行程・コース
天候
曇り、終日、身体が吹き飛ばされそう程の強風
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
国境高原スノーパークを目指す。滋賀県側からバスで来ることも可能だが、夜明けとともに行動したかったので、まで車で送ってもらう。トイレはないので事前に済ませておくこと。
この登山記録の行程
国境高原スノーパーク(05:35)・・・スキー場のリフト降り場(05:48)・・・尾根の分岐(06:15)・・・乗鞍岳(06:43)・・・尾根の分岐(07:08)・・・一部藪こぎ・・・岩籠山駄口コースとの合流点(09:33)・・・小ブナ平・・・ブナ林・・・インディアン平原(09:56)・・・岩籠山頂(10:06)・・・市橋コース分岐点(10:23)・・・夕暮山手前の分岐で衣掛山方面へ・・・堂山・衣棚山(11:55)・・・衣掛山(12:05)・・・ゲート(12:09)・・・衣掛山登山口(12:22)・・・岡山バス停(12:32)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
5:30に国境高原スノーパークに到着。正面のゲートは締まっている。丁度、4年前の4月に高島トレイの第一歩として、ここに立ったのを覚えている。あの時は、テント装備での挑戦。緊張感をもってスタートしたが、僅か5分で道に迷ってしまった。笑。ゲート横に登山届のポストはあるものの、だだっ広いゲレンデのどこへ向かえばいいのか、登山口までの説明は一切ないという不親切さ。お陰で30分はゲレンデを無駄にさまよった。。。
前回の経験から、最短でゲレンデを登っていく。登山口は正面のゲレンデを登り切ったリフト降り場の脇にある。
それにしても今日は風が強い。ゴウゴウと物凄い音を立てながら尋常じゃない風が吹き荒れている。もともと悪天候の週末という予報だったが、午前中いっぱいは晴れマークになっていたのに、。。。
今回の縦走は、もともとトレーニングを兼ねて今年の真冬に挑戦しようと思っていたが、休日の度に出勤が発生して、結局、行けずじまいだった。来年に延ばすと行く機会を失いそうだったので、藪が深くなる前にとやってきた。
高島トレイルのトレードマーク、黄色いテープの目印に一気に尾根まで駆け上がる。これまでの軌跡を繋げるという意味では、既に歩いたルートなのでカットしても問題はないが、やはりここまで来て挨拶しない訳にはいかないとルートとは逆の乗鞍岳へと向かう。久しぶりのコース。高島トレイルの出発を思い出して懐かしい。あの時はとにかく食料と水を詰め込んだザックがひたすら重かった。
所々、残雪が残っている。よく見ると、カタクリの葉っぱがあちこちに群生していた。Spring ephemeralとして代表的な花の一つ、カタクリ。そういえば、今年はまだお目にかかっていないと、地面に目をやり探しながら歩く。それにしてもどこをみてもカタクリの葉っぱ。季節的にもう咲いていないという事はないと思うが、実はカタクリは花をつけるまでに7~8年かかると言われている。それまでは毎年、葉っぱのみを地面から出して、ひたすら花をつけるための体力をつけているのだとか。また、花をつけるまで至っても毎年つける訳ではなく、今年は無理!と思ったらやはり葉っぱだけで体力温存するとか。これだけの葉っぱの場所に花が一斉に咲き誇るとさぞ綺麗なことだろう。頑張って準備している健気なカタクリを想像すると葉っぱを踏んではいけないと注意しながら歩く。
そんな配慮に答えてくれたのか、小さい花と大きな花のカタクリを3輪見つけることができた。高山植物の女王コマクサに似て可憐で清楚なそして儚い感じの美しさを持っている。
乗鞍岳の山頂から滋賀県方面を眺める。どんよりした雲の向こうに奥琵琶湖の湖面が光って見えた。折り返して尾根の分岐まで戻る。
さて、ここからはしばらく未踏。藪漕ぎに備えて用意してきたルートをGPSで表示する。が、念入りに細かく設定しすぎたせいか、なぜかルートが表示されない。仕方なく携帯で地図を参照しながら歩こうかとも思ったが、携帯はむしろ最悪に備えてバッテリーを温存しておいた方がいいと電源を切っておくことにした。まぁ、土地勘はあるので、地形を見ながら歩く。これもトレーニングか。
暫くは歩きやすい尾根が続く。もともと登山道があったのか、もしくはケモノ道なのか、それっぽい道があった。
次第に藪が増えてくる。春先の藪はまだ密度が薄く身体が入るので、入ってしまえばゴリゴリと力任せに前に進むことが出来る。目に飛び込んでくる枝に気を付けながらスピードを殺さないよう歩く。調子が良かったのも僅か。いよいよ藪の本陣に攻め入ったようで、どこを見ても濃い藪だらけ。身体を入れる隙間もなく、1m進むのに1分かかるといった感じ。まぁ、それでも真夏に比べればまだ大したことはない。棘が枯れているだけまだ有難い。
延々、藪と戦いながら進んいると、ついに目の前が開けた。「うしっ」と思わず声が出たが、一瞬で違和感を覚える。目に映った山の形状と配置が目指していたものと違う。どうも視界ゼロで藪と戦っているうちに一周し逆方向に戻ってしまったようだ。少しげんなりしながら、再び藪にダイブする。方向感覚を失ってしまったので、蛇行しながら(半分迷ったまま)歩く。徐々に、頭の中にあった地図と地形が合致してくる。
尾根のルートを捉えることができれば、もうこっちのもの。藪も徐々に少なくなり歩きやすくなってきた。歩くペースを上げて、幾つかのピークをアップダウンで乗り越えていく。野坂山から三国山に渡る野坂山系もそうだが、この周辺には美しいブナ林が多い。藪からブナ林に植生が変わり、一層、スピードがあがる。
一段と美しいブナ林が広がっていると思ったら、見慣れた看板が目に飛び込んできた。岩籠山の駄口コースとの合流点だ。
ここから先は登山道がしっかりしている。前回、来たのは2月。踏み跡のない一面が深い雪で覆われていた。ラッセルでひたすら登ったが、今は新緑の世界に移りつつある。季節の移り変わりは早いものだ。
いつもの急登を登ると熊笹の草原が広がっている。遮るものがないからいつ来ても風が強い場所だが、今日は尋常じゃない風。まっすぐ歩くことさえできず、ともすれば身体が持っていかれそうになる。たぶん、風速20m以上はゆうに出ているだろう。
インディアンの岩を写真に収め、岩籠山の山頂を目指す。
山頂で携帯の電源を入れ、地図を確認する。想定していた以上に藪との戦いが少なかったためまだ時間も十分早い。山方面に降りてそのまま野坂山に登りたいという欲求もあったが、それは経験済みなので、今日は当初の通り衣掛山を目標に進む。標高的にあとは緩やかな降りだ。
歩いていると、イワウチワとは異なるピンクの花が目に入った。イカリソウだ。これも好きな花の一つ。
一橋コースの分岐を過ぎ、夕暮山に向かう手前で衣掛山方面の尾根へと入る。再び、藪との闘いかと心の準備をしていたが、かすかに登山道らしきものがあり、目印の赤いテープが見えた。今まで何度も歩いたコースなのに、まったくこんな分岐に気が付かなかった。尾根沿いのコースは、少々荒れているものの目印はしっかりと一定間隔で置かれていて、迷うことはない。衣掛山自体は知っていたが、岩籠山まで登山道が延びていたのかと驚き(地元の人には失礼だが)。
尾根沿いを歩いていく。左側にはゴルフ場や敦賀市内の街並みが見える。もう少し視界が開けると、気持ちの良いコースになりそうだ。進むにつれて、登山道がはっきりしてくる。ここを降りるのかと思うような斜面もあるが、ちゃんとロープが設置されていて、さほど危険な場所はない。
だいぶ降り切ったところで、衣掛山へのルートは左に分岐する。小さな看板なので見落とさないように。
衣掛山に到着。実はこの山の下にはサンダーバートが通るJR線が走っている。しかも、普通に走っているのではなく、傾斜を緩やかにするために、衣掛山の山頂を中心にぐるりと一周するように、いわゆるループ線という珍しい線路になっている。
少し降りるとイノシシ除けの柵にたどり着く。ゲートを開けて出ると、もう地上まではあと僅か。舞鶴若狭自動車道の脇を急な階段を使って降りる。よくこんな高い橋げたを作ったものだ。
登山口に出るとそこは敦賀市街地の外れ。滋賀県との県境にある国境のスキー場からてくてくと山に沿ってついに敦賀市にたどり着いた。さっきも書いたが、想定していた以上に藪も少なく、快適で楽しい行程だった。当初、到着を16時頃と予想していたが、まだ12時半と全然余裕だ。実は12時を切ることが出来たら野坂山を目指そうと密かに目論んでいたが、さすがに降り切ってしまうと、野坂までの延々と長いアスファルトの行程が頭にちらつき、強風と夕方には雨と言う予報を理由(言い訳)に止めることにした。
振り返って。一部の藪エリアを除ければ、今すぐにでも十分敦賀トレイルを名乗れるような良いコースだった。特に岩籠山から衣掛山のルートはもっと知られるべきだと(自分だけ?!)新しい発見が出来た。
みんなのコメント