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雨の裏那須をゆるりと散歩

流石山、大倉山、三倉山( 関東)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 道の駅「しもごう」の先にある観音沼森林公園を目印に進む。公園には立派なトイレがある。公園から更に進み、道標のある分岐を左折。そのまま進むと大峠林道に合流。林道の終点1km程手前に車両進入禁止の掲示があって、そこが大峠林道駐車場。ただし、2020.7.12現在、土砂崩れのため駐車場の2km程先にある日暮の滝のところで通行止めになっている。日暮の滝には5,6台の駐車スペースあり。トイレ無し。日暮の滝までは舗装道路で危険個所はない。

この登山記録の行程

日暮の滝駐車場(04:35)・・・大峠林道駐車場(05:15)・・・大峠林道終点(05:23)・・・一里塚(05:28)・・・大峠(05:46)・・・流石山(06:40)・・・スゲ小沼(07:04)・・・五葉の泉(07:07)・・・大倉山(07:20)・・・三倉山(07:43)・・・大倉山(08:26)・・・五葉の泉(08:37)・・・スゲ小沼(08:41)・・・流石山(09:10)・・・大峠(10:05)・・・鏡沼分岐点・・・鏡沼(10:58)・・・鏡沼分岐点(11:35)・・・日暮の滝駐車場(12:25)

コース

総距離
約21.9km
累積標高差
上り約1,700m
下り約1,697m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

土曜日。午前中で仕事を終えて一旦帰宅したのち、荷物を整えて山へと移動する。目的地は裏那須の流石山。
明日は梅雨前線が一時的に南下するようだが、山には雲が残るため雨の登山は避けられない。でも、ここ1ヶ月ほど山から遠ざかっていたので、逆に静かな山に篭るにはちょうどいい感じだ。
夕方5時、会津下郷の小さなスーパーで食料を買い込み、登山口のある大峠林道へ。
細い道をゆっくりと進む。カーナビのゴールがあと少しのところ。急なコーナーを抜けたとたん、通行止めの看板が飛び込んできた。登山ではよくあることだが、早めに現地入りして正解だった。幸い通行止め箇所の手前に「日暮の滝」の駐車場があったので、そこに車を停めることにした。
深夜、激しい雨が降り続いていた。
4:30。夜明けとともにレインウエアを着こんで出発する。朝日が乱反射しているのか、立ち込めている霧が薄っすらと明るい。雨は止んでいるが、きっと登るにつれ雨へと変わるだろう。
通行止めになった林道を登っていく。「どこに通行止めにする理由があるんだ?」と思っていたが、舗装道路が激しくえぐられたところ(2か所)と土砂でせき止められているところ(1か所)があった。舗装道路が終わり未舗装の林道を1km程歩くと大峠林道駐車場に到着。登山口は大峠林道の終点で、更に1km程進んだところにある。
林道の終点に到着。「ここが終点です」と示す立派な石碑が建っていた。
通行止めもあって長々と林道を歩いてきたが、ようやく登山開始。
雨に濡れた森を歩く。葉に当たってパラパラと落ちる雫や独特の森の匂いを感じながら歩く。雨の登山の一番の魅力は、森をとても身近に感じることができることだと思う。
大峠に到着。懐かしいお地蔵さんが出迎えてくれた。大峠は戊辰戦争の戦場となった場所ということもあってか、あちこちにお地蔵さんがおかれている。
峠からは、森林限界を抜けて一面熊笹の世界となる。これから進む流石山方面の斜面も熊笹で覆われている。今回、裏那須をターゲットにしたのは、以前、大峠で出会ったおじさんから見せて頂いたスマホの写真。そこには斜面いっぱいに広がったニッコウキスゲがあった。同じ風景が見たいと思ってやってきたが、目に入るのは僅か数輪だけ。花の状態から今年は開花が遅れているようにも思えるが、そもそもニッコウキスゲの蕾も見当たらないことから、絶対数が少ないのかも知れない。
それでも稜線まで行けば数も増えるだろうと、淡い期待で斜面を登っていく。今日のコースで一番の急登箇所だ。降りやまぬ雨と濡れた笹で、すっかり靴の中が濡れてしまった。
流石山に到着。昔、「さすがの猿飛」という漫画があったと看板を見て思い出した。こちらは「さすが山」ではなく「ながれいしやま」と読む。標高1,812m。淡い期待はやはり予想通りで、ニッコウキスゲの群生はどこにも見ることはできなかった。山頂からは、本来、三本槍岳や茶臼岳の雄姿が望めるはずだが、それもなくただ真っ白な世界。
折角なので大倉山、三倉山へと向かう。ここから先はたおやかな縦走路となる。ニッコウキスゲの姿はまばらだったが、シャクナゲが目立つようになってきた。薄いピンクの混じった白い花を咲かせていた。
キスゲ小沼に到着。そのすぐ近くには五葉の泉もある。クロサンショウウオでもいないかと覗いてみたが、雨が水面を叩き底がよく見えなかった。
本来、キスゲ小沼や五葉の泉の池塘周辺には花畑が広がっているらしい。
縦走路は小さなアップダウンを繰り返しながら延びいく。とても歩きやすいコースだ。きっと晴れていたら、まさに天空のロードなのだろうと想像する。
大倉山へ到着。標高1,831m。
縦走路の楽しみ?偽ピークに騙されながら「うへー」と言いながら歩きたかったが、こうも真っ白な世界だと黙々と歩くしかない。
三倉山(みくらやま)へ到着。標高1,888mと縁起が良い数字が並んでいる。山頂には小さな祠があった。先程、晴れ間が見えて喜んだが、それも一瞬だけだった。三倉山からの眺望も素晴らしいいと聞いていただけに残念だ。
行動食を口にしながら地図を確認する。少し先に唐沢山という山があるらしい。標準タイムで往復2時間。ペースを上げれば行けないこともないと気持ちが揺らいだが、霧の中でこれ以上ピークハントをしても仕方なく、それよりも途中に気になった場所があったので、そちらに時間を割くことにする。
折り返して大倉山、流石山の順番で戻っていく。
時間が経過したからだろうか朝方よりもニッコウキスゲの花が大きく開いているような気がした。ニッコウキスゲは朝に咲き夕方にはしぼんでしまう一日花と言われている。雄国沼で見た黄色の絨毯も素敵だったが、霧が立ち込める急峻な斜面にひっそりと咲いているニッコウキスゲもまた実に美しい。白に浮かび上がるように鮮やかな黄色が際立つ。目的の大群生は見ることができなかったが、これだけでも十分癒される。
大峠に戻ってきた。ここまで来ると登山者とすれ違うようになってきた。一組、二組。「今年はニッコウキスゲが少ないのですね?」が挨拶代わりだった。
更に下山をして登山口手前の鏡沼分岐点まで戻る。気になった場所というのは登りの際に見かけた鏡沼の看板。なにやら1.3km先に水面が鏡のような鏡沼という池があるとのこと。モリアオガエルやクロサンショウウオの生息地としても知られていて、また、ありがちだが、「おせん」と呼ばれる村娘が人身御供になったという大蛇伝説も残っているとか。こんな話を聞くと行かない訳にはいかない。看板の解説をしっかり読んで、分岐路へと踏み込む。
この時点では、正直1.3km程度とタカをくくっていた。池なので水平方向にちょっと移動すれば簡単につくと思っていたが、道はどんどんと上へと延びていく。完全な登り返しの道だった。これで「しょーもない池だったらどうしよう」と思いながら斜面を登っていく。いつしか雨も上がり、レインウエアを脱いでザックにしまう。
どこまで登るんだと思ったころ、急に視界が開けて笹の草原に出る。
そこまで来るとゴールも間近。暫く進むと、大きな池が見えてきた。
近寄ってみると、確かに「おおっ」と感嘆がもれるくらい透明度のある池で、奥の方がブルーに染まっていた。晴れた日であればもっと鮮やかに見えるに違いない。立ち寄って正解だった。岸辺に腰を下ろして、暫し静かな湖畔の風景を楽しむ。
戻る途中で、足元にピンク色の花を見つけた。ショウキラン。光合成を行わず葉緑素を持たない地生の腐生植物。つまり銀竜草のようなものだ。地元では珍しいので探していたが、こんなところで出会えるとは。しかも、いっぱい分枝されていて沢山の花が付いている。ちなみにショウキランは漢字で書くと「鍾馗蘭」といい、「鍾馗」とは中国で疫病神を追い払い、魔を除くという神のことを指す。巷では新型コロナウイルスの関係でアマビエに一躍脚光が当たっているが、ひょっとしたらショウキランの時代もやってくるかも知れない。少なくとも自分もこれで新型コロナウイルスの感染症対策は万全だ、、、と願いたい。
:)

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • しょうもない池って(笑)、ないですよ。まこちゃんに怒られますよー。

  • 石野真子?古っ。笑
    裏那須に夜叉ヶ池を見ました。

  • 展望だけが目的でないなら雨の登山もいいですね。雨に霞む幻想的なブナ林好きです。

  • このコースはレオさんとよく歩いた石徹白から別山の縦走路に似ているんです。またとことんあるきたいですね。

登った山

三倉山

三倉山

1,888m

流石山

流石山

1,812m

大倉山

大倉山

1,885m

よく似たコース

三倉山 福島県 栃木県

裏那須のお花畑が広がる稜線の縦走

最適日数
日帰り
コースタイプ
往復
歩行時間
8時間55分
難易度
★★★
コース定数
38
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