今回は北沢峠をベースにして、初日は仙丈ヶ岳、2日目は甲斐駒ヶ岳、というプラン。まずは初日の様子。

仙流荘からのバスで北沢峠に9時到着。今夜の宿「こもれび山荘」にチェックインし、余分の荷物を置かせてもらってスタート。最初は樹林帯の登り。2合目から5合目手前まではなかなかの急坂。この時点でバスの中で見えていた晴れ間は消え、谷を雲が駈け上ってガスガスの雰囲気。先が思いやられます・・・。

5合目の藪沢分岐から馬の背へのトラバース道へ。先週の大雨の影響からか水が多く、小さな沢が藪沢にいくつも流れ込んでいます。これを渡渉して進むと雪渓もありました。が、アイゼンは不要。なお、途中にある無人の藪沢小屋を覗いてみましたが緊急時以外はちょっと・・・というレベル感でした。

馬の背ヒュッテを過ぎると標高がぐんぐん上がって空気がひんやり。ガス混じりの風も冷たいので仙丈小屋でジャケットを羽織ります。残念ながら、藪沢カールの全貌はガスが一瞬晴れた時に見えただけ。やはり9時頃までに山頂付近にいないと眺望は期待できません。

無念の思いながらいよいよ山頂アタック。仙丈小屋の先をヒイヒイ言いながら登り、ようやく山頂手前の岩場を越えた瞬間、ドキッとしました。数メートル先に茶色のライチョウ。しかも、足元にはちょこちょこ走り回る数羽のヒナ！南アルプス5度目にして初のライチョウ。ヒナのあまりの愛くるしさに見とれてしまい、ガスで眺望が楽しめないモヤモヤも一気に吹き飛びました。

ライチョウ親子が去ると山頂はすぐそこ。しばらく山頂でガスが晴れるのを待つも周りはずっと真っ白け。やむ無く出発し、山頂から一気に下った後、岩場混じりのアップダウンを繰り返して小仙丈ヶ岳に到着。が、相変わらずガスガス。小仙丈沢カールの全貌も見えずじまい。再度リベンジに来るしかなさそうです。

なお、山頂付近を中心に大量にいた小バエにも困りました。おにぎりとかお弁当だと次々たかられてしまいます。私は乾き物（ビスケットなど）で済ませたので大丈夫でしたが、他の登山者は困っていました。今の時期だけの状態なのかもしれませんが・・・。

あとは北沢峠に下りるだけ。が、6合目あたりでまさかの夕立。時刻は13時過ぎ。朝はあんなに晴れていたのに・・・。山の天気はわからんもんです。幸い樹林帯に入った後だったので雨の影響は最小限。レインウェアの上だけ着てノンストップで北沢峠まで駆け下りました。これで初日は無事終了。

なお、こもれび山荘について少し。
今まで利用した山小屋でナンバーワンでした。スタッフは皆さんフレンドリー。トイレは水洗。飲料水と湯が利用自由。寝床は1人分ずつカーテンで仕切られています。夕食は自家製の豆腐付きで山小屋としては破格の充実ぶり。樽生ビールまであります。しかも朝食はバイキング形式で4時からＯＫ。1泊2食で9,500円の値打ちは十分にあり。やはり、峠まで車で物資を運べる強みがあるからでしょうね。