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憧れの黒戸尾根 テントを担いで甲斐駒ヶ岳(二日目)

甲斐駒ヶ岳( 南アルプス)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

快晴

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 黒戸尾根コースの起点は二つ。そのうち今回は尾白川渓谷登山口を選択。尾白川渓谷の無料駐車場を目指す。カーナビは「竹宇駒ケ岳神社」とすると分かりやすい。駐車場は砂利、アスファルトの2種類があり、相当の台数が収容可。しかし、渓谷のキャンプ場もあり登山者以外でも賑わうため、早めの到着が必要。綺麗なトイレも完備。お店もあり下山後の飲み物や軽食にも便利。

この登山記録の行程

七丈小屋テント場(02:30)・・・八合目御来迎場・・・甲斐駒ケ岳(04:25)(日の出待ち~05:00)・・・八合目御来迎場(06:11)・・・七丈小屋テント場(06:49)(テント撤収~08:05)・・・七丈第二小屋・・・七丈第一小屋(08.13)・・・屏風岩(08:51)・・・五合目・・・刀利天狗・・・刃渡り(09:44)・・・笹ノ平(10:48)・・・尾白川渓谷駐車場(12:01)

コース

総距離
約10.7km
累積標高差
上り約883m
下り約2,536m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

※七丈小屋テント場から降りの一部、GPS記録欠損につき、登りのデータで補完。

(前の記録「憧れの黒戸尾根_テントを担いで甲斐駒ヶ岳(一日目)」)
https://www.yamakei-online.com/cl_record/my_detail.php?id=137147&1534161637#upload_photo

8月4日(土)。遠くで目覚ましが鳴っている。1:45。目を開けて、一瞬部屋じゃないことに戸惑う。それくらい快適な睡眠だった。それでも寝足りなかったので、プラス15分だけ二度寝して、2:00に起床。喉が激しく痛い。イビキは普段かく方ではないが、きっと昨日は、大イビキをかいていたに違いない。でも、睡眠不足も解消し身体も軽い。
2:30、ヘッドライトを点けて、テントの外に出る。満天の星空を期待したが、明るい月が邪魔をしてあまりよく見えなかった。約15年ぶりに「大接近」している火星も時間帯のせいか見当たらなかった。
アタックザックに朝食とペットボトル2本を装備。昨日のテント装備からすると空身のよう。トップスピードで歩きたくなるが、明るい月夜とは言え、夜の登山道なので速度を抑え歩く。今日の日の出は4:50。ゆっくり歩いても余裕で着くだろう。
テント場から山頂にかけては、更に斜度が上がり大きな岩をよじ登ったりすることが増えてくる。
森林限界で、ハイマツ帯に入る。八日合目御来迎場に到着。テント場から山頂まで約半分位の場所。見上げると夜空の中に、山頂のシルエットが見えた。もう30分程度で着きそうなのに標準コースタイムではまだ1:30と結構距離があるようだ。
鎖場も徐々に増えてくる。ある岩壁に「藤原富夫君、ここへ眠る」と書かれた金属プレートが埋め込まれていた。昭和42年。当時であれば、整備も完全ではなく、登山道ももっと危険な場所だったのだろう。
そうかと思えば、他の岩場には、垂直の岩にかけられた長い鎖の末端に結婚記念と書かれた金属板がつけられていた。こちらは幸せのプレート。有名なやつだ。
夜だったので近づくまで全く気が付かなかったが、出合いは突然やって来た。異様に大きく存在感のある岩を回り込み、斜面の次の岩をよじ登りながらふと振り向くと、背にしたその大きな岩の上に二本の剣が刺さっていた。星がきらめく中で、天に向かって剣先がすっと伸びている。神秘的で身震いが走る。「おおっ!」。この風景が見たくてみんな黒戸尾根を登ってくると言っても過言ではない。
八ヶ岳方面の地平線が気持ち明るくなってきたような気がする。このまま朝日を待って、日の出を背景に二本の剣のベストショットを撮るのもいいかと考えたが、やはり日の出は久しぶりの甲斐駒の山頂で迎えたい。その後、素早く戻れば雲海の中の二本剣も見ることが出来るだろう。
ここからはガレ場が増えてくる。岩場を滑らないように山頂を目指す。ふと横を見ると、どこかの山にも頂に向かって移動している光源が見えた。今この瞬間、いろいろな山で、日の出を迎えるために山頂に向かっている人がいると思うと、なんだか嬉しくなる。
山頂付近に着くころには、足元も明るくなってヘッドライト無しでも十分歩けるようになっていた。4時25分、甲斐駒ヶ岳の山頂に到着。先客が絶対いるはずと思っていたのに、ラッキーなことに今日は切りのようだ。日の出までにはまだ十分時間がある。若干、風があり、ダウンを身にまとう。自分の吐く息の音しか聞こえない。静寂な空間にゆっくりと時が流れる。赤く染まった雲海の中に荘厳な風景が広がっている。雲海の中に島のように浮かぶ鳳凰三山。鋭く尖ったオベリスクがはっきり見える。その向こうには日本一の山、富士山が存在感を示している。
徐々に、一点を中心に赤の濃度が増していく。太陽が見えた!。大きくて暖かい赤の塊が空に昇っていく。凄い。言葉を失うほど、自然の技はスケールが大きく美しい。
余韻を楽しんだのち、急いで二本剣まで戻る。ギリギリだったが、なんとか朝日の色が残る雲海にそびえる二本の剣に間に合った。さっきまでの夜空とはまた違った趣で、こちらの景色も感動的だ。時折、うっすらと八ヶ岳も雲の間から頭を覗かせている。
そうこうしているうちに、登山者が登って来たので、場所を譲りテント場まで戻ることにする。
テントとシュラフを日干ししながら、平行で撤収の作業を進める。既に朝日とは思えない強い日差し。今日も暑くなりそうだ。さて、これからどんな計画にしようか。
8時にザックを背負い、下山、開始。食料や水を消費したので、だいぶ軽くなった。目標、小屋から駐車場間まで4時間。着いたらご褒美にソフトクリームを食べようと頭に描きスタートを切る。
(「黒戸尾根から勢いあまって日向山 天空のビーチへダイブ」へ続く)
https://www.yamakei-online.com/cl_record/my_detail.php?id=137151

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • あの剣をいつか見てみたいと思います。素晴らしい写真をありがとうございます。

  • 山には心が震える風景がいっぱいありますね。汗をかいて登る分、実物は写真以上に感動ですよ。

  • 最高の景色ですね。ますます行きたくなりました。

  • そうなんですよ。明けていく空に天を衝くような刀。
    身震いしました。

  • 雲海と二本の剣

    綺麗です
    いつか見てみたいです

    剣が三本になっていたら
    私の剣です

    綺麗な写真ありがとうございます

  • おおっー。3本の剣。粋なコメント有難うございます。

登った山

甲斐駒ヶ岳

甲斐駒ヶ岳

2,966m

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