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秋の袋田から奥久慈男体山と篭岩山を巡る

月居山、鍋転山、奥久慈男体山、鷹取岩、篭岩山( 関東)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

曇り時々晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 袋田の滝の無料駐車場を利用。24時間開放されていて綺麗なトイレもある。大きい駐車場だが、観光地なのでシーズンは直ぐに一杯になる。第一、第二と2つの無料駐車場がある。

この登山記録の行程

袋田の滝無料駐車場(07:49)・・・月居山(08::20)・・・鍋転山(08:44)・・・第一展望台(08:44)・・・第二展望台(08:52)・・・奥久慈男体山(10:15)(休憩~10:48)・・・大円地越・・・櫛ヶ峯(11:24)・・・小草越・・・フジイ越・・・入道岩・・・鷹取岩(12:04)・・・釜沢越(12:35)・・・篭岩山手前コル(12:55)・・・篭岩山(13:04)・・・篭岩山手前コル・・・小草越・・・フジイ越(15:10)・・・古分屋敷(15:40)・・・<林道>・・・西金駅(16:38)(休憩~16:58)・・・<R118>・・・袋田の滝無料駐車場(18:54)

コース

総距離
約30.2km
累積標高差
上り約2,286m
下り約2,285m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

※)軌跡は、藪こぎや迷いやすい危険個所が含まれているので、参考にされる場合は注意ください。

立て続けの大型台風で、ここ3週間連続で山に入っていない。
前日の金曜日も台風21号の影響で、関東では異常な大雨が降り、市内あちこちで冠水による通行止めとなり、車で走っていても迂回の連続でまるで迷路のような状態になっていた。進路が外れていたので油断していたが、これが直撃だったらどれほどの影響が出たのだろうかと恐ろしくなる。
そんな中、明けて土曜日は、朝から待ちにまった太陽が顔を出していた。全体的に雲が多く、秋日和には程遠かったがアウトドアには十分。どこに行こうかと迷いつつも、秋の奥久慈がいいと、男体山の周遊をイメージして大子へと向かう。ところが、晴れ間の山間部のドライブがあまりにも気持ちよくて軽快に飛ばしていたら間違えて袋田の方にまで行ってしまった。今から戻ると余計に時間がかかるので、これもご縁と袋田の滝を起点に男体山に向かって縦走することにした。
袋田の滝無料駐車場に一番乗り。
7時を過ぎているので決して早くはないのに、閑散としている。たて続く台風被害とその風評被害もあって観光客が激減しているとニュースで言っていた。滝そのものは全く被害がないのに、折角の紅葉シーズンが台無しになってさぞ地元の方は大変なことだろう。
実は次の週末に地元から遊びに来る先輩を連れて袋田の滝を観光する予定なので、今日は滝へは寄らず直接、登山口へと進んでいく。最初の目的は月居山。恥ずかしながら長い間「つきいさん」と呼んでいたが、「つきおれさん」が正しい名前だと最近知った。袋田の滝のすぐ脇にあり小さいながら双耳峰の綺麗な山容をしている。七曲り登山道を使い、名前の通り九十九折りの道を登っていくと、一旦、林道を横切るが、再び山頂へと登山道が延びている。山頂手前には月居城跡を示す黒い大きな石碑がある。山頂は眺望がないため、写真だけ撮ってそのまま先を進む。ここからは楽しいい縦走路だ。
久しぶりの山で、アップダウンが楽しくて仕方がない。もっと負荷があればいいのにと思う。
鍋転山に到着。県内には他にも鍋が名前についた山として「鍋足山」がある。きっと山容が鍋を逆さまにした形に似ているところからついたに違いない。ちなみに、鍋足山はお気に入りの山の一つだ。
月居山から男体山まではとても歩きやすいルートになっている。
男体山の山頂手前で、今日初めての登山者とすれ違った。「今日は久しぶりの天気ですね」と声を掛けようとしたら、向こうから「山頂から富士山が見えますよ!」と先に一言。その言葉に嬉しくなって、残りの坂を駆け上がる。
山頂の祠の脇に立って目を凝らす。目が慣れるまでよく分からなかったが、筑波山から右側に目を移したところで、霞の中に大きな三角形の山が見えた。山頂には、白い雪が見える。よく描かれるもっともスタンダードな富士の姿だ。考えてみると男体山から富士山が見えたのは初めてかも知れない。昨日の激しい雨が空気中の塵を落としてくれたことによって、今日の絶景に繋がったと想像する。
コーヒーを淹れて、遠くの山々をゆっくりと眺める。天気も穏やかで至福の時だ。
本来であれば、ここで折り返して戻ろうかと思っていたが、鎖から解き放たれた犬のごとく、山歩きできることが楽しすぎて、いっそこのまま篭岩山まで行ってみようと足を延ばすことにする。現時刻と今日の日の入り時刻を考えると肯定的に明らかにオーバーしているが、いざとなれば途中で戻ればよいし、途中で下山して電車で戻っても良い。
男体山から大円地越方面へと降っていく。途中、標高634mのところで、「ここはスカイツリーと同じ高さです!」の看板があった。確か足尾山だったか裏筑波を縦走した際にも同じ看板を見たような気がする。茨城オリジナルの看板か?!。
大円地越からの縦走路が更にお勧めで、とても素敵な登山道が続く。櫛ヶ峯で水を一口飲んで小休止。歩いてきた男体山を振り返る。ところどころに眺望が良いポイントがあって、歩いていてもウキウキ感が止まらない。特に鷹取岩から入道岩越しの男体山は最高のアングル。中国の水墨画のような巨大な岩肌があらわになっていて、どこか妙義山を思い出す。
鷹取岩からどんどん降っていく。は釜沢峠を経由して左に折れ篭岩山を目指す。釜沢峠から少し進んだところで青い色の特徴的な小屋が建っていた。廃屋なのだろうか。人の気配はなかった。
ここから先は沢に沿うように進む。良い感じの沢だと喜んでいたのもつかの間。どんどん道が荒れだしていく。もともと荒れていたのか、それとも台風の影響か、流木を跨いだり、くずれた斜面をよじ登ったりと、後半は沢だか道だかわからない状態で道を見失ったかと不安になるところもあった。
なんとか沢を終え、最後の斜面を登ると篭岩山へつながるコルの部分に出る。篭岩山までは稜線に沿って登っていくとほどなくして到着する。ここでお昼を食べようかと思ったが、既に13時。沢沿いの悪路に思った以上に時間を要してしまったようだ。今日の日の入りが約16:50とすると、この時点で4時間を切っている。分かってはいたが、これで明るいうちに袋田の滝まで戻ることが難しいと明確になった。
どのルートを使うべきか決めかねながらも、休んでいる時間はないのでとりあえず来た道をコルのところまで戻りながら考えることとする。もっとも早く下山して国道に出るのであれば、沢沿いの道に戻り釜沢越を経てそのまま下山するのが近道。しかし、地図を眺めていると、どうしても男体山方面に延びている稜線が魅力的に思えてくる。稜線の先は、先ほど通ってきた小草越にぶつかる。そこまで行って、再度、帰路を決めればいいと稜線をそのまま進むことにした。
進もうとした矢先いきなりのSTOP。入り口に「この先迷いやすいので注意」とトラロープが張ってあった。注意喚起されたロープを跨ぐのは、とても後ろめたく不謹慎な気がしたが、そもそも藪漕ぎを趣味にしている自分にとっては道なき道は当たり前なので、ここは「ごめんなさい」と言いつつ先を進ませてもらう。
登っていくと道は薄っすらあるものの確かにかなり荒れていた。道が消えている部分もあり、慎重に進まなければいけない場所もある反面、逆に、背丈程の笹の草原にくっきりと続く道があったので、勢いをつけて飛ばしていると、いつの間にか目標にしていたピーク左手に見えているのをみて初めて間違えた方向に進んでいると気が付く等、確かにこれは馴れていないと迷いやすい。
ようやく小草越へ到着。藪漕ぎ箇所が幾つもあったのでここでもスピードを上げることができず、更に時間を要した結果となった。ここで作戦会議。ヘッドライトはある。このまま袋田の滝まで一気に行ってしまうか、下山して西金駅から電車で戻るか。暗くなっても十分歩けると判断したが、結局、同じ道をだらだら帰るよりは電車を使うのも一興かと下山する方を選択する。と言っても小草越から直接下山するルートはないため、いったんフジイ越まで歩き、古分屋敷へ抜けるコースをとる。ついさっき歩いた道をもう一度歩くのも妙な気分だが、崖沿いからの男体山の眺望を楽しみながら降っていく。
フジイ越に到着。行きに通った際、「こんなところ降れるのか?」と思ったルートを見かけたが、実はそのルートこそ古分屋敷へ続く登山道。崖のような斜面にトラロープが垂れ下がっている。しかも、入り口には「古分屋敷方面に崩落あり」のメッセージと赤文字で「通行注意!!」と書かれた紙がぶら下がっていた。問題はどの程度の崩落かということ。斜面が緩やかであれば迂回することもできるが、そもそも崩落するような場所は崖のような斜面に違いない。危険というよりは、そこまで行って引き返すような事態は、時間帯から考えても避けたい。どうも今日は注意喚起によく出会う。悩んだのち、やっぱり古分屋敷方面へ進むこととする。手に負えないと判断した場合は、速やかに帰ってこよう。少なくとも「通行注意」とはあっても「通行禁止」とは書いていないというのが判断理由。
果たして、古分屋敷方面へのルートは、かなり荒れていて足幅もない細い道でトラバースするような箇所も多くあり、とてもお勧めできるルートではなかったが、恐れていたような大きな崩落はなく歩けないルートではなかった。
登山道を出ると見慣れた民家の横に抜けた。アスファルトに座り込み、水をゴクゴクと飲み干す。どれだけ歩くか不明だったので、これまでできる限り水をセーブしていたが、ここまでくればもう安心。水がとても美味しく感じた。
時間は15:40。スマホで袋田までの電車の時間を調べると16:17と17:20があった。西金駅までの距離がおおよそ5kmなので、17:20を目標に歩く。
初めて奥久慈に来た時もこの林道を歩いた記憶があるが、記憶の通り何度歩いても遠いものは遠い。
16:40に西金駅に到着。実は到着する少し前から嫌な予感がしていた。先日の台風19号の被害で、水郡線の陸橋が崩れて運行の目途が立たないとニュース報道していたような気がする。「まさか電車って止ってる??」と思いながら、西金駅に入ってみると、電気も消され足元も見えないような真っ暗な改札口に電光掲示板だけが眩しく「・・・ただいま、運転再開のめどが立たず・・・」と切ないメッセージを流していた。
よりによって。。。魂を抜かれて、暫し呆然と駅の外で座り込んでいると、ちょうど迎えを待っているという地元のお兄さんが話しかけてきてくれた。茶髪のガテン系のお兄さんだったが、とても気さくで「電車が運休中は定期的に無料バスが運行している」と教えてくれた。残念ながら16:30に行ったばかりだけど、まだ次の便もあると思いますよとのことだった。16:30と言えばギリギリすれ違いだったのか。ついていない。
10分程度、世間話をした後、迎えが来たようでそのお兄さんは挨拶をして帰っていった。
一人残されて更に待つこと15分。「バスを待っているんですか?」と、今度は近所のおばあさんに声を掛けられる。そうですと答えると「夜のバスは当分来ないよ」とのこと。「えー!!」。てっきり電車の代わりに運航しているバスだから電車の時刻表に合わせているだろうと勝手に思い込んでいた。駅の中に臨時バスの時刻表があると教えてもらい、おばあさんに連れられて駅に入る。さっきと同じ真っ暗な駅の中を、スマホのライトで照らしながら壁の掲示を探すと、、、「あった」。
「げっ」。思わず二度見してしてもう一度「げっ」。なんと次のバスは約2時間後の18:55。ひとつ前のバスを逃したのはつくづく大きかったということか。
西金駅から車を停めた駐車場まではおそらく10km弱。2時間あれば歩き通せる。「待つしかないね?」と声をかけてくれたおばあさんに「いや、歩きますよ」と答えザックを背負いなおして歩き出す。
既に周囲は日も落ちて真っ暗な状態。車が激しく行きかう国道118号線をトボトボと歩いていく。
山ではあんなに楽しいのに、アスファルトとなるとどうしてこんなにシンドイのか。
歩けども歩けどもゴールは遥か彼方と思っていたが、必ずゴールは来るもので、袋田の入り口にある温泉旅館の明るい光が見えた時にはホッとした。
なんとか意地でバス発車時間とほぼ同時刻に駐車場に到着。朝と同じで自分の車だけがぽつんと停まっていた。約12時間。思いがけず長い一日だった。 :)

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みんなのコメント

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  • 山にロードに満喫した日になりましたね。ちょっぴり羨ましかったりして。

  • でも、どうせ30km歩くなら山を通して歩きたかったですね。
    また六甲全山縦走行きますか?! 笑

登った山

男体山

男体山

654m

月居山

月居山

404m

篭岩

篭岩

501m

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