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魚沼駒ヶ岳正月合宿

魚沼駒ヶ岳( 上信越)

パーティ: 8人 (1357 さん 、ほか7名)

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行程・コース

天候

雪/雪/風雪/雪

登山口へのアクセス

マイカー

この登山記録の行程

大湯(11:10)駒の湯(12:40)幕営(980m、15:20/6:40)小倉山(8:40)駒の小屋(11:25)駒ヶ岳(12:20)幕営(1,715m、14:20/6:20)檜の廊下(9:00)避難小屋(12:35)中ノ岳(13:05)兎岳分岐(13:30)幕営(1,530m、16:15/7:50)日向山(8:20)千本松原(9:35)十字峡(11:30)バス停(14:20)五日町(16:00)巣鴨(7:00)

コース

総距離
約25.2km
累積標高差
上り約2,443m
下り約2,460m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 結婚後、初めて冬山合宿に参加する。同期は結婚してやばい山行からは足が遠退き、我が社会人山岳会も代替わりが進んで今回のメンバーでは最高齢になってしまった。チーフリーダーは斎藤君で、伊藤君がサブである。
 何時もの如く池袋に集合して会のワゴン車で出発する。国道17号線で三国峠を越え、新潟に入ると道路の雪も多くなる。車中で仮眠を取りながら交代で運転し、スリップして路側の雪の壁に衝突しながらも夜が明ける頃には何とか無事に小出に着き、装備や食料を等分に振り分けてパッキングする。

 大湯から先は通行不能になっており駐車スペースが無くて苦労するが、大分引き返した学校の庭に車を停めて歩き始める。年末も押し迫ってからの入山なのでトレースが付いていてラッセルを助かるが、年末に掛けて相当雪が降り積っている様で、登頂を諦めて早々と下山して来るパーティーもいる。初日は目標とした小倉山まで行き着けず、標高1,000m付近で幕営する。
 元旦だが、我々の正月は下山してからだ。昨日同様の風雪でいくらも視界が無く、降り続く雪でトレースが埋まるものの、見失う事は無い。駒ノ小屋は数週間前の偵察山行時には屋根が見えていたそうだが、今は影も形も無くなっている。
 小屋付近で一息入れ、雪庇を抜けて稜線に出ると5分程で駒ヶ岳山頂に着く。山頂で30分休み、「計画通り、中ノ岳を越えて十字峡へ下りよう」と前進する事に決まる。
 稜線はいくらか風も強く、視界は百m前後だが、時に濃霧に包まれて視界ゼロとなる。駒ヶ岳をピストンするパーティーが大部分で、中ノ岳の方へ少し進むと先人のトレースが無くなる。我々は7人の大勢なのでラッセルに不安は無いし、赤旗も数十本持って来ており、最悪の場合でも駒ヶ岳へ引き返せると言う安心感が支えだ。適当な間隔で赤旗を立てながら、平坦な尾根をあまりラッセルに苦労する事も無く進み、1時間半歩いた所で幕営する。
 ブロックを切り出して風上に積み終る頃には天気が好転してテントがアーベントロートに染まり、全員で記念写真を撮る。オカメノゾキから八海山への素晴らしい雪のナイフリッジが垣間見え、焼けぼっくいに火がついて登行意欲を掻き立てる。真っ赤な大きい太陽に感動しつつ日没を迎える。

 出発までには、やはり3時間を要する。再び弱い風雪に戻り、視界の利かない中を進む。桧ノ廊下は積雪が少なく、捻じ曲がった桧の老樹と岩が邪魔して歩き難く、時間が掛って疲れる。
 赤い屋根が少しだけ出ている中ノ岳の避難小屋で小休止して、山頂を越えて兎岳の方へ進む。順調に歩いて日向山への分岐点である池ノ段に達するが、雪雲の塊が引っ切り無しに流れて来て視界が数十mしか得られず、下降の開始地点に確信が持てない。腰を下ろして雪雲の切れ目を待ち、位置と方向に確信を得てから下降に移る。
 斜面の雪は胸まで潜り、重量を感じない程のふかふかの積もり方である。雪崩の確率が相当高いと危惧するものの、「登るより下る方が時間的に短いし、駒ヶ岳まで引き返すのも大変だろう」と考え、「斜面を刺激しない様に」と念じつつ静かにそっとラッセルして一直線に下り、斜面の裾から出来るだけ離れて全員が降りて来るのを祈るような気持ちで待つ。視界が無いので誰が何処を歩いているかさっぱり様子が判らず、じりじりして待つ以外に如何しようも無く、時間を長く感じる。
 全員が無事に降りて来て揃った所でもう少し進む事になり、暗くなるまで頑張って歩き、日向山直下の山裾にテントを張る。

 皆が「今日は下界に帰れる」と期待して、疲れていながらも張り切っている。濃霧だが、今日のコースは日向山を越えるのが辛いだけで、迷う様な所も無くリラックスして出発する。
尾根には部分的に細い所も出てくるが、高度を下げるに連れて雪雲が薄くなって次第に視界が好くなり、気持ちにもいっそう余裕が出てくる。
 十字峡に下りて大休止し、「冬山合宿も終ったなあ」と安堵して歩き出すと車道に積った雪の為に思わぬラッセルを強いられるが、2時間強で除雪された集落の道に出て、10分程で待望のバス停に着く。山支度を仕舞い、1時間待ってバスに乗り、六日町に出る。
 ラーメン屋に入って正月合宿の成功を祝って乾杯し、多いに意気を上げ、大湯のワゴン車を取りに行った仲間が帰って来るまでの4時間の間、山の話に花を咲かせてすっかり出来上がる。

 翌早朝、全員無事に巣鴨の車庫に帰り着く。大雪の為に予定日を過ぎても下山しないパーティーが居て、後日、自宅に問い合わせの電話が掛かってくる。振り返ってみると、「我々の池ノ段からの下降は、雪崩が発生したら巻き込まれる外無かったろう。幸運に恵まれたとしか言いようが無いが、少し研究不足だったかもしれない」と再検討の必要性を感じる、忘れ難い正月合宿となった。

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装備・携行品

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登った山

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