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2014夏の山旅

常念岳・槍ヶ岳( 北アルプス・御嶽山)

パーティ: 2人 (つりおね さん 、ほか1名)

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行程・コース

天候

初日:雨後霧、晴れ 2日目:晴れ、深夜強風 3日目:雨時々曇り 4日目:曇り後雨、一時豪雨

利用した登山口

一ノ沢登山口   上高地バスターミナル  

登山口へのアクセス

バス
その他: 往路 竹橋から中房温泉行き登山バスで一ノ沢にて下車
復路 上高地からバスで新島々、そこから電車で松本経由で帰宅

この登山記録の行程

【1日目】
一ノ沢登山口(05:30)・・・王滝(大滝)ベンチ(07:00)・・・常念小屋(10:30)・・・常念岳(14:40)・・・常念小屋(15:50)

【2日目】
常念小屋(05:30)・・・横通岳南肩(06:45)・・・東天井岳分岐(07:50)・・・大天荘(09:35)・・・大天井岳(09:55)・・・大天荘(10:10)・・・大天井ヒュッテ(10:55)・・・ヒュッテ西岳(13:50)

【3日目】
ヒュッテ西岳(06:20)・・・水俣乗越(07:15)・・・ヒュッテ大槍(09:15)・・・槍ヶ岳山荘(10:30)・・・槍ヶ岳(11:30)・・・槍ヶ岳山荘(12:10)・・・槍ヶ岳殺生ヒュッテ(12:50)・・・グリーンバンド(13:30)・・・天狗原分岐(14:10)・・・水俣乗越分岐(14:45)・・・ババ平(15:05)・・・槍沢ロッヂ(15:30)

【4日目】
槍沢ロッヂ(06:45)・・・一ノ俣(07:15)・・・横尾(08:00)・・・徳沢(09:05)・・・明神(10:10)・・・河童橋(11:05)・・・上高地バスターミナル(12:45)

コース

総距離
約40.8km
累積標高差
上り約4,050m
下り約3,794m
コースタイム
標準25時間45
自己26時間40
倍率1.04

高低図

標準タイム比較グラフ

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

2010年の富士山に始まり、昨年までに標高第4位(間ノ岳は当時は4位だった)まで登っており、今年は第5位が必須と思い、合わせて、百名山登攀も50座に迫っているので(直近の空木岳で48座)、できれば槍ヶ岳を50座目の記念登攀にしたいと思い、常念岳(49座目)から三泊四日の縦走を計画し、昨年同様息子にも付き合ってもらうことにした。
昨年、穂高岳・焼岳登攀の際、山小屋に三泊したが、けっこうな出費だったので、今年は経費節減のため、ザックの重量増の課題はあるが、三泊ともテント泊を予定(結局、悪天候のため山小屋に二泊した)した。
一日目 22:40竹橋発の登山バスに乗り、翌4:40一ノ沢登山口に到着。雨の予報だったが、到着時は降っておらず、こりゃラッキー!と身支度を整えている間にポツリポツリと雨が落ちてきて、出発準備が整うころには本降りになってきた。一ノ沢には登山指導所なるものがあり、ちょっとした休憩スペースがあり、お茶も提供されており、そこでお茶を飲みながら、天気の様子見でウジウジしていたが、他に何人か居られた登山者は、慣れているのか、雨具の準備をし、黙々と歩きだしていった。こちらも覚悟を決め5:30に登山計画書を提出し出発した。
歩き出すと、課題のザックの重量も予想ほどきつくなく、非常に眠かったが、なんとか行けそうだった。登山道は一ノ沢に沿って続いており、途中幾度か沢を渡りながら高度を上げていった。胸突八丁まではそれほど急登と感じることもなく、定期的に標識が出てくるため、歩きやすく感じたが、相変わらず雨は降っていた。
胸突八丁からは梯子やガケに沿ったトラバースなどが続くが、慎重に歩いているうちに最後の水場が現れ水分補給と小休止することができた。そこから常念乗越まで高低差210m、距離600mの急登だが、途中ベンチが3箇所あり、休み休み登ることができたので、何とか常念乗越に到着できた。常念小屋に到着したが、降雨は続いており、息子共々下着まで濡れていたため、衣服の乾燥を優先し(テント泊で衣服を乾かす手段を知らないので)、常念小屋に素泊りすることにした。
小屋で3時間ほど休憩しているうちに、雨も小止みになったので常念岳の山頂を目指し出発した。常念乗越から見えるピークは山頂ではなく、そこまでで半分程度のようで、下から見ると近そうに見えたが、山頂まで結局1時間(コースタイム通り)かかってしまった。雨は降ってないが、ガスガスで、山頂まで誰とも会わず、山頂にも誰も居なかった。写真を撮り、早々に下山を開始。常念小屋が見え出したあたりから、槍方面の雲が切れ出して、常念乗越に着くころには、槍・穂高を本日初めて拝むことができた。ホームページなどで見てはいたが、常念小屋は槍・穂高の絶好の展望台だということがよくわかった。序々に雲が切れ、夕方には日光も差してきて、明日の天候に期待しつつ夕食を取り早々に就寝した。
二日目 昨夜の期待通り朝から快晴で、朝日に照らされる槍・穂高は神々しく、期間の好天を祈念した。すぐに横通岳への登りが始まり、ザックの重さに耐えながら標高を上げていくと、常念岳の東側に富士山が見え出した。八ヶ岳も見え、展望に助けられながら歩き続けた。その後、大天井岳までは左側に槍・穂高連峰、右側に南アルプス・富士山・八ヶ岳・浅間山・上越の山々・北アルプス北部の山々などを眺めながらの大展望の稜線歩きだった。特に北東側から望んだ大キレットは、とても険しく見え、怖いながらも絶景だった。
大天荘に到着、燕岳方面からの登山者も多いようで、とても賑わっていた。そのため、次の大天井ヒュッテで大休止することにし、大天井岳を目指した。山頂は360度の大展望だったが、大混雑で記念写真のみですぐに降り、大天井ヒュッテに向かった。大天井ヒュッテまでの登山道は、大天井岳を巻くように付けられており、距離は短いが中々スリリングで、楽しくも緊張する道だった。
そこから、宿泊予定のヒュッテ西岳まで、そこそこアップダウンがあり、決して楽ではないが、近づく槍の穂先と、ヒュッテで飲めるであろうビールを励みに歩き続けた。到着後、テント泊を決め、設営を常念側の一段低い場所にしたかったが、すでに埋まっており、小屋の一番近くが空いていたので、そこに設営した。この選択が後で、稜線場でのテント泊の恐ろしさを思い知ることになる。
大展望を肴にビールを飲み、息子はFaceTimeを楽しみ、山中での初めてのテント泊を謳歌した。
天気も良さそうなので、暗くなったら星空が楽しめるかな?などと甘い期待を持ちつつ、仮眠するつもりで18:00ころに寝袋に入った。その後、強風に煽られる音で目を覚ましたのは22:00ごろ。テントを適当に張ったおかげで、風力以上にテントが煽られる感じがしたが、外に出るのも怖いので、そのまま嘘寝を続けた。0:00ころ、息子がトイレに行きたいと起き出したので、思い切って外に出た。外に出てみるとちょっと強い風が吹いている程度で、やはりテントの張り方の問題のようだったが、直すのも面倒なので、そのままテントに戻り、嘘寝を続けた。深夜になるにつれ風が強くなり、時折強風に煽られるテントを内側から押さえつつ、以前何かで読んだテントのポールが強風で折れる、という体験記を思い浮かべながら、不安な一夜を明かした。
三日目 5:00過ぎに目覚め、撤収を開始。テントの撤収中に雨が降り出し、6:00を過ぎるころには本降りになってきた。身支度を整え、6:20に水俣乗越に向け出発。昼ごろに一旦晴れる、という天気予報だったので、それを信じつつ、下山も視野に入れ、歩を進めた。水俣乗越までは200mほどの下りで、梯子や鎖を使っての下降・トラバースを繰り返す、険路が続いた。
水俣乗越に到着し、進退の判断を迫られたが、とりあえず行ける所まで行こう、という優柔不断な判断のもと東鎌尾根に取り付いた。いきなり攀じ登りが始まり、気の抜けない道が続いた。梯子の登り下りや、ヤセ尾根の通過が続き、圧巻は七段ほど連続する梯子の登りで、水を含んだザックの重さに押し潰されそうになりながら何とか登り切った。その後も岩場を攀じ登るような箇所が続いたが、「ヒュッテ大槍まであと○○分」という標識が出てくるようになり、それ以降は惰性で歩くような感じだった。
ヒュッテ大槍に着くころには雨も小止みになっており、周囲の登山者も昼には晴れるようなことを言っており、天気予報を信じ、槍ヶ岳山荘を目指すことに決めた。
ヒュッテ大槍から槍ヶ岳山荘までは、左側が切れ落ちた箇所があり、けっこう怖かった。一時間ほどで槍ヶ岳山荘に到着したが、山荘は悪天候にも関わらず大混雑で、テント泊の登山者も続々と入ってきており、この天候でテントを張る勇気に敬意を表したかった。相変わらずの風雨で非常に寒く、山荘でカップラーメンを購入し暖を取りつつ天候回復を待った。
天候回復の気配もなく、息子とも相談し、さっさと登って下山しよう、ということになり、穂先への登攀を開始した。山頂へ向けた最後の二連の梯子は高度感があったが、全般にエキサイティングで楽しい登攀だった。山頂は狭く、また寒かったため、写真を何枚か撮り早々に下った。
その後、槍ヶ岳山荘で休憩し、槍沢方面へ下山を開始した。当初は殺生ヒュッテでテント泊を予定していたが、早く降りられそうなので、横尾まで行けたらテント、槍沢ロッヂまでなら小屋泊と決めた。下り始めると序々に雨も弱まり、気温も上昇していくように感じられ、槍ヶ岳登頂の満足感と登頂後の開放感に足取り軽く下降を続けた。槍へ向かう幾人もの登山者とすれ違ったが、槍沢コースは変化の少ないダラダラ登りが続き、とてもつらい登山道に感じた。ここを登らずによかったと思いながら下山を続けた。
30分ほどで殺生ヒュッテに到着し、テント場も見たが、しっかりと区画された、気持ちよいテント場だった。好天なら、槍が大きく見える絶好の場所に思われた(稜線のテント場は懲りました)。小休止後、当面の目標の槍沢ロッヂを目指し歩き出したが、この時点でも横尾まで行く気満々で膝に負担をかけない程度に急いで歩いた。
14:10ころ天狗原分岐に到着、横尾までコースタイムであと2:30と確認。横尾まで少し微妙な時間になってきた。その後、水俣乗越分岐を過ぎ、ババ平へ到着。ちょうど雨が降ってきて、テントを張る気力が萎えてしまった。ともかく槍沢ロッヂを目指そう、ということで歩き出した。槍沢ロッヂまであと900mという標識が出ていたが、その900mが非常に長く感じられた。朝からの歩行で二人とも疲れていたため結局、初日同様濡れた衣類を乾かすために小屋泊と決め、15:30槍沢ロッヂに到着した。
槍沢ロッヂには風呂もあり、濡れた衣類も着替えることができ、すっかりリフレッシュができた。テント泊ではこうはいかない。
山旅最後の夜を惜しみつつも睡魔には勝てず、早々に就寝。この天候では星空にも期待できないだろう。
四日目 上高地に移動するだけなので、ゆっくりと身支度を整え、大抵の登山者が出発した後に、横尾で朝食を採ることにしてスタート。小雨が降ったり止んだりの中、横尾に到着。その後、明神までは順調に歩けたが、明神から降雨が激しくなり、全身ずぶ濡れで上高地に到着。日帰り入浴のある、上高地アルペンホテルで風呂の開く12:00まで待機させてもらい、その後入浴。入浴中に雨も収まってきて、出発するころはすっかり止んでいた。
上高地バスターミナルから新島々行きのバスに乗り、新島々から松本電鉄で松本まで行き、そこから特急「あずさ」で都内に向かった。
天候に恵まれない四日間だったが、唯一、二日目が好天だったことが救いだった。今年は自分が雨男になったような気がする。
ともあれ、念願の槍ヶ岳に登頂することができ、満足度の高い四日間だった。

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フォトギャラリー:114枚

毎日新聞社の登山バス受付。たくさんの登山者がバスを待っている。

一ノ沢に到着。

雨の中、意を決してスタート。

定期的に出てくる標識がありがたい。

時々、沢を渡る。

常念岳の稜線が見えた。まだまだ遠い。

ニッコウキスゲの群落があった。

いよいよ胸突八丁へ。

沢の流れが激しい。

最後の水場。雨振りのせいか、かなり勢いよく出ていた。

最後の急登。ベンチがありがたい。

常念乗越到着。何も見えね~。

とりあえず、常念岳登ります。

けっこう登ってきた。正面は横通岳。

山頂かと思ったら、まだまだ先だった。

山頂到着。写真撮ってすぐ下山。

蝶ヶ岳方面の眺め。

槍の雲が切れてきた。

常念小屋に戻ったころには、槍・穂高が姿を現した。

少し高い所から撮ってみた。

逆光の槍ヶ岳。

二日目。朝日に照らされる槍ヶ岳。今日は絶好の登山日和。

横通岳の登りから見た常念岳。常念小屋も見える。

山頂に人が・・・

富士山も見えた。

八ヶ岳。

常念岳を中心にパノラマ。

槍・穂高連峰、ここから見ると大キレットは迫力がある。

左奥が御嶽山、その右が乗鞍岳。

横通岳山頂直下の巻道。

ずーっと見えている。

鹿島槍と奥に白馬岳。

燕岳。

立山もバッチリ。

燕岳から北アルプス北部の山々。

中央が西岳の稜線。

久々にコマクサと出合った。

梓川の渓谷。中央奥は明神あたりか?

横通岳についてる登山道。

息子にザック代わってもらった。

チングルマやアオノツガザクラなどのお花畑があった。

東大天井岳の鞍部で休憩。大天井岳の標識に頭をぶつけてまだ痛い。

立山。

鹿島槍ヶ岳。

浅間山。

子槍が見え出した。

北アルプスの中央部。雲の平とかだと思う

歩いてきた登山道。右が常念岳。

景色に気をとられ、足が進まない。

やっと大天荘に着いた。

大天井ヒュッテへの巻道。けっこうスリリングだった。

ここでストックを落とした。

ストックを拾いに行く息子。

大天井岳西の分岐。槍ヶ岳まで7.5km。

大天井ヒュッテ到着。

昼食後出発。

ビックリ平に到着。

大天井岳と東天井岳。登山道が見える。

槍の景色が少しづつ変わる。

今まで歩いた登山道を振り返る。

峻険な槍ヶ岳。

正面のピークは赤岩岳。険しそう。

ヒュッテ西岳まで1.3km。左は常念岳。

赤岩岳の巻道。

先行する息子。

前穂高岳と吊り尾根。先行する息子。

常念岳と常念乗越。

まだまだ続く登山道。

何か人工的な物が見えてきた。

人工的な物が近づく。ケルンだった。

常念岳。

ヒュッテ西岳が見えてきた。

意外に時間がかかる。

ヒュッテ西岳到着。

稜線のテン場に設営。隣と較べるとかなり弛んでる。

テン場からの槍。

北穂高岳。北穂山荘が見える。

今日の夕食。

三日目スタート。雨が降ってる。

しばらく進むと梯子の下りがあった。

その後は鎖の下り。

水俣乗越到着。

東鎌尾根突入。

激しいアップダウンが続く。

テレビでよく出る梯子の下り。

永遠に続く梯子の登り。四つ足より二本足の方が楽に登れた。

ヒュッテ大槍まで、あと40 分。ここから長かった。

ヒュッテ大槍の近隣の写真が何故かこれだけ。

ヒュッテ大槍で休憩後、槍を目指す。

槍ヶ岳山荘到着。ここまでけっこう怖かった。

これから穂先へ向かいます。

楽しい岩登り。

山頂への梯子。

息子、登攀中。

ともかく登頂。

無事下山。

槍沢へ下山開始。

播隆窟通過。

チングルマの群落。下山は所々花が咲いていた。

槍沢までの下山で唯一怖かった雪渓のトラバース。マジ怖かった。

かなり長い下山路。

天狗原分岐。まだ横尾まで行く気満々だった。

槍見があった。もちろん何も見えず。

槍沢ロッヂに到着。

四日目。今日は帰るだけ。雨降るなよ。

横尾到着。曇りを保っている。

徳沢到着。天気は大丈夫。

明神。降り出した。

上高地ビジターセンター。びっしょり。

ここで入浴。生き返った。

入浴後、爽やかに帰路へ。雨も止んだ。

新島々行きバスに乗る。

新島々から松本電鉄。

松本から「あずさ」。

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装備・携行品

アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア 登山靴
バックパック ヘッドランプ タオル 帽子 グローブ サングラス
着替え 地図 コンパス ノート・筆記用具 カメラ 登山計画書(控え)
ナイフ 修理用具 健康保険証 ホイッスル 医療品 虫除け
熊鈴・ベアスプレー ロールペーパー 非常食 行動食 テーピングテープ トレッキングポール
ストーブ 燃料 ライター カップ クッカー
【その他】 携帯電話、携帯ラジオ、ヘルメット

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登った山

大天井岳

大天井岳

2,922m

東天井岳

東天井岳

2,814m

常念岳

常念岳

2,857m

赤岩岳

赤岩岳

2,769m

西岳

西岳

2,758m

槍ヶ岳

槍ヶ岳

3,180m

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