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涼を求めて夏雲湧く滝子山に登る (3B)

滝子山( 関東)

パーティ: 1人 (すてぱん さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

バス
その他: (行き)新宿バスタ7:05発 中央高速バス甲府行き
中央道笹子バス停8:28到着予定だが、渋滞で9:30到着

(帰り)JR中央線初狩駅より15:41発高尾行き

この登山記録の行程

中央道笹子バス停(9:30)・・・桜公園(09:38)・・・南稜入口・・・道証地蔵(10:05)・・・曲沢峠分岐(10:53)・・・大谷ヶ丸分岐(11:57)・・・滝子山(12:12)[休憩 30分]・・・1590三角点・・・林道終点(14:08)・・・初狩駅(14:51)

コース

総距離
約12.8km
累積標高差
上り約1,216m
下り約1,357m
コースタイム
標準6時間6
自己4時間43
倍率0.77

高低図

標準タイム比較グラフ

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登山記録

行動記録・感想・メモ

三連休にどこにも登らないと後悔しそうで、少しでも涼しそうな山ということで滝子山に登ってきました。沢沿いの登山道は涼を感じられたのですが、それにしても暑かった!

<標高が低くても涼しく登れる山はないかな?>
登山は趣味ですが、それでも気合いや集中力を要するもので、不意に梅雨が早く明けて心の準備が整わないとか、下界での煩わしいことがあるとか、気づけば金曜日で、何も準備も計画もないという状態に陥ってしまいます。高い山にも行きたいけれども、バスや小屋の手配など出遅れは明らかで、手軽な日帰りコースを考えてみました。けれども暑い、とにかく暑い。日帰りとなれば標高が低い山になってしまいますから、できるだけ涼しく登れそうな山。できれば大きな景色が楽しめてうさも晴らしてくれそうな山。で、滝子山はどうだろうかと考えました。もともと梅雨入り前か秋の紅葉の時期に登りたい山だったので、想定とはずれていますが、沢沿いの登山道なら涼しいのではというのが狙いです。

<色々残念だったけど、いい山でした>
新宿から中央高速バスで中央道笹子バス停で降りれば、JR笹子駅からアプローチするよりも30分ほど車道歩きをカットできます。しかし、今回は三連休中の渋滞で到着が1時間遅れました。なるべく涼しいうちに高度を稼いでおきたかったのですが、目論見はあえなく潰えてしまいました。バスは電車と比べて時間が読みにくいですから、今回は確実性を優先した方が良かったかもしれません。

中央道笹子バス停から高速道路をくぐって「すみ沢(ズミ沢との表記もあり)」に沿って続く登山道は、山頂近くまで登っても水量が豊富な沢筋で、珍しい山だと感じました。大雨の後だとしても、これだけの水が山に蓄えられているというのには驚かされます。登山道は沢を高巻くようについていますが、所々沢が近づくたびに涼を楽しめました。あまりに暑く、何度も冷たい沢水で顔を洗って登ります。

沢にかかる数々の滝を訪れることも楽しみにしていたのですが、三丈ノ滝はどれだったのかはっきりせず、モチガ滝やナメ滝はどうやら曲沢峠分岐手前の「難路」との標識に従って進む必要があったようです。途中沢が倒木などで荒れていたので、高巻き道である「迂回路」を進んでしまいました。どの程度の難路だったのかわかりませんが、事前リサーチ不足でした。標高1000mを超える辺りから、針葉樹の植林からミズナラやブナなどの広葉樹林に移り変わり、目を楽しませてくれます。

山頂付近にヒヨドリソウの群落があるそうで、そろそろ花が咲いているのではないかと思っていたのですが、見当たらず。滝子山山頂(標高1610m)で、初めて展望がひらけます。東西方向は樹木の枝に遮られていましたが、北に大菩薩嶺に連なる小金沢連嶺。南には、三ツ峠山越しに秀麗な富士山の姿がドーンと見えるはずだったんですが・・・出発が遅れたためもあってか、沸き立つ雲に遮られて富士山の姿は拝むことができませんでした。

山頂から初狩駅までの下山路が退屈だという感想を聞いたことがあったのですが、ブナやミズナラの美しい樹林帯は、大いに楽しめました。ただし、檜平あたりまでは足元は滑りやすい泥の急斜面なので、ステップを細かく、丁寧に降りることが必要でしょう。

滝子山は山梨百名山、秀麗富嶽十二景第四番とされているので、リサーチ不足で滝を見逃したことも含め、色々と残念な点もありましたが、全般的には沢や緑陰などを楽しめました。今度は初夏の新緑、秋の紅葉シーズンなどに再訪したいものです。

<暑さ対策>
今回は、登る前から暑さに辟易していたものですから、新しい工夫を二つ試みてみました。一つは、軽量クーラーボックスにコンビニ冷やし中華を詰めて登ること。保冷剤のおかげで猛暑にもかかわらず、山頂で冷たい冷やし中華を楽しめました。

もう一つの工夫は、いつも持参しているキャメルバックのリザーバーに半分だけ水を入れて凍らせ、当日朝に残り半分の水を入れて歩くというもの。ただこちらは、チューブ内の水がぬるくなってしまい、冷たい水を口にするにはもっと水を飲む必要がありました。寒冷用のインシュレータ付きのチューブを使うと改善できたかもしれません。大汗をかきながらの登山なので2.5リットルの水はほぼ飲み尽くし、下山後も500mlの飲料を2本立て続けに飲んでしまいました。その後もトイレに行く必要を感じませんでしたから、よほど体が渇いていたのでしょう。

コース定数28。山梨県山のグレーディングでは、今回歩いていない寂ショウ尾根(南陵)コースがB判定となっています。今回歩いた「すみ沢」コースと、檜平を経て初狩駅に下るコースは、共に道標も整備され、危険箇所は見当たりませんでした。ただし、倒木で沢が荒れている箇所、路肩が崩れている箇所、滑りやすい泥の急斜面などに留意すべきでしょう。やや保守的に、Bとしておきます。

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フォトギャラリー:39枚

7:05始発の甲府行きの高速バスは、三鷹付近から渋滞に巻き込まれる

中央道笹子バス停には、一時間遅れの9:30到着。ここから歩きます

これから登る滝子山が、高い。あまりの暑さに最初から挫け気味。林道なども木陰を丁寧に拾って歩く。

道は沢に沿って続いており、沢が近づくと涼気が感じられる。

道証(みちあかし)地蔵で、林道から登山道に分かれる。文政三尺年(30年?)の銘が見える。1829年、文化文政の町人文化が栄えていた頃か。

林道から沢筋に降りると、一気に涼しくなる。道は沢沿いだが、流れを高巻いていく

地図には三丈の滝、モチガ滝などが示されているのだが、どこだったのだろう?

倒木で荒れた箇所も

標高1000mを超えた辺りから、植生は針葉樹の植林からミズナラなどの広葉樹林に変わる。

知恵の輪?

登山道は途中、難路と表示された「すみ沢」沿いを進む道と、山腹を高巻く迂回路に別れる。ヤマケイオンラインの地図は、迂回路のみ表示されている。どうやら、モチガ滝やナメ滝などは難路コースを進まなければならなかたっようだ。ちょっと後悔。

ミズナラの緑陰

わずかに見かけた花。今回はほとんど咲いている花を見かけませでした。通い詰めているらしいベテラン登山者の方は、「今の時期が一番花が少ない」とおっしゃっていました。

砂地を流れる水

暑さにめげず瑞々しさを保つ苔

鎮西八郎為朝の伝説が残る、山頂直下の鎮西ヶ池は、小さな水溜り。すぐ脇には為朝の妻、白縫姫を祀ったのか、小さな白縫神社の祠がある。

鎮西ヶ池からひと登りで滝子山山頂(1610m)。三つ峠山の先に富士山が見えるはずなのだが、残念。

コンビニの冷やし中華をクーラーボックスに。昨年購入した新兵器をようやく投入!

朝の高速道路からは見えていた富士山も、雲に隠れていた

山頂から北側の展望 正面奥が大菩薩方向、左が大谷ケ丸、後方右が雁ヶ腹摺山

渦巻く雲、沸き立つ雲、そしてトンボ

山頂ではたくさんのトンボが群れ飛んでいました

ところどころロープも張られた急な滑りやすい斜面を下る

こういうのに無言のプレッシャーを感じてしまうのは、私が古い人間だからでしょうか?で、やはり男坂を進む。

ミズナラやブナなどの美しい樹林帯を下る

花がほとんど咲いていなかった山中で目を引いた赤いキノコ

エネルギーを感じる大木

美しいとは感じないけれども、異様なエネルギーは感じる

渦巻くような樹皮のパターン

沢は荒れ気味だが、何度も冷たい水で顔を洗う。とにかく暑い!

藤沢の集落に出て神社に無事下山のお礼

初狩駅付近からふり仰ぐ滝子山。堂々たる姿だ

駅への近道と信じて行き止まりに突き当たったり、コンビニで冷たい飲み物を買って飲んだりして、ようやく初狩駅についたら電車は行ったばかり。一時間ばかり次の電車を待つ

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • すてぱんさん、こんにちは。

    危機的猛暑の中での滝子山、お疲れさまでした!

    笹子バス停のアスファルトの照り返し具合からして、早くもぐったりしてしまいそうな様子でしたが、せめて沢筋を使っての滝子山は、ギリギリの選択だったかもしれませんね!。 

    当分、猛暑が続きそうですが、暑さにも、〇〇の煩わしさにめげずに、何とか乗り切りたいものですね。

  • すてぱんさん、こんばんは~!滝子山に行かれたのですね。お疲れ様でした~!

    確かに平日、忙しくしているとあっという間に金曜日になってしまい、山に行く計画が
    立てられずあ~、今週もまた山に行けなかった・・・と自己嫌悪に陥ってしまうことが
    よくあります。山は大好きなので行きたいのですがいざ行くとなるとパワーがいりますよね。
    でも行ってしまえばやっぱり行ってよかった~と思うことが多いですね。

    2000m超えの山でも暑いのですから、1500mの滝後山はさぞ暑かったことと思います。
    師匠もおっしゃっているように〇〇の煩わしさにもめげずに頑張りましょう!

  • ガバオ さん、コメントありがとうございます。

    本当に暑かったです。芝刈り業務でも、事情は変わらなかったのではないでしょうか?

    できるだけ涼しい早い時間に登りたかったので、渋滞による延着も痛いところ。富士山も見逃してしまいました。

    でも、いい山であることは分かったので、秋などに再度出かけるのもいいかもしれないと思いました。

    体が夏バテしているというよりも、登高意欲が夏バテ気味なんでしょうか・・・??

    ガバオさんの富士山の展望を楽しむレコ、心待ちにしております。

  • すー さん、コメントありがとうございます。

    澄んだ青空に、鮮やかな高山植物の写真を拝見して、いつも以上に羨ましく思った私の気持ち、お察しいただけたでしょうか(笑)?

    でも、北アルプスなどに登った皆さんのレコを拝見しても、週末は非常に暑かったようですね。
    梅雨明けが早かったのは、嬉しいですが、日照時間が一番長いこの時期、雨雲で覆われなければこんなに暑くなるのだと思い知らされます。せめて早い梅雨明けと、好天を生かしたいところなのですが、大人の事情がね・・・(笑)

  • すてぱんさん、こんにちは!

     滝子山山行、お疲れ様でした。ご近所で活動されていたのですね~!。ちょうどすてぱんさんが山頂で大菩薩方面の写真を撮っているときに、フルコンバで昼寝をしていたようです(笑)。

     レコの中で「暑い」という言葉が頻繁にでてきますが、全く同感です。本当に暑かったですね~。私も2.5リットルほど水をもっていったのですが、ほぼ飲みつくしてしまいました。軽量クーラーボックスはなかなかの優れものとお見受けしました。猛暑の続きの今年の夏では威力を発揮しそうですね。

     大人の事情ですか・・・・、私も大人の事情(謎)で安近の低山歩きを余儀なくされています。暑さにも、〇〇の煩わしさにめげずに、お互いに頑張りましょう(笑)。

       ぼっけもん拝

  • ぼっけもんさん、コメントありがとうございます。

    山でお昼寝、魅力的ですね。もっとも、私はせっかちな性分なので、5分と持たない気がしますけど・・・。

    滝子山は、小金沢連嶺の南端に位置するので、大菩薩からの縦走もちらりと考えたんですけど、(少なくともあの日に)やらなくて良かったです。以前ぼっけもんさんは、1日で踏破していらっしゃいましたよね。そのレコのこともあったので、滝子山から炎熱に霞む大菩薩方向を眺めたときに、ぼっけもんさんはすごいことをなさったのだなと考えておりました。

    さて、次はどこに登られるのでしょうか?レコを楽しみにしております。

登った山

滝子山

滝子山

1,615m

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よく似たコース

滝子山 山梨県

大菩薩連嶺南端の秀峰

最適日数
日帰り
コースタイプ
周回
歩行時間
6時間55分
難易度
★★
コース定数
30
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