行程・コース
天候
曇り
登山口へのアクセス
その他
その他:
前日に調布飛行場から飛行機で来島し、レンタカーで島内一周観光後、外輪山上の大島温泉ホテルに宿泊した。ハイキング当日は、レンタカーで三原山山頂口駐車場まで来て、ハイキングを開始した。
この登山記録の行程
三原山外輪山展望台(9:06)・・・パホイホイ溶岩(9:16~9:18)・・・三原神社 上社(9:47~9:50)・・・大型のアグルチネート(9:50~9:52)・・・火口西展望所(10:02~10:04)・・・ホルニト(10:15~10:18)・・・火口南展望所(10:37~10:39)・・・三原山山頂(10:51~10:53)・・・剣ヶ峰(10:55~10:56)・・・1986年割れ目噴火 B2火口(10:58~11:00)・・・テキサス・温泉ホテル・裏砂漠コース 分岐(11:29~11:30)・・・櫛形山(12:04~12:10)[休憩 6分]・・・赤ダレ(12:59~13:09)[休憩10分]・・・三原山頂口(14:00)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
2泊3日の旅行の中日1日を丸々利用して三原山をハイキングすることにした。宿泊施設から「三原山登山道路」で三原山レストセンターに向かい、駐車場に車を停めた。今回は、三原山レストセンター→山頂口 展望広場・三原神社→下社外輪山展望台(三原山頂口)→パホイホイ溶岩・1986年 A溶岩流先端部→三原神社上社→火口西展望所→火口南展望所→三原山山頂→1986年割れ目噴火 B2火口→裏砂漠→櫛形山山頂→赤ダレ→表砂漠→三原山レストセンター の順で巡った。歩行距離12.5km、累積標高差470m、所要時間5時間半程の行程である。8:40の時点の三原山山頂口駐車場には数台の車が停まっていたものの、観光客の姿は皆無であった。公衆トイレの脇に石段があり、“山頂口展望広場”の表示があったので上ってみた。駐車場から5m程高いヤブツバキの茂みの中の薄暗い小径を少し進むと明るい平場に出た。東屋が建った“山頂口展望広場”からは三原山の全景が見えるが、木立が邪魔をして余り良い景色とは言えない。雑草も生い茂り、整備が行き届いているとは言えず、訪れる観光客も少ないように感じた。三原山レストセンター方向に戻る別の小径の途中に小さな社が建っていた。社の名前も表示されていない神社であったが、“三原神社 下社”かもしれないと思い、登山の安全を祈願してお参りした。下山後調べると、やはり“三原神社 下社”であった。三原山レストセンターから山頂ハイキングコースへの入口の50m程の道沿いには土産物店や飲食店が建っているが、8時台では営業していなかった。土産物店の先の角を曲がると目の前に三原山が現れた。その平場が“三原山外輪山展望台”である。標高は300m程で、三原山山頂の標高750m程と比べるとかなり低い展望台であるが、台形の三原山や緑と黒い溶岩に塗り分かれたカルデラ内が一望できて非常に綺麗である。駐車場に近く、歩くのが面倒な人、記念撮影だけの人には打って付けの場所である。三原山外輪山展望台から下った直ぐの所に三原山火口方向と「表砂漠コース」との分岐がある。復路はここに出て来る筈である。火口方向のカルデラ内は比較的勾配の緩い歩き易い舗装された遊歩道である。三原山外輪山展望台から700m程歩くと“パホイホイ溶岩”の表示があった。遊歩道から少し入った所でその溶岩流の様子が見られた。比較的表面が滑らかで、粘性の低い溶岩が波状に流れた状況が良く分かる。パホイホイ溶岩から200m程の場所が“1986年A溶岩流先端部”である。山頂の火口西展望所付近が噴火口であったようだが、山肌には火口縁を越えて流れ出た溶岩流の流路がはっきりと見えて、その時の噴火の凄まじさが想像できた。1986年A溶岩流先端部から少し歩くと徐々に勾配が急になり、火口縁頂上までは結構大変な道程であった。高度が上がるにつれて下界の景色がより立体的になって来る。所々に緊急避難用のRC造のドームが設置されている。1986年A溶岩流先端部から1 km強、標高差:140m程で三原神社の鳥居が立つ四叉路に着いた。左折すると「お鉢巡りコース」・裏砂漠である。右方向の鳥居をくぐって“三原神社 上社”を参拝した。比較的小さな、鰹木が乗った切妻造りの、質素なRC造の社である。階、御扉、廻縁等の一部は木製であるが、非常にシンプルな造りである。白壁の社殿に薄緑に塗られた屋根が乗っていて、麓からも良く目立っている。1,700年代後期には最初の社が建っていたようで、1,900年代の噴火では、溶岩流は社を避けるように流れたそうである。ただ、噴石の影響は受けた筈で、噴火の度に建て替えられ、現在のRC造になったのであろうと推察した。三原神社 上社の鳥居がある四叉路から火口西展望所方向は、2つの大きな岩に挟まれた「切通し」状になっている。右側の岩はマグマの飛沫が溶結してできた“アグルチネート”と呼ばれる岩で、珍しい場所にできた大型のアグルチネートであるそうだ。「切通し」を通り過ぎて右側を見ると、アグルチネートの下の斜面に出っ張りがあり、それが“ゴジラ岩”であった。映画で三原山に消えたゴジラの面影を残しているのであろうか。大型のアグルチネートから100m程進むと“火口西展望所”と「お鉢巡りコース」の分岐がある。分岐を左折して400m程上って行くと遊歩道の終端の“火口西展望所”に至る。目の前に火口が口を開けている。火口壁端部から少し離れているので、火口の底部まで見ることはできないが、火山の荒々しい姿や、複雑な色模様の火口壁面を眼前に観られ、振り向くと相模湾越しに伊豆半島が眺望できる素晴らしい展望所である。中央火口内の数ヶ所からは蒸気が上がっていて、活発な火山活動が窺えた。火口西展望所から分岐に戻り、「お鉢巡りコース」方向に進む。火口縁上の遊歩道は未舗装で、比較的歩き易く整備されているが、路面の小さな礫に足を取られて厄介である。比較的緩勾配であるが、ダラダラと続く上り坂は結構身体に堪える。分岐から200m程上ると、右側に“ホルニト”を示す看板・解説板が立っていて、解説板の左側の尖がった岩(ホルニト)の根元に空洞があった。溶岩トンネルができた珍しいホルニトであった。長径1m程の楕円形の空洞の中は真っ暗で、どこまで続いているか分からない深さである。過去の調査ではかなり大きな空洞が確認されたそうである。立入禁止・転落防止措置がされていないのが不思議であった。ホルニトからダラダラ坂を850m程上ると火口縁の最初の高みの“火口南展望所”である。標高:747mにある展望所で、火口壁端部にあるので火口の底部までを見下ろすことができて素晴らしい景観である。火口縁やカルデラ、外輪山等の高みの至る所にGPS受信機や光波測距儀・ターゲット等が設置されていて、地盤の動態観測が常時継続して行われていることが見て取れる。これ程綿密な観測が求められる火山であることを改めて実感した。火口南展望所からダラダラ坂を下って、上って550m程進むと標高:758mの“三原山山頂”である。火口南展望所から三原山山頂間の遊歩道の中央火口側は断崖絶壁である。山頂には立派な標柱が立っていて、達成感が湧く。樹木も生えていないので周囲に遮るものがなく、正に360°を眺望できる見晴らしの良い場所である。本日、駐車場から先で2組の観光客に追い越された。1組の若者達は裏砂漠方向に、1組の家族は「お鉢巡りコース」方向に進んでいるのが遠方に見えた。これから進んで行く裏砂漠の状況を確かめるのに都合の良い場所である。三原山山頂からほぼ平坦に50m程進むと標高:749mの“剣ヶ峰”である。中央火口側の急斜面からは幾筋もの蒸気が上がっていて、中央火口以上に活発な火山活動が発生している個所であることが解る。今にもドカンと行きそうで、少々恐ろしい場所であった。剣ヶ峰から緩い下り坂を150m程進むと“1986年割れ目噴火 B2火口”がある。火口縁の外側に北西から南東に向かってすり鉢状の噴火口が繋がって口を開けている。解説板の写真の如く、列状にマグマが吹きあがっていた当時の凄まじい噴火の様子が実感できる場所である。火口縁側にできた尖った高まりは「スパターコーン」と呼ばれる地形の一種で、遠方からでも良く分かる目印のような存在である。B2火口から250m強下ると、「お鉢巡りコース」とカルデラ方向の遊歩道である「テキサスコース」・「大島温泉ホテル」・「裏砂漠コース」との分岐がある。分岐をカルデラ方向に進んだ遊歩道の周囲は、地面は固まった溶岩で覆われていて、荒々しくデコボコしている。遊歩道を示す柵やロープは設置されておらず、低いススキの間に細かい火山礫を踏み固めた小径が続いていて、所々に木杭が立っているだけである。分岐から1.4km程歩くと「テキサスコース」・「大島温泉ホテル」・「裏砂漠コース」が分かれる四叉路があり、標識が立っていた。右方向の緩傾斜を上って行く方向が「裏砂漠コース」であるが、ハイカーが歩いて踏み固めた跡も微かで、ルートと思しきものがない。“裏砂漠”の始まりである。火星の表面を探検しているかのような、頼りない気分に陥った。人が歩いたような跡を見つけては辿って少し上ると、左手の山に上るなだらかな稜線が見えた。事前に作成した踏破ルート図ではその山を越えることになっていたので、稜線まで上ってみると、明らかに人が歩いてできた幅のある獣道が山頂に向かって続いていた。付近一帯が“裏砂漠”と呼ばれる場所であるようだ。一面が微細な火山礫で覆われていて、所々に溶岩とは異なる中小の岩が転がっていた。なだらかな稜線の山は標高:672mの“櫛形山”で、山頂は“裏砂漠 第2展望台”と呼ばれる場所である。なだらかではあるが、分岐からの標高差:100m、約1kmの稜線は結構キツイ上りであった。30分程掛けて上った“櫛形山”山頂からの景色は最高であった。中央火口側と外輪山の山並みが両側に見える素晴らしい景観である。上って来た“裏砂漠”が一望できた。これから進む方向も裏砂漠と同じような色の地面であるが、表面に無数の流水の水道が刻まれていて、湿地・低地のように見えた。水道が多く、上からでもルートが判別できない。山頂から南に下り、真直ぐ外輪山を上って行くと「月と砂漠ライン」の駐車場である。表砂漠に向かうには、上り傾斜の出前で低地に下りなければならないが、標識も立っていない。10m程の段差が低く削れたところを下りようとすると、コンクリート造の緩傾斜の道があった。分かり易い標識が欲しい場所である。下りた先の低地にコースのような痕跡はなく、踏破ルート図に従って、微細な黒砂から成るほぼ平らな地面を、南西方向の外輪山の絶壁に向かって400m程進むと、所々に木杭が立った「裏砂漠コース」に出た。櫛形山越えでない山麓沿いが常用の「裏砂漠コース」であるようだ。四叉路分岐~裏砂漠間はルートがはっきりしない難所である。「裏砂漠コース」に戻って以降は、ルートがはっきりとした、凹凸も少なく、歩き易い遊歩道であった。コースに戻って少し歩くと、周囲にススキの他に、イヌツゲ、ヤシャブシ、ヤブツバキ、ムラサキシキブ等の中低木が生えてくる。外輪山は断崖絶壁の山容である。低地に下りて1.6km程歩くと“赤ダレ”の表示があった。遊歩道から海側に100m程進むと解説坂が立っていて、その先が“赤ダレ”である。海側の一部が欠けたお椀のような谷の壁面は絶壁で、幾層もの地層が露出した壁面の、上方の厚い地層が真っ赤な色をしている。山裾の緑や太平洋の灰色(曇天だったので)とのコントラストが非常に美しい。中央火口の壁面にも赤褐色が見られたが、今日一番の鮮やかな景色であった。山頂と共に是非訪れるべき景勝地である。赤ダレから先が「表砂漠コース」と呼ばれる遊歩道である。赤ダレから400m程進むと真っ平らな開けた場所に出て、外輪山の斜面は砂地になる。更に500m程進むと中低木が茂り始めた。茂みの中を進む遊歩道が外輪山に近い箇所は、斜面から流れ下った細かい砂が遊歩道に積もっていて、サハラ砂漠の砂丘を歩くように、非常に歩き難かった。“表砂漠”と呼ばれる由縁であろう。同じカルデラ内でも大きく岩質・地質が異なっていることが良く分かる面白い場所である。赤ダレから3km、50分程で出発地点の三原山山頂口駐車場に無事帰還した。
フォトギャラリー:65枚
装備・携行品
| レインウェア | 登山靴 | 予備電池 | タオル | 帽子 | サングラス |
| 地図 | 腕時計 | カメラ | 健康保険証 | 医療品 | 行動食 |
| トレッキングポール | GPS機器 |





































































