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大峯奥駈道 洞川温泉から吉野へ

大峰山( 東海・北陸・近畿)

パーティ: 1人 (犬山好人 さん )

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行程・コース

天候

1日目 くもり時々晴れ 2日目 晴れ

登山口へのアクセス

バス

この登山記録の行程

1日目
洞川温泉バス停(9:27)・・・清浄大橋(10:27)・・・洞辻茶屋(11:57)・・・五番関(13:26)・・・大天井ヶ岳(14:25)・・・二蔵小屋(15:28)
2日目
二蔵小屋(6:27)・・・足摺小屋(7:24)・・・四寸岩山(7:41/10:12)・・・心見茶谷(11:02)・・・青根ヶ峰(11:52)・・・金峯神社(12:24)・・・高城山展望台(12:41)・・・水分神社(12:57)・・・金峯山寺・・・吉野駅(14:32)

コース

総距離
約26.0km
累積標高差
上り約1,527m
下り約2,152m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

熊野から大峯奥駈道を北へ向けて(順峯という)、昨年から分割して歩いてきた。最後に吉野まで歩いて一区切りとする。今回の区間は大峯千日回峰行※のルートでもある。

※大峯千日回峰行とは、金峯山寺蔵王堂から大峯山寺本堂の往復48㎞を1000日間歩き続ける修験道の難行。開山期間の5~9月の間毎日往復し、のべ8~9年間を要する。これまで達成したのは二人だけ。

紅葉最盛期とあって近鉄下市口発のバスは定員以上、途中の天川川合で7割方が下車し、終点の洞川温泉まで行ったのは10人ほどだった。旅館街を抜けて小一時間車道を歩き、女人結界門から登山道を、紅葉を愛でながら登って行く。途中の役行者お助け水は枯れていた。洞辻茶屋で小休止、ここからは先(北)へは初めての道のりである。とたんに人が少なくなり、奥駈一人旅を楽しむ。すると、なにやら長い鎖が垂れ下がる急斜面が現れる。ここがうわさの「蛇腹」と呼ばれる30メートルの岩場。登りなら鎖に頼らずとも行けそうな斜度ではあるが、着地点が見えず前向きで降りるのは躊躇する。岩は滑らないし、片手で鎖を持って慎重に降りれば危険ではない。が、落下したら止まれないかもしれない。行場の鐘掛岩より難所と感じた。このあとも崩れてるのかどうか微妙なトラバース箇所もあり、なかなか気を抜けない登山道を経て五番関に至る。すぐに大天井ヶ岳への急登が始まる。

二蔵(にぞう)小屋は9月末から4月末までの間、冬季は閉鎖されている。山と高原地図等11~3月閉鎖との情報が出回っているが、大峯山寺の開山期間に合わせての開放と思われる(足摺小屋も同様)。テント泊装備と最低限の飲用水は持参していたし、水場の水も細いながらも出ており、ひと晩ゆっくり過ごさせていただいた。

ここで失敗談を。四寸岩(しすんいわ)山から、まっすぐ樹林帯を下降していく(間違いと知らずに)。はば1メートルほどの踏み跡をマーキングテープに誘われるように降りて行くと、杉林の平坦な尾根道へと続く。吉野とか奥駈道とか道標が見当たらないなあとは思ったが、洞辻からは標柱も少なくなり、そのうち出てくるのだろうと高をくくっていた。しかし気が付けば踏み跡は狭く薄くマーキングテープもなく、暗い森の中で途方に暮れる。これはどう見ても奥駈道ではないだろうと確信するまで1時間以上も歩き続けたことになる。それでもどこかに進む道はないかと辺りをうろうろ探してみる。腰を落ち着けて思い返せば山頂が分岐点だったのだろう。自分で選んだ道が間違っていても修正がきかず、失敗を認めて方向転換する頃には相当の時間とエネルギーを費やしている。登山は人生そのものじゃないか!
・・・などと自己嫌悪に陥りそうになるのを振り払い、登り返して四寸岩山まで戻った(この間登山ルート未記入)。大峰側をを背にして四寸岩山名札に向くと、前方へまっすぐ進むのは間違い。吉野を指す明確な表示はないが、よく見回すと左手方向の木の枝に隠れるようにピンクのテープが下がっており、下草が登山道をなお判り難くしている。

吉野山という名の山はなく、最高峰の青根ヶ峰山頂部が申し訳程度に残されるだけ。すっかり開発されつくした感しかない。吉野は人気漫画の舞台となったおかげで若い人が多く訪れていた。それにしても舗装路の下りは疲れた足に堪える。逆峯にチャレンジするとしてもここを登ってくるのはかなりしんどいなあ。

六根清浄※というように、感性を全開にして大自然と向き合えば、浮世の埃が洗い清められる。そもそも山を歩くとはそういうことなのだろう。
目や耳を澄ますだけでなく、たとえば秋になると落ち葉で登山道が判りにくくなる。急に足裏の感触が変わって落ち葉フカフカ、小枝パキパキのまま進んで行くと道迷いの可能性が高くなる。ふだんあまり意識しない足裏の触感も、自然を意識しながら歩くことが大切なのだ。そう思うと我々登山者にも修験者の気持ちが少し分かる。

※仏教でいう六根清浄(ろっこんしょうじょう)とは、人間に具わった六根を清らかにすること。 六根とは、五感-眼根・耳根・鼻根・舌根・身根(触覚)-と、第六感とも言える意識の根幹である意根のこと。

これまでの登山記録
[熊野本宮~古屋辻]
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=220274
[古屋辻~前鬼]
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=221724
[前鬼~弥山]
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=192957
[弥山~洞辻]
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=205643

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装備・携行品

登った山

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858m

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最適日数
3泊4日
コースタイプ
縦走
歩行時間
26時間5分
難易度
★★★
コース定数
118
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