やったー! 野沢温泉でネマガリダケ収穫【前編】

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長野県・野沢温泉でネマガリダケを採りました。たくさん採れて大満足です。ロープウェイハイキングという記事で「毛無山」として野沢温泉の長坂ゴンドラを紹介しました。それが縁で、6月末に野沢温泉へ。関東から野沢温泉へ行くときは、関越自動車道にのり、湯沢ICで降りて国道117号で行くとわかりやすいです。

文・写真=丸山瑞貴(山と溪谷オンライン)


初めてのネマガリダケ採りに野沢温泉まで行ってきた。「彼氏と一緒にネマガリダケを採りに行ってデートしたんだ~」という話を友人から直近で聞いていた私は、ネマガリダケは山菜なんだという理解はあった。でも、文字でなく音で理解していたのでマツタケ、アミタケ、エノキダケ、といった要領でネマガリダケもてっきりキノコのことだと思っていた。

野沢温泉に行く前に、ネマガリダケは根曲がり竹、つまり「タケノコ」のことだったと知り、初夏なのにキノコって採れるんだーとのんびり考えていた自分を結構恥じた。穴があったら入りたい。

収穫当日は、ほぼ毎日ネマガリダケを採っているという地元の小田切美幸さんに連れて行っていただいた。長坂ゴンドラリフト長坂駅を出発し、やまびこ駅に到着。

長坂ゴンドラリフトの山麓の乗り場、長坂駅
長坂ゴンドラリフトの山麓の乗り場、長坂駅
長坂ゴンドラリフト ゴンドラ個室
ゴンドラ個室の窓はとても広く、眺めを楽しめる

やまびこ駅からすぐのところに駐車場と事務所がある。事務所の周りには「竹の子採りの方 一旦停止 警告」「続発! タケノコ採りの遭難」など、初めて見ると緊張感のある看板が6つも立つ。 

野沢温泉のやまびこ駅付近の山は国有林なので、タケノコの採取許可証を購入しないといけない。許可証なしにタケノコを採ると、窃盗罪になってしまうので要注意! 看板を見ると招かれざる客になった気分だが、ルールを守り、遭難とクマに気をつければ怖いものはない。小田切さんいわく、クマは普通にいて、ゴンドラからもクマが見れることがあるんだとか。

事務所の近くで軽トラに乗り合わせて、山へ向かう。

タケノコ券販売所の看板
採取許可証、当日販売券は一人2000円。
遭難注意の看板
遭難注意の看板もある。

軽トラを降り、長袖を着て、タケノコを入れるための前掛けを身につけ、タケノコが生えていそうな場所に向かう。そこは、ササヤブ。ヤブをかき分けてずんずん進んでいく小田切さん。

初見では分け入るのに躊躇してしまう背丈を超えるササ藪
初見では分け入るのに躊躇してしまう背丈を超えるササヤブ
ササ藪にしゃがむと仲間がどこにいるのかわからなくなる
しゃがむと仲間がどこにいるのかわからなくなる

収穫するはずのものはタケノコなのに、なんでササなんだろう? と思ったが、それもそのはず、「根曲がり竹」とグーグル検索すると「チシマザサ」と出てくる。ネマガリダケは大型のササだった。チシマザサの新芽がネマガリダケということなのだ!

そんなことはともかく、ネマガリタケのために家から約5時間運転してきたので絶対にこの目で見たいし、1本は収穫したい。小田切さんに「ここに生えてるよ!」と教えてもらい、見に行くと……あった!

ネマガリダケ

おわかりいただけるだろうか? ササヤブのなかで若竹色をもっと明るくしたような色で輝くかわいらしい1本! これがネマガリダケ。根本からポキッと折って収穫。折ったものは前掛けのポケットに入れる。

前掛けのポケットに入れたネマガリダケ
前掛けのポケットに入れたネマガリダケ

ササヤブをかき分ける→しゃがむ→タケノコを見つけてポキッと折る→前掛けに入れる→立つ。この繰り返しでネマガリダケをたくさん収穫していった。難しいことはなかった。フローチャートにすると昔よく見ていたNHKの子ども向け番組「ピタゴラスイッチ」のアルゴリズム行進みたいだなと思った。

本物を見ると、自力でも収穫してみたくなった。小田切さんのいる方向を目の端にとらえつつ、ササ藪をかき分けた先で自力でネマガリダケを見つけたときはそれはそれはうれしかった。2本目、3本目……と収穫できると、目先のネマガリダケに集中してしまい、藪の海のなかにいることをは忘れてしまった。気づいたときには、ここはどこだ?状態。思ったよりも遠くまで来ていたようだった。遭難はこうして起きるのか……。と身をもって感じた。

時間はわずか30分ほどだったが、二人合わせて30本くらいとることができてうれしい! 前掛けはタケノコの重みでずり下がっている。

たくさん収穫できたネマガリダケ
たくさん収穫できて喜ぶ筆者

充実の収穫のあとは、レッツクッキング。関東に住む私はネマガリタケを食べたことがなかったので、料理はもとより、下ごしらえの方法も未知数。食べ方については後編で。

プロフィール

丸山瑞貴(まるやま・みずき)

山と溪谷オンライン編集部。2022年に山と溪谷社に入社。子どものときに家族に山に連れて行ってもらったのがきっかけで登山が好きになる。今年の秋はヨセミテでクライミングをして、来年も行きたいと思っている。この冬はスキーを練習中。

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