山小屋へのドローン物資運搬、来年実装へ。KDDIスマートドローンが妙高で実証実験

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高谷池ヒュッテに荷物を運んだドローン

高谷池ヒュッテに荷物を運んだドローン

山小屋へのドローン物資運搬実用化をめざした配送実証が、10月18日(金)に新潟県妙高市・笹ヶ峰〜高谷池ヒュッテ間で行なわれた。

妙高市では、山小屋やスキー場への物資配送、緊急時の物資運搬、農業の作業効率化、観光などの分野で、ドローンの活用を推進事項として位置づけている。今回の実証では、業務用ドローン事業を展開するKDDIスマートドローン株式会社の大型ドローンが、笹ヶ峰キャンプ場近くの発着地(標高1300m)から、妙高山と火打山の間に位置する標高2100mの高谷池ヒュッテまで、燃料を含めたペイロード重量約26kgの燃料を配送。折り返し発着地点まで戻ってくる運航の様子が公開された。

※燃料20Lに加えて、ウィンチシステム、配送ボックス、配送ネット、スイベル、カラビナなど含めた重量

実証で使用されたドローンは、2024年に登場した最新大型機「DJI FlyCart30」。アーム&プロペラ展開時には約3m四方になる巨大なサイズで、最大積載量は30kg(ウインチシステム含む)、最大航続距離は16km(デュアルバッテリーモード)というスペックだ。

ドローン下部にはウインチが装備され、空中でホバリングしたままワイヤーで吊り下げた荷物を降下・上昇させることができる。荷物を下ろす際にドローンを着地させる必要がないので、着地スペースがない山小屋でも運用できるメリットは大きい。

発着地点の笹ヶ峰から高谷池ヒュッテまでの飛行距離は往復9.6km。徒歩だと5時間ほどかかる行程を、わずか15分で往復する。今回の実証では、発着地と到着地に2名のフライヤー(操縦者)を配置し、目視による操縦と、プロポと機体の2.4GHzの直接通信に、自立飛行を組み合わせるオペレーションで運航。現在、高谷池ヒュッテではLTE(モバイルネットワーク)基地局を整備中で、将来的にはLTE通信を使い1人のフライヤーで運航が可能になるという。

高谷池ヒュッテ上空に到着し、ホバリングしたままウインチで荷物を下ろす(画像提供=KDDIスマートドローン株式会社)

高谷池ヒュッテ上空に到着し、ホバリングしたままウインチで荷物を下ろす(画像提供=KDDIスマートドローン株式会社)

高谷池ヒュッテをはじめ、山小屋への物資運搬は、ヘリコプター配送が主な手段で、コスト面や臨機応変な運用の難しさがある。歩荷による人力での運搬も人材不足などの問題を抱える。それら課題解決のひとつの手段として、大型ドローンでの物資運搬の可能性に注目したい。

新潟県妙高市 FlyCart30を活用した山小屋燃料輸送の様子

【問合わせ】
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KDDIスマートドローンHP
https://kddi.smartdrone.co.jp/

【物流ソリューションサービス紹介ページ】
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