10本爪以上のアイゼン必要。雪が少なく5~7合目の灌木帯が厄介です。山頂避難小屋利用は制限あり
天気・気温
山頂の天気の閲覧、登山計画の保存などができるようになります。
山と周辺の状況
1月17日(金)現在の大山夏山登山道の最新情報をお知らせします。
(今回の画像はガイド仲間の勝部ガイドより提供いただきました)
午前9時の大山寺の天候 晴れ 気温プラス3℃ 無風
午前11時の山頂の天候 くもり時々晴れ 気温マイナス3℃ 微風
全国的に雪不足といわれる中で大山においても例年の2割程度の積雪でなかなか寒波が大陸方面から吹き込んできません。
最近はテレビでもよく解説されていますが、偏西風の流れが北寄りにあるため、シベリア寒気団が日本まで下がってこれない状態になっています。
大陸からの乾いた寒気が日本海に吹き込んで渡ってくる間に海上の水分をたっぷり含んで、独立峰である大山に当たり雪が降る訳ですが、この寒気団が吹き込んでこないために雪が少ないようです。
日本海側だからといって米子市内とか境港市では雪雲が上空を通り過ぎていくため、さほど雪が積もることがないのです。
地元では良く「山だけ降ってくれたらいいのに」と言われますが、今年はその山にさえ降らない状況です。
登山道の状況
■登山道の様子
歩く登山道自体はまだ明確にわかりますのでガスって前が見えないときでも登山道はなんとか判別できます。
ただ今年は山頂避難小屋がゆっくり休むスペースがないため、無理をせずに途中下山したほうが無難だと思います。
ただ厄介なのは5合目辺りから7合目手前辺りの低潅木帯です。
雪が例年通りに降れば、雪の下に埋もれるのですが、まだそこまで積雪が無く、小枝が登山道に覆いかぶさって歩きにくくなっています。
登山装備
雪が例年よりも少ないとはいえ厳冬期の大山ですから冬山装備はもちろんです。
アイゼンは冬山ですから10本以上はお持ちください。6本の軽アイゼンではそれなりの技術がないと下りで困ると思われます。
ピッケルよりはまだストックの方が役に立ちそうです。
ストックも必ずバランス保持で考えてください。
ピッケルですが少し前の懐かしい話をしますと、役割は滑落停止はもちろんのこと、バランス保持、そしてあとはブレードの部分で足がかりを作るという役割がありました。
当時はアイゼンの性能も今ほどでなく国産品では前歯の無いものが多く出回っていました。
(輸入品の前歯のあるアイゼンは貧乏学生には手が出せませんでした。)
前歯のないアイゼンではアイスバーンになったとき、つま先部分が滑ることが多く、ピッケルで足場を作りながら登っていました。そのためピッケルは70~80cmぐらいの長さが必要でした。それより短いと前屈みになってしまいます。
そのため短いピッケルはほとんど流通していませんでした。
私自身も当時は75cmを使っていました。
しかし最近は50cmの少しカーブのついたものを使用しています。
現在ピッケルに求められている「滑落停止とバランス保持」の役割からピッケルの長さを考えてください。
注意点
ピッケルの使い方も含めて冬山技術はYouTubeをみたぐらいでは到底無理です。
単独登山は出来るだけ避けて、熟練者と一緒に登るようにしてください。
登山というのは楽しいスポーツですが、同時に危険も伴います。
特に冬の大山においては無理は絶対に禁物です。
安全に登れるようにお気をつけください。
お知らせ
この他、登山道の状態とか装備品などわからないこと、またガイドに関する依頼、受けておりますので遠慮なく下記までお問い合わせください。
日本山岳ガイド協会認定登山ガイド (自然公園指導員) 久保昌之
電話 090-7999-2931(携帯)
休暇村 奥大山
鳥取県日野郡江府町御机鏡ヶ成709-1
電話 0859-75-2300
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