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八甲田山山スキー

八甲田山( 東北)

パーティ: 2人 (1357 さん 、ほか1名)

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行程・コース

天候

曇り/晴れ

登山口へのアクセス

タクシー
その他: タクシーで酸ヶ湯温泉へ上がり、駐車場にテントを張って春スキーを楽しむ。

この登山記録の行程

酸ヶ湯(5:35)硫黄岳(7:00)傘松峠(7:45)駒ヶ峯(9:35)鞍部()櫛ヶ峯(10:55~11:30)駒ヶ峯(12:15)鞍部(12:20)猿倉岳(12:50)猿倉温泉(13:35)酸ヶ湯()山頂駅(15:10)田茂萢岳(15:50)酸ヶ湯(16:25/4:50)仙人岱ヒュッテ(6:05)小岳(6:55)大岳(8:25~9:30)谷地温泉(10:10)酸ヶ湯()山頂駅(11:40)酸ヶ湯温泉(12:25)

コース

総距離
約30.1km
累積標高差
上り約2,103m
下り約2,226m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 札幌から来たと言う隣のテントはまだ静かである。JRバスの下りは10時過ぎなので、自前の足で行く事にする。
 大岳の西裾を緩く登って沢に入り、上衣を脱いで一本立てる。トレールに惹かれて右の斜面へ上がり(道標あり)、硫黄岳の北鞍部に出て山頂を踏む。雪はカリカリに凍っており、スキーアイゼンが無いと歯が立たない所だ。
 今回は石倉岳の山頂をも踏みたいと考えていたのだが、氷の急斜面に怖れをなし、傾斜の緩い仙人岱ヒュッテの方から涸れ沢へ滑り込んで傘松峠へ向かう事にする。キックターンを繰り返して高度を下げた処で、思い切って直滑降に移る。必死で踏ん張ってスピードに耐えるが、遂に転倒して肘と横尻を強かに打つ。右手の親指がおかしくなっているが、骨は大丈夫の様だ。
 沢に滑り込んで高度を下げると、東斜面の雪は太陽の光を受けてクラストが緩み、楽しく滑って国道394号線に出る。が、雪壁の高さは2mもあって、階段が無いので対岸へ上がれない。東へ行き、峠とカーブの中間点付近で南八甲田側の雪田へ上がって一息入れる。
 3人組の後を追ってP1,380を目指す。猿倉沢上部の斜面は傾斜がありそうなので、西側の尾根に取付いて高度を上げる。1,150m付近の急斜面の上へ出ると広大な雪面が開け、駒ヶ峯の鞍部を目指して南西寄りに方向転換する。好天の下、緩い斜面の広い樹間を歩くのは何とも気持が好く、正に、八甲田山春スキーの醍醐味だ。
 駒ヶ峯の上に立つと櫛ヶ峯の白い斜面が目を惹き、シールを外して滑りたいのを我慢して前進する。櫛ヶ峯を観察しながら、緩い尾根上の樹間をシール滑降する。正面から眺める純白の東斜面は傾斜があってシールで登るには苦しく思え、「1,350m付近から横岳の方へ伸びている北尾根へ取付くのが良さそうだ」と考えながら一本立てていると、スキーを担いだ2人が大斜面を登って来る。
 鞍部へ達し、改めて見ると斜面の傾斜はそれ程でもなく、斜行すればシールでも十分登行可能と思われる。直上し、傾斜が増した所でジグザグ登行に切り替えて、頂上直下で尾根の上に出る。
 三角点の周りは雪が融けてぬかるんでいる。雪上に腰を下ろして大休止しているとスキーヤーや山屋が続々と登って来て、20人程が集まって山頂の休日を満喫する。八甲田の峰々の眺望が素晴らしく、なだらかな山裾を引いた乗鞍岳の姿も印象的で、3度やって来る楽しみを発見した思いだ。
 櫛ヶ峯の大斜面に挑戦する。雪はたっぷりと重く、角度を取らないと足を捕られてターンが難しいが、スピードが出過ぎると体が付いて行かず、上手く滑るのはなかなか難しい。
呆気無く鞍部へ滑り降り、シールを着けて駒ヶ峯へ登り返す。1cmも下る事の無い様にと、山腹を長くトラバースして行く。駒ヶ峯山頂から鞍部へシール滑降してP1,380へ登り、「猿倉岳への滑降を楽しもう」とシールを外す。
 猿倉温泉の位置を確認して、猿倉山頂から滑り始める。滑り出しは狭い尾根だが次第に広くなり、緩んだフィルムクラストを蹴散らして自在にシュプールを描き、「最高だね!」を繰り返しながら南八甲田の滑りを堪能し、標高1,000m付近で沢に滑り込み、右岸の樹林を温泉の休憩舎まで滑降する。
 温泉は改築中で営業を止めており、シールを乾かしながらゆっくりと体を休める。JRバスの頃合を見計らって国道のバス停まで歩くとマイクロバス等が停っており、高田大岳を滑ったと思われる沢山のスキーヤーが遣って来る。
 身仕舞い中の車の人に、「3時のバスで行くと、ロープウェイに乗れますか?」と聞いたのが糸口になって、逆方向にも拘わらず「乗せて行って遣る」と言うので、有難く甘える。「高田大岳を3本遣った」と言い、南西面を2本、最後に東南斜面を滑ったそうだが、西面の方が気に入っている様子だ。50代は間違いないと思われ、元気さに感心し、地元の利便さを羨む事頻りである。「ガソリン代に」と2,000円を謝礼する。
 ロープウェイの最終は4時で、20分間隔で運行している。売店で明日の行動食を買い、めでたく山頂駅へ上がると、スキー場の下部は辛うじて雪があると言う状態だが、上部にはまだたっぷりの雪が残っている。
 田茂萢岳まで登ってシールを外し、宮様コースに入って雪原と樹間のツアーに有頂天になって滑り、酸ヶ湯温泉へ帰る。
 強酸性の温泉に入って頭からかぶり湯をすると目が痛く、「そう言えば、そうだった。酸が強いんだ」と4年前の事を思い出しながら、のんびりと2日分の汗を流す。

 今日は高田大岳の大斜面に挑む。若山さんには悪いが、八甲田大岳は次回へお預けだ。加瀬さんを誘って再訪を楽しんでもらおう。
 早朝に出発し、仙人岱ヒュッテを目指す。沢の上部は地肌の露出部が長く、前回よりも雪が少ないと感じる。ヒュッテまで1ピッチで頑張り、中に入って一本立てる。泊り客2人が居り、年配の人はタマネギとニンジン、グリーンピース缶をフライパンに開けて盛大な朝食の準備中で、若者は携帯テレビで天気予報を見ている。ちょっと馴染めない雰囲気で、「山小屋で一緒になったら如何付き合おうか」と一瞬考え込む。
 小岳を目指して出発する。山頂部の南の雪面を巻く積りが、夏道沿いの西方から山頂に立つ。ヒュッテを出る頃には晴れていた南八甲田櫛ヶ峯には雲が掛かり、休んでいる間に大岳も雲に包まれてしまい、冷たい風が流れる。朝食のキツネウドンが合わなかった様で腹の納まりが悪く下痢模様で、林の中へ逃げ込む。
 小岳の南は広大な緩斜面で好バーンなのだが、昨日同様カリカリで、シールで恐る々下る。若山さんはシールを外して大胆に滑降して行く。鞍部から大岳へは270mの登りで、かなりの傾斜だ。途中でシール登行を諦めて板を担ぎ、キックステップで登ると這松帯へ迷い込む。左右に分かれて道を探すが、夏道は見付からず、地図に倣って左へ(北寄り)進み、しぶとく雪を拾って高度を上げる。
 雪が消え、「這松漕ぎか」と言う地点で右からの夏道と出合い、ほっとする。1週間後に財津君が滑りに来る時は、完全な這松漕ぎになるだろう。夏の岩道を登って西峰に達し、標高点の東峰まで歩く。1人で上がって来た人は小岳へ縦走する様だ。天気が好くなり薄日の下で一本立てるが、雪の斜面は山頂にまでは達しておらず、這松の中の夏道を50m下り、10m程トラバースして雪面に出る。
 雪は既に緩んでおり、滑降可能と思われる。酸ヶ湯発12時過ぎのバスに乗る積りなので時間はたっぷりあり、少し上の方でスキーヤーが休んでいるのを見て、「我が意を得たり」と体を休めて時間を潰す。
 雪田の傾斜は急で、幅は5mも無い。左は切れており、「スリップしたら数百mも滑り損なう」と慎重にボーゲンでターンして滑り始める。やがて斜面の幅が広がり、傾斜は一段と増すが雪質にも慣れて思い切り良く滑る。正に豪快と言うべし。次第に角度を取り、パラレルターンも楽しむ。
 途中で何回か休み、振り仰いで自分のシュプールを眺め、余韻を楽しむ。先刻のスキーヤーが見事なウェーデルンで滑り始めるが、一気に降りるのを惜しむかの様に途中で休んで、何本かに切って楽しんでいる。
 岳樺帯をペアーが登って来る。男性がスキー2本を担いで登って行くのを、「女性には優しくしなくっちゃね。見上げたものだ」と眺める。「猿倉温泉入口へ出よう」と右へ折れてP974の西側へ向かうと、トレールに惹かれて何時の間にか谷地温泉を望む台地へ出る。「ま、好いか」と林間滑降を楽しんで温泉の裏手へ出、雪壁を降りて沢を渡り建物の前に出る。
 温泉では岩魚の塩焼きに取り掛かったところで、「バスは出たばかりだ」と言う。駐車場に手袋やスパッツを広げて一休みしていると先程のスキーヤーが上半身裸になって現れる。若山さんが頼むと、ロープウェイまで送ってくれると言う。三沢から来たと言い、親切さに吃驚する(自分は、同じ様な事をするだろうか?)。「ガソリン代の足しに」と差し出した謝礼も決して受け取ろうとしない。彼が乗っているホンダの4WD軽ワゴン車は座席を畳むとフラットになり、天井からスキー板を吊り下げることが出来る等々いろいろ工夫して活用しているのが判る。
 ロープウェイで上がり、中央コースを滑る。途中で少し上って宮様コースに合流し、最後の滑降を楽しんで酸ヶ湯へ帰る。
 テントを畳み、ゆったりとお湯に入り、バスを待ちながらビールで乾杯していると急に外が暗くなって雪が降り出し、ザックに1㎝の積雪を見る。
 青森空港直通のバスは無く、一旦青森駅に出て、地酒とイクラ&ウニ丼で今山行の仕上げをしてから空港へ向かう。

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装備・携行品

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登った山

櫛ヶ峰

櫛ヶ峰

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