曇 or 雨で、景観には恵まれず。天気が回復しなさそうだったので、2日目に東沢乗越からエスケープした。しかし、エスケープルートも一筋縄では行かなかった。下調べ不足。
・天気が良くなかったせいか、2日間で出会った登山者は2人。
フォトギャラリー:56枚
装備・携行品
| シャツ | アンダーウェア | Tシャツ | ロングパンツ | ショートパンツ | 靴下 |
| レインウェア | 登山靴 | バックパック | サブザック | スタッフバック | スパッツ・ゲイター |
| 水筒・テルモス | ヘッドランプ | 予備電池 | タオル | 帽子 | グローブ |
| 着替え | 地図 | コンパス | ノート・筆記用具 | 登山計画書(控え) | ナイフ |
| 修理用具 | ツエルト | 健康保険証 | ホイッスル | 医療品 | 虫除け |
| ロールペーパー | 携帯トイレ | 非常食 | 行動食 | テーピングテープ | GPS機器 |
| ストーブ | カップ | クッカー | カラビナ |




























































