行程・コース
天候
霧
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
筑波山の男の川コース登山口付近にある裏筑波観光道路沿いの路肩スペース。男の川を跨ぐ小さな橋の先に駐車スペースがある。5,6台程度。未舗装の路肩。当然無料。トイレ無し。GPS座標を参考までに(36.236431 140.099438)。
なお、その駐車場手前100m程のところに右に折れる林道があり、曲がって直ぐのところにも数台分の駐車場がある。その奥に別な登山ルートもある。
この登山記録の行程
男の川コース駐車場(06:33)・・・薬王院ルート分岐・・・筑波山頂駅(07:07)・・・男体山(07:18)・・・女体山(07:50)・・・男の川コース駐車場(09:58)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
早朝、筑波山へと向かう。
一年ぶりに見たいものがあった。
「ユキノシタ」。
ただのユキシタではなく、筑波山のみに自生するという固有種「ホシザキユキノシタ」を求めてひた走る。雪の下というだけでも素敵だが、星がつくなんて。真っ白なソフトクリームにこれでもかとトッピングした豪華さだ。(ド下手なたとえ 笑)
ユキノシタは白をベースにピンクのアクセントが付いたととても愛らしい花を咲かせる。下の方の花弁2枚だけが大きく広がっていて、ダイモンジソウに形が似ている。群生して咲いている様は、まるで白い花びらが空中を舞う雪の様だというところから名前がついたのとの説もある。ただし、筑波山の固有種とされる「ホシザキユキノシタ」には、特徴的な2枚の花弁が退化していて存在しない。その分、艶やかさには欠けるが、小さな線香花火のようにも、星の輝きのようにも見えて、とても可憐だ。
筑波山の山頂には大きな雲が覆いかぶさっているのが、車で向かう途中から見えていた。今日は山頂からの絶景は諦めた方が良さそうだった。であれば、花を目指して駆け上がろうと、最短ルートと言われる「男の川ルート」を使うことにする。
林道脇の駐車スペースに車を停めて、「男の川」のせせらぎを聞きながら登っていく。男の川は、国内希少野生動植物種(希少種)の一つ「ツクバハコネサンショウウオ」の生息地としても知られているだけあって、とても澄んだ流れをしていた。いつか見てみたいものだ。
御幸ヶ原コース等、観光として賑わう表側とは異なり、筑波山の裏側は静かで森が深いと感じる。登山道を変えただけで、まるで違う山に登っているかのように思える。いろいろな角度から山を素顔を知ることができて、それだけで歩いていて楽しい。
汗をかかないようにゆっくり登ろうと決めていたのに、つい楽しくて早歩きになってしまう。
薬王院コースと合流。
雲に突入したようで、周囲に霧が立ち込めてきた。ヒンヤリとした空気が頬を撫でる。汗がひいて気持ちがいい。
前方の樹々の間に建物が見えてきた。「あれ?小屋なんかあったかなあ?」と思って近づくと、山頂ロープウエイ広場のトイレだった。
久しぶりに使ったルートだが、登山と呼ぶにはあまりにも短い。はやり別なルートで登ればよかったか。。。
早速、今日の目的地「男体山」へと向かう。
岩をガシガシと勢いよく登り、程なくして目的の場所へ。
「どれどれ?」と思って覗き込むと、いつもの場所にホシザキユキノシタが競うように咲き誇っていた。
一時期、絶滅したと危惧されていたが、男体山の岩場に僅かに残っているのが発見され、以降、大事に見守られてきた。今では筑波山神社にも人の手で移植されて群生が広がりつつあるとか。
前回は、シーズンを逃してしまい、花びらも落ちかけだったが、今日はどれも綺麗に咲いていた。愛らしいアップを撮りたいと地面に這いつくばりながら頑張ったが、カメラの性能上、なかなか上手く撮れない。這いつくばっているうちにもう一つ目立つものが目に入った。長い葉っぱの下に鈴なりになっているナルコユリ。しかし、ただのナルコユリではない。一見して分かる異様な大きさ。思わず「あったー!」と心の中で叫ぶ。
実はこれも筑波山の固有種とされる「オオナルコユリ」。そのまんまの名前だが、とにかくでかい。ひょっとしたら食べられるんじゃないかと思う程にプリプリしている。美味しそうに撮ってやろうとこれも写真に収める。
山頂からの眺望は霧で何も見えなかったが、筑波山の固有種2つに出会えて、今日は大満足だった。
降りはせめて真面目に登山をしようと、女体山に足を延ばした後、登ってきた道とは違うルートを使って遠回りしながらゆっくりと下山する。
さすが百名山。筑波山は奥が深い。
みんなのコメント