行程・コース
天候
小雨
登山口へのアクセス
その他
その他:
(行き)桑名駅から近鉄線で湯の山温泉駅。送迎車で宿へ。翌朝、送迎車で中道登山口へ(徒歩の場合は湯の山温泉から50分ほど)
(帰り)雨天のため、下山にはロープウェイ利用で行動時間短縮(片道1300円)。ロープウェイ駅から三重交通名古屋行き高速バス 15:14と16:14発の二本(1400円)
この登山記録の行程
中道登山口(10:45)・・・キレット(11:35)・・・富士見岩(12:20)・・・裏道分岐・・・山上公園・・・御在所岳(12:41)[休憩 6分]・・・山上公園(13:00)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
三重県に出張する機会があったので、帰りがけに巨岩・奇岩も楽しい御在所岳に登ってきました。名古屋駅から高速バスでわずか1時間で登山口まで行くことできます。あなたも名古屋方面の出張帰りにぜひ!
金曜日の地方出張、これを登山に絡めない手はないと近隣の山を調べていたら、「二百名山」の一つ御在所岳というなんとも魅力的な山が。土地勘が乏しいところでの山選びには、百名山とか二百名山といったラベルは良い手がかりになってくれる。さすがに出張なので仕事の後に山麓に前泊して登れればと思ったのだが、これまた御誂え向きなことに御在所岳の麓には開湯1300年をうたう湯の山温泉がある。出張準備よりも先に、宿の予約と登山計画を先に作ってしまった私。
一応日帰りも可能な出張だったので、泊まりのような荷物を抱えて現れた私に、仕事先も少しいぶかしんだかもしれない。実はゴロゴロ転がしていったキャリアーの中には、登山靴やらザックやらが詰め込まれていたのだ(笑)。
無事仕事を終えて、バスと近鉄電車を乗り継いで湯の山温泉に到着。あいにく雨が降り始めたが、明日は昼過ぎから天候も回復傾向という予報で、まあなんとかなるさと、単純低放射線泉というさらりとしたお湯を楽しむ。悩ましいのは天候。御在所岳の中道コースを登ろうと計画したが、ここは鎖場もあるので雨は少々厄介そう。午後に雨が上がるという予報を前に、それなら思い切り遅く出発して登り、帰りはこの際ロープウェイで下ってしまえば暗くなる前に下山できそうだと、胸算用をして寝た。
翌朝、窓の外を眺めると篠突く雨、山にはべったりとガスが絡んでいる。相変わらず午後には雨雲が抜けるという予報で、ゆっくり朝ごはんを美味しくいただき、温泉に浸かった。宿の好意で、中道登山口まで車で送ってくれるというので、1時間弱の歩行を短縮でき、その分下山時刻を気にせずに天候回復を待つことができた。冬季閉鎖中の鈴鹿スカイラインとの合流点手前まで車で送っていただき、11時前から登山開始。相変わらず雨は降っているが小雨だし、登っていればそのうち雨も上がるはずという予報が気持ちを軽くしてくれる。
風化した花崗岩の登山道は、とてもよく整備されていて歩きやすい。レインウェアを上だけ羽織って登るが、しばらくすると暑くなるし、小雨でもあるので、それも脱いで登る。雨のこんな遅い時間からの登りで、出会ったのは先行していた女性の二人連れのみ。静かな山歩きである。時折濃い霧の中にロープウェイの赤いゴンドラが、音もなく中空に現れる中を変化に富んだ岩がちの道を登る。ガスの切れ間に鎌ヶ岳の鋭鋒が見える。おばれ(負われ)岩や地蔵岩などの奇岩・巨岩も目に楽しく、1212mという標高からは想像できないほどアルペン的な雰囲気だ。岩の上に立って見下ろすと湯の山温泉の先に濃尾平野が広がり、揖斐川や木曽川、遠く四日市工業地帯の煙突群、名古屋の高層ビル群、果ては伊勢湾までが眺められた。雨で鎖を掴む手は少し滑るが、風化してザラザラした花崗岩を新調した登山靴が小気味良くグリップしてくれ、足運びには不安はない。
中道コースを登る場合は、キレットを「下り」で通過することになるが、これも慌てずに注意深く進めば問題はないだろう。時折雲が割れて青空のかけらがのぞいたりもしたのだが、概ね小雨が続いた。しかし、中道コースは峨々たる奇岩や、鎌ヶ岳などの展望、キレットのスリルなど大いに楽しめた。雨でも登ってよかったと心から思えた。
登山口から1時間半ほどで富士見岩に飛び出せば、もうそこはロープウェイで登って来た観光客も散策する平かな山上園地で舗装路。登山も事実上この辺りでおしまいだ。子供のそり遊び用の人工雪などを眺めながら、強い風と霧の中を御在所岳山頂に進む。舗装路から離れて階段を登り詰めれば、山頂だ。あいにくのガスで、ここから見えるはずの琵琶湖などの展望はない。
ロープウェイ駅に戻り、名物のカレーうどんをいただきながら、ガスの切れ切れに現れる鎌ヶ岳など鈴鹿の山並み、眼下に伸びるロープウェイ、それに並行するように走る花崗岩の奇岩が植えられたような中道登山コース、濃尾平野から伊勢湾までの大展望を楽しむ。雨でもこれだけなのだから、これは四季折々に楽しめる良い山だろう。春にはアカヤシオやシロヤシオも咲くという。
風が強まり、ロープウェイも間引き運転になるというアナウンスを聞きながら、ゴンドラに乗り込んで下山。ゴンドラからも違ったアングルで奇岩や展望が楽しめ、2時間かけて登った山を12分で下る。荷物を預けた宿で、再び露天風呂にゆっくり浸かり、汗を流した後で名古屋行きの高速バスに満足な心持ちで乗り込んだ。
今回は出張帰りに立ち寄った形だが、首都圏からも新幹線と名古屋からロープウェイ湯の山温泉駅までの直通高速バス(片道1時間、1400円)が運行されているので、名古屋前泊でも十分に登山の対象になるいい山だと思う。名古屋駅前(名鉄バスセンター)から高速バスでわずか1時間ということは、都心から奥多摩や丹沢にアプローチするよりもずっと簡単に行けるということだ。
アプローチを計画する上で、以下のHPが参考になった。記事の中で「三交湯の山温泉」と記されているバス停は最近廃止され、現在は「湯の山温泉・御在所ロープウェイ前」までを結んでいる。
https://littlemountain.biz/tozanguti/6145.html
最新の時刻表など三重交通のHPはこちら
http://www.sanco.co.jp/highway/yokkanagoya/
みんなのコメント