雲に手を伸ばす!双六岳~三俣蓮華岳~笠ヶ岳テント泊縦走(2日目)
双六岳、丸山、三俣蓮華岳、弓折岳、大ナマ岳、抜戸岳、笠ヶ岳( 北アルプス・御嶽山)
パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )
双六岳、丸山、三俣蓮華岳、弓折岳、大ナマ岳、抜戸岳、笠ヶ岳( 北アルプス・御嶽山)
パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )
(二日目)晴れ
マイカー
その他:
東海北陸自動車道・飛騨清見IC~高山ICから国道158号~(平湯)~国道471号~(栃尾)~県道475号で約70分。ただし、目的地目前の県道475号線(槍ヶ岳公園線)において、7月下旬から落石の関係で通行規制があり、午後8時30分から午前5時までは通行止めとなっています。ご注意ください。(20170812現在)。駐車場は朝の5時の段階で新穂高センター方面は満車。新穂高ロープウェイ鍋平高原登山者用駐車場へ向かう。1泊2日で600円。
双六小屋(テント撤収~05:00)・・・くろゆりベンチ(05:31)・・・花見平(05:49)・・・弓折乗越(06:01)・・・弓折岳(06:17)・・・大ノマ岳・・・秩父平・・・抜戸岳(09:19)・・・笠ヶ岳山荘(10:25)・・・笠ヶ岳(10:41)・・・笠ヶ岳山荘(10:54)(昼食~11:25)・・・笠新道分岐(11:38)・・・杓子平(13:36)・・・笠新道入口(16:11)・・・お助け風穴・・・登山ゲート・・・新穂高センター(登山指導センター)(17:06)・・・新穂高ロープウェイ鍋平高原登山者用駐車場(17:43)
早朝、テントの外に出ると、すっきりとはいかなかったが、星空が見えた。
じっと眺めていると流れ星がすーっといくつか流れる。いつもより多いのはペルセウス座流星(今年は8月13日明け方が極大)のせいだろうか。
昨日は、感動を締めくくるビールで一気に酔いが回ったようで、そのまま爆睡だった。テントの中は寒くなく、寝袋からはみ出していたにも拘らず、快適な睡眠がとれた。
早めに活動しようと3時に起きたが、なんやかんやでテントをたたみ終わり、スタートを切ったのは5時だった。双六岳も朝日でピンクに染まっている。
折角だから、弓折乗越付近から槍ヶ岳越しに朝日を見たいと思っていたのに、すっかり出遅れてしまった。
しかし、今日は快晴。昨日の疲れも回復敷いていて、歩く足取りも軽い。快適だった双六小屋のテント場を後にして、今日は昨日登ってきたコースを戻り、笠ヶ岳へと向かう。
今日も今日でそこそこロングコースだ。
稜線に出ると、やはり出遅れたものの、それでも朝日を受けて槍ヶ岳のシルエットがとても美しく目に飛び込んできた。朝靄が山間から立ち込め、さらに幻想的だ。
反対側を見ると、霞んで白山が見えた。(結局、白山が見えたのはこの一瞬だけ)
降りかえるとすでに遠くなった双六岳。下には小さく小屋とテント場が見える。また、その奥には本当に鷲が羽を広げたような凛々しい鷲羽岳が見える。いつか行ってみたいものだ。
目を前に戻すと、ぞくぞくするほど長い稜線が続いている。今日の目的地、笠ヶ岳はこの時点では抜戸岳の後ろに隠れてまだ見えない。
その左下には見事な雲海が広がっていて、昨日は見ることが出来なかった焼岳が見えた。
弓折乗越から、昨日とは別な道。ウキウキと心が躍る。少し先に進むと弓折岳山頂。
朝日に照らされた雪面と槍ヶ岳のシルエットが実にいい。
ここまでは割と平坦な稜線が続いていたが、アップダウンが徐々にきつくなる。
大ノマ岳ではいったん木製の階段も使いながら降りてまた登る。
結構、歩いた気がするが、地図を確認するとまだまだ。
ようやく開けた秩父平に着く。目の前には大迫力の秩父岩が見える。
こんなに高度があるのに、沢には豊富な水が流れていた。手を入れて水を飲み干す。長くは漬けていられないくらい冷たい水。清涼感が半端なく美味しい。
まだあちこちに残っている雪渓からの雪解け水だ。双六方面といい、あちこちに素晴らしい
水場があって水には全然に困らない。(笠ヶ岳、特に笠新道は別)
秩父平からぐっと登るとついに笠ヶ岳に続く稜線が見えた。
この稜線も果てしない。まずは、笠新道分岐を目指す。そこで体力と時間とで相談だ。
せっかくなので折戸岳の山頂に登る。岩がごつごつしていて、どこが登山道がしまいには分からなくなったが、気にせず山頂を目指す。標高2,812m。
気持ち時間が押していたが、山頂からの眺めで元気になったので予定通り笠ヶ岳を目指すことにする。
笠新道分岐に重いザックをデポすれば、、、と考えもよぎったが、なんとなく負けのような気がして(一体なににか?笑)そのまま歩き出す。
ここから先は地図よりも特に長く感じた。あのピークを越えれば笠ヶ岳の小屋が見えると信じ、行ってみれば次のピークが見える。。。。そんな感じ。
稜線途中に、大きな岩を縦に割りその間を登山道が伸びている場所があった。羅生門だ!と思わずつぶやいたが、ここが抜戸岩。近づくと岩の大きさが分かる。一体どうやってこんな道が出来たのだろうか。
ここを登れば、、、と、ついに笠ヶ岳の山頂とその右下にある笠ヶ岳山荘が見えた。
うしっ、とこぶしを握り締めるが、実は見えてからが長い。
ところどころに岩に係れた白いペンキの文字「ガンバ」とか「あと少し」とかのメッセージに励まされながら進む。
山荘の手前にはテント場が広がる。水場は近くにあるようだが、トイレが見当たらない。毎回、小屋まで行くには遠すぎだ。
最後に大きな雪渓を乗り越え、ついに笠ヶ岳山荘につく。綺麗な山荘で、入り口脇には最後の水場がある。
時間はちょうどお昼。ぐーぐー鳴っているお腹に少し待てと、荷物をデポさせてもらい、空身で山頂まで駆け上がる。
重い重力から解放されたかのように、頂上まで一瞬。
最初に飛び込んできたのは祠。一礼をして、左手の山頂に向かう。
山頂はガスで覆われていて眺望も何もない。あいいにく今日は晴れる見込みがなかったのでしばらく余韻を楽しんだのち、山荘に戻る。岐阜県でもっとも高い山。見通しが良ければ最高の景色が楽しめただろうに残念。
山荘でラーメンを注文する。スタッフは若くてはきはきしていて気持ちが良い。ラーメンも美味し。
休憩を十分にとって、いざ出発。
またあの道を帰るのかあ、、とか思いながら、でも時間が限られていたので速足で帰る。
笠新道分岐には多くの人が休憩していた。「えーっここくだんの?急だよ」とおじいさんの一言。そう、ここはアルプス三大急登の一つ。しかも、かなりのロングコース。降り始めると確かに急登。よくみんな重い荷物を背負って登ってくるもんだと感心。しいかし、本当の急登はここではない。しばらく降りると杓子平に着く。平らな世界がありがたい。
が、そこを過ぎると再び急登が始まる。しかも、登山道というより水が干上がった沢。大きな岩がゴロゴロしたところをひたすら降りていく。時々、浮石ならぬ浮き岩があり、スリップしてこけそうになる。スピードが出せない上に、一歩いっぽの衝撃が大きく膝に負担がたまる。
自称急登ハンターとして、正直、この程度の斜度は問題ないが、この歩き難さの中でこれだけの長距離のコース。三大急登というより三大悪路には間違いない。うへーだ。
しかし、どんな悪路も休みなく歩き続ければ終わらない道はない。気が遠くなったころ、林道が見えてきた。初日、わさび小屋へ向かう途中、帰りはここを通るのかと見上げた場所だ。
林道に転げるようにゴールする。行きに飲んだ時よりも水が美味しく感じた。
時間はもう4時をまわっている。降ってくるときもほとんど人と出会わなかった。
すっかり下りで足の爪を痛めてしまったが、あまりゆっくりしている時間もないので林道を急ぎ帰る。
新穂高登山指導センターはすっかり閉まっていたが、何人かの登山者が休憩していた。
最後にベンチで息を整え、最後の一仕事として、駐車場までの道を登る。
思いっきり、思う存分歩いた二日間。ガスで決してよいコンディションではなかったがそれでも時折、忘れえぬ絶景が見れたこと。天空の庭園を散歩したこと。双六小屋でのビールで酔っぱらったこと。すべてが最高の登山だった。
シャツ | アンダーウェア | ロングパンツ | 靴下 | レインウェア | 登山靴 |
バックパック | スタッフバック | 水筒・テルモス | ヘッドランプ | 予備電池 | タオル |
帽子 | 地図 | コンパス | ノート・筆記用具 | 登山計画書(控え) | ナイフ |
ツエルト | 健康保険証 | ホイッスル | 医療品 | ロールペーパー | 携帯トイレ |
非常食 | 行動食 | GPS機器 |
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