吉永小百合が田部井さんのピアスで登壇。映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」完成披露試写会
女性として世界で初めてエベレストに登頂した田部井淳子さんをモデルにした映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」(阪本順治監督、10月31日公開)の完成披露試写会が9月24日、東京都内で開かれ、主演の吉永小百合のほか、佐藤浩市、天海祐希、のん、木村文乃、若葉竜也、工藤阿須加、茅島みずきが、阪本順治監督と共に登壇した。

同作では、“女性だけで海外遠征を”を合言葉に女子登攀クラブを設立し、1975年にエベレスト日本女子登山隊の副隊長兼登攀隊長としてエベレスト登頂に成功してから他界するまでの田部井さんの人生を映画化。晩年の闘病、余命宣告を受けながらも亡くなる直前まで山に登り続け、晩年は東日本大震で被災した高校生のための富士登山プロジェクトにも尽力した田部井さんの勇壮な生涯を壮大なスケールで描く。吉永は田部井さんをモデルにした主人公・多部純子を、のんがその青年期を演じる。
吉永は田部井さんの遺品のピアスをつけ、自身の出演作品数124本目にちなんだ12.4mの白銀のランウェイを出演者と共に歩いて登場。「本当のことを言いますと、この映画をよその国が作ろうとしていたんです。アメリカが権利を持っていて。監督とやりたいねって待っていたら、その期限が切れて。天国から淳子さんが応援してくださったと思っています」と空を見上げた。
田部井さんの夫・政伸さんをモデルにした多部正明を演じた佐藤は、吉永に「『本当に僭越なんですけど、劇中のご夫婦が呼び合っていたように撮影の期間だけ、“お母さん”と呼んでもよろしいですか?』ってお願いしましたところ、吉永さんは当然ジョークで返されたつもりなんですけど『私、子どもがいないんで』と言ってらっしゃって(笑)」と吉永のおちゃめな一面を明かしつつ、「撮影中は無事“お父さん”、“お母さん”と呼び合うことができて、自分の中で安心して撮影を終えることができました」と感慨深く語った。


田部井さんのよき理解者・北山悦子を演じる天海祐希は、「『吉永小百合さんとご一緒したい』って方はたくさんいらっしゃるでしょうに、私は3回もご一緒させていただけて……。そして、ずっと小百合さんの役を見つめ続ける方の役ということで、こんなにありがたいことはないなと思いながら大事に大事にワンシーンずつ演じました。その思いが見てくださる方にも伝わるといいなと思っています」と語った。
主人公の青年期を演じたのんは、クランクアップの時に吉永から受けたサプライズについて明かした。「プロデューサーの方から『吉永さんがいらっしゃる、ってご連絡をくれたんだけど、来るのがややこしい場所だからお気持ちだけ、というやりとりがありました』と聞いていたんです。でも、撮影が終わるときに吉永さんがお一人でいらっしゃってくださって、現場のみんなが『うわぁ~!』ってテンションが上がって、報われたような気持ちになって。カッコいい!って感動しました」と語り、続けて「それで『お疲れさま』ってハグしてくださって、チョコレートをくださったんですけど、もうそのチョコレートが格別においしくて、本当に幸せでした。ありがとうございました!」と嬉しそうな表情で感謝を述べた。


関連リンク
映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」特設サイト
https://www.teppen-movie.jp/
関連書籍
ヤマケイ文庫『タベイさん、頂上だよ 田部井淳子の山登り半生記』(田部井淳子著)
https://www.yamakei.co.jp/products/2812120106.html
ヤマケイ文庫『ピッケルと口紅』(北村節子著)
https://www.yamakei.co.jp/products/2825050150.html





