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【2日目】とんでもない私は会津駒ケ岳に行きますよ(会津駒ケ岳~中門岳~燧ヶ岳~尾瀬沼~沼山峠縦走)

会津駒ヶ岳、中門岳、燧ヶ岳( 関東)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 通常は会津駒ヶ岳・滝沢登山口付近の林道に路肩駐車するのが一般的。今回は、縦走したのちバスを使って戻ってくるため、起点を桧木岐村役場前駐車場とした。バス停のすぐ脇に駐車場があり、綺麗なトイレもあって便利。1,000円という情報もあったが、利用にあたっては特にそのような看板もなく結果的に無料で使えた(少なくとも張り紙も有料の看板もなかった)。

この登山記録の行程

駒の小屋(03:00)⇒(富士見林道)⇒大津岐峠(04:02)⇒(大杉林道)⇒巡視小屋(05:13)⇒大杉岳(1,921m)(06:00)⇒御池登山口(06:40)⇒御池(尾瀬御池ヒュッテ)(06:47)(休憩~07:30)⇒広沢田代(08:09)⇒五合目(08:32)⇒熊沢田代(08:42)⇒八合目(09:35)⇒爼嵓(2,346m)(二等三角点)(09:59)⇒芝安嵓(2,356m)(10:33)⇒爼嵓(10:50)(休憩~11:20)⇒沼尻平(11:39)⇒(尾瀬沼周遊道・北岸道)⇒浅湖湿原(13:14)⇒尾瀬沼ビジターセンター(13:27)⇒大江湿原⇒沼山峠展望台⇒沼山峠(山の駅「沼山峠」)(14:43)

コース

総距離
約22.7km
累積標高差
上り約1,523m
下り約1,877m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

【1日目】はこちら
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=171545


【2日目】
2:30に起床。眠っている方を起こさないよう、静かに布団をたたんで(実際は丸めただけ。大雑把ですみません)抜き足差し足で部屋を出る。が、頭を踏まないように足元に集中していたらドアに激しくぶつかってしまった。恥ずかしい。
玄関のところで身支度を整える。宿泊者には、無料で雨水を分けて頂けるとのことだったので、念のため飲み干していたお茶のペットボトルに1本分だけ補給させてもらう。
計画通り3:00に出発。一瞬、星空が見えたが、すぐに霧の中に隠れてしまった。日の出前というのに、湿度が高くムッとする。
小屋の看板を見上げ、心の中でお礼を言う。こんなに居心地のよかった山小屋は数少ない。常連さんが集うのもよくわかる。さすが駒の小屋。「楽しい想い出ができました。ありがとう。」
ヘッドライトを点けて歩き出す。途端に激しいほどの虫が集まってくる。口の中どころか、耳や目の中にも飛び込んでくる。たまらずライトを消したくなるが、真っ暗闇でさすがに歩けない。ライトを手に持ち替えて足元だけを照らすと、虫も下に移動して幾分かましになった。
今日は、尾根伝いに大杉岳方面へと縦走し、そのまま御池へと抜けて燧ヶ岳を登ってから尾瀬沼、そしてゴールの沼山峠を目指す。距離があるので、太陽が出る前にできるだけ距離を稼いでおきたい。
まずは、富士見林道と呼ばれる登山道を使って大津岐峠を目指す。心配していた道も比較的綺麗に整備されていたので、ヘッドライトの明かりでも十分歩くことができた。
木道が出現したので、周辺を照らしてみると、霧の中に草原が見えた。大津岐峠までの間にもお花畑のポイントが幾つかあると聞いていたが、きっとこの辺りがそうだろう。できれば朝日とともに幻想的な風景の中を歩きたかったが、今日の最優先は燧ヶ岳からの眺望。雲がかかる前にはたどり着きたい。
こうしている間にも容赦ない虫の攻撃が続く。池塘があるならモウセンゴケもあるはず。「頑張れ!モウセンゴケ!」。
登山道が歩きやすかったためか、虫から逃げるように一心不乱で歩いたのが良かったのか、大津岐峠へは1時間で着いてしまった。ここは分岐点になっていて、キリンデへと降るのが一般的なコースのようだが、自分はそのまま真っすぐに大杉岳を目指す。
大津岐峠から先は、大杉林道と呼ばれる登山道になる。極端に登山者が減るせいか、道が荒れてきた。見失うことはなかったが、草で滑らないよう注意して歩く。
4時半ごろになると、周辺が少しずつ明るくなってきた。振り返ると、朝もやが真っ赤に染まっていた。白墨画に朱の色を加えた感じで、うっとりする美しさだ。日の出も近い。
目の前に大きな送電線の鉄塔と白っぽい建物が見えてきた。巡視小屋だ。もうこの頃には完全に太陽も顔を出していて、明らかに昨日よりも強い陽射しで照らしていた。
巡視小屋を過ぎたところで、遠く前方に大きな山が飛び込んできた。整った2つの頂がある。まぎれもなく燧ヶ岳。双耳峰とは知っていたが、ここからだとこんなにカッコよく見えるのか。
少しのアップダウンを経て大杉岳へと到着。どこが山頂だかよくわからない場所に、看板だけが設置されていた。眺望はなし。
ここから先は、御池まで一気に降っていく。時折、樹々の間から燧ヶ岳の頂が見えた。少しずつ輪郭が大きくなっているが、まだまだ遠い。
眺望の無い樹林帯をひたすら降りていく。「まだか?」と思ったころ、ようやく舗装された道路が見えてきた。道路に飛び出たものの、標識らしいものが何一つなかった。地図で尾瀬御池ヒュッテを確認すると、登山口を出て道路を左側に進むらしい。5分ほどくねった道を歩いていくと、ヒュッテの大きな建物とこれまた広々とした駐車場が目に入ってきた。さすが、尾瀬の起点の一つだけあって規模が大きい。時間は、7時前。予定よりだいぶ前倒しができた。
今回のルートは水場が少ないと書いたが、ここまで来てしまえば、ポイント毎に休憩所があり自動販売機で飲み物を購入することができる。水は十分にあったが、折角なので「なんとかの桃水」を買ってみた。200円也。キンキンに冷えていてめちゃくちゃ美味い。
ここで大トラブル発生。朝食をとろうとザックをまさぐっていた時、なんと携帯がないことに気が付く。最初はどこかに埋もれているとタカをくくっていたが、荷物を外に出すにつれ血の気が引いていく。ないものはない。しばし茫然。そういえば出発時、身支度をする際にライト代わりに使っていた。ひょっとして小屋に忘れてきたか?!。
バックアップという訳ではないが、仕事用の携帯も持ってきていたので、駒の小屋に電話を入れてみる。電話口のご主人に事情を説明するが、願いむなしく玄関脇にはそのようなものはないとのこと。携帯の特徴を伝えて、もしあった場合は連絡を頂けるようお願いした。小屋にないとなると、ここまでの縦走で落としたか?途中、行動食をとるのに何度かザックを開けたので、可能性はゼロではない。落としたとしたらどこだろうか??
現在、7時。時間を考えると十分、来た道を戻ることはできる。「さて、どうするか。」一瞬、考えたが、ここで再びパク(引用)って「いいえ、とんでもない。私は燧ヶ岳に登りますよ。」だ。どうしても燧ヶ岳に登りたい。来る途中にカッコいい双耳峰を見たからにはなおさらだ。探してないものはない。とりあえずは目前の山にフォーカスしよう!!
朝食を済ませて行動開始。燧ヶ岳への登山口は駐車場の奥にあった。尾瀬らしい木道が延びている。このまま真っすぐに進むと尾瀬ヶ原方面。そのまま進みたくなるが、数100mほどのところで燧ヶ岳へと左に折れる。
木道が途端に細くなる。斜面にたどり着くと小さくアップダウンを繰り返して暫くは水平移動となるが、そのうち岩がゴロゴロした急登が始まる。それもそのはず。この御池登山口ルートは途中に2つの湿原、つまり平地を通過しながら高みを目指す。つまり、坂の部分はその分、急斜面を駆け上がることになる。一般的にも健脚コースとして紹介されている。
水の量を3Lほど減らしたので、昨日よりも全然身体が軽い。急登ハンターとしては、俄然、やる気が出てくる。汗をかきながら、「うへーっ」と言いつつも重力に逆らい身体を押し上げていくこの感覚がたまらない。
駒の小屋で出会った常連さんが、このルートを地獄と天国の繰り返しと表現していた。もちろん地獄は急登で天国は湿原を指すのだろう。急登を登り、現れた木道に沿って歩いていくと、一瞬で視界が開け大きな空間が出現した。1つ目の天国、広沢田代だ。昨日の会津駒ケ岳から中門岳へかけてのコースも良かったが、こちらもこちらで違った趣があり素晴らしい。昨日より青空が濃いので、緑の草原と点在する池塘のコントラストが一層映える。
再び地獄の急登が始まり、次の天国を目指す。2つ目の天国は、熊沢田代。悠々とした燧ヶ岳の頂をバックに、広がる湿原の風景もまた実に絵になる。
熊沢田代を抜けると、いよいよ山頂までの最後のラストスパート。まさに地獄と呼んだ常連さんの気持ちが分かる。特に8合目からが異様に長く、途中、お腹が空き過ぎてシャリバテ状態になってしまった。それでもなんとか持ってきた桃のジュレ(買う時にゼリーと比較して悩んだが、結果的に食べやすくのど越しも良く正解だった)を流し込こんで、元気復活。
双耳峰の頂の一つ、俎嵓へ到着。
最後のひと登りで、目に飛び込んできた風景をきっといつまでも忘れないだろう。左手側には濃い緑に囲まれた尾瀬沼。真正面には燧ヶ岳の最高峰、芝安嵓。そしてその左先にはどこまでも続く尾瀬ヶ原。こんな贅沢な風景があるなんて。至仏山は残念ながら雲に隠れていたが、以前、その至仏山から燧ヶ岳を見て、いつか登り反対側からの風景も眺めてみたいと思っていた。ついに達成だ。振り返ると、今日歩いてきた会津駒ケ岳が遠くに霞んで見える。あんなところから歩いて来たんだと、こちらもこちらで達成感が湧き上がってくる。まったく人間って凄い。
折角なので、尾瀬ヶ原をもっと間近に見ようと、芝安嵓へも足を運んでみる。目の前に見えているものの、カッコいい双耳峰=鋭角に降って登らなければならない。片道20分というが、地味にしんどい。ただ、芝安嵓からの尾瀬ヶ原の全景はぜひ見るべきだ。その解放感は行ってみないと味わえない。
再び、俎嵓へと戻り昼食をとった後、今度は長英新道コースを使って尾瀬沼方面へと降っていく。この時、駒の小屋から2度ほど着信があったことに気が付いた。「ひょっとして!?」と思ったが、圏外だったので携帯が入るところまで急いで降りてみる。果たして、はやる気持ちで電話をかけると、ご主人の「ありました!」の一言に「良かった~!」と安堵。週末に奥様が下山されるとのことだったので、着払いで送付いただけるようお願いし快諾を頂いた。ご迷惑をおかけして本当にすみませんと深く反省とともに、そんな間抜けにも親切丁寧な対応を頂き、ただただ感謝。
携帯が見つったということで、気持ち120%で登山を再開。尾瀬沼をめがけて加速するように降りていく。登山道はよく整備されているが、降りはそもそも苦手。ダレルほどに長い道のりに思わず「もういやー」と森の中で叫んでしまった。特に、もういい加減下山しただろうと延々歩いた時に出てきた「一合目」の看板には大ショック。さらにそこから沼に出るまでが長く、道を間違えたのか?とさえ思ってしまった。
ようやく森を抜けて尾瀬沼を周遊する木道に合流。ここにも湿原が広がっている。
尾瀬沼周遊道の北岸道を通り、浅湖湿原へ。ひときわ大きな湿原で振り返ると降ってきた燧ヶ岳が遠くに見えた。なるほど降ってからがとんでもなく長かった訳だ。また、会津駒ケ岳方面から見た時は綺麗な双耳峰だったが、こちら側からはポコッ、ポコッ、ポコッと3つのピークが確認できる。尾瀬と燧ヶ岳のポスターによく使われる風景はまさしくここか。プチ感動。
ニッコウキスゲの群生地としても有名な浅湖湿原。さすがにキスゲは終わっていたが、広沢田代などでは見られなかったクルマユリもいっぱい咲いていた。
瀬沼ビジターセンターに立ち寄ると、登山者以外にも大勢の観光客でにぎわっていた。土産物屋で尾瀬ならではのグッツを物色するが、これと言ったものがなかったので、代わりにアイス「ガリガリ君」を購入。ペットボトルが400円する中、150円と良心的な値段が嬉しかった。でも、よく考えたら、だいたい倍の値段設定か。
ここまで、コースの標準タイム以上で歩いてきたためかなりの余裕ができた。おかげで予定していたバスよりも1本早いやつに乗れそうだ。折角できた余裕なので、今回の旅の余韻に浸りながら、ゆっくりと風景を楽しみつつ大江湿原を通って終点、沼山峠へと向かう。。。
追記1:大江湿原の終わりにあったゲートから峠も異常に長かった。でも無事、一本早い15:50のバスに乗れました。1,050円也。
追記2:温泉は燧の湯を利用。結果論だが、駒の湯の方がよかったか??
追記3:記念に名物「裁ちそば」を食べようと思ったが、どこも閉まっていた。残念。でもなぜ??

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • いやー、一つのことにとらわれない精神(携帯忘れ)は、山で培われたのですか?なんとも山は偉大ですね。

  • 大丈夫、これで誰が死ぬわけじゃないしっては昔っからよく言ってたけどね。^_^

  • ロングコースお疲れ様でした。
    毎度毎度ロングに驚きながら、楽しく拝聴してます

  • ジュンさん、こんにちは。コメント有難うございます。絶景の中ならどこまででも歩きたいですね。^_^
    もうテント泊行かれましたか?
    良い山旅を^_^

  • あれから甲斐駒ケ岳、仙丈ヶ岳に1泊。
    北岳から農鳥岳へ2泊3日の縦走テント泊を楽しんできました。

  • 甲斐駒ケ岳に仙丈ケ岳。いいですねー。好きなところです。さらに北岳。もうよだれが出そうですね。^_^
    テント泊満喫されてますね。^_^

  • 会津駒〜燧ケ岳、尾瀬と天国の登山道ですね。
    いつか歩いてみたいです(^。^)

  • そうなんです。尾瀬ヶ原から燧ケ岳のコースも登って見たいと思っています。お待ちしてますよ(^^)

登った山

燧ヶ岳

燧ヶ岳

2,356m

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