行程・コース
天候
晴れ
登山口へのアクセス
バス
その他:
行き:つくば駅から筑波山シャトルバス(30分ごとに運行 720円)で筑波山神社入口
帰り:筑波山神社入口からシャトルバスでつくば駅へ(510円)なぜか行き帰りで料金が違う
この登山記録の行程
筑波山神社入口 9:15・・・宮脇9:28・・・男女川源流10:10・・・御幸ヶ原 10:36 10:50・・・男体山 11:00 11:10・・・御幸ヶ原 11:18 11:26・・・女体山 11:39・・・弁慶茶屋跡 12:35 13:10・・・分岐 13:48・・・筑波山神社前 13:57
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
冬ならではの登山ということで簡単な雪山に行けたらと考えるのだけど、暖冬の影響で雪があまり積もっていないようだ。まだ行ったことがなく手軽なところはないものかと、筑波山を選んだ。西高東低の冬型気圧配置なら、好天で展望も望める。
標高はわずかに877mだが、御幸ヶ原まではほぼ一本調子の登りが続き、登りごたえがある。ここのところ比較的手軽な登山ばかりで、少々体もなまっているのだろうか。とはいえ、道は良く整備されていて、全般的に歩きやすい。女体山の山頂付近の岩がツルツルに磨かれていて滑りやすいことくらいが注意点だろうか。
御幸ヶ原や男体山、ことに女体山山頂からの展望は素晴らしい。冬型の気圧配置でよく晴れた日だったのだが、昼近くだったせいかやや霞んでいたが、都心の高層ビルや関東平野が一望のもとに広がり、遠く日光男体山や、丹沢山塊、富士山も望める。奇岩の数々も楽しい。
男体山、女体山ともに山頂は狭く人も多いので、昼食などの休憩を取るなら御幸ヶ原か、弁慶茶屋跡が良いだろう。御幸ヶ原には茶店や展望レストランもあるので、それらを利用するのもいいかもしれない。
<様々な登山の楽しみ>
筑波山といえば関東平野の東北の尽きるところに大きく目立つ山。万葉集にも歌われた歌垣の山。百名山で一番標高の低い山。蝦蟇の油。様々なイメージがあるのだが、これまで登ろうと思ったことがなかった。ケーブルカーやロープウェイで登ることもできる観光地のイメージが強かったことも一因かもしれない。登山も立派な観光だけれども、自分の足で登りその過程も楽しむことにもう少し重きが置かれていて、軽装で山頂に降り立つ一般観光客にはなんとなく興ざめしてしまうのだ。
だが、筑波山に登ってみて聖俗入り混じった山に登ってお参りすることが、昔から様々な形で行われてきたことが感じられてとても面白かった。山そのものが御神体として大切に守られてきたので、杉、モミ、ヒノキ、ブナなどの大木が多様な植生を保ち、累々たる巨岩や奇岩と合わさって、なるほど神様というのはこういうところに降り立ち、宿るのだなと納得した。「神(かむ)さびた」という言葉を思い起こした。けれども例えば、禁足地(神社の許可を得れば入山できる)である奈良の三輪山を登るのとも違う。修験の山というストイックな感じよりも、お参りやお祭りにかこつけた男女の交歓や、今の言葉でいえばレジャーの要素もあったのだろう。そう考えると、若い男女が集まる歌垣の地であった筑波山は、いまでいえば渋谷のようなものだったのかもしれない。現代の街と山と、古の村と山では関係が逆だったのかもしれないという想像が面白く感じられた。山麓の筑波山神社の周りや登り詰めた御幸ヶ原には、土産物屋や茶店が並んでいる。老若男女、小さなお子さんも含めて、あるいはロープウェイであるいは自分の足で山頂に足を運ぶ姿は、昔と実はさほど変わっていないのではないだろうか。
いい山だった。なるほどこれは名山だ。こういう山登りがあってもいいなと思われた。
山中、ところどころに筑波山が歌いこまれたものが紹介してあったのだけど、気に入ったものを二首。
筑波嶺の峯より落つるみなの河恋ぞつもりて淵となりける(陽成院)
筑波嶺の裾廻すそみの田居に秋田刈る妹がり遣らむ黄葉もみち手折らな(高橋虫麻呂)
<冬に登る山選びの悩ましさ>
技術や装備、体力や根性に難がある出戻り登山者にとって、冬に登る山選びは悩ましい。雪山は美しいが、装備を整え、経験と技術を身につけていかねばならない。ハードルが高い。陽だまりの低山には独特の魅力があるし、ハイシーズンよりも静かな山旅も楽しめるが、日照時間が短いし、バスの減便などアプローチが難しいところもある。また、新緑や花、紅葉の時期に是非登りたい山域は、残しておきたい気もする。筑波山は、冬に登っても楽しいところだと思う。
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