行程・コース
天候
晴れ/雪/吹雪
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
澄川スキー場へ下山し、タクシーで烏帽子スキー場へ戻る。
この登山記録の行程
烏帽子SG()山頂駅(1,355m、9:40)後烏帽子岳(11:00)鞍部(11:35)屏風岳(14:10~50)鞍部幕営(15:40/7:20)杉ヶ岳(7:50)前山(8:35)避難小屋(9:20~10:00/7:45)刈田岳(9:00)熊野岳(10:20)刈田岳(11:00)澄川SG(13:00~40)烏帽子SG(14:20)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
柏から356kmを4時間で走って烏帽子スキー場に着き、駐車場にテントを張って3時間半の仮眠を取る。
朝食の準備をしようとしてコッヘルを忘れてきたのが判り「山行中止だ!」と慌てるが、ガスボンベを改造して代用し、急場を凌ぐ。
リフトとロープウェイで最上部まで上がり、雪上車で整雪した跡を辿ってなだらかな斜面を登って行く。樹間は広く、山スキーで歩くのに何の障害も無い。しかし、寝不足のせいか調子が上がらず、後烏帽子山頂まで思ったより時間を食う。
山頂に出ると360度の視界が開け、屏風山の長い雪壁が目を奪い、杉ヶ岳と前山も見えてその気にさせる。
鞍部のろうづめ平への道は岩が露出してスキーが使えず、歩いて下る。ここから屏風山の北尾根へは150mの登りで、上部へ行くほど傾斜が急になっている。雪はよく締っておりエッジを利かせて方向転換を繰返しながら高度を上げるが、油断するとスリップしてせっかく稼いだ高度を一瞬にして無にする。
筋肉に余計な力を入れるのですっかり疲れてしまって標高1,600mの尾根の段へ登り着くのに2時間も掛かり、緩い尾根に出てもピッチが上がらずやっとの事で屏風山頂に辿り着き、雪の上に体を投げ出して大息を吐く。
雲の動きを見ると明日はあまり期待出来そうになく、「こんなにのっぺりした地形では視界が無いと迷って行動出来ないだろうから、もう少し稼いで杉ヶ岳の鞍部まで行こう」と気力を振り絞る。
気圧は昨夜から1mbしか下がっていないが、もわっとした雪雲に包まれて視界が悪い。しかし、杉ヶ岳へは登り一方なので問題は無さそうだ。山頂を踏み、時々スキーの跡が現れる尾根を慎重に進んで前山に達する。思い掛けず6人ほどの年配のパーティーが登って来て、「峠の避難小屋は判り難い位置に在るよ」と、リーダーが非難がましい眼差しを向けて言う。
トレールのお陰もあって難無く小屋に辿り着き、緊張から解放されて寛ぐ。今回の目的は蔵王山に登る事で、地蔵山は諦めても熊野岳の山頂は是非踏みたいので、「苅田岳まで行って山頂で泊ろうか」等と色んなケースを考えて見るが、視界の無い全く初めての所を1人で行くには条件が悪過ぎるように思え、小屋に泊って天候待ちと決する(10:00)。
15時過ぎに昼食と夕食を兼ねて食事を取り、19時に就寝する。気圧は841mbを示している。
昨日より気圧は1mb下がり、雪雲が流れている。空が明るいので予定通り出発し、緩く登って行くとエコーラインの踏み固められた雪の上に出てほっとする。苅田岳に登るとシュカブラの巨塊と化した異形の刈田岳神社が孤独に建っているが、避難小屋は存在しない。
蔵王山の火口壁の上に馬ノ背の広い雪原が熊野岳の方へ伸びている。逆って歩くには強過ぎる風だが、10m間隔で木柱が立っていて心強い限りで、山頂に荷を置いて若干の食料とカメラを持って熊野岳へ向う。
雲の流れが速く完全に視界を奪われる時もあるが、支柱を頼りにストックで強風に対してバランスを保ちながら前進する。帰りの事を思うと気が重くなって足が鈍るものの、「ここで引返すのは自分の流儀ではない」と前進を続ける。
避難小屋に転り込むと蔵王スキー場から上がって来た物好きが他にも居り、軽口を叩きながらテルモスの熱いコーヒーを飲んで一息吐く。
全く視界の無い熊野岳を踏んで引返す。追風がせめてもの元気付けだ。刈田岳に帰ってザックを背負い、澄川スキー場目指して東へ向うと数人のスキーヤーと出会い、気持がいっそう軽くなる。
高度が下がると視界が良くなり、スキー場へ続く長く緩い斜面が見え、喜び勇んで滑降する。枯草と少々の潅木しか無い斜面はよく滑られて固く、時々スピードを殺さなければならない。
後見ゲレンデの人込みの中に滑り込んで澄川ゲレンデへと繋ぎ、ロッジの前で板を脱ぐ。バスの便が無いので、タクシーが上がって来るまでの40分の間に更に3本滑って山行を締め括る。







