行程・コース
この登山記録の行程
河原坊(06:00)・・・頭垢離[休憩 10分](07:34)・・・早池峰山[休憩 60分](08:47)・・・五合目・御金蔵[休憩 10分](10:07)・・・小田越[休憩 20分](11:14)・・・薬師岳[休憩 20分](12:51)・・・小田越(13:42)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
花の名山早池峰山は思いの外遠い場所にある。東北自動車道を下りてからが長いだけでなく、登山シーズンの土日には自家用車の進入が禁止になるため登山口までバスを利用しなければならないからだ。自宅を深夜に出る日帰り登山スタイルがすっかり身についた2015年に、長年の憧れだった早池峰山に登ることにした。
7月11日は快晴。これ以上は望めないほどの天気である。駐車場に着いたのは5時過ぎで、ここから始発のバスに乗って河原坊まで行く。駐車場には、すでに十数台の車が止まっていた。
河原坊を6時に出発する。空が青い。梅雨の時期なのに空気も乾いている。駐車場を左に見て、トイレを過ぎると、そこから緩やかに下って登山道に入っていく。樹木が高い中を行くと、すぐに足元は岩だらけになり、そこからは沢伝いに岩を踏みながら上流に登っていく。やがて視界が開けると、かすかに早池峰山の稜線が顔を出す。傾斜が急になり、沢音が近くなって、朝の日差しが差し込むようになると、頭垢離はもうすぐだ。7時34分に頭垢離に着いて振り返ると、薬師岳の姿が大きい。ここで10分程休憩した。
頭垢離からは露岩帯の急登になる。ここからが早池峰山の難所である。大岩の間を縫うように歩き、あるいは平たい岩の上を鎖を頼りに登り、向かいに見える薬師岳がだんだん低く見えるようになる。花も多くなってくる。ハクサンフウロやチングルマの花穂、ヨツバシオガマなどが次々に現れ、目を楽しませる。
傾斜がいっそうきつくなり、大岩が目の前に迫ってくる。ふと見ると、ハヤチネウスユキソウが固まって咲いている。白い繊毛に覆われ、高貴な佇まいである。ミヤマオダマキの紫も気品がある。光にすけて見える紫が私はことのほか好きである。
急なジグザグを凌ぎ、薬師岳がずいぶん下に見えるようになると山頂は近い。山頂には8時47分に着く。山頂の神社に手を合わせている間にも、登山者が続々と登ってくる。大きな岩を回って反対側に出ると、目の前に素晴らしい展望が広がっている。奥羽山脈が横たわる先に、岩手山が小さく浮かんで見えた。ここで花と景色を楽しみ、しばらく至福の時間を過ごした。
下山する前に、鶏頭山の方に進んでみたが、ここから先には登山者はほとんどいない。登山道の周囲には数えきれないほどの花が咲いていて、実に見事である。ここから鶏頭山への縦走は、次に機会に譲ることにして、いったん山頂付近まで戻って方から、避難小屋へ向かう。避難小屋の先は木道が続いており、ここが小さな湿地帯になっている様子が伺える。
木道を進むと、やがて砂礫地帯に出て、五合目に着く。時計を見ると、10時7分であるここからは対岸に薬師岳の姿が大きい。ここから鎖場を下り、大きな岩の点在する砂礫地帯を、11時14分に小田越に下りた。振り返ると早池峰山が迫力ある姿で横たわっている。
小田越からは、対岸に見えた薬師岳に登る。こちらまで足を伸ばす人はほとんどいない。静かな山歩きを楽しみながら高度を上げていく。木々の間から早池峰山が見えてくると、突然視界が開けて、低木の尾根筋近くに出る。ここからの眺めは素晴らしく、右手、左手に早池峰山を見ながらハイマツの道を行くと、稜線上に出る。目指す薬師岳が稜線の先に見えている。
稜線上には大きな岩があり、岩と岩の間にヒカリゴケが生えているらしい。残念なことにヒカリゴケを発見できずに薬師岳山頂には12時51分到着した。時間的余裕はあまりないので、10分ほど休んで下山した。正面に早池峰山を見ながら下る道は圧巻で、「一つと隣の山に登れ」ということの意味が良く分かる。
小田越に下りたのが13時42分で、バスの発車時刻まで20分ほど待つことになった。
みんなのコメント