モンベル・チャレンジアワード、探検昆虫学者の西田賢司氏が受賞
自然を舞台に挑戦し続ける人を応援するために、2005年にアウトドアメーカーのモンベルが設立した「モンベル・チャレンジ・アワード」の2010年の受賞式が、去る2011年1月25日、同社のディーラー向け新製品展示発表会にて行われた。
2010年の受賞者は、探検昆虫学者として活躍する西田賢司氏。氏は、15歳の時に単身渡米し、アメリカの大学で生物学を学び、その後は中米コスタリカの国立コスタリカ大学で昆虫学を専門に学んで修士号を取得。現在はコスタリカを拠点に昆虫研究を続けている人物だ。

▲モンベルの辰野会長から授賞盾を贈られる西田賢司氏
今回、西田氏の活動が選ばれた理由は、熱心な活動が認められたことだ。授賞式に先立って挨拶したモンベルの辰野会長は、「チャレンジアワードは、何かに挑戦した『結果』を残した人ではなく、現在進行形でチャレンジしている人を応援するのが目的」と説明し、西田氏の受賞理由について「『自然との関わり合い』をキーワードとしているチャレンジアワードにおいて、自然のフィールドで活躍する西田さんの研究を応援したいと思った」と述べた。
現在、西田氏の活動するコスタリカは、北緯10度前後に位置する、太古の昔に北米大陸と南米大陸が近づいて隆起してできた場所だ。日本の7分の1ほどの面積ながら、海抜3800mの高地があるなど、複雑な地形と多様な気候を有していて、植物・昆虫の固有種が日本と比べられないほど多いという。
また、国土の約25%が自然保護区となっており、その大半が原生林のため、昆虫研究には絶好のフィールドということだ。
そんなフィールドで活動する西田氏は「バッグマン(袋男)」と昆虫学者の間では呼ばれているという。これは、腰に大きなゴミ袋をぶら下げながら森を歩き、小袋に入れた昆虫と植物を次々と採集していく姿からついたもので、昆虫を見つける優れた眼力と知識、採集の腕は、世界の昆虫の専門家から高い評価を受けているとのことだ。
受賞した西田氏は「私の研究領域である『昆虫』のような地味な世界にスポットを当てていただき、本当に感謝しています」と緊張の面持ちで述べたあと、自身のフィールドであるコスタリカの自然の状況や、研究・調査手法、研究対象であるチョウやガなどの面白い生態を写真や映像で披露。会見場の笑いを誘うなど気さくな一面も見せた。
なお、モンベルでは、チャレンジアワード関連イベントとして、西田氏と一緒に野外に出かけて昆虫を探す自然観察教室をを関西・関東でそれぞれ予定している。イベントの概要は以下のとおり。
■西田賢司氏 チャレンジアワード受賞記念イベント 概要
関西エリア
日時: 2011年3月26日(土)
場所: 京都市宇多野ユースホステル
関東エリア
日時: 2011年4月2日(土)
場所: 裏高尾 日影沢キャンプ場
※ 一日2回実施。各回の定員は30名(午前は小学生を対象、午後は中学生以上を対象とする)。
詳細はモンベルのウェブサイトにて
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