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段ヶ峰

千町ヶ峰、段ヶ峰、フトウガ峰、杉山、笠杉山、大段山( 東海・北陸・近畿)

パーティ: 1人 (いち に  さん )

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行程・コース

天候

晴れ、強風

登山口へのアクセス

マイカー
その他: こぶしの村駐車場(無料)

この登山記録の行程

[1日目]
下千町登山口11:43-12:47千町ヶ峰12:51-13:29千町峠13:32-13:57段ヶ峰13:58-14:18フトウガ峰(泊)
[2日目]
フトウガ峰07:24-07:50段ヶ峰07:53-08:17杉山-08:34山上庭園-09:16笠杉山09:32-10:20上千町登山口10:21-10:56大段山10:57-11:35下千町登山口

コース

総距離
約18.7km
累積標高差
上り約1,577m
下り約1,575m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

3月の終わり。気温は平年以上に上がり、桜はもう満開を迎え春爛漫。外に這い出したくなる季節。テント泊がしたくなる季節。標高の高い山はいまだに雪に覆われているのでそれは無理。見晴らしの良い、テントを張りたくなるような低山へ。

宍粟市に位置する段ヶ峰は1000m級にもかかわらず、眺望の優れた尾根歩きができるらしい。すごいじゃないか。ただ、朝来市方面からのメジャーコースは6kmほどのピストン。周回コースは舗装路ばかりと今一つ。さらに近くに温泉がない。以前温泉がなくてそのまま帰った時の不快感。あれはあれで忘れられない。

いろいろ調べてみると、宍粟50名山というものがあり、その中で段ヶ峰を含む5山を周回できるらしい。ならばテント担いで5山巡り。18kmほどと十分日帰りできる距離ではあるけれど、わざわざ2分割で。しかも温泉近し。もしかするとそれが最重要かも。

泊まりとなると出発はゆっくり。昼頃から登り始め。でも思ったより寒い。最初の山は千町ヶ峰。登山口の朽ちつつあるキャンプ場を越えて行く。残念ながら見たからに儲からなさそうな立地なのです。踏み跡しっかり、ところどころ崩落地あり。親切丁寧なテープと案内板。ご苦労様です。

頂上付近は馬酔木の森。遠目で見ると通れそうにもない。それでも踏み跡はその隙間を縫っていく。迷路を抜けていくかのようにくねくねと。頂上は展望良し。次の段ヶ峰まで見えている。たぶんあれが段ヶ峰だったと思う。

千町ヶ峰を下ると想定外にも舗装路に。あらら、これを歩くんですかいな。どこかにルートがあるのかしらんと辺りを見回しつつ舗装路を行く。

結局、千町峠まで舗装路。千町峠の山小屋は平日はやっていないそうで、人っ子一人見当たらず。山小屋でお茶というのもやってみたいのに。とにかく段ヶ峰へはここから登り始め。

段ヶ峰頂上付近は笹原が広がり、森林限界を越えたような雰囲気。わずか1000mなのに。2つ目の山、そして一応目的の山、段ヶ峰。頂上からは本当に素晴らしいスペクタクル。ほとんど遮るもののないパノラマ。朝来市方面にずっと伸びていく尾根がおそらくメジャーコース。確かにこれは素敵な尾根道ハイキングになりそう。

段ヶ峰の頂上はそれほどテントを張る気にさせてくれなかったので、フトウガ峰まで足を伸ばして見る。フトウガ峰の手前にある分岐を頂上となぜか勘違い。さらに登っていく道があるのに。フトウガ峰を指した標識を頂上のものと誤認してしまったのがそもそもの原因だろう。距離としては50mもないぐらいだからまあ誤差のうちということにしておこう。

今日は登り始めから風が強いなとは思っていた。フトウガ峰手前の分岐でテントを張るころには結構な風が。ペグはしっかりガッチリ。

さてテントを張り終えた。何しよう。テント泊初心者にとって、テントを張ってしまうとすることがない。晩御飯には早すぎる。散策するには見るものがない。じっとしていると寒い。半端なく寒い。この寒さは大丈夫か。風強すぎ。体温をガシガシと奪っていく。

手持ち無沙汰でウロウロぶらぶら。どうしようもなくなり、早めの晩御飯。風が強く、全身で風防に。山の上でまさかのパクチーラーメン。乾燥パクチーがなかなか強烈に効いている。こいつはありかも。

さてご飯も食べた。何しよう。仕方ない、本でも読もう。しかし風が強い。強すぎる。いつかテントが吹っ飛んでしまうんじゃないかという不安を抱きつつ、どんどん低下していく気温に怯えつつ、本を持つ手がだんだんと冷たくなっていくのを感じながら、ただひたすらに時が経つのを待つ。

何の修行だ。

真剣に考えた。今からテントを撤収して、ヘッドランプ一つで山を下れるかどうかと。幸い舗装路は下の方に見えている。ただ行き先は朝来方面。駐車場とは真逆。などとそんなことを考えながら、ブルブルと全身震えながら、手持ちの衣服を全て動員し寒さに耐え、激しくテントを震わす風の音にビクビクしながら時が過ぎていくのを待つ。

なんでこんなことをしているんだ。わざわざ辛い思いを自分から。Mに違いない。そうに決まっている。

夢うつつを、もしかすると生死の境を彷徨っていると、ふと0時に気付いた。音が止んだ。風が止まった。心からホッとした。テントが飛ばされる心配はもうしなくていい。そのあとはぐっすり朝まで眠れるはずもなく。寒すぎて寒すぎて、もう。

結局、うとうとしては目が覚めを何度も繰り返し、ようやく日の出を迎える。ああ、お日様。お待ち申し上げておりました。

フトウガ峰から見る日の出は凍てついた心までも溶かしてくれるようでした。なんてことはないけれど、辛い夜を越えた喜びがひとしおだったことは否めない。鹿の群れが走っていく様子はなぜかドキュメンタリーで見たサバンナを想起させた。

さてさて、2日目はまず3つ目の山、杉山。なんとまあ、平々凡々な名前でしょう。全国の杉山さん、すみません。

杉山といえど、頂上辺りは杉はなく、まるで古墳のように展望の開けた気持ちの良い山でした。雪のかぶった氷ノ山を見るのもここからが良いかもしれません。

4つ目の山、笠杉山までのルートはほぼ尾根伝い。ただこちらは植生のためあまり展望は望めない。それでも庭園のようななだらかな林の中を抜けていくようで、それはそれで。傘杉山はとくになんてこともなく、ここからは帰りモードで下山。

小綺麗な千町小屋からは杉林の中の未舗装の林道を下っていく。マップでみると錯綜する登山道。マップ上は登山道なのに実際は舗装路。などとよくわからなかったが、おそらく、林業用の道を登山道に転用したり、その逆もまた然りと、林業と観光が入り混じった結果なのかもしれない。

そして最後の大段山。けっこう急登。思ったより大変。頂上付近は今までの4山とは打って変わって松が主体になった山。松の山は明るく、乾いていて居心地がいい。

これを下ればこの山行も終わり。辛いテント泊を乗り越えて旅も終わりを迎えた。なんて感傷に浸っていると下りのルートはかなり大雑把。テープはしっかりあるが、踏み跡が薄い。というよりもただの斜面。やっつけ仕事だな。ルート設定、面倒になったか。

下山後は温泉。これしか考えられない。温泉がない山は登らない。特にテント泊の後は温泉。この温泉のために山に登るのかもしれない。

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