大山 | 大山プロガイド協会

暖かい日が続き、積雪量が減ってきましたが、登山道は雨で緩んだところがアイスバーンになって非常に歩きにくい状況です。お気をつけください。

草鳴社ケルン付近と稜線(2018.03.28 休暇村 奥大山)
草鳴社ケルン付近と稜線(2018.03.28 休暇村 奥大山)
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天気・気温

03/11(日) 午前11時の大山寺の天候 小雪 気温-3℃ 
午後1時の6合目の天候 雪 気温-6℃ 5〜8m/s

11日あたりから気温が上がり、天候が落ち着きそうですが、
天気予報を必ず確認して大山においでください。

積雪量が少ないため、よほどの場所に入らない限りは雪崩の恐れはないと思われますが、コース外に出られるときはご注意ください。
鳥取市の天気予報
明日
曇のち晴
24℃
14℃
明後日
晴時々曇
25℃
13℃
日本気象協会提供 2024年4月26日 6:00発表
松江市の天気予報
明日
曇のち晴
25℃
14℃
明後日
晴のち曇
27℃
12℃
日本気象協会提供 2024年4月26日 6:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

一昨日まで暖かい日が続き、昨日は終日雨が降り続き、かなり積雪量も減ってきました。
昨日夜ぐらいから雨が雪に変わり、9日の朝までに大山寺付近で10cm程度の新雪が積もりました。

登山道においては吹き溜まりには新雪があり、昨日の雨で緩んだところはアイスバーンとなっていて、非常に歩きにくい状態です。
トレースは登山口からほとんどないに等しい状態でしたが、今年は積雪量が少なく、ほとんど無雪期と同じルートがそのまま冬のルートになっていたので、3合目までは迷うことなく歩けると思います。3合目から上はところどころに冬独自の短絡ルートができていますが、これもさほど迷うことはないと思われます。

道路にはほとんど積雪もありません。
しかし、まだまだ雪が降る日もありますので、タイヤおよびチェーンなどは必ずご用意ください。

登山道の状況

注意することは4合目を過ぎてから、かなり融雪が進んでいて、抜け穴がかなりできていて、その上に新雪が積もっていたために
見えなくて踏み抜くことがあります。特に大木の近くは「根開き」がありますのでご注意ください。

5合目を過ぎて標高1300mを過ぎると、抜け穴はほとんどなくなります。キックステップをしっかり会得していないと滑って転倒することにもなります。

6合目まではアイゼンなしで歩きましたが、期せずしてキックステップの練習にもなりました。6合目から上は風も強くなり、完璧にアイスバーンとなりますが、視界も悪く、今日は無理をしないで6合目で登山中止としました。

このアイゼンをどこで履くかですが、道具さえ揃えたら冬山に登れると勘違いしている登山者が最近は非常に増えているのも事実です。アイゼンを使うこと以前にキックステップを習得してください。キックステップで登れなくなった時にアイゼンを装着というのが基本です。ということは、冬の大山では10本または12本爪でないと難しいと思われます。

ただ3合目手前から傾斜が急になってくるので、アイスバーンが予測される時はスタートから履いてもいいと思います。
この時もズボンの裾に引っ掛け転倒するということがあるようですが、山歩きの基本が出来ていないからです。
これも冬はスパッツが必需品です。アイゼンワークの前にキックステップです。

また6合目からさらに上を目指す場合は、ストックからピッケルに持ち替えたほうが無難です。これも滑落停止ができることが必要充分条件です。アイゼンが必要な場所で転倒するとストックは何の役にも立ちません。
従って基本はアイゼンとピッケルはセットで考えることです。ただアイゼン無しのピッケルは雪山訓練が出来ていればアリです。

これもその日の雪の状態によって臨機応変に対応できればいいと思います。基本技術がないとこの対応が出来ませんのでご注意ください。冬の道具が使えないと遭難事故に繋がることをお忘れなく。

7合目を過ぎてからはブルーの細い目印のポールを立てています。これは迷わないためのものですが、7合目から上はガスってしまうと方向がわからなくなります。従って次のポールが見えない場合は必ずそこで無理をせずに引き返してください。あまり密に立てるとどんなに天候が悪くてもどんどん登ってしまいます。迷いやすい場所は少し密に、わかりやすい場所はやや広めに立てていますので、無理をしないようにお願いします。

登った以上は下りもありますが、登りで無理をすると下れなくなります。天候などの状況をみながら判断してください。

登山装備

厳冬期の大山です。冬山装備は必ずお持ちください。

アイゼンは12本爪を必ずお持ちください。
時々10本で爪の短いものが安価で売られています。
しかし実際にアイスバーンで使ってみればわかりますが、6合目より上での急斜面ではほとんど役に立ちません。
あくまで軽アイゼンと同程度のものと考えたほうがいいと思います。
(アイスバーンの急斜面を下ればよくわかります)
アイゼンワークをきっちり基本から学んでいる方は何とかなりますが、12本のしっかりしたアイゼンのほぼ半額程度で購入できるのでという理由で購入することは避けたほうがいいようです。
また、冬山では何が起きても対処できるだけの装備を持たないと、あまりに軽装備で登ることは遭難事故に繋がる恐れがあります。

注意点

●山頂避難小屋
山頂避難小屋は来年春までは無人ですが、トイレは非水洗が1ヵ所だけ使えます。
風が避けられるだけいいと思いますので休憩等にご利用ください。
天候が悪い場合は内部も暗くなりますので、ヘッドライト等はすぐに取り出せるところに入れておいてください。
トイレも含めて皆が気持ち良く使えるように、入り込んだ雪は出られる時にほうきで吐き出す程度のことはご協力ください。
(ほうきやスコップは小屋内に常備しています。)

●道路には積雪があります
車でお越しの際は冬用タイヤとチェーンはお忘れなく。
駐車場は除雪していない時が多いので、お気をつけください。

お知らせ

その他、登山道の状態とか装備品などわからないこと、またガイドに関する依頼、受けておりますので遠慮なく下記までお問い合わせください。

日本山岳ガイド協会 認定登山ガイド 久保昌之
電話 090-7999-2931
鳥取県日野郡江府町御机鏡ヶ成709-1  休暇村 奥大山
電話 0859-75-2300

昨年の今頃の様子は?

今年は登山道の雪は早く融けてしまい、もう歩くのに支障はありません。2週間ほど早めに推移しています2023.05.02

だんだん蒸し暑さを感じる季節になってきました。そろそろ虫除けスプレーが必要な季節です2023.05.15

米子市内でも30℃を越える夏日となりましたが、大山は気持ちの良い風が吹いていました2023.05.23

大山プロガイド協会周辺の過去の様子

  • 山頂緊急避難小屋付近の状況
  • 3合目手前付近から積雪があります
  • 山頂台地の残雪
  • フキノトウがようやく顔を出してきました
  • 6合目避難小屋の様子
  • ポールの片付けを行う
  • 山頂より剣ヶ峰を望む
  • 少しガスが出ると、大山では、こうなります
  • 山頂碑の様子
  • 山頂より剣ヶ峰を望む
  • 6合目より見た日本海
  • 7合目の様子

大山プロガイド協会

現地連絡先:
090-7999-2931
電話番号:
0859-75-2300
連絡先住所:
〒689-4424 鳥取県日野郡江府町御机字鏡ヶ成709-1 休暇村 奥大山 内

地図で見る
http://chugoku-guide.wix.com/chugoku-guide

施設の詳細を見る

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大山 標高 1,729m

 山陰地方のほぼ中央にそびえ立つ大山(だいせん)は、天平五年(733)に完成したといわれる『出雲風土記』に、火神岳(ほのがみのたけ)の名で登場する。我が国で最も由緒のある山の1つである。  中国地方の最高峰。大山隠岐国立公園の中心にあり、歴史、民俗、自然科学の面でも傑出したものが多く、名実ともに中国山地の王者である。四季を通じて探訪者が絶えないが、日本海に面した独立峰であり、気象条件、地質地形条件が厳しく、特に冬季は「寒気の吹き出し」の影響を、日本で最初に受けるので、標高に似合わず遭難事故が多い。中国地方の他の山々とは全く異質の山であることを銘記されたい。  一方、自然保護運動の先覚地でもある。全国のゴミ持ち帰り運動の発祥の地であり、数々の乱開発を追放した実績を持っている。現在は一木一石運動(登山者の手によって山頂に石を返す行動)が根気よく続けられている。  山体を形成する角閃石安山岩は軟らかくもろい。激しい浸食作用により、登山道の転変が多く、頂上と通称される弥山(みせん)への道は夏道ルートと行者谷ルート以外は閉鎖されて久しい。両ルートは6合目避難小屋の下で合流し、特別天然記念物ダイセンキャラボク純林を縫って頂上碑に達する。東側に三等三角点が、西に頂上小屋と、やや下って石室(いしむろ)と心字(しんじ)池などがある。いずれも往復5時間程度だ。  最高点の剣ヶ峰へは大神山(おおがみやま)神社から元谷(もとだに)小屋、ユートピア避難小屋を経る一般ルート(往復5時間)の他に大休(おおやすみ)峠からと、地獄谷振子(ふりこ)沢からのルートがあるが、一般向ではない。  元谷をベースに、大屏風(おおびようぶ)岩、小屏風(こびようぶ)岩、烏帽子(えぼし)岩、別山などの岩場がある。岩はもろく、登攀には高度の技術が要求される。南面の南壁はすべてガレ壁で、登降は勧められない。支峰の甲(かぶと)ガ山(せん)、船上山(せんじようざん)にはよい岩場があり、地元のクライマーに愛されている。  大山の名をより高めているのは、史跡の豊富さと荒らされていない生物相とにある。  『出雲風土記』には、大山を杭(くい)にし、弓ガ浜を綱にして島根半島を引いてきたと記され、大化改新(645)前後には修験者の大道場でもあった。以来、興亡栄枯を繰り返し、その遺構が全域に残されている。現存する大山寺と大神山神社の門前町が大山寺(だいせんじ)の集落。今は宿泊施設や飲食店、温浴施設などが参道沿いに並んでいる。 平成30年には、大山情報館が大山ナショナルパークセンターとしてリニューアルしたほか、観光案内所や県立大山自然歴史館も再整備され、大山周辺の情報提供の他、シャワールーム、ロッカー、Wi-Fiなど多くの新しい機能が利用できるようになり、大山登山が一層、便利になった。 冬は西日本最大の広さを誇るスキー場が賑わい、スキーやスノーボード、スノーシューなど、ウィンタースポーツのメッカとなている。

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