暖かい日が続き、積雪量が減ってきましたが、登山道は雨で緩んだところがアイスバーンになって非常に歩きにくい状況です。お気をつけください。
天気・気温
午後1時の6合目の天候 雪 気温-6℃ 5〜8m/s
11日あたりから気温が上がり、天候が落ち着きそうですが、
天気予報を必ず確認して大山においでください。
積雪量が少ないため、よほどの場所に入らない限りは雪崩の恐れはないと思われますが、コース外に出られるときはご注意ください。
山頂の天気の閲覧、登山計画の保存などができるようになります。
山と周辺の状況
一昨日まで暖かい日が続き、昨日は終日雨が降り続き、かなり積雪量も減ってきました。
昨日夜ぐらいから雨が雪に変わり、9日の朝までに大山寺付近で10cm程度の新雪が積もりました。
登山道においては吹き溜まりには新雪があり、昨日の雨で緩んだところはアイスバーンとなっていて、非常に歩きにくい状態です。
トレースは登山口からほとんどないに等しい状態でしたが、今年は積雪量が少なく、ほとんど無雪期と同じルートがそのまま冬のルートになっていたので、3合目までは迷うことなく歩けると思います。3合目から上はところどころに冬独自の短絡ルートができていますが、これもさほど迷うことはないと思われます。
道路にはほとんど積雪もありません。
しかし、まだまだ雪が降る日もありますので、タイヤおよびチェーンなどは必ずご用意ください。
登山道の状況
注意することは4合目を過ぎてから、かなり融雪が進んでいて、抜け穴がかなりできていて、その上に新雪が積もっていたために
見えなくて踏み抜くことがあります。特に大木の近くは「根開き」がありますのでご注意ください。
5合目を過ぎて標高1300mを過ぎると、抜け穴はほとんどなくなります。キックステップをしっかり会得していないと滑って転倒することにもなります。
6合目まではアイゼンなしで歩きましたが、期せずしてキックステップの練習にもなりました。6合目から上は風も強くなり、完璧にアイスバーンとなりますが、視界も悪く、今日は無理をしないで6合目で登山中止としました。
このアイゼンをどこで履くかですが、道具さえ揃えたら冬山に登れると勘違いしている登山者が最近は非常に増えているのも事実です。アイゼンを使うこと以前にキックステップを習得してください。キックステップで登れなくなった時にアイゼンを装着というのが基本です。ということは、冬の大山では10本または12本爪でないと難しいと思われます。
ただ3合目手前から傾斜が急になってくるので、アイスバーンが予測される時はスタートから履いてもいいと思います。
この時もズボンの裾に引っ掛け転倒するということがあるようですが、山歩きの基本が出来ていないからです。
これも冬はスパッツが必需品です。アイゼンワークの前にキックステップです。
また6合目からさらに上を目指す場合は、ストックからピッケルに持ち替えたほうが無難です。これも滑落停止ができることが必要充分条件です。アイゼンが必要な場所で転倒するとストックは何の役にも立ちません。
従って基本はアイゼンとピッケルはセットで考えることです。ただアイゼン無しのピッケルは雪山訓練が出来ていればアリです。
これもその日の雪の状態によって臨機応変に対応できればいいと思います。基本技術がないとこの対応が出来ませんのでご注意ください。冬の道具が使えないと遭難事故に繋がることをお忘れなく。
7合目を過ぎてからはブルーの細い目印のポールを立てています。これは迷わないためのものですが、7合目から上はガスってしまうと方向がわからなくなります。従って次のポールが見えない場合は必ずそこで無理をせずに引き返してください。あまり密に立てるとどんなに天候が悪くてもどんどん登ってしまいます。迷いやすい場所は少し密に、わかりやすい場所はやや広めに立てていますので、無理をしないようにお願いします。
登った以上は下りもありますが、登りで無理をすると下れなくなります。天候などの状況をみながら判断してください。
登山装備
厳冬期の大山です。冬山装備は必ずお持ちください。
アイゼンは12本爪を必ずお持ちください。
時々10本で爪の短いものが安価で売られています。
しかし実際にアイスバーンで使ってみればわかりますが、6合目より上での急斜面ではほとんど役に立ちません。
あくまで軽アイゼンと同程度のものと考えたほうがいいと思います。
(アイスバーンの急斜面を下ればよくわかります)
アイゼンワークをきっちり基本から学んでいる方は何とかなりますが、12本のしっかりしたアイゼンのほぼ半額程度で購入できるのでという理由で購入することは避けたほうがいいようです。
また、冬山では何が起きても対処できるだけの装備を持たないと、あまりに軽装備で登ることは遭難事故に繋がる恐れがあります。
注意点
●山頂避難小屋
山頂避難小屋は来年春までは無人ですが、トイレは非水洗が1ヵ所だけ使えます。
風が避けられるだけいいと思いますので休憩等にご利用ください。
天候が悪い場合は内部も暗くなりますので、ヘッドライト等はすぐに取り出せるところに入れておいてください。
トイレも含めて皆が気持ち良く使えるように、入り込んだ雪は出られる時にほうきで吐き出す程度のことはご協力ください。
(ほうきやスコップは小屋内に常備しています。)
●道路には積雪があります
車でお越しの際は冬用タイヤとチェーンはお忘れなく。
駐車場は除雪していない時が多いので、お気をつけください。
お知らせ
その他、登山道の状態とか装備品などわからないこと、またガイドに関する依頼、受けておりますので遠慮なく下記までお問い合わせください。
日本山岳ガイド協会 認定登山ガイド 久保昌之
電話 090-7999-2931
鳥取県日野郡江府町御机鏡ヶ成709-1 休暇村 奥大山
電話 0859-75-2300
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