宮之浦岳・縄文杉 | 屋久島ガイド協会

屋久島は幸いにGW後半から晴天に恵まれ、行楽日和が続きましたが、森と苔は少々雨が恋しい様子です。

ヤクシマシャクナゲと永田岳 (2012.05.27 屋久島ガイド協会 )
ヤクシマシャクナゲと永田岳 (2012.05.27 屋久島ガイド協会 )
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天気・気温

05/09(水) ■縄文杉コース(標高600~1300m)
5月7日 天気:快晴。縄文杉デッキ(標高1300m)の気温20℃(11 :30)。無風。登山者160名程度。
■白谷雲水峡(標高600~1070m)
5月8日 天気:曇り。辻峠(980m)の気温18℃(13:30)。南西の弱風。登山者353名。
鹿児島市の天気予報
明日
曇時々晴
24℃
17℃
明後日
26℃
18℃
日本気象協会提供 2024年5月2日 12:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

GW後半、4日の縄文杉ルートは1400人(!)の登山客を迎え、屋久島の森や山は大変な賑わいを見せました。
うって変わって連休明けの7日の森は、GWの騒がしさが嘘のように静寂に包まれ、穏やかな一日となりました。
屋久島は幸いにGW後半から晴天に恵まれ、行楽日和が続きましたが、森と苔は少々雨が恋しい様子です。

縄文杉ルートの荒川登山口ではオオバライチゴの花が咲いていました。
オオバライチゴは本州、四国、九州に広く分布する落葉小低木、花期は3~4月頃、果期は5~6月頃ですが標高600mの荒川登山口では今が花盛りです。
里ではすでに収穫を迎え、そのまま食べても美味、ジャムも絶品、島民の楽しみの一つです。
(登山道付近での採集は控えましょう)

登山道の状況

GWの北アルプスで傷ましい遭難事故が相次いで発生しました。
事故をひき起こした直接の要因は、天候の急変による荒天と思われます。
屋久島の山岳部でも、これまで多くの遭難事故が起きていますが、今回のアルプスでの事故同様に天候の急変が深刻な事態を誘発した例がほとんどです。
穏やかな春山が、激しい降雪をともなう冬山に激変する中部山岳地帯ほどではないとはいえ、屋久島でも低気圧が急速に発達したり、真冬なみの寒気団が上空に入り込んだりすることは多く、その影響で2000m級の稜線は零下ちかい気温になります。
また、豪雨とともに歩行が困難になるほどの強風が長時間にわたって吹き荒れます。
島の山だということで高をくくったような登山者をよく見受けます。決して侮らず、入山前の天候確認や山中泊の場合には停滞予備日を設けるなど、周到な準備をして登山に臨んでください。

屋久島では次のような安全登山の基本がおろそかな登山者をよく見かけます。屋久島登山を計画している方は
当てはまることがないか、参考にしてください。
○南の島なので山もそれほど寒くはないだろう、といった安易な思いこみによる非常に軽装の登山者。
○初心者の単独行。地形図やコンパスを持たず、イラストマップやガイドブックを頼りに登っている。
○早出、早着の基本を守らず(知らず)、日没後暗くなってから避難小屋に到着するひとがけっこう多い。
○山中泊の登山にもかかわらずテントやツェルトを持っていない。屋久島の避難小屋はすべて無人小屋で収容人数も少ない。そのためGWや連休など混み合っているときには小屋に入れないこともある。避難小屋を当てにせず、必ずテントなどを用意する。

■縄文杉ルート 
3月1日(木)より11月30日(金)まで、山岳部への過剰な車両乗入れによる環境負荷の軽減と混雑緩和のため、荒川三叉路~荒川登山口の終日車両乗り入れ規制が行われています。
ガイド車、レンタカー等一般車両は登山口まで入れず、屋久杉自然館より荒川登山バスを利用します。
時間帯によっては混雑したり、満員で希望便に乗れないこともありますので、時間に余裕を持って行動しましょう。
荒川登山バスは道路状況(悪天候等)により運休する場合もあります。
詳細はこちらをご覧ください→ http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/

■宮之浦岳、黒味岳、縦走ルート
山岳部では、低温、強風など様々な状況を想定し、万全の装備で臨んで下さい。
淀川登山口までの車道は、道路状況により、車両通行止めになることもあります。上記の鹿児島県道路通行規制情報をご覧ください。

■白谷雲水峡
今週末の5月12日、13日には、屋久島ツーデーマーチが開催されます。
白谷雲水峡jコースも設定されており、登山口までの車道もウォーキングコースに入っていますので、車の方は歩行者に注意して下さい。
屋久島ツーデーマーチには、毎年多くの人が参加し、島内の様々なコースを歩いて、屋久島の自然や里に親しんでいます。
屋久島ツーデーマーチの詳細はこちら→
http://www.yakushima-town.jp/two-days-march/html/htdocs/index.php?page_id=0

登山装備

・5月初めのこの一週間の気温は、ふもとで14~27℃程です。山岳部も、日中は大変暑くなり、熱中症に注意が必要です。一方朝晩や天候の悪い日はかなり肌寒くなることがあります。薄手の衣類を重ね着するなど、気温の変化に対応できる服装をご準備ください。
・山岳部では、天気予報にはなくても、非常に激しい雨になることがしばしばあります。ビニールカッパ、ポンチョでは対応できません。また、必ず登山用の、防水性が高く通気性の良い、しっかりした雨具をご用意ください。また、ザックカバーも必須アイテムです。
・黒味岳、宮之浦岳などに行かれる方は、日帰りでもビバーク用の装備を用意しましょう。急激に天候が変化することがあります。
・縄文杉コース、縦走コースには、携帯トイレブースが設置されています。長時間の行程には、携帯用トイレを用意しましょう。携帯トイレの設置場所などについて→
http://www.env.go.jp/park/kirishima/ywhcc/tozan/keitait.htm

屋久島では、登山用品のレンタル店のほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山用品のレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。

注意点

現在、屋久島の日の出は5時25分頃、日の入りは19時00分頃です。ヘッドライトなどの予備電池もお忘れなくご準備ください。

お知らせ

その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、株式会社屋久島ガイド協会(TEL0997-49-4191 http://www.yakushima-guide.com/)までお気軽にお問い合わせ下さい。

昨年の今頃の様子は?

先週は低気圧の大雨のため交通規制もありましたが、一昨日昨日は春らしい陽気となりました2023.04.19

縄文杉ルートでサクラツツジが見頃。GWは時間と気持ちに余裕を持って新緑の森を楽しんで下さい2023.04.26

GW中の人気登山道は人多くすれ違いに注意し、行動時間に余裕を持つなど安全登山を心がけて2023.05.03

GWはコロナ前の賑わいを取り戻してきたようです。小屋泊や色とりどりテントで賑わいました2023.05.10

シャクナゲ登山が増える時期。車は現地の表示に従い、駐車禁止区域に駐めないで下さい2023.05.17

屋久島もそろそろ梅雨入りの時期。傘と雨具は必携です。島内の交通機関や道路の最新情報に注意2023.05.24

5/30梅雨入り。台風の影響によるフェリーの運行に注意。装備整えて雨下に輝く木々や苔を楽しんで2023.05.31

屋久島ガイド協会周辺の過去の様子

  • 縄文杉ルートのトロッコ道沿いに咲くマムシグサ
  • アオモジ
  • ヒサカキ
  • ヤクシマオナガカエデの新芽
  • ヤクシマオナガカエデの新緑
  • ヤクシマゴケ
  • 隣の種子島宇宙センターから打ち上げられたH3ロケット 屋久島から見えました
  • ヤクシマゴケ
  • 春を告げるサツマイナモリの花
  • 桜とモッチョム岳
  • 冬の苔むす森。森の中は雪の白さで普段より明るく感じます。
  • スギバゴケの仲間

屋久島ガイド協会

電話番号:
0997-49-4191
連絡先住所:
〒891-4207 鹿児島県熊毛郡屋久島町1436-56

地図で見る
http://www.yakushima-guide.com/

施設の詳細を見る

関連する山

鹿児島県 / 大隈諸島 屋久島

宮之浦岳 標高 1,936m

 屋久島のほぼ中央に位置し、九州の最高峰。山体は四万十層の基盤岩に貫入した花崗岩で、山容は女性的である。  屋久島は九州本土最南端の佐多岬から70kmの黒潮洗う中にある。南北25km、東西27km、周囲わずか105kmのハート型をしたこの島には、1500m以上の高峰が11座、1000mを超える山が30座以上もあり、洋上のアルプスである。  海岸線からは、宮之浦岳などの高峰は見ることができないので、奥岳とも呼ばれ、これらを囲む前衛の峰を前岳と呼ぶ。また、宮之浦岳、永田岳、黒味岳を三岳(みたけ)、または御岳と呼び、翁岳、安房岳(あんぼうだけ)、投石岳(なげしだけ)、筑紫岳(ちくしだけ)を含めて八重岳とも呼んでいる。  屋久島の骨格をなす山々の稜線は、宮之浦岳からほぼ四方に延びる。全山花崗岩からなり、山頂近くは風化、浸食された奇岩、怪石が多い。一帯は低いヤクザサに覆われ、矮小化したヤクシマシャクナゲが点在し、花期の6月上旬には登山者の目を楽しませてくれる。  豊富な雨量により渓谷も発達し、山肌を深く浸食しながら島の中央から無数の河川が海に注ぐ。宮之浦岳を源流とする宮之浦川、小揚子川、安房川などは日本有数の峻険な谷である。  山頂西側の花崗岩の割れ目には、彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)を祭る宝珠大権現の社があり、宮之浦にある益枚(やく)神社の奥宮として、古くから島民の岳参り信仰の中心となった。春は日帰りで五穀豊穣、国家安穏、延命息災を祈願し、秋は大願成就のため2泊3日で参詣した。必ず各集落から参拝し、女人禁制で登られていた。  昭和40年代まで安房川中流域小杉谷を中心に、伐採が盛んに行われた。島の南東の安房集落から小杉谷まで軌道が敷かれ、トロッコによって屋久杉を運搬していた。現在では輸送手段がトラックに変わり、島の四周に林道が延び、これを利用した登山コースが多い。  花崗岩の山頂からの展望は抜群。島とは思えない雄大なスケールで、島の山岳はもとより、晴天時には遠く九州本土佐田岬や開聞岳、口永良部(くちのえらぶ)島、種子島も浮かんで見える。  島の中央宮之浦岳への登山道は四方に拓かれ、代表的なコースは、楠川―小杉谷―縄文杉を眺め、宮之浦岳まで約20km、12時間。永田―鹿之沢―永田岳―宮之浦岳は約14km、9時間。他に栗生―花山歩道―鹿之沢。湯泊―湯泊歩道―花之江河(はなのえごう)―宮之浦岳。尾之間―尾之間歩道―花之江河。屋久杉ランド―安房歩道―花之江河などがあるが、一般日帰りコースは、淀川登山口(よどごうとざんぐち)―花之江河―宮之浦岳、約8km、所要5時間などである。山小屋は淀川、石塚、鹿之沢、高塚にある。

ユーザーの登山記録から