先人が祈り歩いた海・川・山の熊野古道の景色。和歌山県新宮市の熊野川舟下りが20周年

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写真提供=新宮市商工観光課

和歌山県新宮市・熊野川舟下り

三重県と奈良県に隣接する和歌山県新宮市は熊野古道の熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)へと至る6つのルートのうち3つのルートの一部が通る。これらのルートの特徴は、山はもちろん、海、川とそれぞれの景色に出会えること。なかでも川の熊野古道を楽しめるのが「熊野川舟下り」で、2025年で20周年を迎える。

平安時代、皇族が熊野本宮大社と熊野速玉大社を巡拝する際に熊野川を利用し、約40kmの距離を船で下った。道の駅「瀞峡(どろきょう)街道 熊野川」から熊野速玉大社近くの権現河原までの約16kmを「川の熊野古道」として20年前に再現。舟からの景色、同乗する語り部の話から川の熊野古道の歴史や物語を楽しめる。舟下りで景色を眺めれば、熊野古道を歩くだけでは感じられないかつての皇族の熊野巡礼を追体験できる。

和歌山県新宮市

和歌山県新宮市

海の熊野古道では、高野坂から王子ヶ浜を展望できるほか、新宮市の捕鯨文化を伝える鯨山見跡(くじらやまみあと)からは熊野灘を望め、波の音をBGMに歩くことができる。もちろん山の熊野古道の魅力も。平安貴族の公式ルートである中辺路(なかへち)には、熊野三山の神々が岩の上で円座になり、笑談したと伝わる「円座石」などが見られる。

和歌山県新宮市

新宮市内には熊野速玉大社をはじめ、神倉神社(かみくらじんじゃ)、阿須賀神社(あすかじんじゃ)の3社が点在する。いずれも世界遺産に登録されている。神倉神社では、毎年2月6日に奇祭「御燈祭り」が開催。この祭りでは、白装束に荒縄を締めた約2,000人の「上り子(のぼりこ)」と呼ばれる男性が御神火を移した松明を持ち、神倉山の中腹から538段の急峻な石段を駆け下る。タイミングを合わせて、熊野信仰の祭事を訪れるのもおすすめだ。

問合せ先

新宮市観光協会
TEL:0735-22-2840
https://www.shinguu.jp/

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