行程・コース
天候
晴れのち曇り(小雨パラパラ)
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
カーナビには「二岐温泉」をセット。温泉集落の奥にある「二岐橋」を渡ったところに5~6台程度の駐車場有り。ダート(軽クラスでも走行は可)になるが、その先2kmほどのところにも「御鍋神社(おなべじんじゃ)駐車場」がある。50台程度とかなり大きな無料駐車場。簡易トイレが設置されていた。GPS座標は(37.234114 139.970716)。今回は、周遊するため、二岐橋手前の空きスペースに停めさせてもらった。2台程のスペース有り。
この登山記録の行程
二岐橋(10:33)・・・御鍋神社登山口(11:17)・・・八丁坂(11:23)・・・あすなろ坂(11:29)・・・ブナ平(11:44)・・・男岳坂(11:59)・・・二岐山・男岳(12:18)(昼食~12:44)・・・女岳(12:59)・・・記念樹(13:01)・・・地獄坂(13:03)・・・女岳坂(13:29)・・・女岳登山口(13:43)・・・二岐橋(14:20)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
いろいろとイレギュラーなことがあり、すっかり予定が狂ってしまった3連休。
こんなことなら最初から遠征を優先すればよかったと思ったが、先約があったので仕方がない。せめて近場でもこれまで行けなかった山へ行こうと、日曜日の朝に山道具を積んで福島県の二岐山へと向かった。
登山にしては出発の時間が遅かったので、日曜日は移動だけで登山口の下見だけして観光でも楽しもうかと思っていたが、10時過ぎと意外に早くは到着することができたので、「これならまだ行ける!」とそのままの勢いで登ることにした。
二岐橋の手前にあった僅かな空きスペースに車を停めてさせてもらい服を着替える。
10時26分、行動開始!。
橋を渡り林道をゆっくりと登っていく。
樹々の間から真っ赤に染まった二岐山が右手側に見えた。青空とのコントラストが最高だった。友人の一人が今頃、山梨の有名な渓谷に行っているはずだが、透き通る沢に水面に映る紅葉と、こちらの渓谷も決して負けていないと思った。
御鍋神社の駐車場を過ぎて少し歩くと右手側に登山口が見えてきた。看板が外れていたので危うく見落とすところだった。
登山口から水平に歩き、100mほどのところで斜面へ取り付く。
気持ちの良い斜度だと思っていたら、「八丁坂」という看板が設置されていた。やはり名のある坂だったのか。
続いて「あすなろ坂」。
ここまで来ると斜度も幾分緩やかになってきた。同時に杉からブナ林へと植生が変化し、黄色を主とした紅葉ゾーンに突入した。
鮮やかな色に包まれ、落ち葉を踏みしめながら「ガサッガサッ」と音を立てながら進んでいく。時折、鹿の甲高い鳴き声が山間に響き渡っていた。
11時33分、「ぶな平」へ到着。
登山道もここで一旦水平移動に入り、散策するかのように軽やかに森を抜けていく。ただ、前日の雨の影響か、ぬかるみがあちこちにあった。気を付けないと足首まで沈み込みそうだった。
山頂に向けて最後の斜面に向き合う。
最初は沢に沿うように登っていくが、登山道が沢と一体化していて濡れないように歩くのが一苦労だった。
11時47分、「男岳坂」の看板を横目にラストスパートをかける。
いつしかブナ林も姿を消し、変わって背丈ほどの灌木ゾーンに入る。
最後の100メートル、その灌木の間を抜けるように登っていくと一気に開けて空が見えた。
12時06分、二岐山(男岳)の頂へ到着。
登ってくる時は周囲の樹々が邪魔をして何も見えなかったが、振り向くとそこには息をのむ光景が広がっていた。
まさに「那須連山ワールド」。
裏から表にかけて続く那須連山の稜線が一望できる。
特徴的に尖った山は旭岳に三本槍岳。手前にはお椀を伏したような大白森山と小白森山も見える。残雪期に裏那須連山を一日かけて縦走した記憶が蘇って来た。
那須の名だたる山全てが一望できるなんて。。。
「こんな場所があったのか」と思わず感嘆の声がもれた。
那須連山の麓に目をやると、裾野一面が真っ赤に紅葉しているのが見えた。まるで、絨毯を敷き詰めたかのようだった。
会津駒ケ岳方面も薄っすらと見えていたが、こちらは残念ながら雲のせいでぼんやりしていた。反対側を見ると、安達太良山や会津磐梯山も確認できた。おそらく雲が無ければ飯豊山等も見えていたに違いない。
那須連山を筆頭に大好きな山々を360度眺望できるダイナミックな光景。「いつか行けたらいいな」程度にしか考えていなかったが、「もっと早く来ていればよかった」と思った。
そのまま去るには勿体なかったので、頂で休憩を入れることにした。
お湯を沸かしてカップラーメンを作り、残ったお湯でココアを飲みひと息をつく。ココアの甘い香りがほんのりと身体を温めてくれた。
もう少しゆっくりしていたかったが、スタートが遅かったので、最後にもう一度だけ那須の景色を目に焼き付けてから、続いて女岳へ向かった。
女岳へは、一旦大きく降り登り返す。
眼下には、紅葉に染まった森の中に一列に並ぶ風力発電の白く大きなプロペラが見えた。
降りの斜面は激坂な上に、濡れた落ち葉が積み重なっていて気を抜くと一瞬で転げそうでとても危険だった。
枝をつかみながらバランスを取り丁寧に降り、そして、そのままの勢いで大きく登り返していく。
12時47分、「女岳」へ到着。
女岳は男岳と違い樹木に囲まれていてほとんど眺望はなかった。
二岐山は、いわゆる双耳峰で名前の由来もそこにあるが、面白い逸話も残されている。
各地に残る大男伝説ダイダラ坊(ダイダラボッチ)がこの地方にもあり、そのダイダラ坊がこの山をまたごうとした際に、股を頂にぶつけてしまいその勢いで山が二つに分かれてしまったとか。なんとも壮大な伝説だ。「どれだけ丈夫な○玉だったのだろうか」と思い出すとクスっとしてしまう。
眺望が無かったのでそのまま先へと進むと、少し降ったところに二本の寄り添う松が生えていた。片方の幹に「平成元年、山頂結婚式記念」と看板が設置されていた。
近づいてみてみると、「この樹に触れて『縁がありますように』と念じてください。きっと幸福が訪れるでしょう。」と書かれていた。「二俣山の会」が設置したものらしい。昔、山頂で結婚式のイベントをやったのだろうか。山屋にとって素敵で粋なイベントだ。
「縁結び」とは少し主旨が異なるが、とりあえず幹に触れながら「山とのご縁、絶景とのご縁」を祈ってみた。
早速ご利益があったようで、50m程進むと断崖絶壁に出た。
「地獄坂」と看板にある。ここから激下りゾーンに入るようだったが、その前に崖上の岩に立つと、眼下が一望できた。まるで空を飛んでいるかのように景色を見渡すことができた。「爽快感半端なし!」だった。つくづくピストンではなく周遊を選んで正解だった。
「さぁ、下山だ!」と、長いロープが垂れ下がった地獄坂を慎重に降っていく。
13時18分、「女坂」へ到着。
再びブナ林ゾーンに突入。辺り一面が輝くように色づいていた。斜面の日当たりや温度条件の関係か、おそらく今回のコースで一番、見ごたえのある紅葉だった。360度、あらゆる角度から色がサラウンドのように押し寄せてくる感じに圧倒されてしまった。
13時32分、朽ち果てかけた木製の鳥居をくぐって林道へ出る。
鳥居に下には、「二岐神社」と書かれた看板が倒れて置かれていた。鳥居が、女岳へ向かう登山口であり、参道の始まりを意味していたのだろうか。
いつの間にか鉛色の雲がせり出していた。あれほど快晴だったのに、「やばいな!」と思った瞬間、小雨がぱらつき始めたので急ぎ足で車を停めた場所まで戻った。
山頂(男岳)の景色を思い出し、今度は余裕を持って訪れて、山を堪能した後は二岐温泉にも浸かってみたいものだと思った。
























