はじめての山小屋泊、何を持っていけば良い? コロナ禍での対策は?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

登山シーズンがやってきました。今年は宿泊登山に挑戦してみようという方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、山小屋泊やその際の必要な持ち物について解説していきます。また、コロナ禍でも安心して宿泊登山を楽しむことができるように、必要なものや対策方法もお教えします。

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で外出の自粛を呼び掛けている自治体がある場合は、各自治体の指示に従いましょう。

 

宿泊登山初心者は山小屋泊がおすすめ 山小屋ならではの交流を楽しんで

いよいよ本格的な登山シーズンがスタートします。今年は宿泊登山に挑戦してみようという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

宿泊登山の醍醐味と言えば、何と言っても大自然の中で宿泊して、非日常を味わえることです。景色が開けていて、空が見える場所では、満天の星空のもと、夜空を眺めることができます。朝は、山の上からの日の出を楽しめることも、山に泊まる贅沢です。


宿泊登山といっても、山小屋泊やテント泊がありますが、宿泊登山が初めての方には、山小屋泊がおすすめです。寝る場所や、食事が提供されるので、日帰り登山とさほど荷物量も変わりません。

山小屋泊の楽しみはいくつかありますが、その中でも他の登山客との交流は、共有スペースが多い山小屋ならではの楽しみです。山小屋のスタッフや、他の登山者から山や山小屋、登山道具などについて、様々な情報収集をすることができます。

現在は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、他の登山客との密な交流は以前よりも難しいかもしれませんが、状況が落ち着いた際には、歓談をしながら夜を過ごすのも良いですね。

 

山小屋泊に必要な持ち物 日帰り登山用のザックを使用しても問題なし

山小屋泊登山に持って行く道具を並べてみました。日帰り登山と比べると少し荷物が増えてしまいますが、日帰り登山のザックを使用しても十分入ります。黄色の枠で囲った部分が日帰り登山に加えて、山小屋泊に必要な道具です。ひとつずつ見ていきましょう。

快適な山小屋での時間のために

  • ①耳栓、アイマスク:大部屋利用でも周りを気にせずに寝れます。
  • ②防寒(ダウンなど):山小屋内は暖かいですが、山の夜は夏でも非常に冷えます。
  • ③シェラフカバー(もしくはシーツ):感染症対策のため持参を推奨する山小屋が多いため、予約時に確認が必要です。
  • ④モバイル充電器:電源がない場合もあるので、あると安心です。
  • ⑤おつまみ;山の夜のおともに。ワインを詰め替えて持って行くこともあります。

洗面用具

  • ⑥汗拭きシート:湯浴設備がないときでもさっぱりできます。
  • ⑦着替え:汗をかいたり、濡れてしまったりした時にあると安心です。
  • ⑧歯ブラシ、ジップロック:歯磨き粉でゆすぎたい場合、少量の水でゆすぎ、テッシュを入れたジップロックに出します。もしくは歯磨きシートもおすすめです。
  • ⑨手鏡:山小屋の洗面台などに鏡が設置してあることもありますが、意外と混んでいるのであると便利です。
  • ⑩メイク道具:UVケア、メイク落としシートなど、旅行用の小さな容器で軽量化しましょう。
  • ⑪感染予防グッズ(消毒液・マスク・体温計など):アウトドア用フェイスマスクは息がしやすく、日焼け防止にもなり、お勧めです。


多くの山小屋では感染予防対策が取られていますが、特に③のシェラフカバーや⑪の感染予防グッズは持参することが望ましいです。

場所にもよりますが、荷物を預けて散策を楽しめるところもあります。置いて行く荷物を入れる袋(閉じられるのが好ましい)もあっても良いですね。

上記以外にも、翌日に備えてしっかり休めるように、自分が使用して心地良い道具を持って行くと、山小屋での宿泊も楽しくなります。

 

山小屋の選び方 食事・設備・イベントなど、何を重視するかで選ぼう!

目的の山がある場合は、その山の山小屋を選びますが、山小屋を目的に登山をするという楽しみ方もあります。どのように選べば良いのか悩んだときは、何を重視するかで選んでみてください。

■食事

山で食べれるの!?と驚くようなメニューを提供している山小屋もあります。ケーキ、焼き立てパン、ステーキなど、まるで山にいるのを忘れてしまうかのよう食事をいただける山小屋もあります。食べ物だけでなく、お酒にこだわりのある山小屋もあるので、地酒も楽しむことができます。


■設備

宿泊登山初心者の方は、大部屋で寝ることに抵抗がある方もいるかもしれませんが、個室を提供している山小屋もあります。また、汗を流したいと思う方には、湯浴設備(なかには温泉も!)がある施設もあるので、自分がこれならゆっくり休めそうだと思える山小屋を選んでみてください。


■イベント

年越しやクリスマスなど、季節ごとにイベントを行っている山小屋もあります。また、定期的に演奏会をしている山小屋もあります。イベント時は、特別メニューが提供されることもあります。HPやSNSで告知を行っているので、気になる山小屋がある場合は、こまめにチェックしましょう。

※感染症対策や登山道の状況によっては、営業に変更の恐れがあります。予約時・登山前に山小屋のHP等で最新の情報をご確認ください。

 

プロフィール

海保 芽生

登山を始めたことをきっかけに、気象予報士の資格を取得しました。
登山歴は社会人になってからですが、低山ハイキングから厳冬期テント泊まで、季節問わず山を楽しんでいます。

日本気象協会

日本の気象コンサルティングサービスのパイオニアとして1950年に創立。以来、気象・環境・防災などに関わる調査解析や情報提供を行っている。
近年ではAIやIoT、気象ビッグデータの活用を通じ気象の調査解析、情報提供の精度を向上させ、気候変動への適応など持続可能な世界を実現する活動を支援している。
 ⇒tenki.jp

山の天気を知って安全に登山を楽しもう!

天気の知識を知っていれば、山はもっと楽しくなる! さまざまな気象情報を提供している気象協会が、登山と親和性の高い気象情報の基本を、詳しく説明します!

編集部おすすめ記事