南アルプスデビューは『女王』仙丈ケ岳に挑戦することにしました。仙流荘から北沢峠まで南アルプス林道をバスで約55分、一気に標高約2000m地点まで上がります。
こもれび山荘は北沢峠バス停前、仙丈ケ岳や甲斐駒ヶ岳の登山口にあります。
ここで前泊し、翌朝いよいよ登頂開始。登山道はほぼ急登の連続ですが、六合目で森林限界を越え、見晴らしが良くなります。ここから仙丈ケ岳までは絶景で久し振りに好天の登山となり、北岳の向こうに富士山もきれいに見えました。
仙丈ケ岳山頂では、北アルプス、中央アルプス、八ヶ岳などが一望でき、達成感もひとしおでした。
仙丈小屋で昼食を食べようと思ったら、ランチ営業はしていなくて、カップラーメンになってしまったのが残念でした。水も枯れていて、丁度予約の電話対応をしていて洗顔や歯磨きのうがいの水も持参するように話していました。
下山道についてスタッフに尋ねたところ、藪沢ルートが淡々とした下りで一番楽だということで、そちらに変更しました。ところが沢沿いの道も勾配は一定ながらも結構急降で、石が多くて歩きにくくて思っていたより距離感がありました。
大平山荘の前で初老の男性がベンチに座っていて(山荘の御主人?!)、林道ではなく林間の道を上って行った方が近道だと教えてもらいました。最後に頑張って上りきり、林道に出て、北沢峠に戻って来た時は、最終バスの7分前!何とトータル9時間超の山行は今までで一番の長時間歩行となりました。
詳細は以下の通り。
【仙流荘バス停】
仙流荘と駐車場の間にバス待合所の建物があり、バスチケットはこの中にある券売機で購入します。往復券の購入もできます。待合所の中で仙丈ケ岳・甲斐駒ケ岳のピンバッジ、お土産類、お菓子、おやき、うどん・そばを販売しています。
南アルプス林道バスHP
http://www.inacity.jp/kankojoho/sangaku_alps/minamialps/minamialps_jikokuhyo.html
【こもれび山荘】
玄関を入って左側に受付があります。宿帳カードに記入して、宿泊費を前払いします。
1泊2日二食付き9,500円/人。
その奥に食堂(横長に木のテーブルとベンチ椅子)と図書スペースがあり、食堂の先右奥にカイコ棚形式の二段ベッド、突き当りのドアを入ると正面に洗面台(蛇口2個)、右手に男子トイレ、左手に更衣室(元シャワー室)と女子トイレがあります。
日曜日で宿泊客は12名。夕食は17:00~、消灯20:00、朝食は4:00~5:30で30分毎に希望の時間帯で食べられます。私たちは4:30~でした。6:00チェックアウト。
夕食メニュー:スープ、ロールパン、野菜サラダ、ペンネトマトソース、塩鮭のフライ・タルタルソースかけ、ご飯(お替り自由)、チーズヨーグルト、お茶
朝食メニュー(ビュッフェ形式):鮭の塩焼き、卵焼き(鮭と卵は一切れずつ)、きんぴらごぼう、青菜の漬物、昆布の佃煮、椎茸の煮物、梅干し、ご飯、味噌汁、お茶
こもれび山荘 HP
https://www.ina-city-kankou.co.jp/yamagoya/kitazawa/
【登山口~五合目(大滝の頭)】
バス待合所横の登山口の他に、少し坂を下った所にも登山口があります(二合目方面標識あり)。
私たちはバス待合所横から登り始めました。出発時点で既に外は明るかったのでヘッドライトは使用せずに済みました。山に朝日が当たって綺麗でしたが、森林に邪魔されて山だけの写真は撮れずに残念でした。写真では斜面が急な様子が伝わって来ないのですが、林間コースの急登です。
【五合目~小仙丈ケ岳(標高2864m)】
六合目が近づくと森林限界を越えて周囲の山々が見え、六合目からは正面に小仙丈ケ岳が見えてきます。少し紅葉が始まっています。小仙丈ケ岳の山頂からは、目指す仙丈ケ岳と小仙丈カール・仙丈藪沢カールが見え、とても美しい山容に心が弾みます。
【小仙丈ケ岳~仙丈ケ岳(標高3033m)】
小仙丈ケ岳からは急なガレ場を一旦下り、尾根を登り返します。一つ目のピークからは山の裏側を巻いて二つ目・三つ目のピークを越えて、四つ目のピークがようやく仙丈ケ岳山頂です。南側には北岳と富士山、東側には甲斐駒ヶ岳、そして日本アルプスと360度の眺望がとても素晴らしく、疲れも吹き飛びました。
【仙丈ケ岳~仙丈小屋】
山頂からは下に仙丈小屋が見えます。仙丈藪沢カールを周りながら急な下り坂で、既に足の指や爪先に痛みが出ていたこともあり、時間がかかってしまいました。
仙丈小屋では、ビール・ジュース・コーヒー・カップヌードルしかなかったのが想定外でした。外には木のテーブル&ベンチがありましたが、日差しが強かったので、階段で2階に上がり小屋の中でカップヌードルを食べました。トイレは1階の奥に男女別にありました(200円)。
【仙丈小屋~馬の背ヒュッテ】
仙丈ケ岳とはおさらばとなり、林間コースに入ると馬の背ヒュッテがあります。こちらもメニューは仙丈小屋とほぼ同じですが、正面を右に折れると先に流し台と木のテーブル&ベンチがあります。流し台では飲料水を汲むことがことができました。私たちはここで魚肉ソーセージでたんぱく質補給をしました。
【馬の背ヒュッテ~大平小屋】
馬の背ヒュッテから10分位下ると、大滝の頭(五合目)方面と藪沢 重幸新道方面への分岐があり、私たちは藪沢ルートを下りました。沢沿いの岩がゴロゴロした道を延々下って行きます。分岐から30分位下った辺りに右手に小さな滝があり、ここで小休止。ゼリー飲料で栄養補給しました。さらに30分位下った所で、沢に丸太橋が架かっていて渡って反対側へ出ます。この後は沢の崩落地帯を避けるように登山道を登って行きます(伊那市の看板あり)。その後は下りとなり、最近設置されたばかりと思われる金属製の階段があります。足先を痛めていたのでコースタイムを大分オーバーしてしまい、
標高差がなくなった地点からは最終バス(16:00発)の時間が迫っていたのでスピードアップして必死で歩きました。
【大平小屋~北沢峠】
大平小屋の先の林道(バス通り)の脇に北沢峠への近道の標識があり、そちらを進みましたが、つづら折りの上りで疲れ果てた身体にはとても急に感じました。10分位で林道に出てカーブを曲がると正面奥にこもれび山荘が見え、北沢峠にやーっとの思いで戻ってくることが出来ました。
藪沢ルートと藪沢小屋経由の大滝の頭ルートとどちらを選択すれば良かったのか・・・
疑問が残りましたが、久し振りに雄大な景色が見られた南アルプスデビューを無事に終えられたことに達成感のある山行でした。
仙流荘までバスで戻った後は、自家用車で「信州高遠温泉 さくらの湯(仙流荘のバス待合所に割引券あり)」へ向かい入浴後、伊那市街のファミレスで夕食を摂り、帰路につきました。
さくらの湯 HP
https://www.ina-city-kankou.co.jp/sakuranoyu/information/