ギア好き山岳ライターが選ぶ  2023年、買ってよかった登山アイテムベスト4!

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2023年、さまざまな登山アイテムが発売されたけれど、結局いい製品はどれだったの? 山岳ライターの吉澤英晃さんが2023年に購入した「おすすめの登山アイテム」をランキング形式で紹介する。ぜひ登山アイテム購入の参考にしてほしい。

構成=山と溪谷ch.

第3位 ブラックダイヤモンド/パーシュートショック

吉澤 第3位は、ブラックダイヤモンドのパーシュートショックというトレッキングポールです。

伊藤 トレッキングポールって、なかなか買い直すアイテムでもないですよね。

吉澤 そうですね。これまで長い間使っていたのは、フォールディングタイプっていう三つ折りでヌンチャクみたいなタイプのトレッキングポールだったんですね。ただ雪山に行くときに、どうしても気になることが2つあったんですよ。

吉澤 ひとつはグリップに雪がつくこと。それと、フォールディングタイプの構造上の特徴なんですけど、横に対しての強度が弱いんですよ。なので雪山でこうやって突いていると節目がグニグニ動いて、結構強度に不安があったんですよね。

吉澤 このパーシュートショックは今年の新製品なんですけど、去年ぐらいから展示会で見ていて、「これだ!」と思って迷わず買いましたね。なにが気に入っているかというと、まずグリップにナチュラルコルクが使われているところ。前に雪山に一緒に行った人がコルクグリップのポールを使っていて、「雪がつきづらいよ」って教えてくれたんですよ。だからずっとこのタイプを探していたんです。

吉澤 コルクグリップのポールは世の中にいろいろあるんですけど、加えて持ち手が変えられるアンダーグリップがついているのは見つけられなかったんです。

伊藤 コルクってただのオシャレだと思っていました。雪のことも考えられていたんですかね?

吉澤 まだ雪山で使っていないので、実際そうだといいなという願望も入っているんですが(笑)。で、強度も問題ない。節目がしっかりしていて、突いたときにグニグニしない安心感はすさまじい。あとここ、すごく個人的になんですが、ロックのところがスマートに作られているのがいいなと思っています。スリムなデザインがなんともかっこいいじゃないですか。

伊藤 確かにかっこいい。

吉澤 で、ロックも簡単にできるっていうのがすごく気に入っておりまして。あとアンチチョック機能ですね。地面に突いたときにグッて沈み込むんで、手に加わる衝撃を吸収してくれる機能が備わっています。

吉澤 ちなみに同じシリーズで、このアンチチョック機能がついていない「パーシュート」っていうモデルもあるし、フォールディングタイプもあります。

伊藤 色々なタイプがそろっているんですね。

吉澤 フォールディングタイプって、雪山で2回ぐらい不具合を起こしたことがあるんです。ギュッて伸ばしたときのレバーロック部分が雪で凍りついて押せなくなったのと、押して仕舞えたはいいけど、今度は伸ばすときに凍りついて出てこなくなったことがあったんですよ。確かに収納性とか軽さとかを考えるとフォールディングタイプがいいんですけど・・・。

伊藤 僕が持っているフォールディングタイプのポールと見比べると、確かにコンパクト性は違いますね。

吉澤 (収納性や軽さを求めるなら)絶対フォールディングタイプのほうがいいんですよ。携行性とか持ちやすさではかなわないですけど、それでも雪山とかハードな山行で使いたいときは、こういう伸縮タイプがいいのかなと思って、今はこれを使っていますね。

伊藤 重さはどのぐらいあるんですか?

吉澤 正直軽くはないです。ペアで494g。一応100〜125cmまで長さ調節はできるので、登りのときは短く、下りのときは長くして〜という使い方もできます。私と同じような山行スタイルの人は同じ構造のポールに注目してもらえるといいかなと思いますね。

ブラックダイヤモンド
パーシュートショック

ブラックダイヤモンド「パーシュートショック」
価格 27,170円(税込)
サイズ S/M(100〜125cm)、M/L(100〜145cm)
重量 494g(S/Mサイズペア)
カラー 2色
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山と溪谷ch.

「山と溪谷ch.」は、山と自然に関するコンテンツを出版・配信する山と溪谷社が運営する登山専門チャンネルです。雑誌と同様、季節ごとのコースガイド、読図やロープワークなどのハウツー、用具の選び方や新製品情報などを配信しています。YAMAYAでは動画の内容をダイジェストで紹介します。

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