星野リゾート運営の“山ホテル”「LUCY尾瀬鳩待 by 星野リゾート」が尾瀬・鳩待峠に開業!

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LUCY尾瀬鳩待 by 星野リゾート

尾瀬の鳩待峠(はとまちとうげ)にあった「鳩待山荘」が2023年に閉鎖された後、長らく改修工事が行なわれてきた。そこに星野リゾートが運営する宿泊施設ができると発表がされたのは2024年の春。以来、どんな施設ができるのか多くの人の注目を集めてきた。

鳩待峠で星野リゾートが運営する施設は2棟あり、宿泊者専用の「LUCY尾瀬鳩待 by 星野リゾート」(以下「LUCY尾瀬鳩待」)と、日帰り客も利用できる「はとまちベースcafé and shop by星野リゾート」(以下「はとまちベース」)。

「LUCY」(ルーシー)とは、山岳地域での宿泊に特化した星野リゾートの新しいブランドで、コンセプトは「心揺さぶる山ホテル」。登山者やハイカーだけでなく、登山やハイキングに興味がある“潜在層”もターゲットとする。

「初めて山に宿泊する方でも、安心して泊まってもらえるような受け皿を作ることで、山に一歩踏み出すきっかけをつくりたい」と話すのは、自身も山が好きだという「LUCY尾瀬鳩待」総支配人の福井ゆう子さん。星野リゾートでは新施設が開業するときメンバーを社内公募する制度がある。「ずっと山の施設に行きたいと社内で希望を出してきたが、ようやく念願かなった」そうだ。

LUCY尾瀬鳩待 by 星野リゾート

2段ベッドが2列並ぶ4人部屋のフォースルーム

LUCY尾瀬鳩待 by 星野リゾート

ドミトリーは12室。入口はロールカーテンで目隠し

LUCY尾瀬鳩待 by 星野リゾート

シャワールーム。脱衣所もゆとりのある広さ

客室は2階にあり、4人部屋の「フォースルーム」、2人部屋の「ツインルーム」、1人用の「ドミトリー」と3つのタイプがある。充電用コンセント、Wi-Fiは無制限で利用できる。さらに男女別のシャワールーム・パウダールームも。シャンプーやボディーソープ、ドライヤーが使用でき、アメニティも歯ブラシ、バスタオルが用意される。トイレも温水洗浄便座つきだ。

LUCY尾瀬鳩待 by 星野リゾート

「LUCY豚汁ご膳」。ゴロゴロ具材の豚汁はメインとして十分なボリューム

宿泊プランは、素泊まり、または夕食つき。夕食は向かいの「はとまちベース」に食べに行く。メニューはたっぷりの具材を用いた豪華な豚汁をメインに、焼き魚や半熟卵の揚げ出し、漬け物などの副菜が付く「LUCY豚汁ご膳」。登山やハイキングに必要なたんぱく質をたっぷり取れるよう開発したという。

朝食は宿泊棟1階の「Food & Drink Station」で各自購入する。“ラストコンビニ”とうたう24時間利用可能な売店で、いなり寿司やパン、スープ、エナジーバーなどの行動食のほか、日焼け止めやカイロ、オリジナルマグカップなども販売している。

「LUCY尾瀬鳩待」は、東京電力の子会社である東京パワーテクノロジーが建て替えを行ない、オール電化の宿泊施設となった。冷蔵庫(ドミトリー以外)や電子レンジ、ドライヤー、タブレットを使用した24時間のセルフレジなどが、山の施設としては目新しく感じられた。

LUCY尾瀬鳩待 by 星野リゾート

日帰り客も利用できる「はとまちベース」

LUCY尾瀬鳩待 by 星野リゾート

天井には群馬県産の杉の木材を使っている

宿泊棟の向かいに建つ「はとまちベース」は、宿泊者以外も利用でき、Tシャツや水筒、タオルやサコッシュといった登山小物を販売。LUCYロゴの入ったオリジナルグッズや、イラストレーターやアウトドアメーカーとのコラボ商品など、思わず手に取りたくなるような商品が並ぶ。

LUCY尾瀬鳩待 by 星野リゾート

濃厚な味わいの花豆ソフトクリーム

カフェでは、2種類の湯葉と十割そばを使用した「湯葉きのこあんかけ蕎麦」や、尾瀬名物の花豆を使った「花豆ソフトクリーム」を提供。花豆の濃厚な味と香りが楽しめるソフトクリームは、登山やハイキングの後にぜひ味わいたい一品だ。なお、支払いはキャッシュレスのみ。

今季の営業は10月25日までだが、予約はすでに満室。2026年の宿泊予約は、来春の鳩待峠の開通日程が発表され次第、開始する予定だ。

施設概要

施設名称:LUCY尾瀬鳩待 by 星野リゾート
所在地:群馬県利根郡片品村大字戸倉中原山898番14
電話:050-3134-8099(LUCY予約センター)
客室数:25室
客室内訳:

  • ドミトリー(1名定員) 12室
  • ツインルーム(2名定員) 10室
  • フォースルーム(4名定員) 3室

料金:1泊14,050円~(2名1室ツインルーム利用時1名あたり、税・サービス料込、夕食付)
付帯施設:パブリックスペース、シャワールーム、ロッカースペース、Food & Drink Station
「はとまちベース Cafe & Shop by 星野リゾート」※日帰り利用可能
アクセス:関越交通 乗合バス「鳩待峠」駅下車 徒歩3分
URL:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/lucyozehatomachi/

この記事に登場する山

群馬県 / 南会津・尾瀬

至仏山 標高 2,228m

 尾瀬ガ原の西端に位置し、東の燧ヶ岳とともに尾瀬を代表する名山である。ミズバショウの花咲く湿原のかなたに残雪の至仏山、といった写真はよく目にすることだろう。  山頂から眼下に見る尾瀬ガ原はすばらしい。西には奥利根、谷川の山並みを望む。足元には蛇紋岩地特有のホソバヒナウスユキソウやオゼソウなど、貴重な高山植物が多い。山名の故か、百名山登頂の最後にこの山を登る人たちもあると聞く。山名は、仏教には関係なく、ムジナッ沢(つあわ)の別名「渋ッ沢」に由来するという。  山ノ鼻から直登するコースは植生保護のための通行禁止が平成9年に解除された。ただし状況によっては再び通行禁止となる場合もある。山ノ鼻から頂上まで所要2時間30分。鳩待峠からは緩やかで展望のよいコースがある。鳩待峠から頂上まで所要2時間40分。  鳩待峠は、その昔片品村の男たちが、厳冬期に入山し、木地師として木工品を作っていたころの仕事場であった。鳩は寒中はふもとの村にいて、暖かくなると山奥へ移る習性がある。峠の近くで鳩が鳴けば、男たちは久々に里へ下り、田植えを始める。雪深い山中で、鳩が来る春の日を待ち続けたことから、鳩待峠と呼ばれた。

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