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ススキが揺れる秋の曽爾高原と小粒ながらピリリと辛い古光山

後古光山、古光山(北峰、南峰)、俱留尊山( 東海・北陸・近畿)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

曇り

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 名阪国道針I.Cから車で50分。カーナビには「曽爾高原」もしくは曽爾高原にある温泉施設「お亀の湯」と入れるとよい。お亀の湯の駐車場は無料。しかし、高原まではかなりの距離があるので、できれば有料でも曽爾高原駐車場をお勧めする。普通乗用車600円/1日。行楽シーズンは観光客が大勢やってくるので、駐車場の営業開始時間6:00を目安に早めに来る方が良い。

この登山記録の行程

曽爾高原駐車場(07:06)・・・長尾峠登山口(07:21)・・・後古光山(07:48)・・・フカタワ・・・古光山(08:33)・・・天狗の踊り場(08:44)・・・古光山・南峰(08:48)・・・ふきあげ斎場(09:12)・・・みつえ高原牧場(09:21)・・・曽爾高原駐車場・・・亀山(10:30)・・・亀山峠(10:41)・・・二本ボソ(11:02)・・・俱留尊山(11:21)(昼食~11:49)・・・三ッ岩(12:19)・・・西浦峠(12:35)・・・登山口(12:58)・・・くろそ山荘過ぎの登山口(13:21)・・・亀山峠(13:40)・・・お亀池(13:53)・・・曽爾高原駐車場(14:13)

コース

総距離
約15.3km
累積標高差
上り約1,517m
下り約1,518m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

台風の進路と天気図を睨みながら、どこに行こうかと悩む。8日であれば確実に快晴を狙えるが、あいにく曇天の7日しか空いていない。
本当はとっておきの秋晴れにと思っていたが、行きたいリストの中から秋登山としても上位にあった曽爾高原に行き先を決める。
朝の6時に駐車場に到着。6時から営業と聞いていたが、受付にはまだ誰もいなかった。車も一台停まっているだけ。帰りの際に払えばいいかと、車を停めて出発の準備を整える(ちゃんと帰りに支払った)。
予想通りの曇天。周囲の山々には霧が張り出していた。幻想的な霧の曽爾高原にも惹かれたが、いきなりメインディッシュもどうかと思い、計画通り古光山の方から巡ることにした。もちろん、古光山が前菜と言う意味ではなく、古光山は古光山で小さい里山ながら変化に飛んだ登山道と聞いていたのでとても楽しみにしていた。
古光山(こごうやま)は曽爾高原の倶留尊山(くろそやま)から南へ続く稜線の南端に位置していて、関西100名山の一つで古光山と後古光山の2つからなる。また、古光山には2つの峰があり、山頂のある方が北峰で標高953m、南峰が960m。頂がある方が低いなんて。北の方が偉いのだろうか。今回は、長尾峠から入り、後古光山から、古光山の北、南の順番で縦走し、林道を使って周遊する。
長尾峠に後古光山への登山口に立つ。木の板で作られたステップ状の階段が杉の斜面を真っすぐに延びていく。よく作ったものだ。歩幅もちょうどで歩きやすい。ただし、昨日の雨で濡れていて、とても滑りやすくなっているので、ゆっくりゆっくりと慎重に登る。
登り切ると尾根伝いの緩やかな道となる。まずは前方に見えている後古光山へと向かう。山頂手前は少々急になっているものの、なんなく後古光山の頂に到着。これから向かう古光山らしいものが見えているが、頂はガスの中に隠れている。到着までに晴れてくれればいいが、空を見る限り分厚い雲が広がっていて多くは望めない。
急登と聞いていたが、思ったほどではないと油断したところに、急降下の斜面が待ち構えていた。木の根っこが入り乱れ斜面に足場を作っている。そこに張り巡らされたロープを頼りに降っていく。降りたところで振り返ると、斜面に何本ものロープが垂れ下がっていた。ロープの滝のよう。こんなロープ場も珍しい。
降り切ったコルの部分がフカタワ。一体どんな由来の名前なのだろうか。
さて、降り切った分、再び登らないといけない。えっちらえっちらと登り、古光山の山頂。古光山山頂の眺望はあまりない。唯一、曽爾高原が見えるらしいが、今日はガスの中だった。どこからか太鼓の音が聞こえてきた。秋祭りでもやっているのだろうかとその時は思ったが、下山してもそんな様子はどこにもなかった。偶然かも知れないが、古光山には天狗にまつわる伝説が残っていて、なんでも、昔、山へ草刈りに入った人が、天狗の太鼓を叩く音を聞いて怖くなって逃げ帰ったとか。ひょっとして、あの太鼓も天狗の仕業だったのだろうか???確かに、古光山は小さい山ながら人を寄せ付けない険しさがあって、天狗伝説があってもおかしくない。特に南峰に向かう途中にある岩場は、「天狗の踊り場」と名付けられていて、その険しさからまさしくそんな名前がぴったりだ。
南峰に到着。南峰は綺麗な三角形をしていて遠くから眺めてもカッコよかった。頂には白い看板が設置されていたが、風の影響か半分に折れていて「峰」だけが残っていた。どうせなら「南」が残ればよかったのに。
尾根伝いに降っていく。途中、麓の方に赤い屋根が見えた。みつえ高原牧場だ。耳を澄ますと牛の鳴き声が聞こえてくる。
最後にススキの急な斜面が出現し、それを抜けると不思議な建物の横に出た。ふきあげ斎場。もうつぶれて営業していないのか。ただでさえ不気味なのに、少し朽ち果てた感じが余計に怖かった。
車道に戻り、先ほど山から見下ろしたみつえ高原牧場の脇を抜けて曽爾高原へと戻る。牧場では沢山の黒い牛が優雅に草を食んでいた。
曽爾高原の駐車場に戻ると、駐車場は車でいっぱいだった。道路もどんどんやってくる車で渋滞になっていた。やはり早めに来て正解だった。
舗装された歩道を登ってい行くと、一気に視界が開け、待ちに待った風景が目に飛び込んできた。とてもススキの草原が目の前から山の斜面に向かって空間いっぱいに広がっている。どうしたらこんな不思議な風景が出来上げるのだろうか。手前には小さな池も見えた。お亀池だ。池の手前のところで管理人のおじさんが、来客者一人ひとりに、「池の周辺は道が浸水しているから今日はいけないよ。」と声をかけている。これも台風の影響だろうか。しかし、いちいち声を掛けなくても看板を立てておけばいいのにと思う。
お亀池や草原には後からでも行けるので、先に亀山へと登る。草原の階段を登っていく感じ。亀山から亀山峠を通って二本ボソへ。曽爾高原のエッジを歩くようなコースで、高原だけではなく、朝一番に歩いてきた古光山方面までもよく見渡せる曽爾高原の中でも絶景のルートだ。一番高いところまで登って振り返り今一度、曽爾高原の風景を目に焼き付ける。
これから先は尾根沿いに森林帯を進んでいく。程なくして二本ボソ小屋に到着。昔、二本のボソが生えていたことから名前が付いたとか。でも、残念ながら今はその由来となった木は既に無いとのこと。ちなみにボソはブナ科の木の一種。
この近辺は私有地になっているようで、入山料500円と小屋に注意書きがあった。
二本ボソの頂上に立つ。この近辺は馴染みがないため山座同定ができないが、きっと名だたる山も見えているのだろう。特徴的な山がいくつか見えた。
行く手には今日の目的の一つでもある倶留尊山が見えた。日本三百名山の一つで標高1,037 m。「くろそやま」もしくは「くるそやま」と呼ぶ。個人的にはくろそやまかな。
岩尾根をぐっと降り、再び登って山頂へ。古光山の後であれば、どんな急登もへっちゃらな感じ。山頂には10人ほどの人が休憩していた。思ったほど眺望はないが、歩いてきた二本ボソやその奥には古光山の双耳峰が見える。木製のベンチがあったので、一つに腰を掛け昼食をとる。今日もお気に入りのカレーメシ。 :)
殆どの人はここで折り返すようだったが、そのまま尾根沿いに進む。物資運搬用か、モノレールがずーッと延びていた。登山道は直ぐに降りに入る。落ち葉がたくさんで滑りやすい。どんどん勢いよく降っていくと三ツ岩の看板に出た。三ツ岩へは、気持ちルートを外れるがここは外せない。距離はないので絶対に行くべきだ。山の斜面に大きな岩が飛び出していて、そこに立つと倶留尊山の山頂とその断崖がよく見渡せる。まるで屏風のような大きな山であることが分かる。また、足元には里の村落がパノラマのように見える。これから西浦峠を降って、見えている村落を通って曽爾高原まで周遊する。
三ツ岩から西浦峠までは程なくして到着。峠から登山道は右に折れて進む。杉の中を進むと徐々に九十九折に道が変化していく。七曲りと呼ぶらしい。急な斜面が終わり道が真っすぐになるとゴールも近い。森を抜けると田んぼのどかな風景が広がっていた。三ツ岩から見下ろした風景だ。逆に山の方を見上げると、堂々たる倶留尊山が見えた。亀山までの稜線が実に素晴らしい。
その稜線に沿うように舗装された道を辿りながら「くろそ山荘」方面へと歩く。所々にくろそ山荘の案内が出ていたのでどんな立派な建物かと思ったが、残念ながら建物の前には売却の看板が出ていた。もうつぶれたのだろうか。くろそ山荘を過ぎて少し進むと亀山峠に向かう登山口に到着。こちらは利用者が少ないのか、はたまた台風の影響なのか、倒木が結構あった。七曲りほどではないが九十九折りの登山道を登っていく。休憩を入れようかなと思った頃に、峠に到着。見覚えのある亀山峠の看板に、大勢の人。一気に観光地に戻って来た感じだ。亀山峠からは緩やかな階段状の道を降って曽爾高原に降りていく。ススキの穂がたなびく秋の装いだ。高原の中央にあるベンチに腰を下ろして、水分補給をしながら高原全体の風景を楽しむ。念願の曽爾高原。天候は今一つだったが、楽しみにしていた通り素晴らしい場所だった。小粒ながらピリリと辛い古光山から三百名山の俱留尊山まで思う存分楽しめた。
帰りは、お亀の湯でさっぱり。この温泉もとてもよかった。超お勧めだ。

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • 亀山ラインが「あたしんち」のお母さんの髪型に見えますね(笑)。奈良の杉はなんだか立派に見えますね。

  • 田んぼアート的なのも面白いかな。でも、せっかくの景観が台無しになるか。いいところですよ。(^^)

登った山

倶留尊山

倶留尊山

1,037m

古光山

古光山

953m

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