• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

桐生アルプス カッコウソウが咲く頃に

吾妻山、女吾妻山、岩木戸山、大形山、三峰山、花台沢ノ頭、鳴神山(桐生岳・仁田山岳)( 関東)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 吾妻公園の吾妻公園駐車場を目指す。吾妻公園は吾妻山の麓にあり、桐生市街地の北西部に位置する植物公園。駐車場は2~30台程度(無料)。トイレも水洗で綺麗。公園利用者もいて直ぐに満車になるので早めの到着をお勧めする。直ぐ近くにも水道山公園駐車場が使えるが、トイレはない模様。

この登山記録の行程

吾妻公園駐車場(06:54)・・・第一男坂(07:35)・・・第二男坂・・・吾妻山(07:57)・・・女吾妻山・・・村松峠・・・岩木戸山(08:29)・・・西方寺沢の頭(08:46)・・・大形山(09:14)・・・金沢峠(09:26)・・・三峰山(09:45)肩の広場(10:42)・・・鳴神山(桐生岳(10:47)・・・仁田山岳)(10:54))(昼食~11:08)・・・椚田峠(11:21)・・・カッコウソウ北川群生地(11:26)・・・鳴神山・・・肩の広場(11:59)(群生地立ち寄り)・・・花台沢ノ頭(12:35)・・・三峰山(12:50)・・・金沢峠(13:06)・・・大形山(13:18)・・・岩木戸山(13:54)・・・女吾妻山(14:18)・・・吾妻山(14:27・・・吾妻公園駐車場(15:03)

コース

総距離
約21.7km
累積標高差
上り約2,108m
下り約2,106m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

7時少し前。吾妻公園駐車場へ到着。
駐車場は既に満車に近く、僅かに残った空きスペースに車を停める。
駐車場からそのまま登山口へと進むことができるが、一旦、水道山公園へまわってからスタートを切る。
鳴神山の名前は以前から知っていたが、桐生アルプスという存在は今回初めて知った。
鳴神山には、世界中で唯一と言われる「カッコウソウ」という花が咲くと聞いて、いつか訪れてみたいと思っていた。本日、開花のタイミングに合わせ、満を持しての鳴神山。ただ、単純に登っては面白くはないと、桐生アルプスの吾妻山から鳴神山までのコースをピストンすることにした。
公園から吾妻山へ向かうルートは遊歩道の良く整備された道から始まる。手入れが行き届いていることからも、地元の人から愛されている良い山だと伝わって来る。「東の高尾山」に「西の金剛山」といつも例えるが、桐生においてもシンボル的な山なのだろう。
ファミリー向けの穏やかな山だと思っていたら、ところがどっこい。男坂と女坂の分岐で一変する。男坂には急こう配の岩斜面にロープが垂れ下がっていて、超アグレッシブな装い。見上げるようにロープが上の方まで続いていて、きっと「えっ、ここを登るの?」と多くの人が思うのではないだろうか。もちろん、岩場大好きとしては迷わず男坂を選択するが、お年寄りやお子さんには少々危険かも知れない。低山ながら、なかなか侮れない吾妻山。続く第二男坂も超えて山頂へ向かう。
吾妻山の山頂はベンチが設置されていて、桐生市内がよく見渡せた。
ここからは縦走モード。
縦走路もよく整備されていて歩きやすい。自然豊かな縦走路。横を見ると大きな街並みが見えるギャップのある風景は、関西のダイヤモンドトレイルや須磨アルプスを連想させる。
ふと足元にキンランとギンランを続けて見つけた。まだ蕾に近かったが、地元ではあまり見かけない花なので、今年も出会えたことに感謝する。
桐生アルプスは、穏やかなコースと先入観を持っていたが、アップダウンの強弱もあり、距離、高低差ともにバランスがとれたとても良いコースだった。トレーニングにも最適の縦走路だ。
吾妻山から、女吾妻山、萓野山、大形山、金沢峠、三峰山と足を進めていくと大きな岩にたどり着いた。道が無くなったので一瞬驚いたが、手前にあった分岐に戻ると、岩を周り込むように進み、神社のある広場に出ることができた。肩の広場と呼ばれる休憩ポイントで立派な小屋も建っていた。
最後の一仕事で、急登を100m程登るとT字路にぶつかる。右に折れると桐生岳。左に折れると仁田山岳。二つの頂は僅か50m程度で、この二つを総じて鳴神山と呼ぶ。
まずは、桐生岳へと向かう。山頂というよりは大きな岩の塊に登るというイメージ。岩の上だけあって登ると360度の見晴らしで絶景だった。歩いてきた尾根が長く延びている。近くには大好きな赤城山も見えた。また、霞んでいたが、男体山、日光白根山、皇海山等栃木を代表する山々も見渡せた。
一方、仁田山岳は、森に囲まれた山頂で眺望は無かった。その代わりにミツバツツジとアカヤシオがあちこちに咲いていて、淡いピンクと赤の花弁が新緑の中でとても鮮やかに映えていた。折角なので、花を愛でながら昼食をとることにする。
シャリバテ気味だった体にエネルギーを補充して、いよいよ目的のカッコウソウに向けて行動開始。
カッコウソウは、仁田山岳を越えて急斜面を降った先の椚田峠付近に、「カッコウソウ北保護地」として守られながら群生している。
降ろうとした時に一つのサプライズに出会う。真っ白なイワカガミが岩の間に咲いていた。
時折、赤に混じってアルビノ的な白いイワカガミを一凛見かけることがあるが、こちらは群生している白いイワカガミ。標識によると「ヒメイワカガミ」というらしい。初めて見た白いイワカガミ(ヒメイワカガミ)に暫し魅入った。
グーッと降って、椚田峠へ到着。目印として「カッコウソウ群生地」の昇り旗がたっていた。群生地は、峠から右側の斜面を200m程降ったところにある。
すり鉢状の斜面を降っていくと、柵と網で囲われた群生地があった。テニスコート1面分程だろうか。近寄ってみると、思っていた以上に群生していた。「うわー」と声を上げながら駆けるように近寄る。始めて見るカッコウソウの実物。どちらかというと山の花というよりは公園の花壇に咲いていそうな淡い紫色をした可憐な花だった。サクラソウ科に属することから、ハクサンコザクラにとてもよく似ていた。
冒頭で触れたが、カッコウソウは、世界で唯一、鳴神山にのみに存在するという絶滅危惧種のとても貴重な花だ。正確には、絶滅危惧1A類(CR : Critically Endangered)で、「ごく近い将来に絶滅の危険性が極めて高い、危機的絶滅危惧種」とされている。
一時期は完全に無くなりかけたが、保存会の方が残った葉っぱからバイオ技術によるクローン栽培で20年の月日をかけながら、根気強く増やしていったとか。その後、更に15年間、たゆまぬ手入れを続けて、ようやく群生するまで復元したという。根が張り、花が咲くまでには3年はかかると保護会の方からお聞きした。
カッコウソウという名を持つ花は他にもあるがが、DNA判定では全く種の異なるもののようで、それだけ貴重な花。保護会の想いを引継ぎ、みんなで大切に見守っていきたいものだ。
ちなみに、肩の広場の近くにも群生地があるが、こちらはまだ再生途中なのか、足を運んでみたが、一凛も咲いていなかった。
帰路の途中、もう一つ珍しいものに出会った。
先日、地元の山を歩いていてマムシを踏みそうになったが、そろそろ蛇も活性化しているのか、一匹の蛇が足元を横切った。黒い猫が横切ると不幸になるというが、こちらはなんと全身「赤茶」の蛇。見た瞬間、異様な色に一瞬ドキッとするが、正体に気が付いて「これは珍しい」と声が出る。まぎれもなく「ジムグリ」。日本本土に広く生息する蛇なので、決して珍しい訳ではないが、夜行性のため基本的に人の目に触れることが少ないため、知っている人は稀だと思う。自分も数回しか出会ったことがなく、こんなに近くでマジマジと見たのは初めてだった。無毒の小さな蛇なので恐れる必要はないが、正直、派手な色合いから、日本の蛇らしくはなく、分かっていてもビビッてしまう。
今日は、主役のカッコウソウに加え、ヒメイワカガミとジムグリという珍しいものに出会え、宝くじを連続で当たったようなラッキーな気分だった。

続きを読む

フォトギャラリー:44枚

すべての写真を見る

装備・携行品

みんなのコメント

ログインして登山記録にコメントや質問を残しましょう

  • つちのこ かもしれませんね。

  • それは、もんじゅ山にいる。

  • カッコウソウいい花でしたね。

  • 長年の行きたいリストを一つ達成しました。^_^

登った山

鳴神山

鳴神山

981m

吾妻山

吾妻山

481m

よく似たコース

吾妻山 群馬県

市民に愛される毎日登山の山

最適日数
日帰り
コースタイプ
周回
歩行時間
2時間20分
難易度
コース定数
11
鳴神山 群馬県

沢と緑の道からアカヤシオ咲く展望の峰へ

最適日数
日帰り
コースタイプ
周回
歩行時間
3時間
難易度
★★
コース定数
14
鳴神山 群馬県

疲れも吹き飛ぶ360度の大展望

最適日数
日帰り
コースタイプ
周回
歩行時間
3時間30分
難易度
★★
コース定数
15
登山計画を立てる