午前中にお天気が良くても、午後には強風と雪になることがあり、ロープウェイからのトレースも消えてしまいます。天候急変に注意。
天気・気温
山と周辺の状況
今日の午前中までは展望もよくいい天気でした。
山荘の正面に見える霞沢岳の上に、天候の悪化を告げるレンズ雲がくっきりと出ていました。
この雲が示したとおり、その後天候は急激に悪化し、13時を過ぎたころから風が強まり雪も降りはじめました。
今晩も降り続きそうですので、ロープウェイからのトレースは消えてしまう可能性があります。
明日は西高東低の冬型の気圧配置になり、標高の高いとこでは強風が吹き荒れそうです。
積雪量は山荘付近の積雪計で220cm。吹き溜まりになっている場所には、さらにたくさん積もっています。
●日の出
現在、日の出は山荘前テラスから見ることができます。夕日も山荘裏手よりご覧になれますが、丸山方面に少し登った方がよく見えます。
登山道の状況
山荘~ロープウェイ間のルートには、山荘の者が雪崩のリスクが少ないところに目印(竹の棒に赤布を付したもの)を付けてありますが、このルートから外れて歩くと、場所によっては雪崩を誘発する可能性があります。
強風による転滑落、低体温症・凍傷にも注意しましょう。
ルート状況が改善されるまでは、ご自身の経験・体力と照らし合わせ、甘い認識での入山は止めた方がよいでしょう。
●【お知らせ】岐阜県、長野県では、登山届の提出が義務化されています。
長野県登山安全条例
http://www.pref.nagano.lg.jp/kan…/tozanjorei/tozanjorei.html
岐阜県北アルプス地区及び活火山地区における山岳遭難の防止に関する条例
http://www.pref.gifu.lg.jp/…/bosai/sangaku/11115/jourei.html
・ネットでの届出が便利です。下記のサイトをご利用ください。
岐阜県北アルプス山岳遭難対策協議会のオンライン届出ページ
http://www.kitaalpsgifu.jp/climbing.html
公益社団法人日本山岳ガイド協会のオンライン届出ページ
http://www.mt-compass.com/
●新穂高ロープウェイ~西穂山荘間
全面が雪でルートは冬道。トレースは 消えてしまっているので、ワカンまたはスノーシューをご用意ください。
竹の目印を設置していますが、雪で埋まってしまったり、風で倒れてしまうことがありますので、よく確認しながら歩きましょう。見落とさなければ 迷うことはありません。
前日などに大雪となればコース タイムの2倍、3倍とかかる事もあります。時間に余裕 を持って行動しましょう。
西穂山荘付近の標高では、通常は高山病は発生しませんが、ロープウェイで一気に高度を稼ぐため体がついていかず、稀に軽い高山病の症状が出る方がいます。
ロープウェイの西穂高口駅で少し休み、体を慣らしてから登り始めると、そのようなことは起こりにくくなります。
●西穂山荘~独標
西穂山荘~丸山間でも新雪が積もり、膝上以上のラッセ ルになるところがあると思われます。
よいトレースが付 くまでは、通常よりもかなり時間がかかることを想定し、登山計画を立てる必要があります。
風の強いところは雪面が固くなっているため、基本的にはアイゼンが必要です。
丸山までならさほど危険な場所はありませんが、風が非常に強くなるため、防寒・暴風対策をしっかりと。
丸山からお花畑までは、広い尾根の登りが続きます。中間より上でもラッセルを強いられるところがあります。
風で雪が飛ばされる場所は、一部硬い雪面が出ています。
尾根が広く傾斜もほどほどなため、アイゼンワーク の講習等に利用されています。
ただし、ホワイトアウト になるとルートを見失いやすいため、悪天候時は無理は 禁物です。
西穂独標の100mほど手前から険しい岩稜帯となります。
ここからは雪の付きかた・状態によってルートを慎 重に見極める必要があります。
他の登山者のトレースが残っていることがありますが、安易に信用しては危険です。
独標直下の昇り降りに不安を感じるなら、山頂方面へは立ち入るべきではありません。
●独標~西穂山頂
冬山上級者向けのルートです。1月中旬の南岸低気圧による降雪により、通常とは逆の岐阜県側に雪が積もりました。
その後の荒天により積雪量はかなり増えていることが予想されますので、深いラッセルを強いられるところがあり、通常よりもかなり時間がかかります。
また、難易度も格段に上がっており、かなり技術レベルの高い人でなければ、独標より先へは行けないかと思います。
長野県側に雪庇が張り出しており、踏み抜きに注意が必要です。
●西穂山頂~奥穂高岳
西穂~奥穂間の縦走路は、無雪期でさえ最も難しいとい われるルートの一つです。厳冬期はよほど自信がある方 でなければ立ち入ることはできません。
●上高地~西穂山荘
上高地~西穂山荘までの登山道は、冬期は年末や春先を 除いてほとんど人が通りません。ご自身 でルートファ インディングができなければ、入山を控えるか経験者に 同行してもらうのが良いでしょう。
●西穂山荘~焼岳
西穂山荘~焼岳先まではほとんど人が入らず道も不明瞭です。経験者でなければ立ち入りは控えてください。焼岳小屋から上高地間の登山道上にかかるハシゴは撤去されています。
登山装備
厳冬期の北アルプスですので、相応の装備が必要になります。
山荘まではアイゼン・ワカン・ストックは必携。山荘より上に行かれる場合は、アイゼン・ピッケルは当然必要になります。
最近、ピッケルを持たずに独標を目指す方も見かけますが、丸山から独標へ向かう尾根は雪面が硬いことが多く、ピッケルがなければスリップしたときに止められません。ストックだけの方は、丸山から上へは行かないようにしてください。
注意点
●登山の注意
安全に山を楽しむための啓蒙活動も行われていますが、残念なことにこのところ事故が相次いでいます。
楽しみにしていたはずの登山で、突然の不幸が訪れるのを間近で見るたびにやり切れない気持ちになります。
中には運の悪い事故もありますが、多くの場合は実力・体力不足や悪天候での行動など、明らかな原因が認められます。
他人事だと思わず、ご自身の問題として登山の在り方を見直していただきたいと切に願っています。
●携帯電話情報
【ドコモ、au】 山荘付近・稜線ともに繋がります。
【ソフトバンク】 山荘西面なら繋がります。
山荘自家発電時、携帯電話、スマートフォンの充電ができます(20分間100円)。充電の際はご自身の充電アダプターをご用意ください。
お知らせ
西穂山荘
http://www.nishiho.com/
北アルプス南部の山小屋では唯一通年営業しています。
・寝具は布団・毛布・枕を御用意していますので、シュラフは不要です。
・山荘に御宿泊のお客様も飲料水はペットボトルの販売のみとなります。
・消灯は21時です。
・お風呂はありません。
●山荘現地へのお問い合わせ
西穂山荘は北アルプス南部の山小屋では唯一通年営業しています。
(現地電話:0263-95-2506 )
外での作業中や電話線が不調の際、現地の電話は通じないときがありますが、無休で営業しております。
現地の電話は、固定電話の他に携帯電話の回線(080-6996-2455)も新たに開設しました。
なお、ご予約は松本事務所(0263-36-7052)へお願い致します。
昨年の今頃の様子は?
新穂高ロープウェイから山荘までのルートを一部変更2023.04.23
融雪は進みましたが、凍結箇所もあるので8本爪以上アイゼンで2023.04.30
GW最終日は雨。5月8日から新穂高ロープウェイが運休です2023.05.07
天気は雪から雨に。山荘周辺の積雪は70㎝ほど2023.05.14
西穂山荘周辺の過去の様子
西穂山荘
- 電話番号:
- 連絡先住所:
- 長野県松本市中央1-11-25 西穂山荘事務所