富士山、白山、大峰山、釈迦ヶ岳、石鎚山、大山と制覇し、日本七霊山の最後を飾るのは立山。せっかくなので剱岳もセット。職場の山友達2人を合わせた3名パーティーで挑戦です。

【初日】
立山黒部アルペンルート・扇沢駅の無料駐車場に車を駐め、3分差で8時発のバスに飛び乗れたことが後で大変なラッキーを生むことになります。ロープウェイ等を乗り継いで室堂到着後、登山スタート。雷鳥平まで下り、雷鳥沢キャンプ場からは剱御前に向けて一気の登り返しが始まります。ダラダラ長い急坂と重いザックに「翌日のために体力温存」という野望は脆くも崩れ去ったものの、途中で遭遇したライチョウに心癒されました。
別山乗越到着は12時。午後は雨予報のため休憩もそこそこに出発し、剣山荘に13時半チェックイン。すると、小屋で一息ついた途端、ザーッと雨。18時頃まで降り続きました。もし扇沢駅で次のバスになっていたら確実にずぶ濡れでした。
ちなみに、剣山荘の夕食は6時。電源コンセントは使用不可。携帯電波も不可。飲用水無料。温水シャワー有り。なお、コロナ対策でレンタルヘルメットは停止中。

【2日目】
日の出を待ってスタート。最初の難関は前剱への登り。のけ反るほどの急坂、浮き石の多いガレ道、高低差200ｍ以上。この厳しい状況との格闘1時間。前剱(携帯電波OK)に着くと太腿は疲弊しまくり。次なる難関は平蔵の頭。しかし、これは難なくクリア。現地に行ってみるとごく普通の岩場でした。
そして、登りのクライマックス、カニのタテバイ。前日、別山乗越で出会った登山者によると「タテバイの取付き手前に雪渓あり。越えられなくはない。でも、室堂の指導員に『登山者が少ないのでカニのヨコバイ（下りルート）で登ってOK』と言われた」とのこと。で、現地に行くと確かに大きな雪渓が通せんぼ。前を行く登山者もヨコバイへ。が、岩壁と雪渓の隙間（約50cm）を通ってタテバイの取付きに到着。で、そのタテバイ。垂直に近い岩壁ですが、鎖やホールドが十分あるので3点支持さえ心がければ大丈夫。最上部付近はアンカーボルトにうまく足を乗せると楽です。
タテバイを通過し、岩場を登って山頂到着。スカッ晴れの360度パノラマ。富士山、白山連峰、槍・穂高、八ヶ岳、南アルプス、浅間山が一望でした。ちなみに、ここも携帯電波OK。
山頂でひとしきり達成感に浸ったら下山。まずはカニのヨコバイ。序盤は鎖で慎重に下降。小さな踊り場に着いたら赤ペンキを目印に右足を下ろすとすぐ岩の窪みを発見。あとは岩の割れ目伝いにトラバースしてあっけなくクリア。そのすぐ先の鉄ハシゴもスイスイ。
で、やっぱり鬼門は前剱からの急下り。ガレガレの鎖場3番付近は事故多発ゾーンとのこと。疲労の溜まった下山時は特に要注意。あとは最後の力をふりしぼって一服剱を越えて剣山荘到着。いやー、足の筋肉が痛い痛い。重い足をひきずりつつ別山乗越まで戻って剱御前小舎にチェックインすると、小屋のすぐ傍にライチョウ親子がお出まし。ちょこちょこ動き回るヒナ4羽に歓声が上がってました。
ちなみに、剱御前小舎の夕食は5時。電源コンセントOK。携帯電波もOK。飲用水は有料。風呂・シャワーなし。

【3日目】
5時の朝食後、室堂に向けてスタート。別山・真砂岳へは程よいアップダウンの連続。剱岳、室堂平、立山三山の絶景を楽しみながら進みます。でも、まだまだ残雪だらけで稜線を吹く風は冷たい～。
富士折立への急登はガレ道。足元に注意しつつ登ること30分で到着。大汝山を経由して雄山に着いたら、頂上の雄山神社に登拝（700円）。日本七霊山の締めくくりです。頂上では神主さんが祝詞を上げてお祓いをしてくれました。なお、大汝山と雄山には休憩所、売店、トイレあり。
雄山から一ノ越まではガレ道の急降下。下りルートは黄ペンキが目印。登りルートは赤ペンキです。先日の雨で崩れた箇所があったそうですが、どこなのか分かりませんでした。
せっかくなので、一ノ越から室堂ターミナルへは浄土山・室堂山を経由しました。浄土山から眺める立山・室堂平や黒部湖方面の眺望は良かったものの、室堂山からの岩道下りには閉口。とても歩きにくいです。また、展望台から先は雪渓だらけ。最後の最後で気が抜けたのかスリップして、この山行で初の尻もちをやらかしてしまいました。油断禁物。

梅雨明け直後の好天に恵まれ、残雪の素晴らしい景色を堪能できた3日間でした。ライチョウにも2度遭遇し、また、平日なので剱岳で鎖場行列に並ぶこともなく快適な山行でした。立山の神様に感謝、感謝です。