行程・コース
天候
登山口へのアクセス
この登山記録の行程
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
1日目
9:06栂池パノラマウェイ 自然園駅
10:24天狗原/白馬岳神社
10:31風吹大池方面分岐
11:40乗鞍岳
12:05白馬大池山荘12:22
13:22船越ノ頭13:27
14:26小蓮華山14:34
15:12三国境
16:05白馬岳16:09
16:22白馬山荘
2日目
5:44白馬山荘7:00
7:19白馬岳7:25
7:55三国境
8:23鉱山道分岐
9:13雪倉岳避難小屋
10:00雪倉岳10:12
11:35ツバメ岩
12:15水平道分岐
13:42水谷のコル
13:51朝日小屋
3日目
4:13朝日小屋
4:19水谷のコル
5:13朝日岳5:19
5:42吹上のコル5:46
6:06照葉ノ池
6:51アヤメ平
8:01黒岩平
8:17黒岩山8:21
9:41サワガニ山
10:19北又の水場10:28
11:19犬ヶ岳
11:28栂海山荘11:50
12:39黄蓮山
13:04黄蓮の水場13:25
13:40菊石山
14:16下駒ヶ岳14:26
16:01白鳥山避難小屋
4日目
5:48白鳥山
6:08山姥平
6:42シキワリの水場7:01
7:07金時坂ノ頭
7:40坂田峠7:54
8:36尻高山
9:44二本松峠
11:04親不知 栂海新道登山口
11:53親不知観光ホテル
【プロローグ】 はるか昔、後立山連峰から縦走して日本海に出られると教えてもらった。数日を要し、日本海までの栂海(つがみ)新道は体力的にとても厳しいコースとも聞いていた。結局、学生時代には行くことが出来ず、憧れたままのコース。南アの北岳―仙丈岳を縦走できた今なら行けるかもしれない。逆に時を逃すと体力的に厳しくなって行けないだろう。そんな思いで、今年実行しようと計画を立てていた。
参考になるのは、栂海新道起点近くの朝日小屋のホームページ、数々の山行記録。白馬岳から日本海へ、少しでも体力的に楽なSummit to seaにした。
白馬山荘、朝日小屋に泊り、3泊目は無人小屋にも泊まって日本海へ。全長50km余り。4日行程なら1日の平均行動時間は9時間程度、距離は13kmくらい。無理のない行程であるが、数値には表せないハードさがあると聞く。朝日小屋から北に向かう栂海新道は稜線を巻かないアップダウンの連続。最終泊が無人小屋になるので、食料や水を最後まで担ぐ必要がある。また、熊さんも近くに居るらしい。最後は低山ゆえに暑さ、虫なども待ち構えている。暑さに強くない私が行くなら雪が降り出す前の秋しかない。
一方、荷物は出来るだけ軽量化しないと激しいアップダウンの連続に耐えられないだろうが、水は十分に確保したいし、無人小屋の宿泊で満杯だったことを考えてツエルト一式も持参することにした。水を入れずに、ウエストポーチを含め12kg超。それに水が加わる。持参品をエクセルでリストアップし、それぞれの重量を合計して、あれこれ入れ替えて軽量化してみるが、どうしても重量を下げられなかった。下手くそだなあ。自宅で娘に説明しながらザックに詰めていく。娘が「お父さん、気を付けて」。何度も言う。ザックを持ってみる。飛び跳ねるくらいのことは問題なくできるが、長時間の山のアップダウンに足腰が耐えられるだろうか。マイカーでのアプローチではないため、一旦、家を出たなら、最後まで持ち帰らなくてはいけない。夏の南アの仙塩尾根縦走が少し自信になり、勇気をもって実行することにした。
【1日目】活動時間07:35:00 活動距離10.5km 累積標高(登り/下り)1,456m / 441m 3828kcal
有給を使って18日夜行バスで出発。気になる天気予報は、前半2日は前夜の雨から回復して晴れ~曇り、後半2日は曇り~雨。特に台風の接近も気になるところ。
夜行バスは、ザックの登山者が多いが、もう少し小さなザックが多い。できればそうしたかったなあ。今回のザックがグレゴリーパラゴン58。テン泊並みだ。
バス終点の栂池高原は学生時代に何度もスキー合宿で訪れたところ。7:30に到着しゴンドラ&ロープウエイ乗り場に向かう。先頭から15番目くらい。あとから人が増えてきて発券の際は30名くらい。今日はゴンドラ&ロープウエイの始発の遅さが律速になる。これくらい並んだら早めに乗せてくれるかと期待したが、定刻通り8:00に乗車開始であった。ゴンドラに同乗した大きなザックの若者は登山を始めて間もないそうで、今日は白馬大池でテン泊の予定。丁度、お手頃なルートだと思ったが、今朝は天候が悪く、山の上はまた、雨模様。これから止んで良い天気になるはずなのだが。
ゴンドラ降り場に到着したが、ロープウエイ乗り場まで、少し距離がある。始発は8:30で、20分間隔での発車なので、重いザックでも小走りで急ぎ、少し待ってくれた始発に乗れた。
ロープウエイ終点はガスの中。準備して外に出ると雨も降っているが、僅かなのでザックカバーだけ着けて、そのまま歩く。栂池自然園は1900m。この辺りを散策する方々も多いようだ。どうりでザックが小さい。
ここから天狗原2200mへ。亡き家内と結婚前に白馬大池まで登り、蓮華温泉に回って一泊した。当時にはゴンドラはあったが、ロープウエイはなく、夜行バスで栂池自然園の辺りまで来られたのだが、ロープウエイの運行とともにバスが入らなくなったのだろうか。雨は止んだが、蒸し暑い樹林帯で標高を上げるとゴロゴロと大きな石の上を登るが、歩きにくい。うーん、かなり前のためか、全く覚えがない。こんなところをかつて登ったのかなあ、と思いながら進む。
天狗原の湿原まで来ると、天候は回復し、きれいな湿原の木道を歩くと、雲上の天国。いかにもアルプスに来たのだと実感する。ここまで、やや遅めのペース。今日は白馬山荘まで。天気は良いし、白馬岳を越えるし、距離もあるので、呼吸を整えて登る。現時点ではポリタン(1500mLと900mL)に水を入れず、500mLボトルを4本だけ持参。これで持つだろう。それでもザックは十分に重い。
風吹大池との分岐点を過ぎると白馬乗鞍岳への登り。大きな岩の堆積した斜面を登る。まだまだ序の口、エネルギーをロスしたくないので、ペンキのマークを外さないように登る。ケルンのある白馬乗鞍岳頂上付近から小蓮華山、その先の白馬岳が見える。先に見えるきれいな白馬大池まで下りて、小屋の前でコンビニのおにぎりで昼食。テントが張られている。雨上がりの良いお天気だし、ここでのんびり過ごすものいいなあ。ゴンドラで一緒だった若者もいい山旅が出来そうだ。
ここから、いよいよ雷鳥坂から小蓮華山への登り。NHK坂の上の雲のオープニングに使われた稜線を登る。森麻季のStand aloneが浮かぶ。凛とした彼女の歌い方がドラマにピッタリだったなあ。まずは手前の船越ノ頭まで高度を上げる。その先もいくつかのピークを越えていく。若い女性2名が、なかなかのスピードで追い抜いて行く。荷物量が違うので、抜かれるままであった。てっきり、白馬山荘まで行くのかと思ってたが、小蓮華山から引き返されてきた。
小蓮華山への素晴らしい稜線を登り、左にでっかい白馬三山、その南方の唐松、五竜、双耳峰の鹿島槍、かつて縦走した山々が一望できる。右にはこれから進む雪倉岳、朝日岳など大きく見える。あの山々に登り、その先の北を目指すのかと思うと、ワクワクもするしどのくらい大変なのかなあと、多少不安にもなる。でも、眺望に恵まれ、天候の不安もなく、ザックの重さにも十分に耐えて、ゆっくりだけど確実にマイペースで登れているので気分が滅入ることはなかった。
刀剣のある小蓮華山からは大きく下り、最低鞍部からしばらく登り返すと三国境。ここから200m登れば白馬山頂だ。既に太陽の力は落ち、西風が強いこともあり、結構冷えてきた。私は夏と同じ格好でいるが、ヤッケ類を着こんでいる方が大半だ。そのまま、寒さを我慢して登りきる。途中、馬の背が出てくるが、他の山の馬の背と異なり狭い岩尾根ではなく、落ちる心配はない。白馬岳手前の偽ピークから少し時間を要して白馬山頂。お久しぶりです。今日はずっと360度の展望を満喫しての登山だった。風が強くて寒いので、目の前にある白馬山荘まで下りて終了。夕食は17時から。豚汁とご飯はお代わり自由で珍しく2杯いただいた。生姜が効いた豚汁がおいしかった。
全体で70名くらいの宿泊だった。部屋は4人で一室。布団を敷いて荷物を横に置いて十分なスペースがあった。掛け布団は薄く、毛布は無かったのでフリースを着こんで寝た。昨夜は夜行バスで睡眠不足だったので、ここでしっかり休めてよかった。
【2日目】活動時間08:27:00 活動距離15.5km 累積標高(登り/下り)1,328m / 2,011m 4281kcal
今日は白馬岳の南西、山荘の目の前に圧倒的な存在感を示している旭岳に登ってから、朝日小屋に向かうことにした。朝食を頼まず、持参した食料を少しでも消費してザックの重量を下げたかったのだが、水道がまさかの凍結。昨夜のうちにポリタンに水を確保すべきだった。うかつだった。食堂のお湯を頂いて、パンなど食べたが、ザック重量をあまり減らせなかった。
山荘から下って、清水岳方面の進路をとり、旭岳を目指したが、「登山道はありません。立入には許可がいる」との立札が・・・。さらにもう少し先の古い黄色ペンキの旭岳の目印の場所から登れそうか確認したが、急なガレで小石など浮いており、下りが結構危険と感じて退散することにした。百高山なのだが、立ち入るのが不法行為になるのでは仕方ない。トライだけはしたので納得して山荘に戻った。途中、霜柱があったので昨夜は相当冷え込んだみたい。
山荘に戻ると、既に登山者は出発されていて、玄関は誰も居らずガランとしている。さあ、ここから本番。白馬岳から雪倉岳を経由して朝日小屋へ。今日の行動時間は短いので、明日のハードな行程に備えて体力温存してゆったり歩き、小屋で充分休養しよう。
白馬岳山頂は相変わらず西風が強い。ジャケットを着こんで昨日通った三国境へ。ここから雪倉岳に向かう。ルートはよく見えているのだが、誰も見えない。もっと、人気のあるルートだと思っていたのだがなんで誰も居ないの? 自分の出発時刻が遅いためなのか。ザレ場を下降し、手前にそびえる鉢ヶ岳を巻いて、雪倉岳へ。向こうから、精悍な若者がやってくる。親不知からやってきたそうだ。アヤメ平らから先はぬかるんでいるので注意とのアドバイスをしてくれた。ありがとう。
雪倉岳避難小屋(緊急時以外は使用不可)手前には緑泥岩だろうか、鮮やかな緑色の堆積岩が特徴的に見られる。他の場所にはこんなところはなく、もう少し登ってから見返しても、そこだけ灰緑色の地面になっている。不思議だ。
ここからの登りはゆったりとしていて楽しい。マイペースで登ると、先行する1名が見えてきた。時間帯から考えて朝日小屋行きだなあ。これで一安心。下から見えたピークからしばらく先に雪倉岳山頂があった。ご夫婦かな、朝日岳方面から登ってこられて、風下で休憩に入られた。ここからはカールを見ながら長い下降。延々と続く下降で足が疲労してきた。長いなあ。左前方の山の上に朝日小屋が見える。そこよりかなり下まで下降する。ああ、そんなに下がらないでくれ。途中で休まれている先行者に追いつき、「この下りは堪えますねえ」と話をする。お先に行かせていただいて、どこかで休憩することにした。
樹林帯に入り、最低鞍部から手前の山を左に巻きながら道が続く。途中、池塘のある湿原やツバメ岩のガレ場は楽しい。その先で朝日小屋への水平道と朝日岳へのルートに分岐する。朝日岳は明日に登るので水平道を選択。といっても水平は名前だけ。激しく上下を繰り返す。途中の湿原へのルートも変更されていて、以前より見える場所が少ないのかもしれない。それでも木道で通る湿原には癒される。水場は沢になっており、一つ目は枯れていたが、二つ目は十分な水量があり、クールダウンできた。その先の沢で休まれている先行者もう一名にも追いついて、小屋にはほぼ同時刻に着いた。
朝日小屋管理人の清水さん
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