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蓮華〜針ノ木〜爺 テント泊縦走

蓮華岳、針ノ木岳、爺ヶ岳( 北アルプス・御嶽山)

パーティ: 1人 (VAN さん )

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行程・コース

天候

1日目:午前曇時々晴のち雷雨、午後曇のち晴れ、2日目:晴時々曇夕方より大雨、3日目:早朝晴のち曇

利用した登山口

扇沢  

登山口へのアクセス

バス
その他: 高速バス(新宿ー扇沢)

この登山記録の行程

【1日目】
扇沢(05:45)・・・大沢小屋(06:49)・・・針ノ木峠(11:00)[休憩 84分]・・・蓮華岳(13:29)・・・針ノ木峠(14:40)

【2日目】
針ノ木峠(05:00)・・・針ノ木岳(06:05)[休憩 15分]・・・スバリ岳(07:22)・・・赤沢岳(08:59)[休憩 22分]・・・新越乗越(11:16)[休憩 24分]・・・岩小屋沢岳(12:28)・・・種池山荘(13:50)

【3日目】
種池山荘(04:00)・・・爺ヶ岳南峰(04:40)[休憩 65分]・・・種池山荘(06:18)[休憩 53分]・・・柏原新道登山口(09:56)・・・扇沢(10:13)

コース

総距離
約26.8km
累積標高差
上り約3,484m
下り約3,484m
コースタイム
標準18時間25
自己19時間35
倍率1.06

高低図

標準タイム比較グラフ

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

山の天気は変わりやすいというが、目まぐるしく変わる天候に翻弄された。
続発するトラブルにどう対処するか。学びと反省の多い山行だった。

コース概況
扇沢〜針ノ木峠:2021年シーズン大沢小屋休業。雪渓は7月下旬でかなり溶けている。ブリッジ、クレバス注意。ピンクリボンのルート指示あり。落石注意。要軽アイゼン。
針ノ木峠〜蓮華岳:登ると石の社があるピークが見えてくるがニセピーク。頂上はさらに奥。コマクサ群生。ライチョウいる。
針ノ木小屋:今シーズンはテント泊予約不要。小屋泊は要予約。水有料。テント場はあまり広くない。
針ノ木峠〜赤沢岳:針ノ木岳山頂、三角点から北西に向かう踏み跡あり。木の標柱が建っているがその先は崖。(冬季ルート?)ガス時など迷い込まないよう注意。スバリ岳山頂直下はザレた急斜面。スリップ、落石注意。
赤沢岳〜新越山荘:稜線部が崩落しているところが何箇所かある。通過時注意。
新越山荘〜種池山荘:熊注意。登山道上かなりの密度で熊のフン、食痕あり。
種池山荘:今シーズンはテント泊予約不要だが、要名簿提出。ホームページからダウンロード、事前準備のこと。水有料。テント場はロープで区画割りされている。ピザの注文は13時まで。
種池山荘〜爺ヶ岳:危険箇所特に無し。コマクサ、ライチョウ、オコジョ。
柏原新道:沢崩壊地のトラバース、落石注意。急峻な斜面のトラバース続く。滑落注意。木の階段が滑りやすい。

稜線上気温:13〜17℃
携帯、スマホ:全体的に弱く概ね圏外(docomo)


雪渓上で急な雷雨
登りはじめはまだ晴れ間も見えたが、急速に雲が広がり雪渓の中間部で雷雨となった。雷鳴は非常に近く、登ることも降りることもままならない。その場に突っ立っているわけにもいかない。どこか身を隠す場所を探した。左岸に雪渓下に潜り込めるような場所を見つけ、そこで一時停滞することにした。この時期の雪渓は脆く、ブリッジになってないようなルートを慎重に選びつつ左岸に取り付いた。
雷雨は一時的なものと考えた。ここで停滞し天候の回復を待って、時間的に可能であれば登山を続行、無理であれば下山、あるいはビバーク、という選択肢を用意した。
スマホで雨雲レーダーを確認したかったが、扇沢からの電波が弱く使えなかった。携帯ラジオを聞き、入るノイズから雷鳴がするまでの時間差で雷雲の距離、状態を推測した。しばらくしてラジオにノイズが入らなくなった。雨はまだ降ったり止んだりだが、雷雲は無くなったと判断、時間的にもまだ余裕があったので山行を続けることにした。

岩場で滑落3m
雪渓を抜け、最終水場付近の岩場。雨は小止みになるもまだ弱く降っている。斜めになっている大岩に右足をかけ体重を乗せた瞬間、ぬるっとスリップ。そのまま右半身を強かに打ちつけ、ゴロゴロと3mほど落下した。今までちょっとしたスリップや転倒はあったが、ここまで明確に「滑落」したのは今回が初めてである。
まずザックを降ろして痛い部分を確認する。右太もも、右ふくらはぎ、右あご、両手親指。出血、骨折していないか。関節は動かすことができるか。こういうときはアドレナリンが出て痛みを感じにくい時があるらしい。幸い、どこも出血しておらず、折れている様子もない。打撲程度で済んだようだ。(右太ももは後日内出血で青黒くなった。)
傾斜が緩やかだったので助かった。これが痩せ尾根上や崖のトラバース道であったなら死んでいた。また、この時雪渓上ではしていたヘルメットを脱ぎ、帽子に切り替えていた。もし頭を打っていたら、と思うとゾッとする。
誰かが言っていた、「次の一歩を疎かにすると死ぬ。」この言葉を今一度噛みしめる。気持ちを落ち着け、装備に破損がないことを確認、山行を続行した。

小屋泊に切替え
針ノ木小屋ではテント泊の予定だったが、天候が不安定で再び雷雨の可能性もあった。先程の滑落のショックもあり、素泊まり小屋泊に切り替えた。本来であれば予約が必要だが、この日は余裕があるので大丈夫、とのことだった。ありがたい。
結果的に夜に雨は降らず、テント泊でもよかったのだが、小屋の乾燥室をフル活用して、雨や汗で濡れた衣類や雨具、登山靴をすべて乾かすことができ、2日目以降、良いコンディションで登山を続けることができた。

旅の仲間
針ノ木小屋で自分と同じく雪渓で雷雨にあった2人PTと意気投合。日程、ルートも一緒だったことからPTの一員として加えていただくことになった。ルートやコースタイムを確認し合ったり、天候が不安定の中、とても心強かった。
いつもソロ登山のため、ライトウェイト指向になっているが、彼らは食べることや楽しむためなら重量増を厭わないという。もう一度登山の楽しみ方を考え直すきっかけとなった。

熊出没注意
種池山荘周辺で熊が出るという情報は事前に得ていたが、これ程とは思わなかった。遭遇することはなかったが、新越山荘から岩小屋沢岳付近にかけて、登山道に昨日今日のものと思われる新しいフンと食痕が多数見られた。岩小屋沢岳から種池山荘の間にも数日前のものと思われるフンと食痕多数。尋常な数ではない。おそらく複数(親子?)いるようだ。ハイマツの松ぼっくりを登山道に沿って食べているようで、いつ遭遇してもおかしくない状況。できる対策は限られるが、最終的に命のやり取りに発展する覚悟も必要か。

持っていってよかったもの
携帯ラジオ:雷雲の推測に役立った。ただ、NHKはオリンピック中継ばかりで定時のニュース天気予報すらやってないのには閉口した。情報源としては役に立たなかった。
眼鏡バンド:これがなかったら滑落した時眼鏡はどこかに飛んでいた。

高速バス(新宿ー扇沢)
往路:Wi-Fiあり、コンセントなし。
復路:Wi-Fiあり、コンセントあり。

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フォトギャラリー:87枚

前夜、夜行バスに乗るため新宿へ。この日東京ではコロナ感染者が3000人を超える。そんな時に来てしまってすまない、ゆり子(小池)。

翌朝、扇沢到着。天候は曇り時々晴れ。

いざスタート。

鳴沢。

サンカヨウの実。

大沢小屋(今シーズンは休業)。

シモツケソウ。

タテヤマウツボグサ。

ナメルギボウシ。

雪渓に取りつく。

ノド付近で雷雨になる。雪渓下に退避する。

ラジオに入るノイズで雷雲の状況を確認。

雷雲通過と判断し、登山を続行する。

最終水場付近。この後盛大に滑落する。

キバナコマノツメ。

アオノツガザクラ。

峠まであともう少し。

針ノ木小屋到着。

雨が降ったり止んだりで不安定な天候。

晴れ間が出てきたので蓮華岳までピストン。

チシマギキョウ。

針ノ木、スバリも見えてきた。

ミヤマリンドウ?

ライチョウが目の前に現れた。

コマクサ。

ミヤマダイコンソウ。

イワギキョウ。

偽ピーク。

蓮華岳山頂。三角点。

タカネヤハズハハコ。

帰り道はガスった。

夕方雲が切れ槍ヶ岳が見えてきた。

テン泊者用「槍見」のトイレ。小窓から槍ヶ岳が見える。

針ノ木小屋からは北アルプス表銀座ルート、裏銀座ルートが一望できる。

2日目。針ノ木小屋を後にする。

雲は多い。

ミヤマクワガタソウ。

ウスユキソウ。

こちらはまた種類が違う。

針ノ木岳山頂。画像奥に三角点。ガスっていたが…

急に雲が切れ立山連峰と黒部湖が眼前に。
画像左下に見える木の標柱に騙されないように。

ミヤマオダマキ。

シコタンソウとヨツバシオガマ。

ハクサンシャクナゲ。

マヤクボノコルから針ノ木岳を振り返る。

スバリ岳山頂直下はザレた急坂。

スバリ岳山頂。

チングルマ。

崩壊部あり。通過時注意。

赤沢岳山頂。

崩壊部。

コバイケイソウの群生。

新越山荘。

熊注意。いやマジで。

登山道の至る所に熊のフンと食痕。尋常な数ではない。

ルリビタキ(メス)。

岩小屋沢岳山頂。

キヌガサソウ。

種池山荘。

旅の仲間と乾杯。この日テントを張るも夜大雨となる。

3日目。爺ヶ岳ピストン。日の出前に出発。

立山、剱岳。

爺ヶ岳中央峰山頂。

歩いてきたルートを一望。

稜線を流れ落ちる滝雲。

戻る途中でライチョウの親子に会った。

下山。柏原新道を下る。

沢崩壊部。上部からの落石注意。

柏原新道入り口。

扇沢ゴール。

ダムカレーを食べる。旅の仲間とはここでお別れ。またいつかどこかで。

新宿行き高速バスで帰路に着く。

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック スタッフバック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ
タオル 帽子 グローブ サングラス 着替え 地図
コンパス ノート・筆記用具 腕時計 カメラ 登山計画書(控え) ナイフ
修理用具 ツエルト 健康保険証 ホイッスル 医療品 虫除け
熊鈴・ベアスプレー ロールペーパー 非常食 行動食 テーピングテープ 軽アイゼン
トレッキングポール GPS機器 ストーブ 燃料 ライター カップ
クッカー カトラリー
【その他】 モバイルバッテリー、日焼け止め、アルコールジェル、マスク

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登った山

岩小屋沢岳

岩小屋沢岳

2,630m

鳴沢岳

鳴沢岳

2,641m

赤沢岳

赤沢岳

2,678m

スバリ岳

スバリ岳

2,752m

針ノ木岳

針ノ木岳

2,821m

蓮華岳

蓮華岳

2,799m

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